むかしむかし、ある国に心優しくてかわいいお姫様がいました。
お姫様は雪のように肌が白いことから白雪姫と呼ばれていました。
小さい頃に病気で母親を亡くしていましたので、新しいお妃さまが白雪姫の2
度目のお母さんでした。お妃さまは国で一番と言われるほど美しい人なのです
が、嫉妬深く心の狭い人でもありました。お妃さまは皆にかわいいともてはや
される白雪姫のことが嫌いでした。そのため、白雪姫にいじわるなことを言っ
て叱りつけたり、無理な手伝いを頼んだりするのでした。
お妃さまの自慢は自分の美しい顔ともう一つ、ちょっと見たことがないくらい
の大きな胸でした。その国では大きな胸が美女の条件の一つでしたので、二つ
の美を兼ね備えたお妃さまにかなう女性はほかにいませんでした。
それでもお妃さまは毎日のように魔法の鏡に向かってこう尋ねました。
「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだあれ?」
「はい。お妃さま。世界で一番美しいのはあなた様です。」
鏡にはお妃さまの美しい顔とドレスの胸元からのぞくメロンのように大きな胸
の谷間が映っています。鏡の答えはいつも同じでしたが、お妃さまはその答え
を聞いて満足するのでした。
白雪姫は成長するにつれてどんどん美しくなりました。
15歳になるとあどけなかった顔には大人の女性の雰囲気が漂い始め、どんな
男の人も見惚れてしまうほど美しくなりました。そして12歳ごろから大きく
なり始めた胸は既に大人が顔負けするほどの大きさにまで成長していました。
白雪姫の母親は国一番の豊かな胸を持っていたそうですのでそれが受け継がれ
ているのでしょう。
お妃さまは日増しに美しくなる白雪姫が気に入りませんでした。
白雪姫の顔にはまだ子供っぽさが残っていますし、お妃さまのメロンのような
大きな胸から比べればまだまだ子供のようなものでしたが、見る度に大きくな
る白雪姫の胸元を見るのは不愉快でした。
「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだあれ?」
「はい。お妃さま。世界で一番美しいのはあなた様です。しかし、あなたの娘
の白雪姫も日に日に美しさを増しています。いずれ白雪姫が世界で一番美しく
なるでしょう。」
このように鏡が口を滑らしたからもう大変です。鏡は良かれと思って言ったつ
もりのようでしたが、お妃さまを激怒させてしまったのです。
お妃さまはたいへん悔しがり何日も眠れない日が続きました。そして、白雪姫
を亡き者にしてしまおうと考えたのでした。
ある日、お妃さまはお城に腕の良い猟師を呼び白雪姫を殺すように命じまし
た。
そして、白雪姫には一人で森の中の教会に届け物をしてほしいとお使いを頼み
ました。
白雪姫は暗い森に一人で出かけるのは気が向きません。でも、お妃さまの頼み
を断るとどんな仕打ちが待っているかわかりませんでした。
白雪姫は乗り気のしないまま一人でお城を出ました。そしてその後ろを猟師が
付け狙いました。
猟師は美しい白雪姫の姿に思わず見惚れてしまいました。そして、何の罪もな
い可憐なお姫様をどうしても殺すことはできませんでした。
猟師は白雪姫の前に姿を現してこう言いました。
「白雪姫よ。私はお妃さまからお前を殺すように言われてきた。しかし、私に
はどうしてもお前を殺すことができない。さあ、白雪姫よ。このまま森の奥に
お逃げなさい。」
白雪姫はお妃さまが自分を殺そうとしていると聞き恐怖で震えました。猟師は
森の中で暮らす人々を頼って身を隠すのがよいと白雪姫に言いました。
猟師はお城に帰るとお妃さまにイノシシの血で染めた真っ赤な布を見せ、白雪
姫を殺してきたと報告しました。お妃さまはそれを聞いて大いに満足しました。
一方、白雪姫は暗い森の中をあてもなく歩きました。森を歩きなれていない白
雪姫はどこを歩いているかもわからないまま歩き続け、しまいには疲れ果てて
しまいました。
夕暮れが迫ってきて今夜は森の中で野宿するしかないと思い始めたとき、白雪
姫は木でできた小さな小屋があるのを見つけました。
「すみません、誰かいませんか?」
返事がないので勝手に小屋に入ってみると、中には小さなテーブルあり、その
上には七枚の皿が並べてあります。横には皿と同じ数だけのスプーンとフォー
クも並べてあります。隣の部屋には小さなベッドが七つあり、それぞれに白い
布がしいてありました。
とてもお腹の空いていた白雪姫は七人分の小さなお皿から少しずつパンやスー
プを食べ、それから一つのベッドに潜り込みました。
白雪姫は何とか無事に一日を過ごせたことを神様に感謝しながら小さなベッド
で眠りについたのでした。
夜になるとこの小屋の住人たちが帰ってきました。
住人というのは七人の小人たちです。小人たちは穴を掘って金や銀の入った石
を掘り出すのが仕事で、日が昇ると出かけ、日が暮れると小屋に帰ってきます。
小人たちは自分たちの夕食が少しずつ食べられていて、フォークやナイフにも
使った跡があるのに気が付きました。
「誰かが食べた跡があるぞ!」
小人たちは口々に騒ぎます。そしてランプで小屋の中を照らします。
「おや、誰かがわしのベッドで寝ているぞ!」
小人の一人がランプで白雪姫の顔を照らしました。浮かび上がった美しい顔に
ため息がでるほどでした。
「なんて美しい女の子なのだろう。きっと神様が遣わしたのにちがいない。」
優しい小人たちは白雪姫を起こさないようにランプの火を消し、静かに他のの
ベッドで眠りました。
朝になって白雪姫が目を覚ますと、周りに七人の小人がいることにとても驚き
ました。
白雪姫は勝手に小屋に入ったことを謝ると小人たちはニコニコしてとても親切
にしてくれました。
「お嬢さんの名前はなんていうのかな?」
「白雪姫です。」
「なぜこんな森の奥に、女の子ひとりでやってきたんだい?」
「それは・・・」
白雪姫はお妃さまが猟師を雇って自分を殺そうとしたこと。猟師が自分を逃が
してくれたこと。森をさまよい歩いているうちにこの小屋をみつけたことを話
しました。
小人たちは白雪姫を不憫に思い、炊事、洗濯、掃除などの家事をするかわりに
小屋に住まわせてあげることにしました。
白雪姫は朝、小人たちを送り出すと小屋の掃除をしたり、洗濯をしたり、近く
の森できのこや木の実を採ったりして過ごしました。そして小人が帰る時間に
合わせ夕ご飯の支度をしました。森の生活は意外に楽しく、きのこや木の実な
どの粗末な食べ物でもお城で食べるのとは違ってとても美味しく感じられるの
でした。
月日が経つにつれて白雪姫はさらに美しさを増しました。それとともに豊かな
胸もさらに大きくなっていきました。
困るのは胸が大きくなって服が入らなくなってしまうことでした。小人たちは
仕事で稼いだお金を貯めて白い布を買い、仕立て屋に頼んで白雪姫の服を仕立
てさせました。美しい白い服は彼女にぴったりに作られますが、何ヶ月かする
と胸の辺りが窮屈になって仕立て直さないといけなくなるのだった。
森での生活が3年を過ぎ、白雪姫は18歳の美しい娘になりました。
美しさにはさらに磨きがかかり、どこの国のお姫様と比べても一番美しいと言
えるくらいです。そして、驚くのはその胸元で豊かな膨らみは大きく前に張り
出して、大きなスイカのように大きく立派に育っているのでした。
(ユサッ、ユサッ・・・)
胸が大きいことは美しい女性の第一条件ではありましたが、白雪姫は大きすぎ
る自分の胸が嫌いでした。第一に、掃除や洗濯をするとき、食事を作るときの
邪魔になってしまうからでした。大きな胸をぶつけて花瓶を落として割ってし
まったり、胸がテーブルについてスープをひっくり返してしまったりするから
でした。
第二に、森にきのこや木の実を採りにいっても足元が見えにくかったり、胸が
木の枝に引っかかってしまったりして不便だからです。昔よりたくさんきのこ
や木の実を見つけられなくなってしまいました。
第三に、夕食のときに小人たちとテーブルを囲みますが、ずしりと重い大きな
胸をテーブルに乗っけると料理をおく場所が狭くなってしまうのです。
それでも白雪姫はやさしい小人たちに囲まれながら楽しく幸せに暮らしていま
した。
ところで、お城では相変わらず悪いお妃さまが我がもの顔で好き放題をしてい
ました。
ある日、女王は魔法の鏡に尋ねました。
「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだあれ?」
「はい。お妃さま。世界で一番美しいのは森の中で暮らしているあなたの娘、
白雪姫です。」
お妃さまは鏡の言葉に絶句してしまいます。
死んだと思っていた白雪姫は生きているのです。鏡は白雪姫の姿を映し出しま
した。すると世にも美しい女性が森できのこ採りをしています。そしてその胸
元はお妃さまよりはるかに大きくなっているのです。
「な、なんて大きさなのかしら・・・」
お妃さまの胸もメロンを二つ並べたよりもはるかに大きいくらい立派ですが、
白雪姫の胸はそれよりはるかに大きいのです。
「おのれ、あの姫を今度は本当に亡き者にしてやろう。いや、だめだわ。殺し
たのが王様にばれたら牢屋に入れられてしまう。何かいい手はないかしら?」
白雪姫がいなくなってからというもの、王様は疑い深くなり、お妃さまが何か
を知っているのではないかと疑いをかけているのです。変に行動すると自分が
牢屋に入れられてしまう恐れがあります。
お妃さまは魔女に頼んで魔法の力を込めたリンゴを作らせました。そして、自
らお婆さんの姿に扮して一人で森へと向かったのでした。
白雪姫は昼間は一人で過ごしています。お妃さまは小人のいない昼間を狙って
白雪姫が住む小屋を訪れました。
「美しいお嬢さん。リンゴをお一ついかがかい?今年はたくさん採れすぎたか
らこうやってご近所に配って歩いているんだよ。」
「まあ、おいしそうなリンゴだこと。」
お婆さんに扮したお妃さまは白雪姫に真っ赤で大きなリンゴを渡しました。
「お一つ齧ってみなさいな。気に入ったらいくつでもあんたにあげるよ。」
リンゴは真っ赤でとても美味しそうでした。白雪姫はお婆さんに言われた通り
リンゴを一口かじりました。すると。
「くっ、苦しい・・・」
白雪姫は急に息が苦しくなってその場でバタリと倒れました。そしてそのまま
動かなくなってしまいました。
夜になって小人たち帰ってきました。小人たちは玄関に白雪姫が倒れこんでい
るのに気づいて駆け寄りました。
小人たちは力を合わせて白雪姫をベッドに運びました。幸い息はしていました
が、高い熱が出ていて、意識はなく時々苦しそうに喘いでいます。小人たちは
夜通しで看病を続けましたが姫は目を覚ましませんでした。
三日三晩、小人たちの看病が続きました。そして四日目の朝、白雪姫はようや
く目を覚ましました。
白雪姫が目を覚ますと横には看病に疲れて眠っている小人がいました。体を起
こしてカーテンを開け、日の光を入れると小人が目を覚まします。
小人は白雪姫が助かったという嬉しさと同時に変わり果ててしまったその姿に
驚きました。
美しい年ごろの娘だった白雪姫は10歳くらいの少女の姿になっているのでし
た。
「白雪姫なのかい?」
「はい。」
美しい顔立ちは変わりありませんが、背は縮み、巨大さを誇っていた胸の膨ら
みが姿を消しています。手を当ててみると胸が平らになっていることがわかり
ました。
「わ、わたし、どうなっちゃったの?」
お妃さまは魔法のリンゴに呪いをこめ、白雪姫を10歳の少女の姿に変えてし
まったのでした。ずっと10歳の姿にしておけば、永遠に美しさで追い抜かれ
る心配がないからです。
他の小人もやってきました。そして姫の姿に驚きました。しかし、何とか命が
助かったことを皆で喜び合いました。
白雪姫は10歳の少女の姿になり最初は戸惑っていましたが、そのうちにだん
だんと慣れていきました。小さな身体は掃除や洗濯に少し不便でしたが、大き
な胸が無くなったお陰で動きやすくなりました。そしてちょっと小さかった
ベッドもぴったりの大きさになったので喜んでいました。
森に入ると小さな身体はとても役に立ちました。今まで、胸が邪魔で見つけき
れなかったきのこや木の実を簡単にたくさん採ることができました。
姫が森で珍しいきのこを取ってくると小人たちは大喜びしました。特別な木の
根元にしか生えない七色の光を放つキノコで、町にもっていっていくととても
高く売れるのです。
このような生活が二年ほど続きました。
白雪姫は二十歳になりましたが、姿は10歳の少女のままで変わりありませ
ん。
白雪姫はきのこ探しが上手になっていました。最近では近場のきのこを採って
しまい、だんだん森の奥へ奥へと出かけるようになっていました。
ある日、森の奥に出かけていたら崖の上に珍しいきのこが生えているのを見つ
けました。白雪姫は小さな体で崖によじ登ってきのこを採りました。しかし、
その瞬間に足を踏み外して崖から落ちてしまいました。
命には別条はありませんでしたが、足をひどく痛めてしまいその場から動けな
くなりました。
「痛たた・・・どうしよう。ここは小屋からかなり遠いし、どうすれば・・・」
少しでも足に力を入れると痛みがでるので立つことも難しいくらいでした。
白雪姫はどうしてよいかわからずに途方に暮れてしまいました。小人たちも
帰ってきたら白雪姫がいないので大変心配するでしょう。
そのときです。近くで馬のいななきが聞こえました。
「誰か来る?」
馬のひずめの音が近づいてきました。白雪姫が見上げると馬に乗った一人の騎
士が現れました。
「お嬢さん、大丈夫ですか?」
「はい。」
「小さなお嬢さんが一人でこんなところで。ああ、キノコ採りに来ていて足を
滑らせたのだな。」
騎士は転げたカゴからキノコが散らばっているのを見ました。
「足を相当痛めているみたいだな。ちょっと見てあげよう。」
騎士は隣の国から遊びに来ていて、狩猟の下見をしているのだそうです。
「ああ、ちょっとひどいな。でも折れてはいないようだ。」
騎士はあて木になる探して白雪姫の痛めた足に当てるとハンカチーフでそれを
縛りました。
優しい騎士に白雪姫は好意を感じました。小人たちを除けば今までこんなに自
分に優しくしてくれる人はいなかったからです。
「よし。応急処置はしたけど、早く薬を塗ってもらったほうがいい。」
「ありがとうございました。」
白雪姫は騎士にお礼を言いました。
「どういたしまして。これくらお易いご用だよ。」
騎士はそういうと白雪姫の手を引き寄せ、その甲にキスをしました。
そのときです。白雪姫の身体から清らかな光が溢れ始めました。
「お嬢さん、どうしたんだい?」
「いいえ。なんでもありません。」
白雪姫は手の甲と言えど男の人に初めてキスをされて心臓がドキドキとしてい
ました。しかし、それとは別に自分の周りが青白い光で取り巻かれているので
した。
(ぐぐっ・・・)
突然、白雪姫の体が成長を始めます。少女の背が伸びて手足もそれに合わせて
長くなりました。平らだった胸元が窮屈になり、子供用の服をはちきれんばか
りに押し上げます。
(ぐぐぐぐっ・・・・)
子供に見えた女の子はいつの間にか15歳くらいの美少女に成長を遂げていま
す。
「いったいこれはどういうことだ?」
子供用の服は今の白雪姫には小さすぎ、膝を隠していた裾は短くなって健康的
な太ももが露わになり、腰回りもぴっちりと窮屈になっています。胸元は豊か
になった胸に布地が張りついて今にもぱちんと弾けてしまいそうです。
騎士は驚くとともに目の前に現れた美少女に見惚れてしまいました。今まで出
会ったどの女性よりも美しいのです。そして見た目は少女ですが胸の膨らみも
大人顔負けの立派なものになっているのです。
白雪姫は騎士に今までの出来事を話しました。
お妃さまが猟師を雇って自分を殺そうとしたこと。猟師が自分を逃がしてくれ
たこと。森の小人にお世話になりながら暮らしていること。呪いのかかったリ
ンゴを食べさせられ10歳の姿にされてしまったこと。そして、自分が本当は
20歳の女性であることを話しました
騎士は姫の不幸な話を聞いてとても不憫に思いました。本当ならこの国の王女
として立派なお城に住んでいたはずです。それが意地悪な女王のたくらみで二
度と城に戻ることができなくなってしまったのです。
騎士は言いました。
「実は私は隣の国の王子なのです。狩りの獲物を求めてうっかり国境を越えて
来てしまったのですが、まさかこんな美しい獲物を捕まえられるとは思っても
いませんでした。さあ、私の国にきてください。そし私の妃になってくださ
い。」
白雪姫は騎士の突然の申し出に戸惑いました。しかし、白雪姫は自分を助けて
くれた優しい王子様にもう恋心を抱いていたのです。白雪姫は王子の申し出を
受け入れることにしました。ただし、小人たちにお別れを言ってから行くこと
にしました。
王子様が国に戻ると、国中が大騒ぎになりました。歳は若いけれどとびきり美
しい少女を連れてきたのです。しかも、王子様はその女の子と結婚するという
のです。
国中の女性たちは皆がっかりしましたが、白雪姫の美しさをみて自分たちでは
到底敵わないとあきらめて二人を祝福することにしました。
白雪姫は自分にかけられた呪いが完全に解けなければずっと今のままの姿で過
ごさなくてはいけないことを案じていました。王子は年を重ねていきますが、
自分はきっと同じ15歳の姿のままなのです。しかし、王子はそれでもかまわ
ないといいました。ですが、国中の学者を連れてきて呪いを解く方法を考えさ
せるといいました。
王子はさっそく国中の高名な学者を呼び、白雪姫にかかった呪いを解くように
命じましたが、いろいろ調べてもどんな呪いがかかっているのか、どうやった
ら解けるのかは一向にわからないのでした。
ある日、お城で催された晩さん会で小さな女の子が王子様に言いました。
「お姫様にキスをしたら呪いが半分解けたのでしょ?じゃあ、もう一回キスを
すればいいのよ。」
少女のかわいい提案に居合わせた人はみな笑顔になりました。
王子様は女の子のご機嫌を損ねないように白雪姫の手をとってキスをしまし
た。しかし、残念ながら白雪姫の呪いは解けません。
「だめだめ、そんなのじゃ、だめよ。もっと見つめあって真剣に。」
無邪気な女の子のせいで王子様は断れない雰囲気でした。王子様は周りの目を
気にしながら白雪姫の細い体を引き寄せて顔を近づけました。白雪姫が目を閉
じると王子様の唇が自分の唇に触れ合いました。
その時でした。あの時のように白雪姫の体から清らかな青い光が溢れてきまし
た。
王子は驚いて唇を離しました。
「えっ、どうなってるの?」
青い清らかな光はどんどん強くなり白雪姫の体全体を包んでいます。
すると突然、白雪姫の体が成長を始めます。
(ぐぐぐっ・・・)
王子様の胸元くらいしかなかった白雪姫の背丈があごの辺りまで伸びました。
それに伴って細い手と足はさらにすらりと長く伸びました。あどけなさの残っ
ていた顔が大人っぽくなりさらにとても美しくなりました。
そして、もともと十分に大きかった胸はさらに一段と大きさを増してゆきま
す。
(むくっ、むくむくむく・・・・)
背丈の伸びはすぐに止まったのに胸の成長はまだ止まってくれません。
(むくむくむくむく・・・)
白雪姫はかつての自分の胸がすごく大きかったことを思い出しました。
18歳で大きなスイカ二つ分よりも大きかったのです。
しかし、胸はその大きさに達してもまだまだ大きくなっていきます。
(ビリビリビリーッ!!)
清楚な白いドレスが破けしまい柔らかそうな真っ白い胸がこぼれ出しました。
白雪姫はなんとかそれを両手で抑えたところでようやく成長が止まってくれま
した。
「いやっ、見ないでください・・・」
王子様の真実の愛で魔法のリンゴの呪いは解け、白雪姫はとうとう本当の姿を
取り戻したのでした。胸は大きなスイカ二つ分よりもはるかに大きく、白雪姫
の腰やおへそを覆うほどになっています。王子様は大きな布を持ってきてその
大きな胸を覆い隠しました。
数日後、王子様と白雪姫の結婚式が盛大に執り行われました。
この日のために白雪姫の巨大な胸に合うウエディングドレスが誂えられまし
た。大きく空いた胸元は白雪姫の豊かな胸がこぼれんばかりになっており、深
い谷間がつくられています。そして歩くたびにユサッ、ユサッと大きく揺れる
のです。
結婚式にはもちろん七人の小人たちも招待されました。小人たちは美しくなっ
た白雪姫の姿をみて感激で涙を流しました。そして口々にこう話します。
「姫様。美しくなられたのう・・・」
「これほど美しい姫は世界中におらんじゃろうて。」
「いやぁ、大人っぽくなられた。呪いが解けてよかったのう。」
「あんな豊かな胸、見たことがない。」
「亡き母上様も大きかったが、比べ物にならんわ。」
「森のキノコをたっぷり食べて育ったからのう・・・うひひ」
「姫が大好物じゃったキノコ。胸の成長に効くって噂は本当だったようじゃの・・・ふふふ」
王子様は花嫁のベールを上げてキスとしようとしましたが、白雪姫の大きな胸
がつっかえて届きませんでした。王子様が白雪姫の肩を強く引き寄せると大き
な胸に体が半分めり込みました。そしてもう一度ベースを上げてゆっくりとキ
スをしました。
そして、二人は末永く幸せに暮らしましたとさ。
END