甘い誘惑

ブラン 作
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伝説挑戦も中盤を過ぎていた。
ゆり子に毎日準備されるスイーツの数と量はいつの間にか初日の2倍を上回っていた。
三食と3時のおやつのほかに、朝10時と夜10時にも間食が用意されるようになった。
それでもゆり子は満面の笑顔でそれらを平らげてしまうので番組スタッフ陣は何か次の手
がないかと模索を続けていた。そして20日目から新たな企画が実施されることになった
のだった。
20日目、まずゆり子は10日に1度のドクターチェックを受診した。
数日前に体操着のサイズをまたワンサイズ上げてもらったにも関わらず、体操着の胸元は
大きく前に突き出して窮屈そうになっている。ドクターが言う通りに体操着をまくり上げ
るとピンクのブラに包まれたバストがあらわになる。ブラのサイズは一週間前にJカップ
に上げたところだが、カップの内側にはみっちりと隙間なく柔らかな乳房が収まっていた。
ドクターは前回よりも明らかにボリュームの増した胸部に聴診器を当て体調のチェックを
済ませた。
次は体重測定となる。ゆり子は半ばあきらめ気味に、体重計に足を載せる。
「66.5kgです。」
助手が無感情にその数字を読み上げた。
「(ご、ごっ、5キロも増えてる!?)」
このところのカロリー摂取量を考えれば当然の結果かもしれないが、ゆり子はその数値を
見て大きなショックを受けていた。
それに追い打ちをかけるように助手から新たな特別企画の説明があった。
その企画とは全国の人気スイーツベスト100を100位から順番に1位までどんどん食
べていくというものだった。しかも、100個のケーキを3日以内に完食しなければなら
ない。達成できない場合は伝説失敗となるのだ。
有無を言わさずゆり子の部屋にスイーツでぎっしり詰まった巨大なショーケースが運びこ
まれてきた。
「ええー!こんなの聞いてないです。」
不平を言ったも聞き入られるはずもない。この人気スイーツベスト100食べ尽しは前回
挑戦者の元力士が断念したいわくつきの企画であった。ケーキのサイズもバイキング用の
小さなものではなく、1つ1つがそれなりに食べ応えのあるサイズであった。
さすがのゆり子もこれだけのケーキを目にして達成できる自信は薄れていた。
「でも、ここで終わる訳にはいかない。‥‥よーし、いっただきまーす!」
ゆり子は意を決すると目の前のケーキに取りかかった。
凄い勢いでまず5個を平らげると、少しコーヒーを飲んで一息入れた後、続いてまた5個
を平らげた。このような調子で、昼食代わりに5個、3時に3個を平らげ、夜は時間をか
けて8個を食べた。一日で食べた数は26個であった。
「3日で100個なんてとても無理だわ・・・。」
思った通り、次の日も一日目を少し上回ったが28個が限界だった。。
「も、もう無理〜。さすがに食べすぎで胸焼けがしてきたわ・・・」
1日目と2日目を合わせて54個という結果であり、最終の3日目には46個のケーキが
ゆり子を待ち構えることとなったのだった。
−−
次の日の朝。
ゆり子は残り54個のケーキを目にしてなぜか不敵な笑みを浮かべていた。
そうして手始めに1つ片づけたかと思うと快調に食べ進んだ。実はこれまで封印していた
超強力な胃薬を昨日の夜に飲んで寝たため朝起きてからすこぶる快調なのだ。
強力胃薬ジアスター10は食物の消化が促進されることは当然だが、食欲が増進されると
ともに、栄養の吸収も大幅に促進されるため体重が増加しやすいという難点があり、それ
を気にしてゆり子は今まで服用しなかったのだ。
ゆり子はものすごいペースで食べ進んでいる。昼までに20個を片づけると、昼過ぎに少
し仮眠をとったあと夕暮れまでにまた20個を平らげていた。
普段の大量食いのお陰で胃袋の容量が増しているのに加えて、強力な胃薬がどんどん消化
してくれるので、食べるペースも以前ほどには落ちてこない。
「(すごい・・・これが強力胃薬ジアスター10の威力なの??)」
再び驚異的なペースで食べ進み、夜にはさらに10個を片づけた。そうして残りの4個を
ゆっくりと余裕をもって胃袋に納めた。
ゆり子は最後の1個を平らげると、もう限界とばかりに身体をそらして仰向けになった。腹部は食べたものでパンパンに膨れて一切身動きが取れなかった。
「やった。これで終わったわ。」
−−
このところの死闘でゆり子の身体にはまたたっぷりと脂肪がついていた。購入したばかり
のブラジャーのホックは止まらなくなり、ショーツやブルマのサイズもまた一つ大きくし
なくてはならなかった。番組スタート時は健康的なナイスバディと呼んで差し支えない体
型であったが、今では誰がどう見てもぽっちゃりの領域に足を踏み入れているのであった。