甘い誘惑

ブラン 作
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『いきなりドラゴン伝説 人間はスイーツだけで生きていけるか?』の伝説挑戦は10日
目に差し掛かっていた。
10日目に差し掛かったためゆり子はドクターの健康診断を受けることになっていた。
体操着は窮屈さを増し、また一回り大きくなった胸に布地が取られてお腹が見えそうにな
っていた。ドクターの指示に従って体操着をまくり上げようとしたが、体操着が胸に引っ
かかってすぐに上がらなかった。力強く引き上げると引っかかりが取れてIカップのブラ
に包まれたバストがぶるんと揺れて姿を現した。ブラは今にも弾け飛びそうになっており、
カップは浮いて下乳が顔をのぞかせていた。男性のドクターはまだ反動で上下に揺れてい
る魅力的な大きな胸に吸い込まれそうになりながらも何とか平静を装って聴診器を彼女の
胸の周りに当てた。
診断で健康上の問題は見つからなかったので、次に助手が体重計に載るように言った。
ゆり子はしぶしぶ承知して、そろりと体重計に足を乗せた。
「61.4kgです。」
体重計の数字は新記録を示しており、助手が無遠慮にその数字を読み上げた。
「(そ、そんな。3キロも増えてるなんて・・・)」
彼女はもっとダイエットに力を入れることを心に誓ったのだった。
−−
翌日、ゆり子はこれまで以上のダイエットを決意し、朝食が済ませた後、早速フィットネ
スクラブのプールに向かった。
プールの更衣室で水着に着替える際に、またトラブルが発生した。
「(き、きつい。」」
つい1か月ほど前に撮影で使用した上下セパレートの水着はすんなりと入ってくれなくな
っている。胸を水着に収めようとすると、カップの間から入りきらなかった乳肉が溢れ出
してわざと胸を強調したかのように深い谷間ができあがってしまう。ヒップもまた容積を
増しており、悩ましげに水着からはみ出してしまっていた。
ゆり子は鏡に写った姿を見て到底人前には出られないと思ったが、平日の午前中のプール
には老人が2人ほどいるだけで、テレビの撮影班も来ていないので問題はないと判断して
プールサイドに向かうことにした。
ゆり子は人目を引かないようにバスタオルをベンチに掛け、誰も泳いでいないコースに入
った。もともと泳ぎは得意でないゆり子だが大きく揺れる胸が抵抗になってなかなか思う
ように泳げず、じたばたともがく間にさらなる問題が発生した。
「(痛っ・・)」
準備体操をせずいきなり泳いだために足がつってしまったのだ。
監視室からスタッフが駆けつけ、ゆり子に肩を貸してプールサイドに引き上げてくれた。
幸いにもスタッフはゆり子と同年代くらいの若い女性であった。
「もしかして篠原ゆり子さんですかぁ?」
「ええ、はい。」
ジムのスタッフは一目見てタレントの篠原ゆり子であるとわかったようだ。
「わ〜、やっぱり。実際にみるとテレビよりも素敵ですね。それに・・・胸も。女の私で
も吸い込まれちゃいそうですぅ。」
ただでさえ溢れんばかりになっていた胸元が、先ほど泳いだせいで水着からこぼれそうに
なっていた。
「実は水着のサイズがおかしくて、変なことになってるでしょう・・・」
ゆり子ははみ出た胸を何とか水着に押し込もうとする。
「心配ないですよぉ。ここのスタッフは全員女性だし。お客様もほとんどが有閑階級のご
老人か主婦。若い男性がいれば大変な騒ぎになっちゃいそうですけどね!それはそうと準
備体操もせずにプールに入っちゃだめですよ!」
「見てたんですか・・・」
「もちろん。これでもわたし監視員なんですから。普段はジムの方でスタッフをやってま
すけど。あ、もしよろしかったらジムの方にも来てくださいね!お客様のご要望に合わせ
てエクササイズのメニューを提案させてもらってますから。」
「そうなんですか。じゃあ、ダイエットメニューなんてのもあるんですか?」
「もちろん。でも篠原さんのスタイルなら必要ないと思いますけど・・・」
「そんなことないですよ〜。最近、体重が増えちゃって困ってるんです。ぜひ、やってみ
たいくらい。」
「ほんとですか〜?実は最近ジムに来る人が少なくて困ってたんですよぉ。ちょうどよか
った〜」
−−
ゆり子は彼女にスペシャルダイエットメニューを組んでもらい次の日以降それに取組むよ
うになったのだった。しかし、ジムで多少カロリー消費を増やしたところで摂取するカロ
リーの方が大きすぎるため効果は焼け石に水であった。
それに番組スタッフ陣はスイーツに苦戦するゆり子の映像をなんとか撮りたいと画策する
あまり、毎日用意するスイーツの量をどんどん増やしているのだった。それに伴ってゆり
子のカロリー摂取量も右肩上がりに上昇していた。
そんなことも知らず、ゆり子はそれらのスイーツ達を毎日あっさりと平らげてしまってい
るのであった。