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FF官能小説スレ Part4
- 1 名前:◆13.YufyI投稿日:02/04/22 02:07 ID:vECBC2LY
- FinalFantasyシリーズの二次創作小説をアップするスレです。
内容は健全から成人向けまでなんでもどうぞ。
他のスレでFFの小説を見かけてもこちらに強制的に誘導する
ことはしないで下さい。
■前スレ
FF10官能小説EX
http://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/997616900/
FF官能小説スレッドPart3
http://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/1006492608/
■小説・スレッド保管サイト
FFDQ千一夜物語@2ちゃんねる
http://north-cape.parfait.ne.jp/alflailawalaila/
- 2 名前:ホイミソ ◆1Lr6Li4Y投稿日:02/04/22 02:09 ID:1rtM10oc
- /⌒ヽ、
ヽ( ・∀・)ノ 2get-
ノリリ从ルヽ
- 3 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:19 ID:???
- ハイウィンドの甲板でティファは一人、空を眺めていた。
今、ハイウィンドは北の大空洞に向かっている。眼下を流れる景色を、クラウドはじっと見ていた。ふと振り返って気づく。
「あれ、ティファは?」
「さっき出てったよ」
答えたのはレッド?Vである。尻尾をぱたりと振ってクラウドを見上げた。
「ティファが出てったのにも気づかなかったなんて・・・クラウド、何考えてたの?」
バツが悪そうに頭を掻いて、クラウドはコクピットルームを出た。そこには相変わらずユフィが陣取っている。
「ユフィ、ティファ知らないか?」
「う〜、ティファ?さっき・・・甲板に・・・おえ〜」
「ありがと」
クラウドは甲板への階段を登った。ドアを開けた途端、強い風が吹き付けてくる。目を細めながら周囲を見回し、
クラウドはティファを見つけた。
(何を・・・見ているんだろう・・・?)
艶やかな長い黒髪を風に流し、その紅茶色の瞳で見つめているのは何なのだろう?クラウドは、その横顔の美しさにドキリとしながら歩み寄る。ティファは気づかないようだ。
「・・・ティファ?」
クラウドは、そっとティファの背後から彼女の腰に腕を回し、抱きしめた。
「きゃ・・・クラウド?」
一瞬驚いた様子を見せたティファだったが、相手がクラウドであると知って、安心したように笑顔を向けた。クラウドは、さらにもう少し腕に力を込めてティファを抱き締める。
「何・・・見てたの?」
そのクラウドの問いに、ティファは小さく首を横に振る。
「見てたわけじゃないわ」
「?」
ティファの瞳が少し揺れた。
- 4 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:23 ID:???
- 「考えて直していたの、私の戦う理由。皆、見つけてきたのに・・・
私はあやふやなままで・・・。こんなんじゃ、いけないって」
「あやふやって・・・。俺だって、確実な答えを見つけた訳じゃないさ。
漠然としたものだって構わないよ。正解を求めてる訳じゃない」
「そうだけど・・・」
どうティファに言えばいいのか分からず、クラウドは困ったように
ティファの肩越しに流れる風景を見ているしかなかった。
しばらくそうした後、クラウドはティファに尋ねた。
「ティファの戦う理由って何?今、考えていたことでいいよ」
「やだ・・・だから、すごいあやふやで・・・」
「それでも聞きたい」
クラウドはティファの腰から腕を離さない。その事実に動悸を抑えきれない
ティファは、そんなクラウドの問いにさらに混乱する。考えていた自分の戦う理由。
それはクラウドも言った通り、個人的な思いだ。アバランチに入って星を救う、
と活動してきたが、魔晄炉の爆破、それに対する神羅の報復などで、
ティファは自分達のやり方が間違っていたことに気づいた。その後、
自分はいったい何の為に戦ってきたのか?
「私ね、理由はいろいろあるの。パパやニブルヘイム皆のため、自分の
思いのためでもある。親友だったエアリスの笑顔と命のためだし、
それに・・・」
ティファはそこで言葉をためらってしまう。一番の理由、それは・・・。
(なにより、一番頑張ってるクラウドのためなんだよ・・・)
でも、それは今ここで口に出しては言えない。とても言える状況じゃない。
なのに、クラウドは楽しそうに聞いてくる。
「それに・・・何だよ?」
「・・・教えない」
頬を染めてうつむくティファを見て、クラウドは胸を熱くする。
ティファの最後の答えもクラウドはほぼ分かっている。だから、
嬉しい。こんな、最後の決戦に向かう今でさえ、勇気が湧いて
くるのだ。クラウドの腕の中で微かに身をよじってティファは
クラウドに言う。これ以上、この状況でいたら心臓が破裂しそうだ。
- 5 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:25 ID:???
- 「そろそろ戻りましょ。準備もしなきゃ・・・」
「んー、もう少し」
クラウドはティファの反応を楽しんでいるのか、笑みを浮かべたまま彼女を
離さない。
「もう・・・クラウド?」
口ではそう言いながら、ティファは本気で嫌がっているわけではない。
少しクラウドに自分の身体を預けて、瞳を閉じた。安らげる最愛の人の体温を
感じていたかった。クラウドは、そんなテイファの髪に頬を寄せ、その甘い香りを吸い込む。
ティファが、ティファの存在が・・・ティファへの気持ちがあれば俺は何だってできる。
もう後悔はしたくない。負けたくない。彼女を・・・皆を守りたい。彼女に辛い想いをさせたくない・・・。
それが俺の戦う理由。だから・・・行くのだ。求める未来を手に入れるために。
終わり
- 6 名前:ギコガード ◆FFDQ/roc投稿日:02/04/22 02:56 ID:???
- スレ立て代行ありがとう>1
今から前スレで未完のままになっている小説を貼ります。
まずはGZさんのキマリXユウナから。
- 7 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:56 ID:???
- 「いつも明日を待っている」
キマリは十年前のある日を、時折思い返す。
あのグレードブリッジの祭りの日、はぐれないように少女を肩に担ぎ、人混みに
紛れ進んでいた。熱気と喧噪がエボンの中心地を包む。
誰もがナギ節の到来に浮かれざわめく中、少女と彼とだけが祭りの恩恵から
外れたかのように、沈黙を守っていた。キマリ自身についてはスピラの大半の
人間とは違う様相をしているロンゾ族ということもあってか、誰も彼に喜びの
言葉一つ、かけようとはしなかった。元より無口なことが多い上、今は肩の上の
少女を。無事目的地に送り届けることに気を奪われていた。
少女の沈黙の理由は、その時のキマリには漠然としか分からなかった。彼女の
境遇についてはまだ概要しか知らず、少女とも先刻、逢ったばかりである。ただ、
父の使いだとしか伝えていない彼の肩に乗り、賢明に小さな手足を回している。
不意に、視界を色とりどりの光が覆った。花火が上がったのだ。絶え間なく
打ち上がるそれは彼を一瞬立ち止まらせたが、気を引くには至らず、再び歩を
進める。
しかし少女が身をよじったのに、又立ち止まった。見ると、首どころか上半身まで
曲げて、光の立ち止まる方を見ている。
「きれい」
そう口にすると、キマリに向き直り、少女らしい笑みを見せた。
- 8 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:57 ID:???
- 「行こう、キマリ」
自身、口にしたかどうか忘れていた彼の名をはっきりと告げると、回してきていた
手足の力を込めた。意外としがみつく力は強く、彼はよりしっかりと
支え直すことでそれに答えた。
出逢ったばかりの少女と長い旅を始めようとしていた彼、父親を亡くした少女の
笑み、果てしなく続く祭り、すべては夢のようだった。
そう、夢でなければ、彼は何故こんなところにいるのか。
狭い部屋には最小限の物しかなく、それが主の性質を表していた。その人は寝台で
横になり、キマリが部屋に入り、近づいても気付かない。
彼は傍らで膝をつき、傷つけないように、その大きな手を相手の頭にのせ、
柔らかな髪を指先でそっとなでた。掛け布から透けて見える体の線は、この人が
少女ではなくなりつつあることを示していた。
「ユウナ。キマリは来た」
呼びかけに、はたしてユウナはゆっくりとまぶたを開けた。
姿を認めたのか少し身を起こすと、身をかがめた彼に、「キマリ」と、腕を
伸ばしてきた。
- 9 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:57 ID:???
- それは、何度目だったろうか。
「ユウナ!」
ルールーが悲鳴を上げるのに、キマリは駆け寄った。
場にはワッカもリュックもいたが、彼らに目を向ける余裕はない。キマリは
膝をつき、地に倒れ伏したユウナをそっと抱えた。頭部は打って
いなかったが、体のどこかを強く打った可能性がある。
ひとまず、呼吸があることを確かめると、頬を軽く叩いた。
「あ・・・」
切なげにそう漏らすと、ユウナは気を取り戻した。目が何かを捜すように
泳ぐ。ふと、止まったと思うと、一瞬、その表情が苦しげに歪む。それも
すぐに戻ったが、
「ごめん。私、まただね」
そう言って、身を起こそうとした。皆が一声に動いたが、ルールーが
ユウナの前に身をかがめ、両肩を押さえたのが一番早かった。
- 10 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:58 ID:???
- 「いいから。休みなさい、起きているのは却って毒よ」
「そういやあ、俺もちょっと昼寝したくなってきたな」
ワッカがそう言って、あくびなどひとつした。演技だと一目で分かるのが
彼らしい。
「よし、今から皆で昼寝にしよう。後の仕事はそれからだ」
「何であんたが仕切ってるの」
「悪いかよ」
「らしくないの」
噴き出したのはリュックで、続いてルールーも笑った。ワッカは何事か
ぼやいていたが、ユウナがかすかに笑ったのを見たのか、その表情は
不機嫌なものではなかった。
ひとしきり笑った後、リュックがユウナに抱きついた。
「ね、ユウナん。一緒に休もう」
キマリの腕の中で、ユウナは軽く身じろぎした。頷いたのだ。
「そうだね。そうしよう」
その一言で、一同の空気が和らいだのは事実だった。そうして、ユウナが
倒れる直前までしていた仕事を、一旦片づけるために動き出す。
キマリはそこでようやく、ユウナの怪我を確かめることができた。彼の
意図を察してくれたのか、ユウナは体を動かされるままになっている。手や
足に打ち身は見えない。それ以外の、腹や背に何かあったのなら表情に
現れていただろうが、その様子もない。どうやら今日は、倒れ込んだ敷物が
衝撃を和らげてくれたらしい。心配はなさそうだった。
- 11 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:58 ID:???
- 「ありがとう、キマリ」
感謝の意を表してだろう、腕に触れていた手に少し力を込めてから、
ユウナの手は離れた。立ち上がるのを支えようとしていた彼を、手と目とで
制する。
その後を継ぐようにリュックが、歩き出した彼女と腕を組んで
歩き出したが、ユウナの背に疲労が見えているのは、彼以外の目にも
明らかだったに違いない。
ユウナとその仲間が急に一休みすると言い出しても、不満を漏らす者は
いなかった。むしろ、「ユウナ様たちは働きすぎるんだから、少しは
休んだ方がいい」と、午後一杯の休憩を言いつけられたぐらいである。
それでも、ユウナとリュックが休んでいる家の外で、キマリは地に座り、
起き続けた。平和になった、しかも長年住んできたビサイドで何を
しているのか、と笑われたこともある。しかし彼は、以前と同じように、
ガードとしての仕事をし続けていた。
とはいえ、昔と今とでは、変わったこともある。以前はこうしてユウナが
眠りにつくときは常に側で彼も眠ったが、今は皆で野宿するときを除けば、
彼女が休むときは扉一枚、距離をおくようになった。
そうなったのは、シンが消滅し、ユウナが己の使命から解放された日では
なく。
あの日以来だ。
「やっぱり、起きていたんだ」
声をかけられたので見ると、ルールーが一人でこちらへ歩いてくる。
- 12 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:58 ID:???
- 「ワッカは」
「寝かせてきたわ、自分まで気に病んで、起きている必要は
無いんだからって言って。今は大いびきかいてる」
側に眠っている人間がいるので、やり取りも自然と小声である。戸口まで
来ると、彼女は扉の幕から中を覗いた。
「リュックに、薬を飲ませるように言ったの。よく効いているみたい」
その薬の強度がどれだけのものか、ルールーの表情で全て察することが
できる。きっと、それぐらいでないと、効かなくなっているのだ。
ルールーは戸口から離れると、キマリの側で座り込んだ。辛そうな表情を
隠さないことも、今までの彼女なら考えられないことだ。
「シンがいなくなって、・・・ユウナを本当の意味で幸せにできるって、
思ったのに」
そう。なのに、現状はどうだろう。
ユウナはこのビサイドを中心に、シンに破壊された世界を復興させるための
手伝いに奔走している。家族との間を往復しているリュックや、ブリッツ
ボールの後輩を指導しているワッカは時折だが、ルールーとキマリは、
彼女の旅に必ず着いていった。
シンを消滅させた人であるし、世界中を回る人間でないとできない仕事も
あるので、行く先々で、ユウナは歓迎されている。そしてどんなに割に
合わない、辛い依頼でも喜んで受けている彼女に、誰もが驚嘆している。
- 13 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 02:59 ID:???
- けれど、誰も気付いていない。いや、いつも側にいるからどうしても
気付かざるを得ない仲間たちを除けば、ユウナは賢明に周囲に悟られまい、
としている。
シンを倒してから、彼女は食べ物を受けつけていない。少量なら何とか
食べられるが、とても生命を保たせられるだけのものではない。
そして、よく眠れなくもなっている。どんなに疲労していても、明け方に
やっとまどろめればよい方だという。
ユウナは自分の異変に気付いたとき、隠さずに告げてくれたが、誰も
どうすることもできないでいる。せいぜい、今、ルールーがそうした
ように、睡眠のための薬を飲ませることぐらいだが、それも段々と
効かなくなっている。
「本当に、どうしてこうなったんだろう?」
誰にともなく、ルールーが言う。
理由はいくらでも挙げられる。
シンが消失し、長年にわたる召喚士としての使命から解放されたために、
一気にこれまでの疲労がのしかかったこと。
復興のために、これまで以上にほとんど休まずに働いていることから体に
無理がきたこと。
シンを倒すためとはいえ、自分が信じ切っていたエボンの教えを根底から
覆してしまったこと。
相談に訪れる人たちの心の苦痛を、真正面から受け止めすぎてしまうこと。
・・・しかし、何よりも彼女の心を、その生命ごと奪ってしまうほどに
消耗させている理由は、ひとつしかない。
「あいつがいれば、変わったかな」
ルールーは晴れ渡った天を見上げ、そう漏らした。
まるでそうすれば、天の光の髪を持つ少年が、ユウナが愛した男が
舞い戻ってくると信じているかのように。
- 14 名前:ギコガード ◆FFDQ/roc投稿日:02/04/22 03:00 ID:???
- と、ここまで。
次はR@no-nameさんのシーモアXユウナです。
- 15 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:00 ID:???
- 祭三番手逝くぜー
//////////
「まだ召し上がられていないのですか?」
卓上の冷たくなりつつある料理の皿を眺め、その落ち着き払った視線を、
ユウナの方へと向ける。
「食べたくないんです」
ベベル宮に入ってから、ユウナは、殆どものを口にするということをしな
かった。
極度の心労のためか、全く食欲が湧いてこない。
手つかずの食事を前に、ただ椅子にかけ、立ち上る湯気が薄れていくのを
眺めるばかりであった。
「昨日もそう申されていましたね」
一拍の間。
「せめて、お茶の一杯くらいは、口にしてくださると嬉しいのですが」
卓の一方に、飾りもののように並べられた茶道具を手にして言うと、長い
指でそれを起用に扱い、シーモアは支度を進めていった。
茶瓶に保温瓶の湯をゆっくりと注ぎ、馴染ませるように磁器の器を温める。
「……自分で出来ます。後は私が」
席を離れ、シーモアの側に立つ。
「いえ、これは私の仕事ですから」
磁器の肌が温まる頃合いを見て、湯を盆に捨てると、匙で計った茶葉を
茶瓶ヘ入れる。茶葉の中には、乾燥した果実のようなもの、細かい木片の
ようなものが見られた。
「どうして、そんなに私を気にかけるのですか……?」
握り締めた手のひらに、鈍い過去の感触がこみ上げてきた。
- 16 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:00 ID:???
- 「私は……貴方を殺したのに!」
シーモアに最後の時を刻み付けたのは、ユウナだった。
「何故、そのようなことを思われるのですか?」
相手が罪人であれ、人を殺めたという結果に変わりはない。鼓動を止めた
肉体が崩れる瞬間と共に、事実は深く心に沈澱していた。
「貴方は、もしや私が召喚士としての能力を利用するためだけに、貴方を妻
として選んだと、そう思われているのでしょうか?」
そう言う間も、シーモアの手が休まることはなかった。
再び茶瓶に湯をあふれる程度に注ぎ入れると、水面に浮いた泡を軽く匙で
すくい取り、茶瓶の蓋を戻した。
「もしそうなのだとしたら……ユウナ、私はとても悲しいです」
紫水晶の瞳が、磨き上げた切っ先の如くユウナを射抜く。
「!? ……老師?」
「シーモアと呼んでください。この屋敷に私と貴方の二人だけなのですから」
寺院の高位僧等が宿泊するために建てられたという離れが、仮住まいとして
ユウナに与えられていた。
「シー……モア?」
恐る恐る、名を口にすると、シーモアは満足げな笑みを浮かべた。
「私は貴方を、一人の女性として愛しております」
ユウナは、俯いて頬の裏を噛み締めた。
- 17 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:01 ID:???
- 「私は……わからない」
不可解な感情が、胸の中で膨れ上がっていく。
「貴方のことが好きなのか、そうでないのか……わからないんです」
例え抱き締められたとしても、快も不快もなく立ち尽くしてしまいそうな、
捕らえどころのない心の揺らぎが襲ってくる。
「時に、貴方は男性に好意を持たれた経験はおありですか?」
シーモアの手が、ユウナの頬に伸びてゆく。
「いいえ……人を好きと感じたことはあります。けれど、貴方が言う好意と
いうものとは、違う感情だと思います」
長い指と、爪が髪に絡む。
「ユウナは考えすぎてしまうのですよ。自分が思うこと、感じること、
皆心の奥深くに閉じこめてしまう」
二人の身体が接近し、ユウナは、シーモアの胸に抱き寄せられる恰好に
なった。
空気と衣服の壁を隔てて伝わってくる体温と、香を思わせる微かな匂いが、
死者と生者の境を一層あやふやにした。
「貴方を、解き放って差し上げましょう」
恐怖とは異なる高鳴りが、ユウナの胸を責め立てた。
- 18 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:01 ID:???
- 「しかし、その前に体調をしっかり整えていただかなくては……」
思い出したように身体を離し、シーモアは卓に向かった。
「意地を張って、これ以上無理を続けるというのなら、本当に身体が参って
しまいますよ?」
シーモアの声は、空恐ろしいくらいに穏やかで、優しい。
「どうぞ、お座りください」
促されるままに、ユウナは、椅子に戻った。
「私の口から言うのは少し違うかも知れませんが……ユウナの曇った顔を
見ているのは、私も辛いのです」
時に冷徹で、時に柔和な眼差しが、ユウナの心から何かを薄く削ぎ取って
いった。
小石が砂に磨かれるように、微量ながらも確実に外殻を浸食し、やがて、
内側を全て露わにされてゆく気がした。
「そろそろ葉が落ち着く頃ですね」
大きめの鉢に、茶瓶の中のものをいったん移し、湯で洗っておいた茶杯に
少量ずつ分けて注いだ。
うっすらと紅色を感じる水色。
目の前に出された茶杯を手に取り、ユウナは、その縁に口を寄せた。
花の香りがする。
少し、甘い。
喉を伝って落ちる液体を、渇いた胃壁が貪欲に取り込んでゆくのを感じた。
- 19 名前:ギコガード ◆FFDQ/roc投稿日:02/04/22 03:04 ID:???
- てなところで、未完のものは転載完了かな?
作者さんがお戻りになることを祈りつつ……。
蜜國さんの小説は本人から続きを書かないと
承ってますので、転載しませんでした。
>3-5
(・∀・)イイ!
- 20 名前:3-5(瑠璃)投稿日:02/04/22 03:31 ID:???
- >>19
ありがとー。
最近何かとクラティ不足しがちだからねー。
- 21 名前:瑠璃投稿日:02/04/22 03:38 ID:???
- (ティーダ×ユウナ小説も書いてあったんで載せときます…)
穏やかな昼下がり。
ユウナはビサイドの海岸へ続く道を歩いていた。
時々振り返ってみたりしながら。
坂道を越えてしばらく歩くと彼女の目に青と白で彩られたものが留まる。
――――ブリッツボール?
こんな道でどうしてこれがあるのかユウナには訳が分からなくて。
しかし、そのボールがある近くには大きな木。
近づいてボールを拾い、辺りを見回す。
そして大木を見上げると、それには似合わない色合いのものが目に付いた。
黄色と黒で彩られた、それ。
ユウナには見覚えのあるもので。
確認をするかのように更に上を見ると、黄金(きん)色の髪を持つ少年が枝分かれし
ているところで眠っていた。
ユウナは小さく微笑うとボールを軽く彼に向けて放った。
――――が。
「――――…ってぇ〜っ!」
軽く投げたはずのボールは彼の顔面に見事に当たってしまい、彼の絶叫が聞こえたの
と同時に落ちてきたボールを拾うと思わずその身を隠してしまう。
“ど、どうしよう……”
本当は足を狙っていたのに、どうして顔のほうに飛んでしまったのか。
ボールを抱え込み心の中で「ごめんね」と何度も彼に謝っていた。
反対側に隠れていた時に風が吹いて、ユウナの着物の袖がそれにつられて泳いだのと
「ユウナみっけ!」
と頭上から明るい声が降ってきたのがほとんど同時。
慌てて袖を握り締めようとしたけど、ボールを抱えたままではそれもできず。
観念して近づくと、少し赤く染まった鼻を擦りながらティーダが見下ろしていた。
でも明るい笑顔を湛えたままで。
- 22 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:40 ID:???
- 「もしかして、さっきぶつけたのユウナッスか〜?」
「ご、ごめんね! 顔に当てるつもりは、なかったんだけど……」
言葉尻がだんだん小さくなってしまい、ユウナは俯くしかない。
「見事なコントロールだよな〜」
「だってわたし、ブリッツの選手じゃないから――――」
責めてるよりはむしろ楽しんでいるようなティーダの口調にささやかな抵抗と言わん
ばかりに返すのが精一杯で。
ユウナの様子に笑った後、「よっ」と言って彼女の前に飛び降りた。
高い木から飛び降りてきたティーダのその軽い身のこなしについ見惚れてしまう。
「キミはどうしてここにいるの?」
ユウナはふと気になったことを口にしてみる。
今は海岸で他のみんなとブリッツの練習をしている時間。
それなのに――――?
「あー、休憩中ッス。ほら、木の上って見晴らしがいいから気持ちいいし。ユウナも
登ってみる?」
「あ、そうなんだ」
言った後で「あ、その格好じゃちょっと無理かな」と頭を掻く。
ロング丈の巻きスカートに目を留めて。
彼のその表情につられて微笑うと「じゃあ、今度ね」と返した。
「でも、さっきワッカさん、寺院のほうに来たよ? キミの居場所知らないかって」
「えっ!? ま、マジ!?」
ユウナの言葉にティーダはかなり慌てた様子で辺りを見回す。
それがユウナにはおかしくておなかを抱えて笑い出した。
- 23 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:42 ID:???
- 「やっぱり……サボってたんだ」
笑いを堪えながら話すのにうまく言えなくて、声も少しばかり上ずって。
口許に手を添えて止めようとしたけど、それでも彼女の笑いは収まらない。
「もしかして……騙した?」
ユウナを指差しながらティーダは訝しそうな表情を浮かべる。
もしかしたら彼女には全てお見通しだったのかもしれない。
「でも最初に嘘ついたの、キミだよ?」
くすくすと微笑いながらユウナは悪びれた様子も見せない。
手にしていたボールをティーダに返し、ユウナは頭上に広がる青空を見上げた。
雲の白と空の青、それを美しく見せるように輝く太陽と。こんな日にはのんびりしたくなると思うのは誰もが同じで。
「ユウナこそ、どこに行こうとしてたんすか?」
「わたし? ちょっと散歩ってとこかな」
「ふ〜ん」
ボールを人差し指の上で回して遊びながらティーダは「いいよなー。オレもそうやっ
てみた
いッスよ」とぼやく。
「もしかして木の上にいたのも見つからないため?」
木の上を指差した後、小首を傾げて聞くユウナにティーダは頷く。
「だってさ、こんな日に練習なんてする気起きないッスよ。のんびりしたいじゃん」
「でも抜け出すのは良くないよ。もう、戻ったほうがいいんじゃない?」
海岸へ続く道のほうをちらりと見てユウナは心配そうに声を潜める。
「だーいじょうぶだって。ユウナはオレといるの嫌なの?」
「えっ? そ、そんなこと、ないけど……」
「だったらさ、ここで過ごそうよ。時間、あるんだろ?」
彼の誘いを断る術など彼女は持ち合わせていない。
「うん」と頷いて、彼に手を引かれるままに最初に見つけた大木の下に歩く。
木陰が出来ているところで二人して腰を下ろした。
- 24 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:43 ID:???
- 「でも、どうしてここで寝てるのが分かったんすか?」
草の上で寝転んだ格好のティーダが驚いた風に聞いてくるのに、ユウナはくすっと笑う。
「だってブリッツボールが落ちてたから。こんなところで見つけたら不思議だと思う
でしょう?」
「そうなんだ。見つからないように隠してたんだけどな〜」
少し離れた草むらに隠していたらしいのだが、どうやら穏やかな風に乗せられて道に
出ていたらしい。
まったく内緒ができないよなと苦笑しながら青空を見上げる。
「こうやって昼間にいるのって久しぶりだよね」
ユウナも青空を見上げたままだったが、穏やかな声で話し出す。
昼間はティーダはブリッツの練習で海岸にいるし、ユウナは寺院で訪れる人々の話を
聞いたり書物の整理などを手伝っている。
もちろん、寺院にいる僧官は大召喚士さまにお手伝いなど――――とかなり遠慮して
いるようだったが、彼女の「何もせずにいるのは嫌だから」という意志は固かった。
生真面目な彼女らしいと言えばそうかもしれないけれど。
おかげで二人がこうやって外で会うことは難しくなっていた。
「今日、サボって正解だったな。こういうのスピラでは『エボンの賜物』て言うんだ
ろうな。まあ、今では言わないんだろうけど」
「わたしもここでキミに会えるとは思わなかったからびっくりしたけど、そうかも
ね」
隣で寝転がっているティーダの顔を覗き込むように近付けてユウナは穏やかな笑みを
浮かべる。
「ここでユウナにキスできたら更にそう思えるんだけど」「えっ!?」
悪戯っぽく笑いながら言われたものに思わずユウナの顔は真っ赤に染まる。
妙に頬が火照ってしまって思わず彼を覗き込んでいた身を起こそうとした。
しかし、それを彼が許してくれるはずもなく、半身を起こして彼女の肩に腕を回して
引き寄せようとしたとき――――。
- 25 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:44 ID:???
- 「ユウナ様! どこにおられますか?」
どこからともなく聞こえてきた声に二人は驚いたように顔を見合わせたが
「ユウナ、こっち!」
肩に回していた腕を解き、手を掴むと声がするのと逆のほうに回り、彼女を大木に凭
れさせた。
ティーダは持っていたボールを草むらのほうに放り込む。
「風に運ばれないかな……」
「大丈夫だって。ボール抱えたままだとユウナを隠せないだろ?」
袖、握ってたほうがいいッスよと耳もとで囁かれ、ユウナは慌てて自分の着物の袖を
腕に巻きつけた。
隠れている間、ユウナの鼓動は高鳴ったまま。
いきなりキスされそうになったこと、それから聞こえてきた声から逃げるように走っ
たこと。
そして今、背中には大木、目の前には間近すぎるくらい近くにいる彼の間で身動きが
取れなくなってる状態で緊張していたこと。
ユウナの内面での変化にティーダが気付くはずもない。
しばらくするとユウナが歩いてきた方向から僧官らしき人物がやってきた。
辺りを見渡しながらユウナを探しているようで。
「どこに行かれたんでしょうな、ユウナ様は。『シン』を倒した時のことを聞きた
がってい る人が来ておられると言うのに――――」
二人が近くにいるのを知ってか知らずか、僧官はそう呟いた後、再び歩き出した。
ティーダがその場から去っていく僧官の姿を木の間から覗き込む。
彼の黄金色の髪も結構目立つので、そんなに顔は出せないのだが。
僧官の姿が完全に見えなくなったのを見届けた後、ティーダは目の前にいる少女の顔
を見た。
少し頬を赤く染めたまま俯いている彼女を。
- 26 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 03:46 ID:???
- 「ユウナこそ、サボってるんじゃないすか」
「こういう穏やかな日は外に行きたかったから……」
心なしか張りがないユウナのそれにティーダは思わず吹き出した。
「お互いさまッスね」
「……そうッスね」
小さくだけど返されたユウナの声。
「さっき散歩だって言ったけど、ホントはキミに会いに行ってたの。こんな日ってキ
ミに似てるなって気づいたら急に会いたくなったんだ――――」
続いて聞こえてきたものは彼を喜ばせるのにはあまりにも十分すぎて。
告白したものの何も返してこないティーダが気になって顔を上げると、目の前の少年
の顔が少し赤くなっているようにも見えて。
上目遣いで見つめるユウナのオッドアイと目が合うとティーダは照れ隠しのように頭
を掻いて視線を逸らした。
「キミでもそんな顔になるんだね」
落ち着かない彼の様子にユウナは新しい発見というように表情を明るくした。
いつも彼の言動にどきどきしていた彼女がこうやって彼を動揺させるなんてないと
思っていたから。
「そんなこと言われたらすっげー嬉しいって!」
赤くなった顔を隠すように俯いたままだけど、口調はすごく嬉しそうで。
そして大木に左手をつき、空いたほうの手でユウナの頬を優しく撫でる。
次に何が来るのか気付いたようで、彼女はゆっくりと瞳を閉じた。
木陰で交わされるやさしいキス。
こんなひだまりの下で日差しのように温かいぬくもりに身も心も包まれながら
ユウナは心の中で呟いた。
『これもエボンのたまものだね』
終わり
(以上です…また何か思い付いたら書きます、おやすみなさい)
- 27 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 13:26 ID:T7bgtPFk
- こちらでは1月末辺りに発売されたFFXを、週末にちまちまと進めること3か月。
やっと本日クリアいたしました。余韻に浸りつつ、あのエンディングはどうよ?と他人
のコメント等を見てみるつもりで2chに来てみたら、あらびっくり。凄い小説があるで
はないですか。3時間程かかってPart2(EX)の小説を一通り拝見しました。皆さん文豪
ですね、すばらしいです。特に伝説の661さん(=蜜國さん ですよね?)の描写が
最高。あと、694さん、722さんの作品も良かったです。Part3が読めないので、
他の作品は暫く待たなくてはならなのが残念です。
追記
作品を拝見していて気付いた点ですが、ティーダ(Tidus)の台詞が『〜ッス』
で終わっていますね。これはちょっと軽すぎです。やはり日本語を当てるべきではない
ような気がします。Tidusは普通だったけど、JechtとAuronはもう、それはそれは
渋かったです。
- 28 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 17:42 ID:???
- >>27
『〜ッス』は、ティーダのステータスだと思うんだが……
- 29 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/22 17:45 ID:???
- >>28
sageになってないし……
大人しく逝ってきます……
- 30 名前:R@no-name投稿日:02/04/22 22:37 ID:???
- 新スレ感謝しまズサー |
___ __________/
∨ プルルンッ ゚ 。
o゜ 。 ゚ o (
,, /( ゜ 。 ゜ (´´;;
/ ゚o\ ) ゜ (´´ (´⌒(´´
と(´Д` と⌒つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
某事情により激しく沈んでましたが原稿はチャソと進んでますから
後日ウpしますのでおながいしまそ
シリコーンで顔面型取りしつつ逝ってきます
- 31 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/23 23:08 ID:???
- 新スレ出来てて良かったよ〜。
蜜國様の続きが読めないのはものすご〜くすご〜く・・・(小一時間)残念だが、
R@no-name様が帰ってきたし、新しい方々もいるのでこれからが楽しみだ。
- 32 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/25 00:49 ID:???
- >>3-5
エロじゃないけどいい!FF7マンセー!
こんどはエロも出来たらお願いします。
- 33 名前:R@no-name投稿日:02/04/26 00:10 ID:???
- はい続きいますですよー
//////////
小さな茶杯は、瞬く間に底が露わになった。
「お気に召されましたか?」
「……はい」
器に残った滴も余熱で気化し、香りを含みながら淡い蒸気となって立ち上っ
ていった。
胃の辺りが、微かに温く感じる。
帯の下から奇妙な唸り声がしたのは、その直後のことだ。
「やっ!」
直ぐさま腹を押さえ込んだ。
シーモアは手を口に寄せ、目を細めて笑った。
「おや? そちらはもう降参のようですね……どうです? デザートだけでも
味見されてみては?」
頬の辺りから上に向かって、一気に熱が広がっていった。
「あ、あのっ、後でちゃんと食べますから……その、そこまで御心配されなく
ても……!」
ユウナは、顔を伏せたまま早口で言った。
「では、残してきた仕事がありますので、私は失礼しますよ。食器は入れ替わ
りに来る使用人に下げさせるように言っておきましょう」
そう言って静かに一礼すると、シーモアは背を向けて、部屋を去ろうとした。
「……待ってください」
「何か?」
振り返るシーモア。後ろに流れる鎌の形に湾曲した枝髪は、成熟した雄山羊
の角を思わせた。
「わたしからも、話したいことがあるんです。後でまた、部屋に来ていただけ
ませんか?」
「それでは、なるべく静かな時間に伺うことにしましょう。よろしいですか?」
「はい、お待ちしています」
- 34 名前:R@no-name投稿日:02/04/26 00:12 ID:???
- //////////
寝室の窓からは、中庭を一望することができた。
夕食と沐浴を終え、ひとまず寝間着に袖を通したユウナは、寝台に脚を伸ばし
て座り、蓮池と月の風景を眺めていた。
ほぼ真上の満月からの光が水面に弾かれて、白夜連の花を一段と青白く輝かせ
ている。美しいが、儚げな景色だった。
玄関の呼び鈴が訪問者の到着を知らせた。
寝間着の上に薄手の羽織を掛け、ユウナは、明かりを点けながら小走りに玄関
へ向かった。
「遅くなってしまった。申し訳ない」
シーモアは法衣よりも簡素な、墨色に近い藍と水浅葱色に染めた着物を纏って
いた。
- 35 名前:R@no-name投稿日:02/04/26 00:15 ID:???
- 「どうぞ、上がってください」
「このような夜更けに訪れることになった次第を、どうかお許しください」
「いえ……来てくださって、本当に感謝しています」
ユウナは、シーモアを客間へ案内した。
「あの、お掛けになりますか?」
「お気遣いなく。このままで伺いましょう」
部屋の中央で、向かい立つ二人。
「ユウナ」
昼間のことが頭に浮かび、どうしても、顔を伏せてしまう。
シーモアの視線を、恐れていた。
「話を、聞かせてください」
//////////
警告でちたよウトゥ……
またちょっと沈みますのでよろひく〜
- 36 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/26 16:43 ID:M5p/RJ6k
- 下ーがーりーすーぎー。
- 37 名前:R@no-name投稿日:02/04/28 03:44 ID:???
- ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
=( ´∀`∩< 保全ー
\_____
- 38 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/29 01:15 ID:???
- 千一夜スレ落ちちゃったみたいだね・・
- 39 名前:ギコガード ◆FFDQ/roc投稿日:02/04/29 15:34 ID:???
- >38
ガーソ・・・
新マシン購入で環境移行している間に・・・
- 40 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/29 18:00 ID:???
- 次の更新はいつ予定ですかー!!!!!>ギコガードさん
- 41 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/04/30 13:33 ID:???
- 続きを待ってます。
- 42 名前:R@no-name投稿日:02/05/01 04:36 ID:???
- おはよう日本。そしてお休み自分<殴
//////////
ユウナの手を包み、しっかりと力をかけて握ってくる。
生を持たぬ身体だというのに、その手のひらは温かで、口元は柔らかな
微笑みを浮かべていた。
「シーモア……わたし、貴方を好きになるのが怖い」
瞼に焦げ付いた光景。彼方を向いた瞳が、生命を失った唇が、ユウナの
目の前に被さって、離れない。
「何を恐れているのです? 私が死人だからですか?」
瞼の縁が、じゅっと熱くなった。
「わたしは、人を好きになったことがありません。だから、貴方を好きに
なってしまうのが、何か……自分が変わってしまう気がして」
シーモアが肩を掴む。
自ら腕を回しながら、ユウナは、震えを帯びた声で言った。
「シンのこと、スピラのことも何も、他のことが考えられなくなってしまいそう
なんです! そんな、自分がそんな人間になってしまうのが、怖くて……!」
胸の中に引き寄せられ、きつく腕で縛られた。
「変、ですよね? ……こんな風に、男の方に抱き締められたこともないん
ですよ?」
氷の爪で切り裂かれ、無情な刃に貫かれることを、ユウナは願っていた。
一思いに奪ってくれるのならば、相手を憎み、恨むことも出来るのに、
シーモアは優しくて、温かい。
//////////
一人スレは……ツライなぁ(´・ω・` )ショボソ
- 43 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/01 09:18 ID:???
- 最萌えでもりあがってるからね
- 44 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/03 00:25 ID:???
- 待ってました!
- 45 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/03 01:00 ID:???
- きしょい
- 46 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/05 01:30 ID:???
- 保全カキコ
- 47 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/05 03:41 ID:???
- R@no-name様ガンバレー!!
コソーリ応援してます!
- 48 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/05 18:51 ID:???
- 私もひそかに応援中( ´∀`)
- 49 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/05 22:21 ID:???
- 私も
- 50 名前:R@no-name投稿日:02/05/06 00:37 ID:???
- //////////
「そうやって、自分を閉じ込めたまま……貴方は、生きてこられたのですね」
男の手が、顔を上げさせ、頬に流れる滴の跡を拭う。
「わかりました。明日からは一切、私は貴方を愛することはないでしょう。貴方
も、私という男に抱いた感情は、全て捨ててください」
「何故です? ……わたしと結婚すると、貴方はおっしゃったではないです
か!?」
シーモアの唐突な発案に、ユウナは、戸惑った。
「恋人と配偶者は、違うものなのですよ」
ユウナの涙で濡れた指が、唇の上に重ねられた。
「私にとって、貴方は大切な人です。しかし、そう思うことがユウナを苦しめる
のならば、私はこの思いを捨て、感情を偽ることもいとわないのです」
爪の先が、唇の隙間をなぞるように移動し、その手が頬に添えられた。
「もし私が、貴方への感情を捨てることが出来なかった時は、どうぞ、迷うこと
なく私を異界へ送ってください」
シーモアの瞳が迫る。
「ただし、貴方が私を断ち切れなかった時には……その身体、朽ち果てる
まで私のものになっていただきます」
//////////
多謝×10000!!>all
- 51 名前:R@no-name投稿日:02/05/06 03:19 ID:???
- 事故レス>
モアシーの最後の台詞、「いただきますよ」の方がヨカッタカモ...
「ます」でも断言しる風味で又良しか
自分で言うのもびみゃうだけどね……(w;
- 52 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/06 23:15 ID:???
- 「いただきます」でいいと思う。
いや、
「いただきます」がいいと思う。
R@no-nameさん頑張って!
- 53 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/07 18:30 ID:wzQlenlM
- 保全!! R@no-nameさん自分のペースで頑張って下さい!!
全力をageてこのスレは落とさん!!
- 54 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/08 17:14 ID:???
- 同じく!
- 55 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/08 19:34 ID:???
- age
- 56 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/09 22:15 ID:???
- だれもいない…
書き込むなら今のうち…
マカラーニャの森、青い光に満たされた聖なる泉。
月光の下、二人の想いが一つになった。
身体を寄せ、唇を重ね、手を繋ぎ、ただ流れに身をまかせた。
二人の間をさえぎるものなど、何一つ無い……何一つ……
それが悲しい錯覚に過ぎないことは知っていた。
出会った時より少し逞しくなった少年にきつく抱きしめられ、ユウナは至福の喜びを感じながら、ふと悲しい結末を思った。
わたしには、使命がある。
自分の命と引き換えになるとしても、果たさなければ。
そういう生き方を、選んだ。
引っかかった棘のように、小さく、しかし消えない痛みだった。
今だけは忘れたい、と願った。
ずっとこんな時間が続けば良いのに。
一夜の夢でしかないなんて。
至福の余韻がまだ残る中、二人並んで膝を抱え、無言で泉を見つめていた。
泉の光は天の星へ向かうようにゆらゆらと立ち上り、夜の風に溶けていった。
ときおり、少年が手を伸ばしてユウナの黒髪を撫で、梳いた。
ただそれだけのことでも、耳や首筋に指が触れるのを感じるたびに、震えが走った。
鼓動の音を聞こえてしまうのではないかと、奇妙な焦りを感じた。
落ちつかなげな様子に気づいてか、少年が顔を覗き込む。
「ユウナ、寒いのか?」
「……ううん」
深い青の瞳に見つめられると、恥かしいような気がして、下を向いて首を小さく横に振る。
すると、肩を軽く叩かれた。置かれた掌の感触が、暖かかった。
気遣うような、少年の声を聞くまで。
- 57 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/09 22:19 ID:???
- R@no-name様の祭りに乱入してスマンです。
でも、まだ続く予定…許してちょんまげ。
かー、酒入ってなきゃできねえなぁ、こういうことは。
- 58 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/09 23:04 ID:fUhWIjJ6
- ティユウいいですな・・・じゅるり・・・
- 59 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/09 23:07 ID:???
- さげ忘れ逝ってきます。。。
- 60 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/10 18:00 ID:???
- 3〜5はパクリですよ。
よく行くHPの小説です。
そこはエロはありませんしそこの管理人さんが
ココに載せるとはとても思えません(苦笑)
- 61 名前:60投稿日:02/05/10 18:07 ID:???
- もし3〜5を載せたのがそこの管理人さんでしたらスミマセン。
でも絶ッ対ありえない!!(笑)
万が一そうじゃなかったら謝罪してくださいね。
- 62 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/10 18:18 ID:???
- 21〜26もたぶんパクリだよ。
- 63 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/11 01:56 ID:???
- ちまっと続きをば…コソーリ
「そろそろ、みんなのところに戻ろうか?」
はっとした。
キリ、と胸が痛んだ。
---もう、この夢は醒めてしまうの?
このまま、朝が来て、そうして再び旅が始まる。
あとどれぐらい、一緒にいられるのだろう。
きっと、遠くない未来に、別れが訪れるだろうに。
淋しかった。とてつもなく。
『もう少し、側にいて』
声になりかけた言葉は、無理やり飲み込んだ。
キミとずっと一緒にいたいけど、きっとそれは無理だから。
これ以上、好きにならないようにするよ……
「うん……先に戻る?」
顔を上げることは、できなかった。瞳の奥が熱い。涙を隠した声は、わずかに揺れた。
「はーい」
少年が立ち上がる。
しっとりと濡れた草が、足元でかすかに音を立てた。踵を返し、元来た道を引き返そうとしている。
2、3歩、遠ざかる気配。
これで、いいんだ……
心臓が凍りつくようで、けれど胸には熱いものがこみあげてくる。ひとりでに頬がゆがむ。歯をくいしばっても、もう抑えきれない。
「う…うぅ……ッ、うっ……」
目の端から熱い雫がはらはらと流れ落ちた。鼻の奥がツンと痛い。たまらずに両手で顔を覆う、その隙から声が洩れた。
今、泣いたらいけない……わかってはいても、どうにもならなかった。
- 64 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/11 13:24 ID:???
- ギコガード様
前スレの229〜237の蜜国さんの作品は保管サイトに載せないんですか?
Awakenという題のです。
- 65 名前:ギコガード ◆FFDQ/roc投稿日:02/05/12 01:59 ID:???
- 前スレの小説で完結してるものは保管しますよ〜
- 66 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/12 02:02 ID:???
- パクリ疑惑がでてますがw
どうされます?
こういうこともあるんだね
- 67 名前:R@no-name投稿日:02/05/12 04:11 ID:???
- ``) 人おひさしズザーーーーーーー
⌒`)`) / |l \
≡≡≡;;;⌒`)≡≡≡⊂´⌒つ´∀`)つ
;;;;⌒`)⌒`)""""""""""""""""""""""""""""""
しばらく来ないうちに随分場の雰囲気が変わってしまったような……
転載を肯定するわけではないですけども、あましそーいう指摘合戦とかは
度が過ぎると余計な厨を呼ぶので勘弁してホスィ
(wにゃんまげ様ファイツv
- 68 名前:ギコガード ◆FFDQ/roc投稿日:02/05/12 06:14 ID:???
- 転載ものはもとより保管してないっす。
疑わしきは……どうしようかな。
スレそのものは保管してるから今更かもしれないけど。
- 69 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/12 10:32 ID:???
- 21〜26は実際に載せてるサイトがありますよ。
- 70 名前:64投稿日:02/05/12 19:38 ID:???
- 「Awaken」は完結してるやつです。蜜国さんが他の小説の執筆中に
ちょっと別のものを・・・って感じで載せたものです。
できれば保管して欲しいです・・・。
- 71 名前:ギコガード ◆FFDQ/roc投稿日:02/05/12 22:43 ID:???
- 蜜国さんのお話と、今回転載じゃないの、と言われてる
話とは別だと思うんですが……。
一応、ぐーぐるで調べてみますよ>怪しいヤツ
- 72 名前:60投稿日:02/05/13 13:00 ID:???
- 指摘合戦とかする気はないです。
もしそういう風に不快に感じられたのならごめんなさい。
でも3〜5の小説は私が昔から大好きで
ずっと通ってるサイトの小説なんですよ。
それも記念すべき1作目。
だから私にとっても大事で思いで深い物なんですよね。
もし転載したのがそこの管理人さんだったら良いなぁと思ってます。
私もこのスレは好きなんで余計に無断転載とかは許せない所あります。
- 73 名前:業務連絡投稿日:02/05/13 20:17 ID:???
- ギコガードさんのおつかいです。
FFDQ最萌トーナメントにて自炊支援小説を書かれた方で、保管しても(・∀・)イイ!という方は
FFDQ千一夜物語 題(第)百八十五夜にアップして下さい。
ご協力お願い申し上げます。
失礼致しました。
ttp://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/1021132657/l50
- 74 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/14 00:07 ID:???
- みなさん、マターリいきましょうや……
R@no-name神が嘆いていらっしゃる…・・
すすり泣きが聞こえる。
背後のユウナの様子に異変を感じ、ティーダは立ち止まった。
振り返って見ると、うずくまったユウナの小さな背中が震えている。
「ユウナ……泣いてるのか?」
答えは無い。ただ嗚咽だけが聞こえている。
「大丈夫か?」
傍らに寄り地に膝をついて、ユウナの肩にそっと手を置いた。
小刻みに震えていた肩が、びくん、と反応した。
やがて、ユウナはゆっくりと顔を上げ、ティーダを見上げる。
「ティ……ダ……あ……」
何か言いかけるが、言葉にはならない。
色違いの双眸から涙があふれ、睫毛を濡らす。
ユウナはティーダの胸の中へ倒れこむように、しがみついてきた。細い指先が肩にきゅっとくいこんだ。
「う……ティ……っ、う、あぁっ……」
ぽろぽろ、と涙がこぼれた。
声をあげて、ユウナは泣いた。
こんなに無防備な彼女を見たのは初めてだった。
- 75 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/14 00:09 ID:???
- 本文が長すぎるってかちゅに怒られた…ショボーン
「ユウナ……?」
突然の涙に戸惑いながらも、子供のように泣きじゃくる少女を強く抱きしめる。もともと小柄な少女の身体が、いつも以上に小さく感じられた。
「どうしたんだよ、急に?」
すると、ユウナはぶるぶるとかぶりを振る。
「……何でも、ない……何でもないよ……っ」
「何でもないって、そうは見えない・……」
「違うのっ、何でもないのっ・……」
叫ぶと、ユウナは突然ティーダを突き飛ばすようにして腕を振りほどき、身を引きはがした。勢いあまって地に手をつき、肩で息をついている。
日頃のユウナとは別人のような様子に驚き、ティーダは眉をひそめた。
「ユウナ……どうしちゃったんだよ?」
「ごめんね……」
「いや、謝るんじゃなくてさ……ユウナ、どうしたいんだ?」
しばらく、ユウナはうつむいたまま無言だった。片手で目元をぬぐい、唇を噛み締めている。
冷たい夜風が通り過ぎる。泉から発するほのかな光が、ユウナの濡れた頬を照らしていた。
焦れたティーダがもう一度言葉をかけようとした時、ユウナはやっと視線を上げた。
「ティーダ……お願いが、あるの」
掠れた声で、小さく言う。
「えっ……?」
聞き返そうとしたティーダの前で、ユウナは自ら白い衣に手をかけ、肩からするりと滑り落とした。
- 76 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/14 09:20 ID:???
- ようやく見つけた、この次スレ……(遅っ
>R@no-nameさま
続きが読めてうれしいです(感涙
>にゃんまげさま
おお!じゅる〜。がんばってください〜!
>60
当方、そのサイト知らなかったんですが、文中の文章で検索かけたら
まったく同じ文章をのせたサイトが出てきました。
タイトル「戦う理由」ってなってましたけど、合ってます?
>>21-26も出てきました。
こちらは「ひだまり」となっていました。
前者はそのサイトさんへのプレゼント、後者はそれとは別サイトの管理人さんの作。
同一人物の可能性も捨て切れませんが……。
とりあえずはパクリであろうとなかろうと、他所で「保存されている作品」として
「千一夜物語」への保管はしなくてもよいのでは、と思いますがどうでしょう?>皆様
- 77 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/14 16:26 ID:???
- 保全
- 78 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/15 12:21 ID:???
- にゃんまげ様待ち(笑)
- 79 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/16 00:27 ID:???
- あまり筆が早くないんですが、待ってくれる方ありがとうです。
肘から先を覆う袖や、帯紐の結び目を、華奢な指先が迷いなく解いていく。
はらりと衣が落ちて、ユウナの上半身が、夜気に晒された。泉のきらめきを受けて、透き通るような肌が青白く輝く。
未だ完全に大人の女にはなりきらないほっそりとした身体は、どこか危うさを秘めた硝子の彫像のように美しかった。
それと同時に、乱れた黒髪と胸元を隠す黒い下着とが、肌の白さとあざやかに対比して、清らかな中にもどこかぞくりとするような色香を纏わせている。
地に膝をついたまま、恥らうように少しうつむいた横顔は、赤く染まっていた。
何が起こっているのかもよくわからないまま、ティーダはただ、茫然と見とれた。
「ティーダ」
震える声が、囁くように呼んだ。
「わたしを……抱いて」
言葉の端は夜風に溶け消えた。木々が揺れ、ざわめく。
「……!」
はっとティーダは我に返った。弾かれたように立ち上がり、少女の裸体から目を背けてくるりと後ろを向く。動悸が乱れ、頬が熱くなるのを感じた。
「ユウナ、何言ってるんだよ」
「だめ……かな……」
「冗談、だろ?」
ユウナが冗談でそのようなことを口にするはずがないことをわかっていながらも、そう言わずにはいられなかった。
嘘であってほしい。しかし、その願いも空しかった。
- 80 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/16 00:30 ID:???
- 本文が長いとか、行が長すぎとか、いろいろ制約があるんだのう…知らなんだ。
「わたし、本気だよ……」
弱々しくはあるが、はっきりした意志のある口調だった。
ティーダは、自分の中に、苦い感情が湧きあがるのを意識した。
なおも続けようとするユウナを、ティーダは静かに、しかし強く遮った。
「止せよ」
低く、力のある声。
背後から、息を飲む音が聞こえた。
もう一度、ティーダは繰り返す。
「やめるんだ」
そう言うと、唇をきりと引き結んだ。
少女が身じろぎする気配が、伝わってくる。
しばしの沈黙に耐えかねてか、先にユウナが口を開いた。
「どうして……わたしのこと、嫌い……?」
「そうじゃない」
軽く首を横に振る。無意識のうちに握り締めていた拳に力がこもった。
「俺、ユウナが好きだ。本気で好きだよ。今まで、こんな気持ちになったことないぐらい……
だから、ユウナのこと、大事にしたいんだ。……今はまだ、そういうことはしたくない」
据え膳食わぬはなんとやら…ふがいないティーダでスマンです。ゆるしてちょんまげ。
- 81 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/16 21:16 ID:???
- ドキドキっす!!
- 82 名前:R@no-name投稿日:02/05/17 02:46 ID:???
- 11ワショーイの最中、無事書き込めるのか……ドキドキ
//////////
ユウナは、息を封じられた。
シーモアが唇を堰き止めていた。
花束に顔を押し付けたような、むせ返るほどの甘い目眩は、唇の拘束が
解けた後も続いた。
意識が頭から抜けてしまいそうになる。酷くのぼせた時の感覚に似ていた。
「今宵、我が思いの全てを、貴方に託します」
隠喩を匂わせる言葉。
「わたしは……貴方を愛せるのでしょうか?」
経験のない行為への恐れが、胸を騒がす。
「不安ですか?」
「……はい」
シーモアは腕を解き、ユウナの肩に手をかけた。
「行きましょう、ユウナ」
//////////
*-------------------*
|こ こ ま で 書 い た|
*-------------------* と(w
- 83 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/17 06:32 ID:???
- ご両名、頑張って下さい
- 84 名前:奈々氏投稿日:02/05/17 09:37 ID:???
- 良スレマンセー (*⌒ヮ⌒*)ワーイ
がんばれ!名作家さん!ここのファンです!
マターリ鑑賞させていただきます
- 85 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/17 19:08 ID:???
- うまいなぁ。
プロの方なのかと思ったりする。
- 86 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/17 23:03 ID:???
- R@no-name様がいらした!
ええ感じのチューでドキドキであります。ここからいよいよですか!?
定期的に保全してないと、11スレに流されて消滅しかねないですな。
- 87 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/18 14:14 ID:???
- むう
- 88 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 02:48 ID:???
- 「クラウド…」
ティファが喘いだ。
クラウドは角度を確認しながらゆっくりと侵入していく。
とろとろだけど、キツイ。
亀頭の先端の穴の内側までむかれるように柔襞にしごかれながら、クラウドは太い吐息を洩らした。
奥まで落ち着くこともせずにすぐにまたゆっくりと引き抜いていく。
「あぁあ…ぁん……っ…」
ティファが腰を切なげに、小さく振った。
目を閉じ、ゆたかな乳房が上向いて、彼の動きでふるっと揺れた。
そのわずかな動きで、クラウドの理性が吹き飛んだ。
- 89 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 02:49 ID:???
- ドキドキ待ち・・・
- 90 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 02:51 ID:???
- 「…………」
クラウドは短く息をつくと、無言で激しく動き始めた。
ずりゅ…ぶちゅ…ちゅっ…
卑猥な音響が濡れて暖炉の前に響く。
「うん…あん…あぁん…んっ…んっ…」
ティファが腰を、彼の動きに合わせて打ちつけはじめた。
絶妙のフォローに、クラウドはさらなる熱意をもって応じる。
ずちゅ、ずっ…ずん、ずん、ずんっ!!
ティファがうわごとのように喘いでいる。
「ああ…あん…クラウド…すごい…すごい…ん…ん…ぁん…あん…!!」
クラウドは彼女の両脚を膝で折り曲げ、胸のほうに押しつけた。
あらわになった結合部分に全体重をかけて、動き続ける。
キツイ。
すごく、きつかった。
ティファが叫んだ。
「あぁーーーーーーーーーーーー!!!っクラウ…」
- 91 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 03:00 ID:???
- クラウドが引き抜くたびに、その幹に彼女の柔襞の内側がめくれあがってまとわりつき、露出される。
彼女の体液とクラウドのそれが交じり合って白濁し、泡さえたっていく。
彼が赤黒く脈打つ幹を引き抜くたびにそれは共に溢れだし、ティファの尻の曲線を伝わってつう…っと落ちて行く。
もはや、ぷちゅ、などという生易しい音ではなく、ほとんどぐっ、ぐっ、という重みのあるツラそうなまでの侵入の感覚音だった。
その音に、クラウドが貫くたびに一緒に流入するわずかな空気が彼の侵入のたびに無理やりに排出される、ぶ…ぶっ…という響きも、規則正しく混じっている。
卑猥そのものの音響だった。
「はッ…あ…ん、あ…あは…ぁ…!!くっ…」
突入のたびにティファは毛皮の上までずり上がり、引き抜かれるたびにわずかに戻る。
彼女はすっかりクラウドの動きによりもたらされる感覚に没頭して、目を閉じ、美しい顔を真っ赤にしてメスの声を混じらせて喘いでいた。
「もっと…ぉ…あっあっ…!!…クラウド…」
今夜はもう寝る
続きいる?
- 92 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 03:04 ID:???
- 89の者ですが、割り込んでしまって申し訳ないです。
続きがあるのならば読んでみたいっす・・・
- 93 名前:88投稿日:02/05/20 10:17 ID:???
- りがとー
名作続き待ちの暇つぶしにでも読んでね
じゃ今夜続きうぷするー
- 94 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 15:24 ID:???
- ここも人が少なくなったのう・・・さびしい限りじゃ。
でも告白してしまうよ・・・アーロン×リュックが読みたい、ってさ・・・
誰かお願いします「おっちゃん」で・・・
- 95 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 22:55 ID:???
- さきほどから窓枠ががたがた揺れているがクラウドとティファはその音に気付いてもなかった。
小さなアイシクルロッジを取り巻く森は風で重くうめいていた。
今夜は吹雪になるかもしれない。
二人のリズムは激しいまま一定し、うわごとのようなティファの喘ぎだけに神経を集中させながらクラウドは動きに没頭していった。
…いつも気をつけていたが、もう今夜はこのままフィニッシュまで突っ走っても構わないような気がする。
ティファはすっかり快感に酔いひしがれて彼をただただひたすらに受け入れている。
長いまっすぐな髪の毛が乱れてぐしゃぐしゃになり、頬や額に汗に濡れてまつわりついているが全く意に介していない。
これまでの長い旅で両手の指よりは少し余る程の機会を見つけて彼女を抱いたが、両者とも今夜ほど行為に夢中になったことはなかったかもしれなかった。
いつも仲間の誰かに気付かれないよう気配を殺し、喘ぐ声すら潜めていなければならなかったからだ。
だが今夜は夢中になりたかった。
もう何も考えたくなかった。
エアリスがいなくなってから、クラウドがますます”おかしく”なってから…終焉を迎える予感に二人共がそれぞれ、いままでになく強く捕われていた。
- 96 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 22:56 ID:???
- クラウドは上体を曲げるようにティファの胴を抱き、(呼吸が荒いので、囁きより数段乱暴な響きだったが)彼女の耳元に囁いた。
「ティファ…このまま、いいか?」
「んー…あ…ぁ…あ…あっ…」
ティファはうっすらと目を開けて、彼の顔を見た。
反射的な動きだろう、クラウドの首に腕を廻してできるだけ近くに引き寄せる。
「ん…あ、あん……いいよ…いいよ、はやく…」
潤んだ瞳がクラウドの視線を捉え、にぶくうっすらと理解の色を刷く。
「クラウド…きて…きて…ん…っ…クラウド、きて……」
ティファが喘ぎながら、抑えが一気に弾け跳んだような勢いでむしゃぶりついてきた。
腰がひたと密着し、滑らかな脚がクラウドの腰を絡めとる。
一瞬乳房にむにゅっと顔の全面を塞がれて呼吸不可能になり、クラウドは慌てて彼女の腕を振り解いた。
「…ティファ」
彼女はクラウドの両耳のあたりを両手で強引に挟み首を曲げるようにして近寄せると、我慢できないせつなさを滲ませた濃厚なキスをしてきた。
- 97 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 22:57 ID:???
- その唇をわずかに離して、弾む喘ぎを抑えながら小さな声で囁く。
「お願い!…ねぇ…、はやく!」
「……」
一瞬頭がくらくらして、クラウドは彼女を凝視した。
このままでは情熱のまま主導権を奪われてしまいそうだ…それでも一向に構わないが…だが、やはりクラウドはティファの両手をとると、掌をあわせて敷いている毛皮に押しつけた。
いつのまにかかなり端まで移動していたので暖炉の熱で乾いた木の床に直接、はみ出したティファの手の甲が当たる。
見ようによってはロマンティックな情景だがクラウド側の意識としては彼女を抑えつけて思い通りにしたいだけでほかにさしたる理由はない。
ティファも彼の意向を感じ取ったらしく、どこか酔っ払ったような視線を妖艶な感じに漂わせて我が身の不自由ぶりを受け入れたようだった。
やわらかく隆起した胸が短く浅い呼吸とともに気持ち良さそうに揺れ、暖炉の炎のあかるさを受けて輝く。
暗く磨り減った床と敷物の上で、そこだけが生きている証の世界のようだ。
無言のまま彼は彼女を眺めおろし、わずかな間中断していた動きを再開した。
- 98 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 22:58 ID:???
- 「あ……はぁ…ん…」
満足の吐息を洩らしてティファが抜きかける指を、体重をわずかに傾けて握り締め、抑えつける。
「ん……ん…クラ…ウド……」
ティファは肩をゆらし、両手を振りほどくことができないのを確認すると、再び縫いとめられている腰で彼の動きに応えはじめた。
柔軟なリズムで、何度も何度もクラウドのものをしめつける。
クラウドの脳裏で、初めてミッドガル7番街のセブンスヘブンで抱いた時の彼女の反応が、今自分の下でセクシーきわまる姿態で揺れている彼女の姿にだぶって消える。
あの時は無理矢理に近かったが。
クラウドの喉を、知らないうちに言葉が擦り抜けた。
「ティファ…俺は」
ティファは、紅潮した顔をわずかに仰向け、蕩けた瞳で彼の視線を捉えた。
「あっ…ぁっ……ふぁ…あ、な、なぁ…に…?…」
俺は、”クラウド”だよな。
続く言葉を低く鋭い呼吸と共に飲み込んだクラウドは、口を引き結ぶと彼女の緩やかに開いた唇を奪った。
- 99 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 23:00 ID:???
- おわらねー
じゃまた
- 100 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/20 23:31 ID:???
- イイ!!イイ!!!!!(;´Д`)ハァハァ
素敵すぎるっっ!!!ハァハァハァハァ
- 101 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/21 17:22 ID:???
- 期待の新人、88様登場だす〜!!良すぎるぞい!!
- 102 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/21 22:19 ID:???
- ありがとー
お目汚しも今夜でおわり
「んぅ……っん……ん…」
「…………」
熱い吐息の渦からクラウドは勢いよく頭をあげ、ぶるっと大きくふった。
”なにか”をその動作で強引に払いのけ、表情を隠すように彼女から視線をそらす。
急に離れた彼の動きを追い、首筋や胸に細い唾液の糸を光らせながらティファがためらいがちに身じろぎした。
「…クラ…ウド…?」
そのわずかな呼び掛けに、喘ぎとは別の響きがじわじわと混じりこんでくる。
「…だ…」
だいじょうぶ…?
その形に開かれた、濡れた赤い唇。
掌から逃れかけたティファの指を力まかせに握り締めると、クラウドは彼女の中に遊ばせていたものを容赦のない深いストライドにのせて突きいれた。
「きゃぁっ!」
ティファが悲鳴に近い高い喘ぎを洩らした。
怒張しきった幹をかろうじてカリの部分がとどまるまで大きく引き抜き、再び埋め込む。
クラウドの背筋の流れが陰影をもって浮かび上がり、規則的にうねりはじめる。
- 103 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/21 22:19 ID:???
- クラウドの動きをわずかでもとめるつもりか、反対に同調するためか、ティファは拘束された手の許す限り上半身を彼に摺り寄せてきた。
乳房が激しい動きに押しつぶされるようにクラウドの胸にこすりつけられ、不規則に変形する。
見る見る間にその間隔が縮まっていく。
「……あっ、あっ…あっ………あっ!あっ!あっあっあっあっあっ…あぁああああっ…」
その波と共にティファの声もどんどんせっぱつまっていく。
ティファは閉じていた目をいつのまにか見開いていた。
潤んだそのふちが上気しきって、熟れた桃のような湿り気をはなっていた。
「あっ…だめ…あっだめっもう…わっ…!!!クラウド…早く、クラウド!!」
切迫するその喘ぎに完全に一致した、荒々しい行為に無言で没頭しているクラウドの声が低く絡まった。
「…俺もイく」
「………ぁ…!…」
掌を解放し、その手で彼女の腰を両側からわしづかみにする。
鞭のような厳しさで叩きつけるように最後の抽入を果たすと、クラウドは吼えた。
「ティファッ!」
- 104 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/21 22:20 ID:???
- ティファが頭頂部を、床一面に広がった自分の髪にのけぞるように擦りつけた。
そのあらわになった柔らかそうな喉から、いつもの彼女の声とは全く違ううわずった叫びが細く細く放たれた。
「ぁふ…っ……あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
解放された指先を掻き毟るかのように折り曲げてクラウドのわき腹に伸ばす。
その小さい爪先が食い込んでくる痛覚を、だがクラウドは感じなかった。
先走る予感が脊髄をかけぬけていく。睾丸が強く収縮する。深深と包みこまれた幹が限界まで膨張する。
馴染みのエンディング寸前のからっぽな瞬間、クラウドは眼前にぼんやりと見開かれたティファの深い色合いの目を覗き込んでいた。
彼にはわからない女だけの悦楽の極みに潤んだその瞳に満ちて溢れ、こぼれおちんばかりになっている涙を見た。
理由のわからないざわめきを湛えたその涙を彼は覗きこんでいた。
彼女の唇がふるえながら囁いた。
「クラ……」
強烈な快感が全てを漂白し凌駕して炸裂し、クラウドは食いしばった歯の隙間からうめきを洩らした。
「…うぅ…っ……」
精液の塊が脈打ち力強く打ち出されている短い時間、そのわずかな間彼は全てを忘れた。
不安も、呵責も、怒りも憎しみも悲しみも、必ず戻るとわかってはいても彼は忘れた。
忘れられた。
「…ああ…クラウド…クラウド…クラウド…………」
どこかで誰かが彼の体を抱き、彼の名前をずっとずっと囁いていた。
屋根の上を過ぎる風の向きが慌しく変わる。窓枠は相変わらずやかましく、伸び縮みする暖炉の炎の影が陰鬱に部屋の中を彩っていた。
よろい戸の隙間の暗い空間に灰色の雪が際限なく現れては瞬時に飛び去っていく。吹雪になったようだった。
完
- 105 名前:にゃんまげ投稿日:02/05/22 00:35 ID:???
- 官能スレって感じになってきましたね〜 88さんステキ…
こんな濃厚な作品の直後に、少女マンガチックな駄作でスマンです。モウシワケナイモウシワケナイ。
****************
自分の思いを、きっぱりと告げた。
何の代償も要らない、ただユウナを愛したい。
初めて抱く思いだった。
ティーダは女を知らぬわけではない。
彼の居たザナルカンドでも、ブリッツは人々の最大の娯楽であり、ブリッツ選手、ましてエースであれば、常に華やかな環境に身をおくことが多かった。特に彼の場合、ブリッツにおいては偉大だった父を持つおかげで、ことあるごとに注目と話題を集めた。
その気になれば、女を抱くことなど容易かった。
有頂天になり、毎夜のように快楽に溺れたこともあった。
しかし、虚しかった。
互いに惹かれあっていると思うのは錯覚で、少女たちは「ザナルカンドエイブスのエース」しか愛してくれなかった。
人気者のエースの内面の部分は、両親を亡くした孤独でさみしがりの少年だった。孤独な少年は、愛されることもなく、暗闇で喘いでいた。
身体は満たされても、心は満たされない。
満たされないとわかっていても、心の隙間を埋めるために、身体の繋がりを求める……悪循環。
ユウナは、今まで恋した少女の誰とも違う。
全てを受け入れてくれる女性。
だから、自分もユウナの心の全てを、受け止め、受け入れたい。……それまでは。
「ユウナとはさ、簡単にそういう関係になりたくないな、って思う。だから」
かつて、出会った少女たちのような、そんな真似はしてほしくなかった。
そして、その少女たちを愛した時のようなやり方では、ユウナを幸せにできない。
「時間をかけたいんだ」
ぽつり、とユウナが呟く。
「でも、もう時間がない、かもしれない」
- 106 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/22 20:45 ID:???
- >>94に今頃激しく同意
アーロンとリュック・・・想像しただけで萌え〜〜〜
作家さん、もしよければおながいします
- 107 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/23 08:05 ID:L2ud1IYE
- 夜に浮かぶ飛空艇。暗闇の部屋、男がまどろんでいると、ドアが開く機械音と
共に、聞き慣れた軽い足音が響く。
「ねえ、起きてる?」
ああ、と低く応えると、足音はベッドの脇までやってきて止まる。
かさかさと衣ずれの音がする。シーツの中に生まれたままの姿で潜り込んで来た
娘は、にこりと笑うと男を組み敷き唇を奪う。柔らかな舌は滑らかに唇をなぞり、
口の中に侵入して、彼の舌を弄ぶ。男はなされるがまま、その様を細く開いた
隻眼で眺める。
アーロンはいつも何も着けずに寝床にいる。それがもともと習慣なのか、彼女を
待ってのことなのか、リュックは知らない。
「…キスが上手くなったな」
「誰のせいだと思ってんのよ」
それもそうだな、とアーロンは苦笑する。目の前の渦巻く翠玉色の瞳。
ほんの少し前までは、恋に恋する少女だった。それが今はどうだ。アルベド族と
いうのは、こんな事にまで器用なのか。
「おっちゃん、何考えてんのよ」
リュックは拗ねたようにもう一度唇を重ねる。マットを沈めるこの大きな身体が、
はかないい幻光虫の集まりだなんて、嘘だよね。そう思いたいけれど、あたしを
あきらめさせるために、そんな嘘つけるような人じゃない。あたしがそれをよく
わかったのを知ったうえで、あたしを受け入れてくれたんだから。
「おっちゃんは止めろ」
咎めるふうでもなくアーロンは言うと、リュックの頭を引き寄せ軽いキスを返す。
こういうときのアーロンは、いつも優しい。抱き合うときも、まるでガラス細工を
扱うみたいに、大事に抱きしめてくれて。
その優しさに、あたし感謝してる。でも、時々不安になる。
「あのさ、アーロン…」
リュックはベッドに手をつき、アーロンの顔を覗き込みながら、胸につかえて
いることを、ぽつりぽつりと話しはじめた。
「アーロンって、いつも優しいよね。それって、あたしに…同情してる?」
- 108 名前:107投稿日:02/05/23 08:07 ID:???
- 恐る恐るアーリュ。
>94,106
こんな感じでいかがでしょう?
- 109 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/23 12:02 ID:???
- 恥ずかしすぎて、とても読めないんですが、何か?
- 110 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/23 12:23 ID:???
- >>109
せっかく書いてくれた貴重なサービス精神の持ち主に対しその態度はどーかと
- 111 名前:GZ投稿日:02/05/23 15:54 ID:???
- 随分とお久しぶりです。
しかも今回は少しだけです。すみません。
*
少年の話をするのは、キマリにも難しいこととなっている。
ユウナが出会ったのは一人の少年だ。父に続いて召喚士となることに一心に
なっていたユウナと、父の後を追うように彼女のガードになった彼は自然と
惹かれ合った。
それでも生じていた壁もやがて崩れ、ユウナはそのひたむきさで男を愛し、
そして彼に、真っ直ぐな愛情を注がれた。
そして彼女が自分の目的、・・・シンを倒し、召喚士としての役目を終えた
とき、彼女は彼を失った。
ユウナは、何か知っていたのだろう。知っていなくとも、この結末を心の
どこかで悟っていたに違いない。しばらく後で、彼について一度、触れたことが
あった。
「あの人がいたのはここじゃないから、自分の元いたところへ帰っていったのかな」
だがその帰っていったものが、ここにいる彼女の命を奪いつつある。
それでも少年についてキマリが思い出すのは、二人が心を通わせ合ってから、
何のてらいもない、真摯な目でユウナを見ていたこと、ただそれだけだ。
*
- 112 名前:GZ投稿日:02/05/23 16:02 ID:???
- ああ、官能からどんどん遠ざかっていく。
修行したいです。
- 113 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/23 16:46 ID:???
- わーいわーいいっぱーい嬉
油絵も水彩もそれぞれいいッス!
作家の皆さんがんばてー!!
- 114 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/23 19:15 ID:???
- GZ様!お帰りなさいませーー!
あぁぁよかった。スレッド復活!
(*⌒ヮ⌒*)ゞ
- 115 名前:106投稿日:02/05/23 20:00 ID:???
- >>107様
本当に書いて下さるとは!どうもありがとうございます!!感動です。
歳の差20歳の二人が・・・ああ、萌え〜〜
もしかして続きもあったりしますか?ドキドキ・・・・
- 116 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/23 21:40 ID:???
- 続きでなくてもいい!
蜜国さんの小説を読みたいなぁ…
- 117 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/23 22:49 ID:???
- 116のものです。
続きっていうのは蜜國さんのティユウ小説のことです…
誤解を招いてたらゴメンよ、107のお話の続きは読みたいんだ〜
- 118 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/24 00:32 ID:???
- 蜜国さんのティユウ小説の続き楽しみにしてます
それにしてもここの書きて様達はみんなイィ!イィ!!最高です。これからも
がんばってください
- 119 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/24 09:21 ID:???
- R@no-name様ーーー。(´∀`)
シーユーの早く続きが読みたいよぉ。
いらっしゃいますかぁ?
ウズウズ。
- 120 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/24 10:24 ID:???
- 同志よ合力いたそう
蜜國様ーーー!
R@no-name様ーーー!
- 121 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/24 10:57 ID:???
- スレッド復活万歳 (*⌒ヮ⌒*)/
読者は作家さんを待っている。R@no-nameさん、蜜國さん、GZさん
それに精鋭新人作家さん!
続きキボーーーーン
- 122 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/24 19:51 ID:???
- 蜜國さんの小説、ほんっと読みたいです・・・・
光臨、キボン!!!!!
- 123 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/24 22:10 ID:???
- そう言えば…誰かがどこかで「バレット×ティファ」を希望とか言ってた気がするけど、それってアリなんだろうか?
いや、アリ…ってのは需要があるのかどうかって意味で。
書いたのあるけど…アプしてみていいですかね?(聞く前にまずアプした方が早い…?)
- 124 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/24 23:24 ID:???
- >123
アリだと思いますのでアプお願いします。
楽しみ。
- 125 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/24 23:52 ID:???
- わかりました。
ではのちほど。
- 126 名前:125投稿日:02/05/24 23:55 ID:???
- とか言いながらすぐ。
-------------------------------
鷲掴みに握っても、中指と親指の間には1〜2cmもの隙間が開く。これほどまでに太い男根は、ティファの記憶の中にも彼のモノだけだ。
しかも、硬い。
剛直な男の剛健なモノだ。
硬く、太く、そして黒いそれが、今はぬらぬらとした粘液にまみれて濡れ光っている。
口を大きくいっぱいに開けて咥えようとしても、先端のくびれまで口に含むので精一杯だった。無理に咥えようとすれば歯で傷つけてしまいそうだ。
ゴムのような触感の先端を、口に含んだまま舌で刺激をするが、すぐに顎が疲れてしまう。それでもティファはたっぷりと唾液をまぶし、両手を使ってしごいて刺激を与え続けた。
「おう、ケツをこっち向けろや」
ティファの右太股をぐいっと引き寄せ、彼は彼女の丸い尻を覆うタイトスカートを捲り上げた。つるりとした尻の白い輝きと、それをわずかな布地で覆うパールカラーの下着が明かりの下に現れる。いつも身に着けている黒のスコートは、ここに来る前にすでに脱ぎ去っていた。
シルクの下着は、彼女の秘部を覆い隠すにはあまりに心もとない。サイドは細く、バックも、ゆで卵を剥いたようなつるりとした肌が、半分以上もはみ出していた。
- 127 名前:126投稿日:02/05/24 23:56 ID:???
- 「なんだよ、色っぽいパンツじゃねぇか」
「いいでしょ。嬉しい?」
「バカ言え。どうせクラウドのためだろうが」
「当たり前じゃない」
「ひでぇな」
言葉とは裏腹に、バレットの口調には面白がっている音があった。
それも当然と言えば当然かもしれない。
もとより、二人が今こうしているのは、決して愛情からではなかったからだ。
バレットは、その妙に面積が少くなく扇情的な薄い下着をべろっと膝まで引き下ろすと、アイシクルエリアのクレバスのごとく深い亀裂に、左手の指を3本、無造作に挿し入れた。
「お。もうぐちゃぐちゃじゃねーか」
「んんぅ〜」
バレットのモノを口一杯に頬張っていたティファは、くねくねと尻を振って抗議した。たっぷりと『蜜』は溢れても、まだ彼の太い指を受け入れるまでには、ほぐれていないのだ。
- 128 名前:127投稿日:02/05/24 23:58 ID:???
- バレットは逃げようとする豊かな尻を強引に引き寄せ、彼女の股間の造型を手探りで嬲った。ひくひくと蠢く『蕾』や、ぽってりとした肉厚の『花弁』、粘液でにゅるにゅると指から逃げる複雑な襞(ひだ)の薄肉などを、太い指に似合わない繊細さで愛撫していく。
「…ッ…やっ…」
ぬぷりと彼の中指が『蜜口』に入り込んで来た時、彼女は咥えていた男根から口を離して肩をすくめた。
ただの中指ではない。
彼の指は、どの指も普通の男の2倍の太さがある。その指が思うままに蹂躙していくのだ。
「…んうう…う…うー…」
びくびくと体を震わせながら、ティファは涙を流す。
手に握った熱い激情の、そのぬらぬらと光る先端から唇の端までは、泡立った粘液が銀糸となって繋がり光を弾いて輝いていた。
続く
- 129 名前:128投稿日:02/05/25 00:18 ID:???
- 「クラウドはまだ知らねぇんだろ?オレとお前の関係をよ」
ティファの股間のものを時に優しく、時にぐちゃぐちゃと音を立てて愛撫しながら、バレットはニヤニヤとした笑いを浮かべた。
あの闘いが終わり、彼の右腕には生身のものと遜色の無い義手が取り付けられている。
それは、奇しくも神羅のサイバネティクス技術の恩恵によるものであり、当初は彼自身、嫌悪の対象としていたものだが、今ではすっかり受け入れていた。
良くも悪くも単純なのだ。
「彼…には…あぁ…言わ…ないでよ。私も…言う気は…これっぽっちも…無いんだから」
とろんとした目付きで、憑かれたようにバレットのモノを嘗めしゃぶりながら、それでもティファは鋭い視線を投げかけてくる。
バレットは「へっ」とその分厚い唇に皮肉を張りつけ、右手で彼女のタンクトップを捲り上げた。
男根にしゃぶりついていた前傾姿勢の彼女の体の下で、たっぷりと重そうな豊乳が“ぶるん”とまろび出る。
「あいつに知られるのが恐いかよ」
「…当たり前じゃない。私、彼を愛してるもの。失いたくなんかないわ」
「だが、オレとこうするのも止められねぇ…と」
「クラウドじゃあこんなにスゴイの無理だもの」
「…あいつが聞いたら嘆くぜ?」
「だから言わないでってば。言ったらひどいわよ?」
そう言いながら、バレットの黒い玉袋をきゅむっと握ってみせる。
その拍子に、彼女の唾液と先端から漏れ出た粘液に濡れ光る男根が弾けるようにして刎ねた。
「気付いてんじゃねーのか?お前、シドやヴィンだけじゃなくタークスのハゲともヤッてただろ?」
「知ってたの?」
「なんべんお前とヤッてると思ってんだ?一発キメたお前がどうなるかくらい、クラウドより知ってるぜ」
「でもクラウドはきっと知らないわよ。彼の前では彼一筋だもん」
ティファは、にっこりと笑いながらもバレットのモノをしごく手を止めなかった。
- 130 名前:128投稿日:02/05/25 00:19 ID:???
- 「クラウドはまだ知らねぇんだろ?オレとお前の関係をよ」
ティファの股間のものを時に優しく、時にぐちゃぐちゃと音を立てて愛撫しながら、バレットはニヤニヤとした笑いを浮かべた。
あの闘いが終わり、彼の右腕には生身のものと遜色の無い義手が取り付けられている。
それは、奇しくも神羅のサイバネティクス技術の恩恵によるものであり、当初は彼自身、嫌悪の対象としていたものだが、今ではすっかり受け入れていた。
良くも悪くも単純なのだ。
「彼…には…あぁ…言わ…ないでよ。私も…言う気は…これっぽっちも…無いんだから」
とろんとした目付きで、憑かれたようにバレットのモノを嘗めしゃぶりながら、それでもティファは鋭い視線を投げかけてくる。
バレットは「へっ」とその分厚い唇に皮肉を張りつけ、右手で彼女のタンクトップを捲り上げた。
男根にしゃぶりついていた前傾姿勢の彼女の体の下で、たっぷりと重そうな豊乳が“ぶるん”とまろび出る。
「あいつに知られるのが恐いかよ」
- 131 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ投稿日:02/05/25 00:20 ID:???
- あら?
ダブったΣ( ̄口 ̄;)
- 132 名前:129投稿日:02/05/25 00:26 ID:???
- 「知らぬは本人ばかりなり…か。ヤツも不憫だよなぁ」
ティファの重い乳を粘液にまみれた左手で弄りながら、バレットは大袈裟に溜息をついてみせる。
「何言ってんの。彼以外の男にも抱かれて、彼の良さを再確認してるのよ」
「ヤツより具合良い男と合ったらどうすんだよ?」
「あら?知らないの?心と身体は別モノなのよ」
「…………答えになってねぇよ…」
「そう?」
ティファはあっさりそう言うと、黒々とした玉袋の上から鶏卵より少し小さめなカタマリを“ぱくっ”と咥えこんだ。
バレットに抱かれる事について、クラウドに対し罪の意識を感じた事は無い。
まったく無いと言えばもちろんウソになるが、スポーツで汗を流す事と同じだと思えばどうという事は無かった。互いに愛情を抱いているわけでもなく、ただ快楽のためにのみ身体を合わせ、貪るのだ。
- 133 名前: