かぼちゃの馬車はお城の門の前に着きました。
城の中からは美しい音色とざわざわとにぎやかな声が漏れてきます。
シンデレラは目立たないようにこっそり馬車を降り、隠れるようにして扉に近
づきました。
「お嬢さん、会場はこちらですよ。」
話しかけられてドキリとしました。振り向くと優しいほほ笑みをたたえた貴公
子が立っていました。
「えっ、あっ……」
「さあ、私がエスコートいたしましょう。」
男はシンデレラの手を取りました。舞踏会の会場に連れて行ってくれるという
のです。
「あっ、あの……」
シンデレラはとっさに言葉が出てきません。何しろ大人の男性に手を握られる
のも初めてのことだったのでとても緊張してしまったからです。
見上げるとその男の人はシンデレラよりも頭一つ以上背が高く、髪は金髪で
整った顔立ちをしています。
「こちらですよ、お嬢さん。では、私はここで失礼します。」
そういうと男はエスコートしている手を放し、うやうやしく礼をするとシンデ
レラの前から去っていきました。
会場に足を踏み入れました。
大勢の人がきらびやかな衣装に身を包み、音楽に合わせて踊っています。
踊っていない人は会場の端のほうでおしゃべりをしたり飲み物を飲んだりして
います。
シンデレラはお母さんや姉たちと会わないように注意深く辺りを見回していま
した。
その時でした。また見知らぬ別の男がしゃべりかけてきました。
「なんて美しい人だろう。お嬢さん、私と踊っていただけませんか?」
シンデレラにダンスを申し込んできたのです。しかも、一人ではありませんで
した。
「いやいや、ぜひ、私と踊ってください。」
二人の男たちはどちらが先に声を掛けたか言い合いを始めました。
「私が先にこの方に声をかけたのです。」
「先に手を差し伸べたのは私ですよ。」
二人だけではありません。シンデレラの美しい顔と豊かな胸元はあっという間
に男たちを虜にしたのでした。
「次は私と踊ってください。」
「ではその次は私だ。」
シンデレラは男たちに取り囲まれました。みんなダンスを申し込む人たちで
す。どの人も豪華な衣装に身を包んだ高貴な人たちでした。
シンデレラは男たちの視線が自分の顔と胸の膨らみに注がれていることに気恥
ずかしく思いました。そして誰かと踊らなくてはいけないことに困り果ててい
ました。
そのときでした。
「みなさん、そのかわいい方が困っておられるじゃないですか。」
大勢の男たちがその声の主の方をみると騒ぎはすぐに収まりました。
「お、王子様!!」
なんと王子様が現れたのです。きっと何の騒ぎかと心配したからなのでしょう。
王子様は男たちに取り囲まれていたシンデレラの前に立ちました。
「この方は私が会場までエスコートしてきたのです。最初にダンスを申し込む
権利があるのは私です。」
今日は王子様のために開催された舞踏会です。当然、文句をいう者は一人もい
ませんでした。
「お嬢さん、私と踊っていただけますか?」
シンデレラは顔を上げました。すると先ほどの美しい貴公子が彼女の顔をのぞ
き込んでいるのでした。
「お、王子様?」
そうです。さきほど会場までエスコートしてくれた貴公子は王子様だったのです。
舞踏会が退屈になりこっそり会場を抜け出していたときに彼女を見つけたので
した。
シンデレラは本格的な踊りなどしたことがありません。ですので男たちからの
誘いを断っていたのですが、王子様からの申し出を断るわけにいきません。
ダンスを上手く踊れないと断りながらシンデレラは王子様の手を取りました。
演奏が始まりました。緩やかな曲が奏でられます。
王子様はシンデレラの片手を取り、もう片方の手を彼女の肩に回して抱き寄せ
ます。
(むぎゅうううううう)
すると困ったことにシンデレラの大きな胸が王子様のお腹に押し当てられてし
まいます。
「ご、ごめんなさい。」
胸があまりに大きいのでどうしてもくっついてしまうのでした。自分の大きな
胸が王子様のお腹に押し当てられてひしゃげているのです。シンデレラは恥ず
かしくてすぐに逃げ出したいほどでした。
しかし、王子様は一向にかまうことなくダンスを始めます。
王子のステップに合わせてシンデレラもステップを踏みます。体の動きに遅れ
て彼女の胸もボヨンボヨンと揺れます。その揺れは当然王子様にも伝わってい
ます。
シンデレラはそれが恥ずかしくて、王子様に何度も謝ります。
「気になさらなくて構いません。とても素敵な胸ですね。」
王子様にそのように言われてシンデレラは嬉しさと恥ずかしさで顔を真っ赤に
しました。
最初はぎこちなかったシンデレラですが、少しずつ緊張が解けるとだんだんと
王子様のステップに合わせられるようになりました。姉たちが家でダンスの
レッスンをしていたのを見て、自分も家でこっそりとまね事をしていたのを思
い出しました。
やがて王子様のリードに合わせて身体を動かすことができるようになりました。
もちろん彼女の胸は上下左右と盛大に揺れました。小刻みなステップを繰り返
すと胸はぷるぷると揺れ、力強く踊るとブルンブルンと激しく揺れました。
また、スローな曲に変わると王子様はシンデレラをぐっと抱き寄せましたので
胸はいっそう強く押し当てられて二人の間でひしゃげました。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、シンデレラが広間の大きな時計を
見ると約束の12時まであと5分もありません。
「あっ、しまった。どうしましょう!」
あと5分でシンデレラにかけられた魔法は解けてしまうのです。彼女は慌てて
王子様にさようならを告げて逃げ出すように走りました。
「あっ!お嬢さん。」
シンデレラは揺れる大きな胸を腕でおさえながら会場を抜け出して、城の階段
を降ります。そしてちょうど城門を駆け抜けたところで12時の鐘の音が鳴り
ました。
約束通り魔法は解け、きらびやかなドレスはいつもの粗末な灰色の服に戻りま
した。宝石を散りばめた髪飾りやネックレス、指輪は石ころに代わり、ガラス
の靴は普段のボロ靴に戻っています。乗ってきた馬車は見当たらず、二頭の馬
も従者も消え去っています。きっと、元のかぼちゃとねずみに戻ってしまった
のでしょう。
シンデレラは焦りました。
家までの長い道のりを馬車なしで歩いて帰らないといけないのです。しかも母
親やお姉さんたちが家に戻るまでに帰っていないと大変なことになるでしょう。
シンデレラは急いで歩きました。そして何とか夜が明ける前、母親たちが戻る
前に帰り着くことができました。
家に帰る途中で一つ失敗をしたことに気が付きました。魔法使いに作っても
らったブラジャーをかぼちゃの馬車の中に置いてきてしまったのです。
おそらく馬車と一緒に消えてしまったか、そうでなければ馬車があった場所に
落ちているでしょう。探しに帰りたいところでしたが、もうすぐ母親たちが
帰ってくるのであきらめるしかありませんでした。
次の日からは平凡な毎日に戻りました。
朝は誰よりも早く起きて食事の支度をします。食事の後片付けが終わったら洗
濯をします。今のように便利な機械はありませんから洗濯には時間がかかりま
す。洗濯が終わるころにはお昼の用意をしなくてはなりません。午後からは掃
除。すべての部屋の掃除が終わると今度は夕ご飯の支度です。判を押したよう
な同じ日々がこういう感じで過ぎていきました。
ある日、家にお城の使いの者が訪ねてきました。
男は王子様が舞踏会で出会った美しい娘を探しているというのです。母親は大
喜びで男を家に迎え入れ、二人の娘を呼びました。お姉さんたちは城から使い
が来るなんて、きっと自分が王子様に気に入られたのだと思い込みました。
「きっと私のことでしょう。だって王子様はずっと私の方を見てくださってま
したから。」
「いいえ、私のことですわ。挨拶をしたときに手にキスをしてくださいました
わ。」
しかし、よくよく話を聞いてみるとそうではないようです。
なんでも王子様が気に入った娘というのは美しいだけでなくとても胸が大きい
のだそうです。
「こう見えて、わたしも結構大きいですのよ。」
「あら?そう?わたしの方がかなり大きいとおもうけど。」
使いの男はその娘が忘れていったという下着を差し出しました。
それはレースで縁取られた美しいブラジャーでした。しかも、びっくりするほ
ど大きいのです。二人の姉はそれを見て言葉を失いました。
年上の方のお姉さんがブラジャーを手に取り、服の上から胸に当ててみました
が全くのぶかぶかでした。
そこに掃除をしていたシンデレラが通りかかりました。
彼女は白いブラジャーを見かけて“あっ!”と叫びました。
「それ!どこにあったのですか!?」
シンデレラはその男がわざわざ届けに来てくれたのだと勘違いしました。
「これはあなたのものですか?」
「はい。魔法・・・いえ、親切なお婆さんにいただいたものなのです。」
母親と二人の姉はお互いに顔を見合わせました。そして男に言いました。
「その子のものではありません。そんなもの与えたつもりはありません。」
「そうよ、そうよ。あなたには見合わないわ!」
「ほんと、なんて図々しいのかしら?」
しかし、男はシンデレラの美しい顔立ちと大きく膨らんだ胸元が気になりました。
男は言いました。
「お嬢さん。ではこれを着けてみてください。もし、ぴったり合うようでした
らあなたを持ち主と認めましょう。」
シンデレラはブラジャーを受け取りました。そして男に背中を向けると、粗末
な灰色の服をすっぽりと脱ぎました。白く美しい背中があらわになり、細い腰
の辺りから白い乳房が横にはみ出しているのが見えます。後ろから見えてしま
うなんてどんなに大きな胸なんでしょう。
ブラを胸にあて、肩紐に腕を通します。そしてバンドをつかんで背中に回し、
留め具を止めました。あとは、カップの間に手を滑り込ませて柔らかいお肉を
ぐいと引き寄せます。
ブラをつけ終わると彼女はくるりと男のほうに向きなおりました。
「おおっ、なんと!・・・」
シンデレラの大きな胸は薄いピンク色のブラジャーにぴったりと収まっていま
す。ブラに適度に支えられ中央に寄せられた胸は美しく深い谷間を作っています。
「素晴らしい・・・そなたが。いや、本当にぴったりなのか確かめねばならな
い。お嬢さん、すまないがその場で軽く跳んでみてくれないか。」
彼女は男に言われたようにその場で軽くジャンプをします。
(ぷるんっ、ぷるんっ、ぷるんっ、ぷるんっ)
ブラに収まった胸が躍るようにぷるんぷるんと上下に揺れます。しかし、ブラ
からこぼれることはありません。
「本当にぴったりのようだ。だが、もっと大きく跳んでもらえるかな。」
シンデレラは言われた通り大きくジャンプします。先ほどに増して大きな胸が
大揺れになります。
(どっぷん、どっぷん、どっぷん、どっぷん)
大きくジャンプしても同じことでした。胸はそのブラにぴったりと収まってい
るのです。
「間違いなくぴったりのようだ。お嬢さんはこの下着の持ち主のようですな。
さあ、未来のお姫様。お城で王子様がお待ちです。」
「えっ?」
状況のわからないシンデレラは戸惑っています。
そこへあの魔法使いが現れました。
「さあ、シンデレラ。お前は王子様のお嫁さんに選ばれたんだよ。お城に行く
ならまたおしゃれをしなくちゃね。」
魔法使いはそう言うと魔法の杖を一振りします。するとどうでしょう?舞踏会
のときの美しいドレス姿に変わりました。
「おおっ、そなたはまさしく王子の心を射止められたお嬢様だ。」
使いの男はシンデレラの美しさとその豊かな胸元に見とれてしまいました。
母親と二人のお姉さんは驚きのあまり口をぽかんと開けたままでした。
シンデレラは馬車に乗ってお城へと向かいました。
そして王子様と結婚してこの国のお姫様となり幸せに暮らしましたとさ。
おしまい