「今回の依頼人は中條れいこ先輩ですわ」
「皆さん、よろしくお願いします」
赤崎さんが連れて来たのは、落ち着いた物腰の先輩だ。
れいこ先輩は高校2年生。
身長は170センチとかなり高い。
背筋が伸びていて姿勢が綺麗。それがますます先輩の身長の高さを際立たせる。
ただ、今回は一発で巨乳楽園部に来た理由が分かった。
れいこ先輩は胸が無い。
とても痩せていて美しい。無駄な脂肪なんか無い、完ぺきな美しさがそこにはある。
でも、とにかく胸が無い。かつてのお姉ちゃんに負けないレベルじゃないかな。れいこ先輩がちょっとある感じ。
どんぐりの背比べな気もするけど。
「待っていましたよ、れいこ先輩」
お姉ちゃんがいやに元気よく声をかけた。
「こんにちは、リンさん」
「先輩、ついに私の薬を使う時が来ましたね」
「ええ。以前は断られましたが……」
「あっ、あれは先輩がこの薬を使ったらますますオモテになると思って……でも、赤崎ちゃんがダイエットを手伝ってくれることになりましたからね。先輩が太った後は私の時代が来ますよ」
「ふふ……楽しみにしています」
どうやら、れいこ先輩は以前もお姉ちゃんに薬を使わせてもらうように頼んだようです。
果たしてお姉ちゃんの時代が来るのかどうか。来ないで欲しいな。
「では、早速……」
れいこ先輩は服を脱ぎ始めた。
う、美しい……色白できれいな肌。
シスコンの私だけど、れいこ先輩は素晴らしい美人だと思う。
なんだかようやく普通の展開が来たね。これまでファンタジーな先輩とか、大きな先輩とかいたけど。
れいこ先輩は超美人でお嬢様だけど、普通の人。
やっと普通の展開が来たよ。
でも、こうして見ると、れいこ先輩の体はちょっと骨ばってる。
痩せすぎじゃない?
あまりにも脂肪が無さすぎるというか。
もしかしたら、それが嫌だったのかな。
れいこ先輩はブレストファットを飲んだ。
胸がどんどん大きくなる。痩せていた体に脂肪が付いていく。
だけど、私やお姉ちゃんと比べると効果が弱いような。
私やお姉ちゃんの時はもっとグイグイ大きくなったけど、れいこ先輩の変化は大人しい。
最終的に、れいこ先輩の胸は大きくなり、太った。
貧しかった胸は大きくなって掴めるぐらいにはなった。
無駄な脂肪が無かったお腹にはお肉が付き、摘まめるぐらいにはなった。
お尻にも肉が付いて柔らかさが増している。
でも、ブレストファットを飲んだわりには効果が薄かった。
れいこ先輩は静かにため息をついた。
「リンさんの薬でもこうなりましたか」
「ど、どういうことです?」
「私は食べても太らない体なんです。皆さんには羨ましく思われますが……私はあまりこの体が好きではありません」
確かにあそこまで痩せているのは嫌かな。
「リンさんの薬ならもしかしてと思いましたが……私の望む結果とはなりませんでした」
れいこ先輩は服を着た。多少きつそうだけど、普通に着られたみたいだ。それがれいこ先輩の変化の少なさを物語っている。
「皆さん、ありがとう。少しだけ太ることができて良かったです」
れいこ先輩は会釈して帰ろうとした。
このまま帰していいのかな。なんだか、お姉ちゃんの作った薬が役に立たなかったみたいで悔しい。
「待ってください」
お姉ちゃんがれいこ先輩に話しかけた。
「今回使った薬より、もっと強力な薬を作ります。それを試してくれませんか」
「リンさん」
「必ず先輩の望む体にしてみせます」
珍しい。真剣モードのお姉ちゃんだ。
「わかりました。リンさん。薬ができたら呼んでください」
先輩は帰って行った。
「マリ先生、赤崎ちゃん、しばらく部活に顔を出せないと思います」
「良いですわ。リンさんの思うようにしてください」
「ファイトですよー」
お姉ちゃんはすぐ家に帰った。もちろん私も。
「お姉ちゃん、久しぶりの真剣モードだね」
「当然よ。リンさんは昔の私だわ」
「昔のお姉ちゃん?」
「私も絶壁な体に自信を持てなかった。先輩も痩せている体が辛いのよ。私は先輩の力になりたいわ」
「お姉ちゃん……」
かっこいいよ、お姉ちゃん。
「それに……」
「それに?」
「なんだか私の薬が役に立たなかったみたいで悔しいの」
私は一瞬面食らった。すぐに笑い出した。
「何がおかしいの、ミナちゃん」
「いやだって、お姉ちゃん、私と考えていること一緒だもん」
それからお姉ちゃんは薬の研究を始めた。
以前の薬と同じく、私には何が何だか良く判らない。
しかし、お姉ちゃんが一生懸命やっていることだけは分かる。
私はこういうお姉ちゃんを見るのも好き。
真っ直ぐな目が眩しい。
それから数日が経ち、パワーアップしたブレストファットが誕生した。
その名もスーパーブレストファット。
安直な名前だけど、分かりにくいよりはいいや。
早速、れいこ先輩を呼んだ。
「先輩、できました!今度こそ、理想の体になるはずです!」
「分かりました。リンさん、あなたを信じます」
れいこ先輩は服を脱ぎ、再び薬を飲んだ。
今度は以前とは大違い。
れいこ先輩の胸がどんどん大きくなる。
ものすごいスピードだ。掴めるぐらいのサイズから、掴み切れない大きさに変貌していく。
お腹もどんどん脂肪が付いていく。
骨ばっていたとは思えない。
お尻も太っていく。どんどん面積が広がる。
最終的に、れいこ先輩は痩せていたのが信じられないくらい太った。
そこそこの大きさだった胸はすごい爆乳になった。
片方だけでも、大質量。
両腕を使わないと持ち上げられそうに無いぐらい。
ぶるぶると揺れている。
お腹も太くなり、脂肪がまとわりついている。
とても痩せていたとは思えない太さ。
お肉がつかめそうだ。
お尻もお肉が付いて、桃みたい。痩せていた頃とは違うセクシーさを放っている。
腕や脚も体にふさわしい太さになった。
脂肪が付いて、たくましい印象になった。
その割には、顔にあまり肉が付いていなかった。
少しアンバランスだね。
「これが、私の体……」
れいこ先輩は姿見で自分の体を見る。
その体が震える。
さすがにショックかな。
「やった……やったわ。ついに大きな胸を手に入れられたわ」
違う。嬉しくて震えてたんだ。
れいこ先輩が震えると、体の肉も震える。
特に胸は大きく揺れている。
れいこ先輩の喜びに合わせるように。
「やりましたね、先輩」
「リンさん、ありがとう。この体なら自身を持って生活できそうだわ」
お姉ちゃんもれいこ先輩も嬉しそう。
めでたしめでたし。
それにしても、痩せていた先輩を見ただけに、今の体はびっくり。
以前の先輩が棒きれなら、今は山じゃないかな。
試しに体重を測ってもらった。
れいこ先輩の最初の体重は47キロ。
その次は60キロだった。
今ではそれが94キロ。
最初と比べると、れいこ先輩は2倍も体重が増えた。
それだけに、体の迫力はすごい。
もう前の服は着られなくなった。それがれいこ先輩にとっては嬉しかったみたい。
れいこ先輩は大きな自信を得た。
痩せていた頃も先輩は人気だった。
でも、太って体に自信が付いた先輩は更に人気になった。
実は私達の学校にはれいこ先輩のファンクラブがあった。
女子校だけどね。
ファンクラブのメンバーがさらに増えたという話だ。
これからも、れいこ先輩の人気は増えそう。
ついでに男子人気も獲得して、お姉ちゃんの人気を下げてくれると嬉しいな。
名前 中條れいこ
高校2年生
身長 170cm
体重 47kg(初期)→60kg(1回目)→94kg(2回目)
B79→86→120
W59→67→95
H83→90→117