五泉 美里(ごせん みり)は膨乳を異常なまでに愛する女性である。
美里にとって、大きさが目に見える速さで変わらない乳房は、それがどんなに大きくて美しくても無価値であると考えるほど、価値観が膨乳一色に染まっている。
もちろん、膨乳なんて空想上の現象なので日々中二病的妄想に入り浸るだけなのだが。
今日も暇さえあれば様々な膨乳シチュエーションを妄想しては、現実化してほしいと願っている。
ああ、一度でいいから自分が膨乳してみたい。
女の人や女性キャラを見たら、反射的に彼女らが膨乳しているところをつい妄想しちゃう。
等々・・・
膨乳、それは女性のシンボルと快感が限りなく大きくなってゆくロマン。
男性が性的に興奮したときに身体の一部が大きくなって気持ちよくなるように、美里だって乳房でそれを体験したい。
そう、膨乳とはまさに『乳房の勃起』なのだ。
しかし、それはかなわぬ夢・・・と、『あの時』までは思っていた。
ある日、美里が待ち合わせ場所で友人の千代 柔華(ちよ にゅうか)が来るのを待っていると突然、女性の悲鳴が耳に入ってきた。
悲鳴が聞こえた方向に振り向くと、それまで彼女が妄想してきたシチュエーションをはるかに超える光景があった。
最初に目に入ってきたものは、空中にホログラム投影されたように見える、実体なのか虚像なのかすら判別できない、数メートルはあろうかという巨大な左右の乳房。
更に異様なのは、それが『乳房だけ』の存在だからだ。
身体の本体がどこにも見あたらず、左右の乳房だけが本体から切り離されて空中に浮かんでいるように見えた。
そして、それは今まさに近くに居た柔華に狙いを定め、彼女との乳房と同じ大きさまで縮みながら、衣服を透過して彼女の乳房と重なろうとしていた。
あっという間に、自分の乳房と空中に浮かんでいた巨大な乳房だったものが完全に融合してしまった柔華。
そしてそれを、驚きのあまり何もできずにただ見ているだけの美里がそこに居た。
しかし、次に起きた変化は更に驚くべきものだった。
柔華の上半身の衣服が一瞬で爆裂し、その中から現れたのは猛烈な勢いであらゆる方向に柔華と美里の視界の大部分を占めてゆく膨乳中の乳房だった。
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・いや、いい!気持ちいい!!もっと!!!もっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ものの十秒ほどで、柔華は空中に浮かんでいたときの乳房とほぼ同じ大きさの超々乳まで膨乳してしまった。
「いや、さっきよりも少し大きくなっている!」
しかし、乳房の大きさの変化に敏感な美里はわずかな変化も見逃さなかった。
そして、巨大な乳房だったものと融合して超々乳化してしまった柔華は、よだれと涙を垂れ流したアヘ顔をさらしながら身体の本体を自分の超々乳に預け、両腕と両脚を大の字に広げて一心不乱に自分の超々乳の『背面』を刺激し続けていたのであった。
続く