バッツと魔法のランプ
 すべてを無にしようとする者との戦いから一年。再び放浪の旅に出ていたバッツは、タイクーン城に立ち寄っていた。レナやファリスと旅の途中であったことについて話し込んだあと、彼が城の中を歩いていると、城の奥にある宝物庫の扉が目に入った。見張りの兵士もいなかったので、バッツはその中に入ってみた。
 見張りもいないだけあって、中には役に立ちそうなものはほとんどなかった…が、棚の上においてある古びたランプが目にとまった。それは、旅の途中でバッツ達が手に入れ、旅が終わった後はずっとタイクーン城に置かれているものだった。
「魔法のランプ、か…」
 バッツはそのランプを棚から下ろして手にとってみた。
「こいつをこすると召喚獣が出てくるらしいが…これを手に入れたころには全員全ジョブマスターで『みだれうち』ばっかやってたから一度も使ってなかったな…ちょっとだけ使ってみようかな」
 バッツはあたりをきょろきょろ見回し、誰も宝物庫に入ってくる気配がないのを確かめると、魔法のランプをこすってみた。すると、たちどころにランプから吹き出した怪しい煙があたりにたちこめた。
 使った後になって、攻撃系の召喚獣が出てくる可能性があることを思い出し、狭い部屋の中でむやみに使ったことをちょっと後悔したが……ランプから出てきたのは…
「さあ、願いを言え。どんな願いでもひとつだけかなえてやろう」
 ランプから出てきたのは、召喚獣ではなくいかにも怪しげな、異世界ではランプの魔人、とでも言うのだろうか、そんなやつだった。
「な、なんだこいつは?召喚獣が出るんじゃなかったのか?いったいこれは…」
 バッツが予想外の事態におびえていると、
「願いはないのか?意味もなく私を呼び出す不届き者め!」
 ランプは何か攻撃呪文のようなものを唱え始めた。これはまずい、何か願いを言わないと何がおきるかわからない。バッツはとっさに言った。
「うーん……じゃあ俺はほかの人と入れ替わってみたい」
 ランプの魔人は、願いを聞くととたんに呪文詠唱をやめてうれしそうに、
「それならたやすい願いだ。誰と入れ替わりたい?」
 そこへ、部屋にレナが駆け込んできた。急いできたのか、相当息を切らしている。
「レナ!どうしてここに?」
「バ…バッツが…宝物庫に…入っていって、そのあと…ここから変な煙が出てきたって聞いて…何かあったんじゃないかと…心配になって…」
 バッツがレナのほうを振り返った瞬間、魔人が言った。
「ほほう、おまえはその女と仲がよさそうだな。ならばおまえとその女とを入れ替えてやろう!」
「え?な、なに!?」
「!!!おいちょっとま……」
 バッツが反論する間もなく、辺りがまた怪しい煙に包まれた。一寸先も見通せない煙の中、バッツは声を聞いた。
「願いはかなえてやった。では、さらばだ」
 その声が聞こえるや否や、バッツは気を失った。



 どれくらい時間がたっただろうか。いったいあれはなんだったんだろう。それよりレナは?彼女は無事か?
 まだ意識がはっきりしない中、バッツはやっとのことで辺りを見回した。しかし、室内にはなぜか隅のほうにバッツが倒れていた。なぜだ?俺はここにいるはずなのに…。それに、レナの姿が見当たらない。体には妙な違和感がある。
 とにかく、なんとか起き上がって”バッツの体”のそばまで行った。いったいどうなっているのか、彼の判断能力はないに等しかった。とにかく、”バッツの体”を揺り起こしてみる。
「おい、目を覚ませ、お……!?」
 彼は愕然とした。彼が発したはずの声は、紛れもなくレナの声だった。それで、自分の足元へ視線を落とすと…自分がミニスカートをはいているのが見えた。そのスカートから、魅力的な白く細い足が見えていた。胸の辺りには、彼には慣れない感触と、二つのふくらみがあった。
「本当に…俺とレナとは入れ替わったのか?」
 レナの声がそうつぶやくと、彼の目の前の”バッツ”も目を覚ました。
「う……ん…」
 レナは目を覚ました。しかし、目の前にいたのは…間違いなく自分自身だった。
「ええええっっっ!!!?ちょっと、どうして私がそこに……!!!」
 しかし、驚きの声を上げたレナは、すぐに自分の口を押さえた。なぜなら、その声がバッツのものだったので。
「…!レナ?じゃあ、やっぱり俺とレナとは入れ替わったんだ!」
「じ、じゃあ、あなたがバッツってわけ?」
 バッツの体に入ったレナが、レナの体に入ったバッツに言う。
「う〜ん、ま、そういうことになるな」
 バッツは、レナの体の頭をかきながら言った。レナの姿にもかかわらず、バッツによるそのしぐさは王女ほどの女性のしぐさとは思えなかった。
「ちょっと、いったいどういうことなのか説明してよ!あと、私の声で男言葉なんか使わないで。あと髪をそんな乱暴にかくのやめてよ。ヘアースタイルが乱れちゃうでしょ」
 レナがそれをみてあわててまくし立てる。
「まぁまぁ、そう興奮すんなって…それに俺の言葉で女言葉使うのもやめてくれよ。なんか気持ち悪くなっちまうから」
「何でこんなことになったのか説明しなさいよ」
 バッツ姿のレナがレナ姿のバッツににじり寄る。
「そ、それは……まぁ、いろいろ事情があって話すと長くなるけど…ところでさ」
「いいから早く言いなさい」
「せっかくの機会だからさ、お互い異性の体験ってもんをちょっとだけしてみるってのも悪くないんじゃないかって思うんだ」
 そう言いながらバッツは宝物庫の入り口のドアのほうに歩いていく。
「ちょっと、どういう意味よ」
 すると、バッツは宝物庫のドアを閉め、内側から鍵をかけてしまった。
「ち、ちょっと何する気?」
「せっかくだから女の気持ちってもんを知りたくなってさ」
 そういうと、バッツは自分(レナの体)のあちこちをさわり始めた。バッツは手始めに自らの胸へと両手をやった。
「へえ、レナの胸って大きくはないけどいい形してるな」
 服の上から胸を両手で包み、その感触を楽しんだ後、自分の脚へ手をやった。そこには本来の自分と違った曲線の美しさ、感触のやわらかさが感じられた。
「いいよなあ、この脚なんか…きれいだ。さすが王女様だ」
 バッツは脚全体をなでるように触る。すると、ふれたところから電気信号のようなものが走り、わずかに脳に快感が走るのがわかった。それは、バッツにとって初めての感触だった。
 もう一度胸へ手をやる。手が触れたその時、さらに強いパルスが脳に伝わった。その刹那、バッツの衝動は一線を超え、その乳房を強くもみしだいていた。それまで自分の体を触っていたのを唖然として見ていたレナだが、バッツがレナの体で自慰行為をはじめるのを見て、ついに我慢できず止めにかかった。だが、既に本来の主の意思を離れ、暴走をはじめたその手には、外からの静止もきかない。
「いや!バッツ、やめてよ!!」
 レナが必死でしがみつき、乳房に激しく執着するその手を胸から離そうとする。しかし、もうレナの叫びはバッツの理性には届かない。次第にレナのその顔にうっとりとした恍惚の表情が浮かんでくる。まだ少女の面影を残す小さな唇から歓喜の喘ぎが浮かぶ。
 レナには、本来の自分のそんな欲情に憑りつかれた表情を見るのが堪えられなかった。なんとか止めようとする必死の形相のその目にはうっすらと涙が浮かび始める。
 バッツは、それまでやわらかさを伝えていたその手の内にあるものが、次第に硬く、張ってくることをおぼえた。胸の張った感じとともに、そこを掴む毎の刺激もより鋭敏になるのを感じた。胸から伝わるその刺激は、元の自分では絶対に得られない未知の快楽だった。
 そしてもうひとつ、自分の股間部が激しく疼いているのがわかった。微かに濡れているような感触がある。そこに、スカートの中に手を入れてそこを触れたいという衝動が脳裏によぎる。未知の快楽への欲求の虜となったバッツは、その衝動に最早逆らう理由はなかった。
 レナの細く長い指はバッツの意思により自らの秘部へと進んでいく。レナが続ける抵抗も空しく、その指はミニスカートの内側に到達した。
 そのとき…
「バッツ!レナ!大丈夫か!」
 ファリスとクルルが宝物庫のドアを破って入ってきた。しかし、そこで二人が見たものは…頬をピンク色に上気させ、恍惚の表情を浮かべて左手を自分の乳房に、右手を自分の股間にあて自慰行為にふけるレナと、それを真っ赤になって泣きながら必死に止めようとするバッツだった。
「レナ!な、何やってるんだ!」
 ファリスは、必死にレナの行為を止めに入る。クルルは、レナの行為の様子に状況が理解できず、ただ混乱していた。
 二人がかりでなんとかレナを止めたものの、レナはその行為を止めようとしない。仕方なくファリスは、宝物庫にあったロープでレナの体を壁にぐるぐるに縛り付け、身動きできないようにした。
「バッツ、これはいったいどういうことなんだ?」
 一緒にいたバッツが原因だと思ったファリスは、バッツを問い詰めようとした。
「…バッツが…バッツが…」
 しかし、バッツは泣きながらそう繰り返すばかり。バッツにしては様子がおかしい。クルルが時間をかけて話を聞き出し、その話から二人はこの状況を理解した。
 原因はわからないが、バッツとレナの体が入れ替わり、レナの体を手に入れたバッツがその体で自慰にふけり始め、それをバッツの体を手に入れたレナが止めようとして止めきれなかったところにファリス達がやってきたというところのようだった。
「そうか…バッツの奴め…」
 ファリスは、壁に縛り付けられたバッツのところへ歩いた。
「おいバッツ、そんなに女を体験してみたいか?」
 ファリスがレナの体の顔を上げさせ、その目を見た。バッツに操られたレナの顔は先ほどまでの快楽の余韻で、まだ頬を上気させている。その火照った顔には、普段の面影はすでに無く、その目はさらなる快楽を求める女の潤んだ目だった。そして、それがファリスの質問に対する答えになっていた。
「そうか、……それなら……」
 ファリスの口許に歪んだ笑みが現れた。
「俺たちが女の気持ちをおまえに教えてやろうじゃねえか」
 そう言うと、ファリスは抵抗できないレナの体の胸を服の上からわしづかみにし、力強くリズミカルに揉み始めた。
「……は…あっ…」
 その可憐な唇から歓喜の声が漏れる。自慰のせいか、その胸は既に固く立ち上っていた。力を加える毎により大きな嬌声が上がる。その甘い声と手の感触に、ファリスは満足気に言った。
「へえ、随分と俺の妹を可愛がってくれたみたいだな。じゃあ余計な前戯はいらないな。何、心配するな。中身はバッツでも体は俺のかわいい妹だ。そう手荒なマネはしないさ」
 ファリスは手の動きを止め、手際よくレナを壁に縛り付けた紐を解き、すかさずレナの両手を後ろ手に縛った。そして、レナの体を床に横たえた。
「壁に縛ったままじゃやりにくいからな。こんどはこんな生やさしい責めじゃないぞ」
 左手をレナの肩にまわし、抱き寄せる。間近に迫ったその顔が赤く熱を帯び、高められた荒い息遣いが誘ってくる。ファリスはそのまま、息の漏れる唇をふさいでいた。レナはあっさりとその侵入を受け入れ、逆に溜まっていたものが一気に溢れるように求めてきた。両手を縛られていたために、それがレナにできる唯一つのことだった。
 口でレナと絡み合う一方、ファリスの手はレナの美しくも乱れた髪を優しく撫で、もう一方の手で対照的に刺激的に体の上を這わせた。その手は胸の上から徐々にのび、股間部に達した。その部分をスカートの上から指先でピアノを弾くように2,3度軽くつついてみる。
 それだけでレナの全身が震え、さらに舌の動きが激しくなるのがわかった。唇をふさいだまま何度かそこを弄んだあと、その手をついにはスカートの中に差し入れる。レナは抵抗もせず、ただ身をまかせるままだった。
 妹の体を責めつづけながら、ファリスは思った。
 俺は何故こんなことをしてるんだ?レナをこんな目に遭わせたバッツへの制裁か?それとも…俺はもともとこんな趣味があったのか?俺は今、たった一人の大事な妹の体を…いや、そんなことはもうどうでもいい…
 "彼"は、その体がもたらす未知の快楽に酔いしれていた。ファリスに乳房を強く揉まれ、体に触れられるごとに、もっと触れられたいという欲求が強くなっていく。胸が痛いほどに張り、秘部が物理的刺激を求めてくる。その全てが永遠に続いて欲しいと思えるほどだった。
 もっと感じたい、スカートの中に手を入れたい、しかし背中に後ろ手に縛られているせいでそれは叶わなかった。だからファリスが侵入してきたとき、"彼"はその気持ち全てを舌に預けた。体を支えるものがない"彼"は、手が動くならこのまま目の前のファリスを抱きしめたかった。
 キスの最中も、ファリスの指遣いは絶妙を極めていた。感じるところを押さえつつも、はやる"彼"の気持ちに反しその周辺をゆっくりじらすように動き回る。そのおかげで"彼"は初めての経験でより長くより強い悦楽を味わうことになる。
 ファリスは、なお執拗に舌で唇を求めるレナから唇を離した。
「どうだ?気持ちいいだろう?女の体は女が一番知ってるもんだぜ」
 レナの体はもう限界寸前まで高まっているはずだった。顔はもちろん全身が熱を帯び、目が朧ろになっている。その目がなぜやめるの、と哀願するように見えた。そこまでしておいてなぜ責めをやめたのか。
 せっかくの機会にこのままいかせては面白くない。ファリスは妙案を考えついた。
「おい、レナ、クルル、ちょっとこっちへ来い。お前達も手伝え」
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