美容室のお姉さん 15

ブラン 作
Copyright 2015 by Buran All rights reserved.

夏が来た。
といってもアウトドアが好きな方ではない僕にとってあまり生活に変化はな
い。どちらかと言えばエアコンの効いた部屋で冷たいビールを飲みながら本を
読んだり、映画を見たりする方が性に合っている。
夏を心待ちにしていたのは僕でもさやかちゃんでもなく、お姉さんに他ならな
かった。せっかく海に近いところに引っ越してきたのだから三人揃ってビーチ
に行こうと気を張っている。海に行くためにダイエットしたし、新しい水着も
買ったそうだ。
里中家からは車なら30分ほどでビーチに行くことができる。地元では有名な
ビーチがあり休日は結構な人出で賑わうらしい。僕は砂や潮でべとべとになる
よりもまだプールの方が好きなのだが、お姉さんは当然一緒に行ってくれるも
のと考えており、僕に拒否権はなかった。
さやかちゃんはというと僕以上に夏の海が苦手らしく早々に“私、行かない”
と宣言していた。なので、必然的に僕とお姉さんの二人きりで海に行くことに
なっていた。
あまり気は進まないながらも、お姉さんの水着姿が見られるとあってちょっと
行ってみようかという気になった。

「じゃーん!浜口くん、どうかなこの水着?」

リビングでさやかちゃんと並んでテレビを見ていたところに、お姉さんが水着
を着て現れたのだ。セクシーな黒ビキニだった。
むはっ!乳が半分以上出てるじゃないか。め、めちゃくちゃエロい!

「す、すごく似合ってると思いますよ。」

おっと、いかん、ここはさやかちゃんの前だぞ。鼻血が出そうなくらいの興奮
を抑えて平然を装う。でも顔は結構真っ赤になっていただろう。

「やっぱり、そう思う?ちょっと胸がきついんだけど仕方ないかな。」

カップの部分以外は紐になっていていわゆる紐ビキニというタイプで巨大なバ
ストはいくらも布で隠れておらず、カップの上下左右からはみ出している。い
つも着けているブラジャーに比べればはるかに露出度が高い。ショーツも紐で
結ぶタイプになっていてこちらも目のやり場に困ってしまう。

「ねえねえ、さやかはどう思う?」

「・・・・・」

さやかちゃんは母親の水着をチラリと見ただけで黙っている。

「うん?何か言いたげな目ね。」

「歳 考えた方が・・・」

さやかちゃんが低い声でボソッとつぶやく。

「なにぃー!!」

二人の親子喧嘩を初めて見たかもしれない。

「いいわよ!お母さん、浜口君と一緒に楽しんでくるんだから!さやかはしっ
かり留守番しておくのよっ。」

こうなるとどっちが子供なのかわからなくなってきた。この後の僕のフォロー
は大変な作業だった。


さて、よく晴れた休日、僕らはお姉さんの軽自動車に乗り込み海へ向かって出
発した。
僕とお姉さんと……。そして、何故だかそこにさやかちゃんも。
お姉さんが何度誘っても行かないと言ってた彼女が、前日の夜に突如として
“私も行く”と言い出したのだった。どういう風の吹き回しなのだろうか?
やっぱり女という生き物は気まぐれなものだ。

車を運転するのは僕の役目だった。
お姉さんは慣れた道ならいいが、そうでない場合の運転はかなり危なっかし
い。運転経験のそれほど多くない僕の方がまだましだった。
助手席にはお姉さんが、後部座席にさやかちゃんが座った。海が近づくと潮の
香りが車内に漂ってくる。ビーチの近くの駐車場に車を止めて歩くと夏の日差
しが肌を突き刺してきた。

「うわぁ、いい天気ね!」

お姉さんは青い空と海、そして白い砂浜に目をキラキラと輝かせている。ビー
チは結構な人で賑わっていてたくさんのパラソルの花が咲いていた。
ビーチの入り口でパラソルのレンタルを申し込むとスタッフがそれを熱い砂の
上に立ててくれた。僕はその下にビニールシートを引き、その上に持ってきた
荷物を置いた。そして折り畳み式のイスを二つ広げてお姉さんとさやかちゃん
が座れるようにした。

「ねぇ、私、ちょっと足を浸けてきてもいいかなぁ?」

お姉さんは待ちきれないといった様子で僕とさやかちゃんの二人に同意を求め
た。
僕がいいですよと言う前から羽織っていたパーカーとTシャツを脱ぎ始めてい
る。大きな胸がTシャツに引っ掛かって脱ぎにくそうにしていたが、脱げると
ド迫力の黒ビキニおっぱいが目の前に登場した。

(ぶるるるんっ!)

うおおっ、すげぇな、やっぱり。ビキニの黒と胸の白さとのコントラスト、そ
してその圧倒的なサイズ感に目が惹かれてしまう。続いてショートパンツを脱
いでしまうとそれをイスの背もたれに放り投げた。

「行ってくるっ!」

そういうとお姉さんは僕とさやかちゃんを残して海際へと走っていった。

「何だかお母さんが一番子供みたいだよね……。」

「うん」

さやかちゃんはサングラスをかけて麦わら帽子をかぶり折り畳みイスに腰掛け
ている。足首まである南国風のロングドレスを着て、腕が日焼けしないように
薄いパーカーを羽織っている。逆にこっちは全く泳ぐ気がなさそうだ。

お姉さんは海際で足を海に浸け、しゃがんで水を触わっている。そして、立ち
上がって僕らの方を向いて手を振っている。僕がそれに答えて手を振り返すと
気が済んだようでこっちに引き返してきた。
砂浜を駆けてくるお姉さんのバストは黒ビキニからこぼれ出さんばかりにどっ
ぷん、どっぷんと大きく揺れている。その様子を僕だけじゃなく、周りの人た
ちの注目も浴びていた。