夏美の夜の夢

ブラン 作
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「いらっしゃい。きたわね♪」
先生は夏美の杞憂もよそに少し楽しげに彼女を迎え入れた。
先生の家のリビングテーブルには乱雑に書物が投げ出されてあった。夏美が通され
たのはそのリビングの隣の部屋だった。その部屋はベッドがないこと以外は夏美が
夢でよく見た部屋の風景そっくりであった。魔法陣のような図形が描かれたカーペ
ットが部屋の床に敷かれ、燭台や剣などさまざまな道具が配置されていた。
先生がデルレの儀式の準備を整えると夏美も準備をするように言われた。
「服を脱いでホーリーサークルの真ん中に立ってもらえるかしら?」
服を全て脱ぎ、図形の真ん中に立つのだそうだ。
「ぜ、ぜんぶ脱ぐんですか?」
同性であり、先生と生徒の間柄といえども他人の前で一糸まとわぬ姿になるのには
抵抗があった。夏美は先生がレズビアンで自分を襲おうとしているのかもしれない
と一瞬馬鹿げた妄想をしたが、夢の中とほぼそっくりに準備してある部屋を見て純
粋に先生がデルレの儀式を再現しようと手を尽くしてくれている様子をみてその考
えを取り消した。
夏美は戸惑いながらも心を決めて服のボタンを外し始めた。ニットを脱ぐと規格外
の大きなブラジャーに包まれた豊かな膨らみが現れた。この二週間で胸はまた2セ
ンチ大きくなり110センチに達していた。ぴったりだったはずのブラジャーは成
長したバストに押し上げられてカップが少し浮き気味になっていた。
彼女は背中に手をやってホックを外し、スカートとショーツを脱ぐと何もつけてい
ない姿になった。
「ブラを外してもほとんど形が崩れないのね。まるで奇跡のようだわ。それに、胸
以外には無駄なお肉もついてないし完璧なスタイルよね・・・。」
先生は作り物のように大きなバストとそれとは対照的に細い身体のラインを眺めな
がら、彼女にホーリーサークルの中心に立つように言った。夏美が歩くとブラの拘
束が無くなった乳房がプルプルと揺れた。
部屋の電灯が消されると明かりはロウソクの炎だけになった。
サークルの真ん中に立つ彼女に両手を乳房に添えて真ん中に寄せるように言った。
夏美は顔を真っ赤にしながら先生の指示に従い、両手で大きな乳房を中央によせる。
「こ、こうですか?」
双の乳房が縦にひしゃげて中央に深い谷間が出来上がった。先生はサークルの中に
踏み入れ夏美の目の前まで近づいた。
「もう少し胸を寄せて。」
夏美は言われるがままにさらに乳房を寄せると左右の乳頭がくっつくほどになった。
先生は何やら呪文のような言葉を唱え始めた。言葉は理解できないが、夢の中の男
が唱える呪文とそっくりであった。先生の呪文の読誦はしばらく続いた。
あるとき呪文が途切れたと思った次の瞬間、先生は夏美の胸元へと顔を近づけてく
る。そして、彼女の両の乳首を一度に口に含んだ。
「ひゃあっ」
夏美は乳首を口で触れられ、くすぐったい感覚に思わず身を後ろに引く。しかし、
先生は夏美の両の乳首をしっかりと口に含んで離さなかった。
しばらくすると不思議なことに夏美の乳房全体がほんのりと淡い光を帯びてくる。
最初、その微かな光はロウソクの明かりに邪魔されてほとんどわからなかったが、
徐々にその光は強くなった。
「な、なんなんですか?これ?」
夏美はその光景に驚いた。先生はようやく夏美の乳首を口から離し、乳房がほんの
りと光を放つ様を眺めた。
「来るわ。」
「来るって何が?」
「女神のミルクよ。見てなさい。」
夏美は自分の乳房が神々しい光に包まれている目の前の光景が信じられなかった。 
その光はだんだんと強くなり部屋全体を照らし出していた。しかし、しばらくする
と光は徐々に弱くなっていった。
「どうして出ないの?」
先生は怪訝な面持ちで光が失われようとしている乳房を見つめた。やがて光は消え、
ロウソクの明かりだけに戻った。
「ごめんなさい。失敗だったみたい。」
「いえ、でもこんな不思議なことが起こるなんて・・・びっくりしました。」
「失敗だったけど、私の仮説が合っていたことはわかったわ。夏美さんは白魔法グ
ランポワにかかっているということを。」
先生は気を取り直して夏美の方をまっすぐに見た。
「先生?もし今のがうまくいってたらどうなってたの?」
「夏美さんの乳房から女神のミルクが溢れ出したはずよ。私はそれを聖なるゴブレ
ットに受ける。胸はみるみる小さくなるはずだった。問題はもうちょっとと言うと
ころでどうして出なかったのか?なのよ。」
先生は頭を巡らせているようだった。夏美はぼそりと呟いた。
「白い騎士・・・」
「そう、白い騎士よ。私ではダメ。やっぱり本物のホワイトナイトが必要ってこと
みたいね・・・」
夏美はいつも見る夢を思い浮かべた。ギリシア彫刻のような精悍な青年、そしてそ
の青年が夏美の巨大な乳房を弄びいつの間にか絶頂に達してしまうことを。
「試す価値はありそうね。それにはまずホワイトナイトになってくれる人を探す必
要があるけどね。」
先生はそういうと夏美の方に向き直った。
「ホワイトナイトはあなたのことを強く信頼し敬う未婚の男性でなくてはいけない
んだけど、夏美さん、彼氏はいるの?」
彼氏どころか奥手で男性と喋るのが苦手で男友達もいない彼女は大きなため息をつい
た。
「もう、夏美ちゃんのようなカワイイ娘を放っておくなんて、男子達は見る目がない
わね。別に友達でもオッケーだけど、とにかく何でもいいから男を探してくること!
わかったかな?」