美容室のお姉さん 16

ブラン 作
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「ねぇ、早く泳ぎましょうよ!」

お姉さんはパラソルに戻ってきて僕らを急かすように言った。僕はビーチボー
ルを膨らませたところでようやくこれから着替え始めるところだった。

「私 ここで見てる 行ってきて」

「ええっ?さやかったら、せっかく来たのに!仕方ないな……じゃあ、浜口く
ん、行こう。」

そういってお姉さんは僕の手を引っ張った。まだ着替えの途中なんだけど。

さやかちゃんをパラソルに残し、お姉さんと二人で海の方へ歩いて行く。
黒ビキニの胸はぶるん、ぶるんと揺れ放題でサービス満点だ。すれ違う男ども
がお姉さんの巨大なおっぱいとその谷間にじろじろとエロい視線を送ってく
る。
まぁ、男なら誰しも気になってしまうのは仕方がない。見るくらいは許してや
ろう。
この美女のおっぱいの柔らかさと重量感を知り、それを独占しているのは僕な
んだとちょっとした優越感に浸る。

海水に足を浸け、お姉さんとビーチボールを打ち合う。何て楽しいんだろう。
パチン、バスンとボールを打つたびにお姉さんの胸がバイン、バインと弾む。
本当に胸がビキニからこぼれてしまわないかひやひやする。
こぼれてしまったら周りで見ている男どもが得するだけで、逆に僕は損した気
分になるのだろうけど。
少し水深の深いところまで出て泳いでみる。水が冷たくて気持ちいい。都会の
海とは違って透き通っていて、ある程度深いところまで見渡せる。たくさんの
小魚が泳いでいるのも見える。
お姉さんは平泳ぎで僕の方に向かってくる。子供のころによく泳いでいたそう
で泳ぎはなかなか上手だった。でも、大きな胸が上下に揺れて泳ぎにくそう
だった。

「やだっ、水着がずれちゃった……。」

ほら、やっぱりそうなる。黒ビキニがずれ上がりバストトップが両方ともぼろ
んと露わになっている。まったく、天然なのか僕を戸惑わせようとワザとして
いるのかわからない。
僕はお姉さんがしゃがんでおっぱいを水着に収める間、できるだけ周りから見
えないように隠していないといけなかった。
まあ、そんなトラブルを含めてお姉さんとビーチでじゃれ合うのはこの上なく
楽しかった。よく遊んだせいか昼前だというのにもうお腹が空いてきたと言
う。
僕らは一旦、さやかちゃんの待つパラソルまで戻って昼ご飯を調達することに
した。

「ただいまー!」

さやかちゃんはサングラスを少し下げて僕らを眩しそうにみた。自分は冷たい
コーラをミニテーブルに置き、本を開いてくつろいでいたようだ。

「あ、じゃあ、僕、何か食べ物買って来ますね。」

海の家で焼きそばやたこ焼き、串焼きなんかと飲み物を買ってきてテーブルの
上に沢山並べた。お姉さんは相当空腹なのかそれらを次々と口へ運んでいく。
相変わらずよく食べるよなぁ…。と思ったら、お姉さんに負けじとさやかちゃ
んもよく食べている。泳いでもないのにお腹が空いているんだろうか?まあ、
育ち盛りだからそういうものか。と、そんな風に二人の食べる様子を眺めてい
たら僕の食べ物がほとんど目の前から消えていた。

昼を過ぎて日差しはますます強烈になり気温も上昇してきた。
お姉さんはパラソルの下、ビーチマットにうつ伏せに寝そべって体をリラック
スさせている。巨大なおっぱいが押しつぶされ横からはみ出ていた。
僕もチェアに腰かけながら灼熱の砂の上を歩く人たちをぼんやりと眺めていた
のだが、突然、となりに座っていたさやかちゃんがすっくと起き上った。

「ちょっと行って来ようかな」

海には入らないと思っていたので僕とお姉さんは驚いて顔を見合わせた。
彼女は麦わら帽子を脱ぎ、サングラスを外して羽織っていたパーカーを脱ぎは
じめた。そしてロングドレスの裾を掴んで下からそれを捲り上げると、さやか
ちゃんの白い脚と細い腰回りが見えた。そして……

(ぶるりんっ!)

オレンジ色のビキニに包まれた特大バストが僕の目の前に現れる。
うおおっ。で、でかい……。そうか、下に水着を着込んでいたのか。それにし
ても……この歳にしてなんとよく育ったものか。
お姉さんのセクシービキニとは違って比較的布の面積が大きいタイプなのだ
が、豊かな胸を覆い隠すには生地が足りていない。小さい水着がバストに食い
込み、収まりきらない柔肉が溢れて盛り上がり中央で見事な谷間を形成してい
る。カップの脇や下からもはみ出ておりいわゆる横乳、下乳が見られる状態で
ある。
明らかにサイズが合ってないじゃないか……。これはさすがに目の毒だなぁ。

彼女は荷物から日焼け止めのローションを取り出してぴちゃぴちゃとたっぷり
腕や足、身体へ塗りたくっている。首から肩からそして胸元、腹部、腰回り、
脚へとけっこう入念にだ。大きな胸を持ち上げてその下側もしっかりと。
僕はその様子を目の端で捉えながらもあまり見ないように外を眺めていた。

「先生 ちょっと手伝って」

彼女はそういって僕に日焼け止めローションの瓶を手渡した。こっちに背中を
向け、塗ってほしいということのようだ。
僕は彼女の全く日焼けしていない真っ白で美しい背中を見つめる。
ごくっ……。い、いや、俺は何を緊張してるんだ??彼女は教え子で単に背中
に日焼け止めを塗ってあげるだけなんだぞ。
ローションを手の平に取り彼女の小さな背中に塗る。白い肌は絹のようにきめ
が細かくすべすべとしている。肩甲骨辺りとその下の方へと手を滑らせ、また
ローションを補給して背中の下、お尻の上の辺りまで塗ってあげた。

「ありがと」

彼女はそう言い残すとビーチサンダルを履いて海の方へと歩いていった。
心臓の鼓動がかなり早くなっていたのに気がついた。何でどきどきしてんだろ
う、俺。
僕はさやかちゃんが歩いていく後ろ姿をしばらく眺めていた。

さやかちゃんは海際まで歩いていき、すねが浸かるくらいの浅いところでしゃ
がんで海の水をぴしゃぴしゃと跳ねさせていた。二、三分してもう満足したの
かこちらに向かって歩き出した。遠目に見ていても彼女の胸はとても大きくみ
えた。どちらかといえば華奢な部類に入る体格にメートルオーバーの特大バス
トはどうしても目立ってしまっていた。

その時だった。

砂浜をこちらに向かって歩くさやかちゃんに、たっぷり日焼けした二人の男が
何やら声をかけている。男たちは彼女にしつこくしゃべりかけているようだ。
なんだ!?あいつら。
彼女はそれに取り合わない様子だが、男たちが彼女の歩く方向をふさいでし
まっている。
僕は思わず駆け出していた。
熱い砂の上をサンダルを履くのも忘れて全力でさやかちゃんの方に向かって駆
けていた。
やっぱり、ナンパ野郎か。彼女が嫌がってるじゃないか。

しばらくして、さやかちゃんが走ってくる僕の姿に気がついて手を大きく振っ
た。

「せんせーい!!」

二人組の男たちは“先生”という言葉にはっと驚き、僕の姿を見ると走って逃
げ始めた。
学校の先生か何かと間違えたのだろう。後から考えれば逃げてくれてよかった
と思う。

「大丈夫だった?」

「うん」

僕は砂浜をダッシュしてきたのでぜいぜいと息を切らしていた。
彼女には何もなかったようだ。僕が小さくなる男たちの後ろ姿を見つめている
と僕の腕を彼女がぎゅっと掴んできた。怖かったのかな?
僕はさやかちゃんに腕を掴まれたままパラソルまで戻ってきた。お姉さんは何
があったのかと心配していたが、僕が理由を話すと大笑いした。

「あははっ、ナンパに怒って飛び出していったわけ? さやかだってそれくら
い断るわよ、ねぇ?」

さやかちゃんはにっこりとほほ笑んでいるだけだった。
確かによく考えれば駆けつけるほどのことじゃなかったのかもしれない。彼ら
もまさか中学生だとは知らずに声をかけたのだろう。しかし、なぜ僕はあんな
に腹を立てたのだろう?きっと僕は娘を見る父親のような気持ちでさやかちゃ
んを見ていたのだろう。


後日、里中家にて。

「ええーーーーっ!!!どうして私も連れて行ってくれなかったんですかぁ!?」

不満の大声を上げているのは本条まいだった。

「わたし、暇にしてたんですから〜。ちょっと声を掛けてくれたらよかったのに。
さやかも冷たいなぁ。」

お姉さんは前日にさやかちゃんが突然行くと言い出したことや、車が小さくて
4人乗ると荷物が入らないことなどを説明し、また近々一緒にプールにでも行
きましょうと彼女をなだめたのであった。