乳神様の洞くつ 7

ブラン 作
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【地下七階】
私は電撃の剣の攻撃力に酔いしれていた。
七階に来て魔物はまた一段と強くなったけど電撃の剣の敵ではなかった。一振
りで大ダメージを与え、そのあと悠々と魔物を片づける。調子に乗って倒して
いたらまた胸が大きくなってしまった。
いくら胸が揺れないからといってもこれだけ大きくなってくれば重いし、剣を
振るとき邪魔になってくる。

「おっと……」

「マリア、大丈夫?」

「うん。この胸のせいで足元が見えなくって……困っちゃうわ。」

足元が見にくくて石につまずいてしまったのだ。

「なんかイヤミね。ちょっと胸が大きくなったからって。」

「そんなつもりじゃないわよ。」

胸元を見下ろすとまた一段と大きくなったコートの膨らみが視界を占めている。
胸が邪魔になって足元が見えないなんて……。戦いのときに本当にころん
じゃったら大変よね?気をつけなきゃ。

そのとき遠くに商人の姿を見かけた。
確かもう一人いるって言ってたっけ?何か重要な情報が聞けるかもしれないと
思い、二人で追いかけていって商人を捕まえた。

「あら?いらっしゃいませ。まさか、この階に冒険者さんがいらっしゃるなん
て」

女商人は大人っぽいセクシーな美女でその胸元は大きく膨らんでいる。
商人というより踊り子が着るような露出の多い服を身に着けており、腰から
ヒップにかけては優美な女性らしい曲線を描いている。
私たちよりも年上のお姉さまだった。
普通の冒険者では到達できない階に女一人でやってくるなんてかなりレベルの
高い商人のようだ。

「すみません。あの、この下の八階にボスがいるのでしょうか?」

「はい、おそらく。私は妖気が強すぎて近づけませんが、並々ならぬ雰囲気を
感じます。もし、下に行かれるのなら、その前にこの階の清らかな泉に寄ると
いいでしょう。身体を癒すことができます。」

有力な情報をもらった。
かなりの魔物を倒した私はそれなりに体力を消費していた。リンダも宝箱を開
けるのにかなり神経をすり減らしているので体力を回復できるポイントがある
のは嬉しかった。

「ありがとう。是非行ってみます。」

「ところで……。何かご入用でしょうか?」

「どんなものがあるんですか?」

商人は大きな荷物を足元に下し、中から商品を取り出した。

「そうですね。とっておきが一つあるんですよ。これです……。小さくみせる
ブラといいます。」

女商人は私の胸元を見ながら言った。
商人が荷物から取り出したのは私が今着けている揺れないブラとよく似たブラ
で、デザインはよさそうだけど布の面積がかなり小さそうだった。商人は続け
た。

「戦いのとき胸が邪魔で困るという女戦士さんたちの声を元に作られた魔法の
アイテムなんです。これをつけると大きなバストを押し込めて小さくしてくれ
るんですよ。お客様のように豊かなお胸の方にお勧めします。」

小さくみせるっていっても限度があるわよね。私は半ば疑いの目でそのブラを
手に取ってみた。

「試しに着けてみられますか?」

ものは試し。私はバトルコートの前を外して脱ぎ、ブラ姿になった。
数々の魔物を倒し大きく膨らんだ乳房はブラにみっちりと詰まっていて、前に
大きく張り出している。商人が目を丸くしたのも無理はない。

「わあっ、大きくて素敵な胸だこと。私も大きい方だけど比べものにならない
わね。」

揺れないブラを外し新しいブラをつけてみる。だが、そもそもカップのサイズ
が小さすぎて全く胸を被えていない。全然ダメよ、これ。

「ちょっと苦しいと思いますが、少し我慢してくださいね。」

女商人はブラのバンドをぐいっと引っ張って無理やり背中の留め具を止める。
き、きつい。
きついし、全くサイズが合っていないじゃない。
こんなのを私に売りつけようとしてるの?そう思った瞬間だった。
ブラがほのかに青く光ったかと思うと、窮屈な感覚が少しずつ和らいでいく。
それとともに私の胸はみるみるうちに小さくなっていく。

「えっ、あれぇ??どうなってるの?」

巨大だった胸は小さくなり、一分も経たないうちに手のひらに収まるほどの膨
らみに変化していた。

「苦しくないですか?少し苦しいかもしれませんが着けてるうちに慣れると思
いますわ。」

「うそっ。胸が小さくなっちゃった…」

私は胸に手を当てて触ってみた。巨大だった胸が確かに小さくなっている。

「どうですか?魔法の力で胸を収めているのです。留め具を外すと元通りにな
りますわ。」

そう言いながら、女商人は背中の留め具を外した。すると。

(ボイーーン)

ブラに押し込められていた胸が一気に膨らみ元のサイズに戻った。大きな胸の
重みがずっしりと身体にのしかかる。

「すごい……このブラ。小さくなっている間は胸の重さを感じないのね……。」

これなら全く戦いの邪魔にならない。私はどうしてもこのブラがほしくなった。

「今ならキャンペーン中で18000ゴールドのところを16500ゴールド
で結構ですよ。」

「いっ、16500!?」

さすがに高い。と思ったけどこれだけの優れものを買わない手はない。私はあ
りったけのゴールドを女商人に渡した。


私たちは商人と別れ、清らかな泉に行って見ることにした。
途中、魔物たちに遭遇したが私は電撃の剣を一振りして薙ぎ払った。胸が小さ
く軽くなったお陰でとても身軽になった。それにいくら魔物を倒しても小さく
見せるブラの胸は膨らまない。実際には大きくなっているのだろうけどブラが
抑えてくれているようだ。私は軽快な動きで剣を振るい次々に魔物を倒した。

やがて清らかな水が集まる泉にたどり着いた。私たちはへとへとだった。
泉のほとりに腰を下ろし清らかな水を飲んでみる。すると不思議なことに二人
とも体力が全回復した。

「ふぅ、おいしい水。生き返ったぁ」

「洞窟の奥にこんな素敵な泉があるなんてね。」

「泉の底からきれいな水が涌いているみたいね。お陰で魔物は寄りつかないみ
たい。」

「ちょっと休憩しましょう。私、ブラを外していいかしら?」

さっき買ったばかりのブラがやっぱり慣れない。魔法のアイテムとはいえ、小
さなブラに大きな胸を押し込めているのでやはり苦しい。バトルコートを脱
ぎ、ブラの留め具を外す。

(ボイーーーン!)

ふう。ブラの拘束から胸が解放されるのが気持ちいい。代わりにずしっと重さ
が加わるがその感覚も愛おしく感じる。

「ま、マリア……。また大きくなったわね。」

リンダが目を丸くしている。胸元を見下ろすとさっきよりも明らかに一回り大
きくなっている。ええっ、今の間だけでこんなに大きくなっちゃったの?もう
本当にこれ以上いらないかもしれない。

「お宝も結構いただいたし、胸ももう十分だし、そろそろ引き返えそうか?」

「ええーっ!!ここで帰るなんて絶対なし!最後の階まで行くんだからね!」

やっぱり、リンダが素直にうんという訳がない。
リンダに従い、腰を上げようとしたときだった。

“助けて……”

あれ?誰かが呼んでる?
気のせいかと思った。でも誰かの小さな声が聞こえた。

“助けてください……”

「リンダ?何か言った?」

「ううん。私じゃないわ。何かしらね?」

泉の方に目をやると水面の上をぼんやりとした光が浮かんでいる。

「な、なに!?」

ぼんやりとした光は集めっていき、徐々に形を作り始めた。そしてそれは女の
人の形になった。

“わたしはこの洞窟の女神です。悪い魔物に捕まって閉じ込められています。
どうかわたしを助けてください……”

「め、女神様?」

水面に青白く女神の姿が浮かび上がっている。女神の体は透き通っており実体
ではないようだ。実体は魔物に捕らえているためだろう。

“あなた方にこの水流の盾を授けます。この盾は魔物の強力な魔法からあなた
たちを守ってくれるでしょう。”

女神の姿がふっと消えたかと思うと、水面には一つの盾が浮かんでいた。
私はそれを手に取った。

「女神さま……」

「ここまで来たらやるしかないわね?マリア?」

私は大きな胸をブラに収めてコンパクトにした。
下の階に降りる決心がついた。女神さまからもらった盾を装備し、私たちは清
らかな泉を後にした。