ある日、美里は柔華が来るのを待ちながら考え事をしていた。
「うーん・・・」
「美里、一人でうなって、どうしたの?」
「あ、柔華、ちょうどいいところに来てくれた。ビーネからもらった過去の戦いの記憶のことなんだけど、うまく思い出せなくて。」
「それなら私ももらっているけど、記憶があるのはわかっているのに、具体的な内容は思い出せないわね。たぶん、ネットやパソコンで検索するときにキーワードが必要なように、ただ漠然と思い出そうとするだけではだめなんでしょう。」
「なるほどね。逆に言えば、新しい能力が必要な場面になれば思い出せそうだから大丈夫ね。」
「美里の妄想も十分に記憶を引き出すきっかけになっているわよ。」
「ありがとう。私、がんばって妄想する!どんな新しい能力を使えるようになるのかしら。(わくわく)」
(しまった。余計なことを言っちゃったかな?・・・)
そんなやりとりの中、いつものようにビーネが現れた。
『強力なバスタリアンが出現している。今までで最強クラスの敵だ。厳しい戦いになると思うが頼む。』
「わかったわ。柔華、行きましょう!」
「ええ。二人(・・・と、二房かな?)が一緒なら怖くないわ!」
二人はフル・ブレスト・モードに変身するため、近くの多目的トイレに駆け込んだ。
「このくらいの広さがあれば、変身のための超々乳化には十分ね。さすがに二人同時は無理だけど。」
「そうね。トイレの床に脱げた服が散らばるのは嫌だから、先に脱いでから変身しましょう。」
二人は衣服を脱いで畳み、バッグに詰め込んだ。
最初に、裸になった美里が叫ぶ。
「チェンジ!フル・ブレスト・モード!」
美里は、身体の本体より一回り大きい超々乳まで膨乳し、前のめりに倒れて超々乳に飛び込むように融合した後、豆粒大に縮乳した。
次に、一緒に裸になった柔華が叫ぶ。
「チェンジ!フル・ブレスト・モード!」
柔華も、身体の本体より一回り大きい超々乳まで膨乳し、前のめりに倒れて超々乳に飛び込むように融合した後、豆粒大に縮乳した。
『準備OKね。空間転移で一気に現場まで行くわよ!』
『OK!せーの!』
『『ブレスト・テレポート!』』
そう叫んだ二人は、ゆがんだ空間の中に消えて行った。
二人が空間転移で現れた場所は、どこかのビーチだった。
そこには、バスタリアンに融合されて既にガスタンクサイズになっている超々乳が待っていた。
乳首だけでも大型バスほどの大きさだ。
『うわ!いくらなんでも大きすぎでしょう・・・って、自分が縮んでいるから余計に大きく見えるのもあるけど。』
『サイズ差がありすぎて、敵はまだ私たちに気付いてないわ。一気に膨乳して攻撃するわよ!』
『OK!せーの!』
『『ビー・ギガンティック!』』
膨乳するために間隔をとった二人は、一気にバスタリアンと同じ大きさまで膨乳した。
膨乳するときの反動を利用して、バスタリアンに向かってジャンプする二人。
砂浜に砂煙が巻き上がり、二人が居た場所には四つの巨大なクレーターができていた。
『『チェンジ!インバーテッド・ニップル!』』
『『ニップル・コネクト!』』
しかし、ニップル・コネクトする寸前でバスタリアンは予想外の行動に出た。
バスタリアンもインバーテッド・ニップルで陥没乳首化したのだ。
超々乳同士が衝突したものの、乳首を捕らえることはできずに跳ね返された。
『そ、そんな・・・』
狼狽する柔華。
『確かに、敵も膨乳生命体だから私たちと同じことはできそうね。』
一方で、冷静に状況を分析する美里。
『それって、下手するとこっちが吸い取られるってこと?』
『その通りよ・・・こうなったら、最後の手段しかないわね。』
『最後の手段って、いったい何をするの?』
『二人で合体して、二人の膨乳エネルギーを一つにするのよ!』
二人の中で、秘められた過去の戦いの記憶から合体技のイメージが浮かび上がった。
『わかったわ!私は右乳になるわ!』
『それじゃ、私は左乳になるわ!せーの!』
『『左右合体!超乳神(ちょうにゅうじん)!!』』
二人が叫ぶと、柔華の左乳が一気に最小サイズまで縮小し、同時に右乳が二倍に膨乳した。
一方、美里の方は右乳が一気に最小サイズまで縮小し、同時に左乳が二倍に膨乳した。
ほぼ右乳だけになった柔華と、ほぼ左乳だけになった美里が互いに引かれ合うようにドッキングすると、二人が文字通り一心同体となった極超々乳(ごくちょうちょうにゅう)が誕生した。
『すごーい!本当に合体できちゃった。』
『感心するのは後でいいから、行くわよ。』
二人の膨乳願望がシンクロし、動き出した極超々乳がバスタリアンに襲いかかる。
『『インバーテッド・ニップル・コネクト!』』
『『バキューム・インフレーション!』』
バスタリアンよりもはるかに大きい極超々乳の陥没乳首がバスタリアンの乳輪全体を覆いつくすと、驚異的なパワーで吸引を開始した。
そのあまりに強い吸引力により、バスタリアンは陥没乳首状態を維持できず、大型バスサイズの乳首が強引に引きずり出された。
『ほら、乳首が出てきたわよ!』
『あぁ、こんなに太くて長いものを吸えるなんて、し あ わ せ♥』
極超々乳の陥没乳首の中で暴れ回ろうとするバスタリアンの巨大な乳首。
それを二人は強大なパワーで押さえつけながら吸い上げる。
合体した二人の極超々乳の前では、最強のバスタリアンもなすすべなくその全てを吸い取られるしかなかった。
『・・・ふぅ、やっと終わったわね。』
夕日をバックに、ビーチにそびえ立つ極超々乳。
それは、まるで二つ並んだドーム球場のようだった。
『それじゃ、縮乳して帰るわよ。』
『うん。』
『『リバース・ギガンティック!』』
『『ブレスト・テレポート!』』
二人は合体したまま縮乳すると、フル・ブレスト・モードに変身した多目的トイレに空間転移した。
そして、左右に分離した後フル・ブレスト・モードを解除した。
二人が服を着終わるころ、ビーネが神妙な口調で話し始めた。
『実は、二人に良い知らせと悪い知らせがある。』
「良い知らせって?」
『今日バスタリアンを倒したことで、この星の周辺からバスタリアンの反応が完全に無くなった。もう大丈夫だ。』
「やったー!大勝利ね。それで、悪い知らせって?」
『私は、宇宙に散らばった残りのバスタリアンを追わなければならない。もうこの星には居られないのだ。』
「そ、そんな・・・それじゃ、私たちはもう膨乳できないの?」
『それは心配ない。私の分裂体はそのまま君たちの胸に残るから、膨乳能力はこれからもそのままだ。』
「よかった・・・ビーネにはいくらお礼を言っても足りないくらいね。」
『お礼を言い足りないのは私も同じだ。二人には非常に感謝している。』
「ありがとう。そして、さようなら、ビーネ。」
『さらばだ!』
ビーネはそう言い残すと、ゆがんだ空間の中に消えて行った。
「行っちゃったね。」
「うん。」
「これからどうしようか。」
「もちろん、いつまたバスタリアンが現れても私たちだけで戦えるように特訓するのよ!」
−−−そう、私たちの膨乳生活はまだ始まったばかりなのだから。
完