超乳昔ばなし ももたろう その11

ブラン 作
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赤鬼に追い詰められた桃子は腰の袋から小さな竹筒を取り出しました。
そして蓋を開けてその中身を口の中に流し込みます。口の中に強い苦みが広が
ります。きびだんごを三日三晩煮詰めたという特別な薬です。おばあさんがい
ざというときのために桃子に渡してくれていたものでした。

(ドクン、ドクン・・・)

桃子は心臓の音が大きく聞こえてきたように思いました。胸の辺りが苦しくな
り始めます。

(ドクン、ドクン、ドクン・・・)

ガクガクと身体が震え、意識がだんだんと遠くなっていきます。

(むくっ)

桃子の豊かな胸元が少し膨らんだかのように見えました。次の瞬間、桃子の乳
房は服を突き破って一気に大きさを増しました。

(むくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむく
むくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくっ!!!!!)

あっという間にききょうの大きさを超え、最初の広間で動けなくなっているあ
やめの乳房ほどの大きさに達しました。しかし、まだまだ胸は膨らんでいきま
す。鋼鉄の広間で黄鬼を押し潰したさくらの乳房ほどの大きさに達しました。

「な、なんだこれは!?」

赤鬼はふと周りを見ると桃子の乳房の間に挟まれていることに気づきました。
赤鬼の腰はすでに桃子の二つの乳房の谷間に埋もれています。逃げ出そうにも
なかなか足が動きません。

「ぬう・・・こしゃくな」

赤鬼は桃子の谷間から抜け出そうとします。しかし、乳房のかさはどんどんと
増していきます。赤鬼の左右から乳房の壁が押し迫ってきます。

「ぐぐぐぐぐ・・・・」

桃子の乳房は赤鬼の背丈を追い越し、すっぽりと包み込んでしまうほどになり
ました。
赤鬼は乳房を両手で押し返しながらなんとか谷間から抜け出そうと上へとよじ
登ります。
やがて赤鬼は何とか乳房の谷間から顔を出しましたがそこはもう広間の天井に
近いところでした。

「ぬおおおおお・・・苦しい・・・」

乳房はまだまだ大きくなります。天井と乳房の間にできた隙間はどんどんと小
さくなっていきます。赤鬼はとうとう完全に桃子の乳房の谷間に埋もれてし
まったのでした。

「ぐあああああああーーーっ!!」

赤鬼のうめき声が聞こえています。しかしその声は小さくなりそして聞こえな
くなりました。桃子の乳房は大きな広間をいっぱいに満たし、谷間の赤鬼を押
しつけ、窒息させたのでした。


(ミシッ、ミシ、ミシッ・・・)

戦いは終わりました。ですが、屋敷全体がミシミシと軋む音がしています。
桃子の乳房はなおもその大きさを増そうとしているのです。

(バキッ、ベキッ、ガシャン)

桃子自身は意識を失っているようです。しかし、その乳房は広間の壁や天井を
今にも突き破ろうとしています。

「・・・んっ?・・・!」

大きな物音に目を覚ましたのはききょうでした。
ききょうは赤鬼にふっとばされて壁を突き破り瓦礫の中で気を失っていたので
した。

「ど、どわーーーっ!!な、なんなのあれ?」

ききょうが突き破ってできた壁の穴から広間を覗くととてつもない大きさの乳
房が部屋をみちみちと満たしているのが見えます。

「あれって、桃子のおっぱいよね?なんて大きさなの!・・・それより赤鬼
は?いつの間にかあのとんでもない邪悪な気が消えているわ・・・」

ききょうにはだんだんと状況が飲み込めてきたようでした。

「そうか、桃子があのおっぱいで赤鬼を押し潰したんだ・・・。でも、このま
ま大きくなり続けたらこの建物が持たないわ・・・」

屋敷はミシミシと音を立てており、あちこちでバキバキと壁が割れる音やガ
シャンと物が落ちる音がしています。ききょうはとりあえず自分の身を守るこ
とを考えました。

「そうだ!鋼鉄の広間にいったん避難しよう。あそこなら潰されることはない
わ。」

ききょうは赤鬼の攻撃で身体を痛めていましたがそんなことは言っていられま
せん。よたよたと歩きながら鋼鉄の広間への階段を探しました。

(バキバキッ、ベキッ、バリバリバリバリバリッ!!!!)

桃子の乳房が広間の壁を破り始めているようです。ききょうは壁が崩れる寸前
に階段を見つけ鋼鉄の広間へと降りてゆきました。

鋼鉄の広間では巨大な乳房のさくらとあやめが不安げに部屋が崩れないかと心
配しています。あやめは最初の宴会の広間にいたのですが異変を察知し、重い
胸を少しずつ移動させながらこの広間までやってきたのでした。

「あやめ!さくらっ!大丈夫だった!?」

二人はききょうの姿を認めてぱっと顔が明るくなりました。

「ききょうちゃん!あなたこそ。桃子は?大丈夫なの?」
「一体何が起こっているの?」

ききょうは二人に上で起こったことを説明します。そして避難するためここに
戻ってきたことを話しました。

(ズドドドドーーーーン!!!!!)

屋敷が崩れる大きな音がしました。三人は耳をふさぎながらこの鋼鉄の広間が
崩れないことを祈りました。



どれほどの時間が経ったでしょうか。鬼の屋敷はしんと静まりかえっています。
あやめ、ききょう、さくらの三人は無事のようです。そうなると桃子の様子が
心配になってきました。

「ふぅ、すごい音だったわね。みんな大丈夫だった??」
「うん。大丈夫。それより桃子が心配なんだけど・・・」
「じゃあ、私が外の様子を見てくるわ。」

ききょうはそう言いました。あやめとさくらは胸が大きくなりすぎて身動きが
取れないためききょうに任せることにしました。

「気をつけてね!」
「桃子のこと頼んだわよ!」

ききょうは二人に大きく頷いて、鋼鉄の扉から外に出ていきました。
広間を一歩出るとそこは真っ暗でした。辺りには崩れた壁や天井が瓦礫となっ
て散らばっています。しばらくして段々と目が慣れてくると状況がつかめてき
ました。
鬼の屋敷は完全に崩れ落ちてしまったようです。ききょうは瓦礫の隙間を歩い
ていきます。時々、大きな胸がつかえて邪魔になりますが、機敏なききょうは
うまく瓦礫の間をすり抜けていきます。
しばらく歩くと先の方に明るい光が見えました。ききょうはその光に向かって
歩きます。

「まぶしい・・・」

ききょうは瓦礫の隙間にできた光の枠に足を踏み入れました。
するとそこは太陽の光が降り注ぐ野原でした。

「あれっ?ここって鬼の屋敷の外だよね?」

ききょうは歩いてきた方向を振り返って驚きました。

「な、なんなの!?あれ!」

鬼の屋敷があった場所に肌色の巨大な饅頭のような塊が鎮座しているのです。
ききょうは目の前のそれを見上げますが相当な高さがあるようで頂上は見えま
せん。

「辺りが暗かった原因はこれだったのね。この二つの巨大な山のようなもの
・・・桃子の“おっぱい”だわ。」

ききょうが呟いた通り、それは桃子の乳房でした。まさに山のようなとてつも
ない大きさです。桃子の乳房は広間の壁や天井を突き破った後もどんどんと大
きくなり、次々と屋敷の部屋を押しつぶしてゆきました。やがて屋敷全体をな
ぎ倒し山のような大きさになったところでやっと成長を止めたのでした。

「桃子〜!!大丈夫なの!?」

ききょうは大きな声で叫びました。しかし、返事は帰ってきませんでした。

「このおっぱいのふもとを辿っていけば、桃子に会えるかも・・・」

そう考えて、ききょうは乳房の周囲をだどっていくことにしました。
かなり歩いたところでやがて二つの山の谷間が見えてきました。この谷間の根
元に桃子がいる筈です。

「桃子〜!!どこなの〜!?」

ききょうの必死な呼びかけに微かに答える声がありました。

「・・・き、きょ」

「桃子!!」

ききょうは乳の隙間からようやく桃子の姿を見つけました。顔は疲れ切ってい
ましたが生気はあるようでした。ただ、ききょうが助けようにもこの乳房では
どうすることもできませんでした。

「終わったのね・・・?」

「ええ。終わったわよ。桃子がやっつけたんだからね!」

「わたしが?」

桃子は胸が膨らみ始めてからの記憶をすっかり無くしているようでした。二つ
の乳房はものすごい勢いで膨らんで広間を満たし、赤鬼は谷間から出られずに
とてつもない乳圧を受けて押しつぶされたのでしたが桃子にはその覚えはあり
ませんでした。

「ええ。鬼退治は終わったわよっ!」

桃子はほっと安堵の息を漏らしました。
しかし、安心すると心配になってくるのは今後のことです。

「これからどうしよう?このムネじゃ身動きできない。」

「まともに動けるのは私だけね・・・」

今ではききょうの胸が四人の中で一番小さくなってしまいました。

「ききょうちゃん、悪いけど私のおばあさんに会いに行ってムネを元に戻す方
法を聞いてきてくれないかしら?」

「だめよ。桃子やあやめ、さくらを置いて行くわけにはいかないわ!」

「うーん。困ったわね・・・」

その時でした。近くの草むらでわずかな物音がしたのをききょうは聞き逃しま
せんでした。

「誰!?そこに誰かいるんでしょ!?」

ききょうは草むらに向かって叫びました。
すると身を潜めてこっそり様子をうかがっていた者が姿を見せました。出てき
たのは人間の若者でした。

「あ、あのぅ。その・・・盗み見するつもりじゃなかったんです・・・」

気弱そうであまり腕っぷしは強そうには見えません。

「あなたは誰?なぜこんなところにいるの?」

ききょうは厳しい目つきで少年を睨み付けます。

「僕は桃太郎といいます。鬼退治にやってきたんですが、鬼が見当たらなく
て・・・」

「鬼なら私たちがやっつけたわよ!」

「ええっ、ほ、本当ですか!?どおりで誰もいないし、屋敷も無くなってる
し・・・正直なところ、一人でどうやって鬼を退治したらいいのかと途方にく
れていたんですが、あなたたちが退治してくれたなんて・・・」

桃太郎は彼女たちが鬼を退治したと聞いて素直に喜んでしました。
そして目の前にいる小柄な少女の愛くるしい表情とそれに似つかわしくない巨
大な胸のふくらみが気になっていました。

「ほんとっ、大変だったんだから!・・・あっ、ちょうどよかった!あなたに
一つ頼みたいことがあるの。」

桃太郎は頼みごとと聞いて少し面倒そうに思いましたが、この美しい少女の頼
みなら聞いてあげるしかないと思いました。

「ぼ、僕にできることなら協力するけど・・・」

ききょうは桃太郎に桃子のおばあさんに会いにいって胸を元に戻す方法を聞い
てきて欲しいと頼みました。

「じゃあ、お願いねっ!ついでに村に立ち寄ったら私たちが鬼を退治したこと
も言っておいてね!」

桃太郎はききょうの頼みを果たすため鬼ヶ島を発ちました。
桃太郎は立ち寄った村で鬼が退治されたことを知らせると村人たちはお祭り騒
ぎのように大喜びしました。どの村でも桃太郎は大歓迎を受け、村人は話を聞
きたがりました。桃子と三人のお供が鬼を退治したと説明しましたが、伝え方
が悪くて、中には桃太郎自身が鬼退治をしたと誤解した村人もいたようです。

とにかく鬼ヶ島の鬼は桃子たちによって退治されましたとさ。

めでたし、めでたし。