乳神様の洞くつ 4

ブラン 作
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【地下一階】
薄暗い洞窟に足を踏み入れた。
かなりの冒険者が訪れたらしく魔物の数は少ないようだが、それでもたまに地
面から湧き出すように魔物たちは現れては私たちに飛びかかってくる。

「やあっ!」

ゼリー状のどろどろとした魔物とコウモリの化け物のような奴をバサバサと切
り捨てていった。本当にこれで胸が大きくなるのかしら?鎧の下の胸には何の
変化も起きていない。
やがて、地下二階へ進む階段までやってきた。さあ、ここからが本番ね。


【地下二階】
リンダから魔物が強くなると聞かされていたので慎重に階段を下りていく。
周囲に魔物の雰囲気は感じられない。階段を下りきって少しほっとした瞬間
だった。

(バシッ!)

私は頭上から一撃を食らった。敵はどこ?
すると目の前には剣士の亡霊が3体も現れており、私を取り囲んでいる。奇襲
を受けたのだ。まさか上から降ってくるなんて。
リンダも亡霊の攻撃を受けて壁に打ちつけられてしまい立ち上がれない。こう
なったら一人で戦うしかない。
私は3体の魔物の剣をかわるがわるに受け止めながら隙を探す。1体が剣を振
りかぶろうとしたとき、私は懐に飛び込んで細身の剣をよろいの隙間に差し込
んだ。

「うごおおー!」

1体の亡霊はバタリと倒れ、さらさらとした砂のようになって消えてゆく。
1つ倒せば後の2体は簡単だった。すばやく切りかかり1体、また1体と同じ
ようにとどめを刺す。

「す、すごい……簡単にやっつけちゃった。」

リンダが私の剣さばきに呆気に取られている。
奇襲の一撃で大したダメージを受けなかったのが幸いだった。これくらいの魔
物なら落ち着けば何体でも片づけられる。
魔物が残したゴールドと薬草を拾い上げてリンダに渡した。

「こいつらにかなりの冒険者がやられたようね。ほら。」

私は近くにいくつかの屍が転がっているのをリンダに教えた。

「ひええっ……さ、先に進みましょう」

「うん。あ、あれ?」

「どうかした?マリア」

き、きたぁ!胸がなんか変な感じがする。

「うん。何だか胸が変なの。ちょっと苦しくって。」

「強い魔物を倒すほどたくさん胸が膨らむみたいだから、今のはかなりキタん
じゃない?」

すぐに鎧を脱いで胸が膨らんだのか確かめたいところだった。でも魔物の気配
が漂うこのエリアでそうするわけにはいかない。

リンダが言っていた通り、1階に比べて魔物は格段に強くなった。しかし、私
の敵ではない。その後もよろいの化け物やゾンビたちをバサバサと切り捨て先
に進んだ。

やっぱり……。胸が苦しい。
よろいの胸の部分にはかなり空洞があったはずなのに、いつの間にかそれがな
くなって胸当ての部分に締め付けられている。魔物の気配が少ないところで革
ひもをほどいて鎧を緩める。でも胸の苦しさは収まらなかった。

「もう少し鎧を緩くしたいわ。どこかにいい場所ないかしら?」

「そういわれても……ないわよ。あっ、近くに魔物の気配がしない場所がある
わ、そっちに行こう。」

リンダの先導でダンジョンを進む。と、今度は岩の化け物が現れる。飛んでく
る岩石を避けながら素早く踏み込んで一気に片づける。

(バシュッ)

「いっちょう上がり。ううっ、やっぱり胸がきついみたい。」

鎧の下の胸がまた変な感じがする。本当に大きくなってるんだろうか?

「ここなら大丈夫そうよ。私が見張っているから外したら?」

リンダが見張ってくれている間に私は革紐を順番にほどいていき鎧を外してみ
た。布の下着の胸元には今までなかった膨らみが存在感を表している。布の下
着をめくり上げる。

(ぷるんっ)

すると見事な丸いおわん型の乳房がお目見えした。

「わぁ、すごおい。これが私のむねなの?本当に大きくなってる!!」

両手でそれらを覆ってみるが、手のひらからはみ出してしまう。ロブリアでは
十分に巨乳と呼ばれる大きさになっている。
手で乳房を真ん中に寄せると今まで見たことがない胸の谷間ができあがった。
なんて柔らかいの?そしてこのうっとりするような心地よい感触。

「私よりも大きいじゃない?いいなぁ、マリアは強い魔物を倒せるから。」

「あなたも少しは倒しなさいよ!私ばっかり働かせて。」

「ちがうわよ。私の力じゃダメージが与えられないのよ。」

リンダはトラップを仕掛けたり、薬草をくれたりして私の補助をしてくれる。
だけど、力が弱く直接攻撃ではほとんど役に立たなかった。
私は紐をうんと緩めてから再び鎧を装備した。一体どこまで大きくなっちゃん
だろう?


【地下三階】
ほどなくリンダが三階への階段を見つけ、二人で警戒しながら下りていった。
奇襲を一度喰らったもののその後は許していなかった。地下三階は二階とほぼ
同じクラスの魔物たちが現れる。それほど苦労はなかった。
しかし、気になるのは鎧の下の胸だった。革紐をかなり緩くしたので動くと中
で揺れてしまう。ゆっさ、ゆっさ、ぷるん、ぷるん。今までに感じたことのな
かった感覚に酔いしれてしまう。胸が邪魔になる分、少し素早さが落ちたかも
しれない。でも、胸が揺れるってなんて素晴らしいのかしら?
戦いの邪魔?ううん、これくらい何てことはないわ。
魔物を倒すたびに少しずつ膨らんでいくのも実感できる。十分に緩めていたは
ずの鎧はいつしか窮屈になってきている。

「く、苦しい。困ったわ。これ以上、鎧は緩くできないし。装備を外すわけに
もいけないし。」

いくらなんでも鎧を外して防御力ゼロの布の下着だけで魔物たちと戦うわけに
はいかない。
リンダも私の様子が心配そうだ。

「困ったわね。マリアが戦闘不能になったら終わりだわ。」

その時だった。
こちらに近づいてくる者がいる。敵?だれなの?

「こんにちは〜♪ 私は旅の行商人でえす。何かお困りですかぁ??」

見れば大きな荷物を背負った女の行商人。なぜこんなところにいるの?
話を聞くと、ここは最近人気のダンジョンに選ばれていて、冒険者がたくさん
やってくるからそれを狙って商売をしているらしい。なかなかしたたかな女商
人だ。

私は今装備している鎧の代わりになるものがないか尋ねた。

「それでしたらぁ、これなんかいかがですか?鉄製のよろいです。ほらこの光
沢、美しいでしょう?名のある鍛冶屋が鍛えたものなんですよ。おひとつ
1500ゴールドですけど、いかがですかぁ?」

悪い品ではなかった。今の鎧よりかなり余裕がある作りになっている。素早さ
はかなり落ちるが背に腹は代えられない。
なめし革の鎧を外し新しい鎧をすっぽりと上からかぶる。胸元にはかなりの空
間がありよっぽどのことがなければこれで大丈夫なはず。私は行商人にゴール
ドを支払い自分のものにした。

「ねえ、商人さん?このダンジョンは地下何階まであるんですか?」

「さぁ?たぶん、6階か7階か8階くらいだったと思いますぅ。他の階には私
の仲間もいますから、その子たちに聞いちゃってくださぁい。」

私は鉄製の鎧を身に着けて先に進んだ。素早さがぐんと落ちたが、守備力は驚
くほど高くなった。少しくらい攻撃を受けても平気だ。自分のスタイルとは違
う戦い方だが今は仕方がない。1体、また1体と魔物をやっつけて進む。

「マリアどう?新しい鎧は?」

「重いし、暑いし、動きにくいわ。」

また魔物をやっつけた。重い鎧の下でまた胸が少し大きくなるのを感じた。