コンプレックス少女

ブラン 作
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早朝から深夜まで受験勉強に勤しむ大友はるかにとって、唯一の息抜きは
入浴の時間であった。夕食後、少し休憩を取ってから部屋に籠もって2時
間ほどすると入浴タイムとなる。
風呂好きのはるかはいったん入ると平気で1時間以上は出て来ない。その
ため、ときどき家族からクレームが出るのだが今は受験生だということで
優遇措置が取られていた。

その日も勉強が一段落ついたところではるかは風呂に入ることにした。
彼女の家は両親と妹の4人家族であるが、彼女の長風呂を警戒して大抵先
に済ませている。
はるかは脱衣スペースの扉を閉めて、着ていたフリース素材の丈の長いワ
ンピースのすそを掴んで頭からすっぽりと脱いだ。ワンピースを脱ぐと上
下ともレースのついた淡い紫色の下着を着けた姿となる。両手を背中に手
を廻してブラを取ったあと、ショーツに手をかけてそれを脱ぐと身になに
も着けてない姿になった。
彼女は鏡に映った姿を見て小さくため息をついた。
「(また、少しお肉がついちゃったかなぁ)」
ウエストの周りを柔らかそうに覆っている脂肪の層が気になっている。
このところの運動不足もあるが、ついつい深夜に食べてしまうお菓子や夜
食が主な原因である。体重は最高記録を更新しているのはほぼ確実だが、
敢えてドレッサーの下の体重計で確認しようとはしない。
大きくて張りのあるヒップやむっちりとしたふとももにも増量のようすが
窺える。
はるかは大学合格がきまったらダイエットを始めるからと自分に言い聞か
せて今は体型と体重の変化には目をつぶっていた。

ハンドタオルを片手にバスルームに入り、入念に掛け湯をしてから湯船に
浸かった。
彼女は少しぬる目の湯に長く浸かるのが好きだった。あごの辺りまで浸か
って5分ほど経ち、十分に身体が温まったところでおもむろに体勢を変え
て背筋を伸ばす。両手を胸の前で合わせて合掌し、両方の掌をお互いにぐ
いと押しつける。それが終わると今度は脇腹から胸部へ、乳房を持ち上げ
るかのようにマッサージに行う。次はバストの輪郭をゆっくりとマッサー
ジする。このような作業がしばらく続くのであるが、これが長年習慣にし
ているバストアップ法である。(そのような努力の甲斐なく一向に大きく
なる様子はないのだが)
湯船から上がるとシャンプーを手にとって髪を洗う。美しいストレートの
黒髪は彼女が密かに自慢に思っているところであった。

彼女が髪を洗っていると脱衣スペースでがガサガサと人が動く気配があった。

「お姉ちゃ〜ん。一緒に入るわよ〜」

聞こえてきたのは妹のまどかの声である。

「あれ?まどか、まだだったの?」
いつもは真っ先に入るのだが、今日は乗り遅れたらしい。
はるかが入ってしまうと出てくるまでにどれだけ時間がかかるかわからな
いので、待つのを諦めて入ってきたようだった。
バスルームの扉が開いてまどかが入ってきた。
はるかをそのまま小さくしたようなかわいい美少女は今年の春で6年生に
なる11歳の女の子である。その美少女ぶりは既に学校や近所で評判にな
っており、学校にはファンクラブができているらしい。
はるかから7歳離れているので喧嘩をすることもなく、両親やはるかから
溺愛されていた。
彼女は髪を洗うはるかの後ろで掛け湯をしてざぶんと湯船に飛び込んだ。

「おねえちゃんと入るの久しぶりね。」
バスルームにまどかの明るい声が反響している。
「そうね。一年ぶりくらい?」
はるかはシャンプーを流しながら妹に答える。最近、はるかが入る時間帯
が遅くなったため一緒に入ることがなくなってしまったのだ。

「試験って、来週なんでしょ?大変ね。」
「まあね。終わったら二人でどこか遊びにいこうね。」
大学の試験はもう来週末に迫っていた。追い込みもあと少しというところ
まで来ている。

「それにしても、まどかは最近背が伸びたんじゃない?」
はるかは顔を上げて湯船に浸かっているまどかを見て言った。

「うん。1年で7センチも伸びたの。」
身長は140センチを少し超えたくらいである。
この時期は男子よりも女子の方が早く背が伸びる、まさに成長期である。

「それに・・・ここも急におっきくなってきたみたい。」
まどかはそういうと手で胸の辺りを押さえた。
見ると小さな体躯には似つかわしくないたわわな胸の膨らみが形成されて
おり、その大きさは小学生のレベルをゆうに超えている。
はるかは唖然として言葉が出せない。
「ブラがきつくて痛いし・・・またママに新しいの買ってもらわなきゃ」
そういってまどかは身体についたブラジャーの跡を気にしている。
「よ、よ、よかったじゃない。」
はるかは幼い妹の急成長に驚き、明らかに動揺している。
「よくないわ!走ると揺れて痛いし、人には変な目で見られるし。ママや
お姉ちゃんのように小さい方が絶対いい!」
妹に小さいと言われてはるかは内心グサリと傷ついている。
「そう言われても。お姉ちゃんはまどかくらいの方がステキだと思うけどな。」
「ステキじゃないよ!男子はエッチな目で見てくるし、ほんと気持ち悪い
んだから!」
そう言って、まどかが湯船からザバッと勢いよく立ち上がると半球状の二
つの乳房がぷるんと揺れる。
はるかは再び湯船に浸かり、まどかが洗い場で身体を洗い始める。
石鹸で泡立てたスポンジで身体を洗うまどかを横目に見ると前に立派に張
り出した乳房がふるふると揺れ動くのがわかる。
「(胸が小さいのは遺伝だから仕方ないって思ってたのに・・・どうして
同じ家で同じような生活をしている妹だけがこんなになるのかしら?・・・
ストレスが子供の発育に影響を与えるって聞いたことがあるけどそれが原因?・・・うーん、確かに私は小さい頃から厳しく躾られたし、勉強もた
くさんさせられたし。それと比べるとまどかは甘やかされて育って脳天気
でのんびり屋なところがあるし・・・)」
はるかは脳裏に脳天気ななつきとのんびり屋のあやのの姿が浮かんだ。
彼女がいろいろと頭を巡らせていると洗い終えたまどかが湯船にざぶんと
入ってきた。豊かな胸がはるかの目の前でぷっかりと浮いた。

二人は揃って風呂から上がり、脱衣スペースで身体を拭いた。
まどかの後ろ姿をみるとヒップも相応に発達を始めているようである。
「(おしりがおっきいのは遺伝なのよね・・・)」
はるかは納得いかない面持ちで部屋着に着替えている。まどかが先に着替
えがおわりバスルームから出て行く。はるかはランドリーボックスに入っ
ていたまどかのブラジャーに目がいった。立派な大人用のブラジャーである。
「この間までジュニアブラを着けてたのに・・・まったく」
はるかはそのブラを手に取って愕然とした。
「Dカップって・・・これがきついって言うの?」

END