痛いっ!
万由子は横っ腹辺りに、引き裂くような痛みを感じて悲鳴を上げた。
マキの鞭は、長さが1m近くで丹念に皮を編んであり、太さは3cm以上もあった。その鞭が、一撃で万由子のジャケットとブラウスを引き裂き、純白の肌に真っ赤な鞭の痕を残していた。
何の予感も無く、したがって何の準備も心構えも無い真由子を突然襲った余りの激痛に、数秒間はまったく息が出来なかった。
しばらくしてやっと、ぜーぜーと荒い息をしている。
目からは涙があふれ出ていた。
囚人からの質問は認められないと言ったはずよ。
マキは続ける。
では、質問に移りましょうか。
黒船館の秘密は何処までつかんでいるのかしら?
し、知らないわ。
また、鞭が飛ぶ。今度は5発連続であった。
覚悟していたとは言え、脳天を貫く激痛は、彼女の気力を低下させていく。
顔は涙と鼻水でぐしゃしゃになった。
まあ良いわ。質問を変えましょう。
政界の影のドン多田黒巌がここの会員だということは知っているわね?
万由子の表情の変化を見た、マキは満足げに笑みを浮かべる。
図星ね。では、今回の調査を命じた本人は渋沢総理自身で政争の道具として使う目的だったてことはどうかしら。
そんなこと、知らないわよ。
そこまで知っているなら何故、わたしを拷問する必要があるの?
あんた、単純ね。こんな誘導尋問に簡単に引っかかるなんて。
それに、囚人の分際で下らない質問をするんじゃないわよ。
いや、ゆるしてー!
鞭が飛ぶたびに、彼女の衣服を引き裂き純白の肌に赤い鞭の痕を刻んでいく。
痛いよー。痛いよー。
ついに泣き出す、万由子。
もう十分でしょ。早く下ろしてよー。
それを判断するのは、あたし。
あんたが知っている事すべてをあんたの口から聞きたいの。
いや、暴力に屈するのはいや。
半べそを掻きながらも、自分を失わないように必死の気力で言った。
そぅ、じゃ喋りたくなるまで鞭をあげるわね。
いやー!
マキは、10発ほど打ち込んではしばらく休み、また打つのを繰り返す。
こうしないと、万由子は息が出来ずにすぐに気絶してしまう。
万由子は、鞭の痛みに耐えながら、鞭打ちの間に荒い息をするが、すぐに鞭が飛んでくるので、気を抜くことが出来ない。
度重なる鞭の連打で、彼女の服はぼろ布のようになっていく。スカートが消し飛び、太股と下着が露出するが、恥ずかしさを感じる隙が無いほどの痛みの連続だ。
ジャケットとブラウスもほとんど原型をとどめていない。白いブラウスは飛び散る血で所々赤黒く染まっている。
余りの苦痛に、呼吸困難になった彼女は、やがて意識が遠のき、気絶する。
舌打ちをしたマキは、覆面の拷問史の一人にあごでしゃくり、水の入ったバケツを持ってこさせる。
この水を万由子の顔面に向けてかける。
水の冷たさで気付いた万由子は、その拍子に気管支に水が入り激しく咳き込む。
咳をすると鞭の傷に響いて痛いので、我慢しようとするがすぐに咳が出て体中に痛みが走る。
咳が収まったのを確認して、マキは鞭打ちを再開する。
万由子の悲鳴が拷問部屋に響く。
普段、外気に当たっていない太ももの辺りや、散々吊られて、疲労している腕の辺りを集中的に連打してやると、彼女の悲鳴はより高くなる。
苦痛が体力を奪い、疲労を増大させていく。
彼女は、余りの疲労から意識が朦朧となってくる。
やがて、再び気絶した。
これ以上の拷問は無理と判断したマキは、拷問史達に、
あとは、よろしく。
と声をかけ、部屋を後にする。

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