乳神様の洞くつ 10

ブラン 作
Copyright 2015 by Buran All rights reserved.

王都ロブルの入り口で私はリンダと別れ、久しぶりの自分の屋敷を目指した。
大きな胸のせいでバトルコートの前を止めることはできず、天女の布に包まれ
た胸が大きく前に突き出している。胸は歩くだけでぽよぽよと揺れるので嫌で
も人目を引いてしまう。

「な、なんだあれ!?」
「で、で、でかい!なんちゅう乳だ。」
「マリア?女剣士のマリアじゃないのか?」

道行く人々は足を止めて私を見る。子供たちは物珍しいのか私の後ろを付いて
くる。

「すごーい、おっぱい。」
「牛さんみたいね。」
「ねぇ、さわってもいい?」

私は子供たちを振り切りようやく自分の屋敷までたどり着いた。
屋敷の門をくぐると二人の召使いが私を出迎えた。二週間近くも出かけたまま
だったので皆とても心配していたようだった。

「お、おかえりなさいませ。マリア様……」
「いつ帰って来られるのだろうかと心配しておりました。」

召使いたちは非常識に大きな私の胸を前にして驚きが隠せない。

「マリア様、その胸は。」
「何があったのですか?」

口をぽかんと空けて私を見ている召使いをよそに屋敷の中に入った。
私は彼女たちに簡単になりゆきを説明した。
とあるダンジョンで魔物を倒すと胸が少しずつ膨らんでいったこと、様々なア
イテムと宝物を手に入れたこと。女神さまから魔物のボスを倒すよう言われ、
倒した後、ここまで胸が大きくなってしまったことを。
召使いたちは色々と詳しく聞きたいようだったが、私は長旅で疲れていた。
すぐに水浴びで体の汚れを落とし、ベッドで眠りたかった。

私は召使いたちに水浴びの準備を命じた。
準備ができるまで間に持って帰ってきた宝物を荷物から出して並べる。きらび
やかな装飾が施されたティアラや首飾り、腕輪、それから沢山の金貨。そし
て、魔物に圧倒的な威力を示した電撃の剣。
水浴びの準備が整うと水の張られた大きな桶に足を漬した。冷たくて気持ちが
いい。服を脱いで、そして天女の布の結び目を解く。布はするすると解けてい
き大きな乳房が露わになる。と、胸が急に重くなりはじめた。

(ずしっ)

今まで天女の布が支えていた巨大な胸の重量が私の身体にのしかかった。

「きゃっ」

予想していたことだったけど、その重さに耐えきれず胸を抱えて桶の底に座り
込んでしまった。こうなるともう私は身動きができない。

「マリアさま、身体をお拭きします。」
「私は右を、あなたは左側をお願いね。」

大きな桶は私の巨大な乳房でほとんど埋まってしまっている。
二人が左右を分担して身体を拭いてくれる。手が胸に触れるとぽよぽよと揺
れ、力を加えるとむにゅんと歪む。身動きができない私は召使いたちに身を任
せるしかなかった。

「マリア様の胸、すてきですわ。」
「なんて大きいんでしょう。ほれぼれしてしまいます。」

召使いから褒められて少し得意になる。

「とっても柔らかくて……ずっと触っていたくなります。」
「ほんと。ぽっぺをすりすりしたくなっちゃいます。」

召使いたちは私の胸をぺたぺたと触り、ぽよぽよと揺らしたり頬を摺り寄せた
りしている。

「ちょ、ちょっと。くすぐったいからやめなさいよ。」

水浴びが終わると身体を拭いてもらいまた天女の布を身に着けた。胸がまたふ
わりと軽くなった。

日常生活は不便になった。
朝は一人じゃ起きられないし、服を着るのも手伝ってもらわないといけない。
食堂のテーブルにつくと胸がどっかりと占拠して食事を並べるスペースがなく
なってしまうし、胸が邪魔で扉に挟まったり、前がよく見えずに召使いを胸で
押しつぶしかけたこともあった。
当然、剣を振ることはできなかった。朝に剣の鍛錬をするのを日課にしていた
けれどそれも辞めてしまった。



一ヵ月ほどが経ったある日、召使いが一つの書状を持ってやってきた。

「先ほど、城からの使いの者が来られてこれをマリア様にと……」

私はその手紙を読むように命じた。

『ひと月後の王の誕生日に各国の王族を招き盛大な酒宴を開く。
そこで剣士として名高いマリア殿に王の御前で剣舞を披露していただきたい。
日頃の鍛錬を欠かさぬ貴公ゆえ心配はないと思うがロブリア国の代表として来
賓たちを唸らせるような舞を披露していただきたい。三日以内に返事を送られ
たし。 
近衛隊長 ダイン』

私はしばらく言葉を失った。
お城からの招待はとても光栄なことだし、剣の腕が認められたことは嬉しかっ
た。
王様、そして王子の前で剣舞を披露できるし、近衛兵に取り立てられるチャン
スもある。
しかし、今の私は満足に剣を振ることもできないのだ。

「なんてこと……。せっかくのチャンスなのに。」

私は茫然と立ち尽くした。今の私は人前で剣舞を踊れるような体ではなくなっ
ている。
すぐに小さく見せるブラのことが頭に浮かんだ。何とかあれを修理できないだ
ろうか?
胸をあのブラに押し込めてしまえば剣舞を踊ることができる。
商人は魔法道具屋なら修理ができるかもしれないと言っていた。早速、明日召
使いに城下町にある道具屋を片っ端しから訪ねさせよう。

次の日、いくつかの魔法道具屋を回ってもらったがその珍しいブラを見たとこ
も聞いたこともないという。何とか昔に取り扱ったことがあるという道具屋を
見つけたが、修理できるかどうかわからないという。
道具屋の仲間に聞いてみるということで私はブラの修理をその道具屋に託すこ
とにした。直るかどうか確証はないのだけれど。

一週間、二週間と日が過ぎたが道具屋からブラが直ったという知らせはなかっ
た。
剣舞の日は刻々と迫ってくる。このままだと招待を辞退するしかなかった。

「あら?お久しぶり。胸の大きな女剣士さん?」

「リ、リンダ!?」

またしても屋敷の警備をすり抜けてやってきたようだった。

「相変わらずものすごいおっぱいね。ちょっと触らせて…」

リンダは挨拶代わりに両手で私の胸を持ち上げては降ろし、ぽよんぽよんと柔
らかい胸の感触を確かめた。

「あんっ、こら、ちょっと!」

「どうしたの?浮かない顔してるわね?」

「うん、実は……」

私は城からの招きで王の誕生日に剣舞を踊ることになっていることをリンダに
話した。

「へー、なるほど。ロブル中の道具屋に不思議なブラの修理を訪ね回っている
人がいるって聞いたから、もしかして?と思ったらやっぱりマリアだったの
ね。」

「そうなの。剣舞の日は近づいてきてるし、あれが直らないとこの胸のまま
じゃ剣舞は踊れない……」

「マリア?これ、なーんだ?」

リンダが突然、私の目の前に白いブラジャーを広げた。

「えっ、なに?」

一瞬、壊れてしまった私のブラのように見えたが、少し柄が違う別のものだっ
た。

「小さく見せるブラよ。私の情報網を舐めてもらっちゃ困るわ。盗賊ギルドを
通じて手に入れたのよ。結構な手数料を取られたけど、ほかならぬマリアのた
めだからひと肌脱いだわけ。」

「えっ、ほ、本当に?小さく見せるブラなの?」

「少しレースのデザインが違うけど、本物よ。着けてみる?」

早速、私はそれを着けてみることにした。
天女の布の結び目を解くと胸がずっしりと重くなり、私はその場に座り込ん
だ。自分一人では着けることができないのでリンダと召使いに手伝ってもら
う。
二人はそれぞれバンドの端をぐいっと引っ張りながら、ブラを私の胸に押し当
てた。胸の大きさに対してブラはとても小さい。柔らかな乳肉にブラのバンド
が食い込んでいる。
しばらくしてもっと小さく見せるブラはほのかな青白い光を放ち始めた。
すると、私の大きな胸は少しずつしゅるしゅると縮み始めた。

「いいわよ。その調子。全部収まるといいんだけど…」

胸が縮むのに合わせて二人はブラを引っ張り、張りを持たせるようにしてい
る。やがて胸がかなり小さくなってくるとリンダは私の後ろに回った。

「止まるかしら?」

リンダは召使いからもう一つの端を受け取り背中のところで留め金を止めた。

「ふぅ。成功ね。」

見下ろすと胸は見事にブラに収まっていて手のひらサイズのこんもりとした膨
らみに変わっていた。
私はその場でピョンピョン飛び跳ねて胸の収まり具合を確認した。少し苦しい
けど胸は揺れないし、小さく軽い。これで心置きなく剣舞を踊ることができそ
うだ。

「ありがとう!!恩に着るわ、リンダ。」

私は嬉しさのあまりリンダに抱きつき、ぎゅうっと抱きしめた。

「どういたしまして。でも、一つ気をつけなきゃいけないことがあるわ。その
ブラはもともとあなたの胸には小さすぎるみたい。つまり容量オーバーなの
ね。だからあまりブラを酷使するとまた留め具が壊れちゃうかもしれない。」

「うん、わかったわ。気をつける。」

私はお礼を渡そうとしたが彼女は何も受け取らず、照れくさかったのかそのあ
とすぐに屋敷から帰っていった。私の中のもやもやしたものは新しいブラのお
陰で一気に吹き飛んでいた。これで王様、そして王子様の前で思い切り私の剣
の舞を披露することができる。
最高の演技を見せられるようにしっかり練習しておかなきゃ。そう心に決めた
のだった。