一発逆転は二種類のデビュー(太るケース)

バスタピネスさん 作
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中学三年生の女子・大澤 未来(おおさわ みく)は焦っていた。
この年頃の人間に多数生じる「進路どうするか?」である。
太めの体型故に、容姿に自信が無い。
この為、進学や就職、ひいては結婚出来そうにないと本人談。

数分考えた結果「芸能人ならいろんな人がなれる」と踏んで「ホースチケットプロダクション」という新進気鋭の事務所に履歴書を出してデビューに漕ぎ着ける形となった。

大田社長と穴井秘書に今まであまり図ってなかったスリーサイズ(バスト・ウエスト・ヒップ、いずれも揃って90cm)を伝えると、デビュー方針が告げられた。

「未来ちゃん、君は…」
「より太った方が良いね」

意外な返答だった。
この太さ故に自分に自信が無かったものの、より太った方が良いということになれば喜んで引き受ける他無かった。

大田社長曰く「ライバル企業は間違い無く細い娘で売ってくる。君には対策要員になってもらうよ」とのこと。

増やす必要がある為未来は希望のスリーサイズをタブレット端末に入力し、そのまま施術室へ通され、麻酔と脂肪細胞を活性化させる薬を注入された。
それに伴い身体中があれよあれよと膨らんで行く。
その上、元々彼女の成りたい美女像に爆乳がある故シリコンが挿入され、そう易々とダイエットの際に減らない様に補強される。

各箇所への注入が終わると、麻酔が切れ、未来は立ち上がろうとしたら強烈な違和感を覚えた。
重い、やたら重い。
しかしそれも、ものの数分で消え去った。
流石は自分の身体と言うべきか。
鏡に映った自分の代わり具合に驚いたが、穴井秘書の”素敵だよ”の一言で自信を持った。

未来はこの体を以てグラビアアイドルデビューが決まった。

初撮影日には偶然彼女を見かけた付近住民から笑い声が聞こえ出した。
確かに真っ赤なビキニに身を包むはいいが、トップはいつ弾けるか解らないし、ボトムは九分九厘が贅肉たっぷりの素肌に埋もれており、背中からじゃないとほぼ解らない。
両腕は大根並み、両脚は電柱並み、尻の肉は簡易座布団…。

これでも少年誌の表紙を飾り、大人気に。
ただ、どう考えても脂肪が多過ぎて健康に悪い。
痩せずに何とかなってしまうのか、いつかは痩せるのか。

それは誰も知らない。


プロフィール変遷
身長156cm(変動無し)
体重68→144kg

スリーサイズ
バスト:90→150cm
ウエスト:90→120cm
ヒップ:90→136cm
(太るケース、終了)