超乳牛娘怪人ミルキー・ホルスター 第3話

baku 作
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自宅の前に着いた佳代(=ミルキー・ホルスター)はその場で少し考え事をしていた。

(米美さんは私が超乳になったことを誰も疑問に思わないって言っていたけれど、本当に大丈夫かな・・・)

佳代は意を決して玄関の扉を開けようとしたが、超乳の上から前に伸ばした手がノブに届くよりも先に超乳が扉に押し付けられてノブを完全に覆い隠してしまった。
超乳の前面に、ひんやりとした感覚が広がる。

(そうか。この体型だと体の前にある物をつかむことはできないんだ。早く慣れないと・・・)

佳代は真横に向き直って、やっと扉を開けることができた。

「ただいまー。ごめん、遅くなっちゃった。」

おそるおそる居間に入ると、母親の奈乃(なの)と姉の好実(このみ)と妹の杉根(すぎね)がテレビを見ているところだった。
遺伝のためか、全員そろって貧乳である。
ちなみに、父親の清宗(きよむね)は長期単身赴任中のため当分の間自宅にはいない。
最初に奈乃が佳代の方を向いたが、佳代の超乳を気にすることもなく話し始めた。

「ずいぶん遅かったじゃないの。あ、そうそう、佳代に荷物が届いているわよ。通販で何か買ったの?」
「う、うん・・・新しい服とブラジャー。ほら、私に合うのは普通の店じゃ売ってないから。」
「言われてみればそうね。それにしても、改めて見ると、どうして佳代だけおっぱいがこんなに大きく育っちゃったのかしらねぇ。」
(まずいわね。母さんはやっぱりこの超乳を疑問に思っているみたい・・・)

佳代がどうやってフォローしようかと考えていると、杉根と好実が口を挟んできた。

「そんなことはどうでもいいじゃないの。お姉ちゃんの特大おっぱい、私は大好きだよ。」
「そうそう。佳代のおっぱいをお姉ちゃんにも少し分けてほしいくらいだわ。」
(二人のおかげで助かったわ。おっぱいは、みんなに後でたっぷりと分けてあげるね。私の方が不自然な言動をして怪しまれないように気をつけないと・・・)
「それじゃ、部屋で着替えてくるね。」

佳代は玄関に置いてあった特大の段ボール箱を自室に運び込んだ。
超乳が邪魔をして、もはや体の前で物を持つことはできないため、段ボール箱を背負って運ぶしかなかった。
佳代は自室で段ボール箱を開け、巨大な予備のブラジャーと折りたたまれた普段着一式と怪人コスチュームセットを取り出した。
どれも胸以外のサイズは今までと変わっていないが、巨大な乳袋が付いているため今までの服と比べるとずっしり重い。
その中から部屋着を選んで制服から着替えようとしたが、慣れない体型のため四苦八苦することになった。
シャツの胸のボタンは手が届かないものがあるため、超乳を手で歪ませたりシャツを強引に手繰り寄せたりしてやっと掴むことができた。
下半身に至っては超乳に隠されて全く見えないため、全て手探りで着替えるしかなかった。

(この体型に早く慣れないとだめね。普通にできないことが多すぎ!)

佳代はやっと部屋着に着替えると、夕食のために居間に戻った。
奈乃と好実と杉根がテーブルの周りにある椅子に座っているが、佳代の席だけ椅子がなく床に座布団が直接置かれている。

(あ、そうか。この体型で椅子に座っても超乳の先端が膝よりも前に出ちゃてテーブルに手が届かないから、床に直接座って超乳をテーブルの下に入れて手と頭だけテーブルの上に出すしかないのか。)

佳代は座布団の上にぺたんと座って脚を前に投げ出すと、脚の上に超乳をどっさりと乗せてそのままの姿勢でテーブルの下に超乳が全部入るところまでずるずると体を前にスライドさせた。

「「「「いただきまーす。」」」」

佳代だけ顔と同じ高さに料理が並んでいることになるため、食べにくい事この上ない。

(まだまだ、この体型での生活で慣れなきゃならないことは多そうね・・・)



何とか夕食を終えた佳代は、家族の最後に風呂に入ることになった。
佳代が最後に入る理由は、体の体積が突出して大きい佳代が先に入ると、お湯があふれて後に入る人がお湯を追加しなければならないという無駄が発生してしまうためである。
佳代は服を苦労の末やっと脱ぐことができたが、問題は超乳を上半身全体にしっかり固定して支えている巨大ブラジャーである。

(このブラジャーを外すと、超乳の重さの負担が超乳の付け根だけにかかるようになって立っていられなくなってしまうはずだから、慎重に外さないと・・・)

佳代は、自分の超乳にのしかかるように床に突っ伏した姿勢になってから巨大ブラジャーを外すことにした。
巨大なカップと一体になっているコルセットを体に固定している背中の頑丈なファスナーを開けて、床と超乳の間に挟まれている巨大ブラジャーを引っ張り出すと、超乳が何にも包まれていない状態になった。
佳代は外した巨大ブラジャーを洗濯機に入れようとして愕然とした。

(ブラジャーが大きすぎて洗濯機に入らない!)

佳代の巨大ブラジャーは巨大であるだけでなく数十キログラムもある超乳を支えて形を保つ必要があるため、大幅に変形させることができない。
したがって、自宅にある洗濯機で洗うことができないことは明らかだった。

(大型の洗濯機があるコインランドリーで洗わないとだめね。またお金がかかりそう・・・)

それは、小遣いが限られている高校生には大きな負担だった。

(私が超乳化させた人が多いほど、ギガブレストからたくさんお金をもらえるみたいだから、がんばらないと・・・)

超乳牛娘怪人としての仕事をしなければならない理由がまた一つ増えてしまった佳代だった。
佳代は床に突っ伏した姿勢のまま超乳を床の上で引きずりながら脱衣所から浴室に入った。
しかし、入浴時の最大のハードルはバスタブへの出入りだ。
それは、数十キログラムもある超乳をブラジャーの支えなしでバスタブの縁の高さまで持ち上げなければならないからだ。
佳代は超乳をバスタブの壁に押し付けると、力いっぱい下から手で持ち上げて、やっと超乳がバスタブの縁を越えることができた。
そんな苦労をした佳代だったが、一旦バスタブで湯に浸かってしまえば、後は天国だ。
なぜなら、超乳の重さを忘れることができるのは、湯に浸かっている間だけだからだ。
その後、佳代はまた苦労してバスタブから洗い場に出ると、体を洗い始めた。
体の表面積が大幅に増えたため、体を洗うには今までの倍の時間がかかってしまった。
そして、やっと体を洗い終わった佳代が浴室から脱衣所に出るときも床に突っ伏した姿勢のまま超乳を床の上で引きずりながらだ。
脱衣所には、足拭きマットの代わりに巨大な乳拭きマットが置いてあった。
佳代は、この乳拭きマットの上で予備の巨大ブラジャーを装着すると、やっと立ち上がることができた。

(お風呂に入るだけで、すっかり疲れちゃった。誰かに母乳を飲ませて超乳化させるのは明日からにして、もう寝ようっと。)

佳代は巨大な乳袋が付いているパジャマを着ると、自室に戻って自分の超乳にのしかかるように布団に突っ伏した。
寝るときには巨大ブラジャーを外そうかどうか迷った佳代だったが、結局着けたまま寝ることにした。
超乳がセルフ抱き枕となり、間にめり込んでいる上半身を優しく包んでいる。
佳代は疲れからかすぐに眠りに落ちていった。
はたして、佳代は超乳化したことによる日常生活の不自由さを今後も克服できるのか?
そして、超乳化後初めての登校で何が起きるのか?

続く