千々山村役場 地域振興課

ブラン 作
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村の観光課にはひっきりなしに電話がかかっているそうで、仁科さんは忙しい
毎日を過ごしている。彼女がモデルを務めたポスターが貼り出されるや否や、
全国から千々山村ってどこにあるの?と問い合わせが来ているらしい。イン
ターネット全盛のこの世の中で、検索してもほとんど大した情報は得られない
“千々山”というワードが逆に人々の興味をそそるらしい。
問い合わせで次に多いのはモデルの女の子は何ていう子なのか?というもの
で、この小さな村で仁科さんはちょっとした有名人になってしまったのだ。
静かだった温泉街には宿の予約が入り始め、千々山鉄道の乗客数も増えたとい
う噂だ。
そして俺にはまた次のポスターを考えるようにとの指令がやってきた。これま
では公募というかたちだったが、腕を見込まれたのか完全に俺一人に任すこと
になったようだ。

温泉に並ぶ千々山村の名物といえば、“名水”である。幾重にも連なる山々が
育んだ水は天下の名水と名高く、ミネラル分も豊富である。千々山湧水と呼ば
れる池からは滾々と清らかな水が湧き出ている。
俺は次のポスターの撮影地をこの千々山湧水とすることに決めた。ここなら温
泉宿と調整をすることなくいつでも写真を撮りにいくことができる。後はモデ
ルである。
もちろん、一躍有名になった仁科さんを起用するのが常道であることはわかっ
ている。でもそれでは面白くないと俺は考えたのだった。
締め切りにはまだ一ヶ月ある。それまでに新たなモデルを発掘するのだ。もち
ろん仁科さんに匹敵する爆乳を用意したい。

俺は家に帰って中学時代の卒業アルバムを開いた。
過疎の村であるから小学校、中学校ともに生徒数は非常に少なかった。都会の
人によく驚かれるが同級生は俺を含めてたったの11人だ。うち男子6人、女
子5人、当然ながら1学年に1クラスだけだ。
俺が思い出したのは5人の女子の中にとびぬけて胸の大きな子がいたことだっ
た。
皆からさえちゃんと呼ばれていたがどうしても名字が思い出せない。写真の下
には“三枝ひかり”と名前が書かれていた。
他の子よりも早く背が伸び始め、それと合わせて胸の盛り上がりもかなり目
立っていたのを覚えている。中学に上がると身長の伸びは止まり、他の子たち
に追い抜かれてしまったが、胸のサイズだけはぐんぐんと大きくなり続けてい
た様子だった。なにぶん俺は女の子の胸に興味がなかったので記憶があやふや
なところがあるが、小・中学校を通じて彼女が一番の爆乳だったのではないか
と思う。
高校になると俺と彼女は別々の学校に行ってしまったのでその後のことはあま
り知らないが、時折見かける彼女の胸はその後も大きくなっていたように思
う。

ちなみに千々山村には高校がない。
高校生になったら、例のローカル線に乗り約1時間かけて山の合間を抜け隣の
市の高校に通うのだ。そして、村からあまり出たことがない俺たちは街の空気
に圧倒されてしまう。
もちろん村の外に出かけることは時々あるし、テレビやインターネット、雑誌
などで外の世界のことは知っているが、高校に入るとそれがリアルに俺たちの
前に立ちはだかってくるのだ。
村の女の子たちは都会に出ると自分たちの胸が周りに比べて異常に大きいこと
に改めて気付く。“ちちやま”の女は爆乳揃いと知られており、自分の胸が好
奇の目で見られることに戸惑いを感じるのだ。
俺のように公立高校に進む者がほとんどだが、中には三枝ひかりのように私立
高校に行くものもいる。私立高校はさらに遠いので俺たちよりも早い電車に乗
らねばならずお互いにあまり顔を合わせることが無くなってしまう。

俺は思い切って小中学校時代の同級生、三枝ひかるを訪ねることにした。
小学校時代はよく遊んだから彼女の家は知っていたし、中学校になると男子は
男子、女子は女子で遊ぶようになったが、それでも仲は割と良かった方だ。
車に乗って三枝さんの家まで行った。子供の頃の記憶はあやふやで近くまで来
てそこが本当に彼女の家なのかどうか自信がなくなったが、表札にはきちんと
三枝と書かれていた。
犬が吠える声が聞こえ、後からそれを制する女性の声が聞こえた。

「こらっ、静かにしなさい」

女性の横顔を見てすぐに彼女だということがわかった。

「さえちゃん?」

「ショウくん?」

ショウくんというのは俺の小さい頃のあだ名だ。彼女はすぐに俺とわかったよ
うだった。小中とずっと11人にしかいないクラスにいたのだから忘れられて
いたら逆にショックだろう。
彼女は満面の笑みで俺を迎えてくれた。トレーナーにショートパンツというカ
ジュアルなスタイルであったが、トレーナーの胸は爆発的な盛り上がりを見せ
ており、あえて胸元に視線を向けるまでもなかった。俺は今年から村役場で働
いていると話した。久しぶりの旧友との再会は彼女も嬉しいようで、とめども
なく長い立ち話をしてしまった。しかし……。

(やはり・・・デカい。仁科さんよりも上だろうな。)

俺が期待していた通り、かなりの爆乳をお持ちであった。あの仁科さんでも村
ではかなり大きい方なのだが、それを上回る膨らみをみせているのだ。
彼女は高校を卒業してから専門学校に通い、今は千々山温泉の旅館のスタッフ
として働いているそうだ。千々山温泉は村人の大きな就職先となっていて、町
の大学や専門学校を卒業した学生の受け皿となっている。
三枝さんが温泉で働いているのならこの間のポスターのモデルをやってもらえ
ばよかったと言うと、自分がモデルだなんてとんでもないと可愛らしく謙遜し
た。

「実は今、次のポスター撮影のためのモデルを探しているんだ。」

「まさか、それでここまで来たの?」

「だめかい?三枝さんなら適任だと思うんだけどな。美人だし。」

「もおっ、そんな手には乗らないわよっ」

彼女は顔を赤くしながら拒否をした。俺もここは押してもダメだと判断し、す
ぐに引き下がることとした。また皆と久しぶりに会いたいから飲み会でもやろ
うという話をして、連絡先だけは交換しておいた。

家に帰って三枝さんのことを思い浮かべていると、彼女が少し憂いのある控え
めな大人の女性になっていたことに自分は少し動揺していた。子供の頃の彼女
は男の子と喧嘩をするくらいの活発な少女で、一緒に野山を駆け回って遊んで
いたのを覚えている。高学年から背が伸びるのと合わせて急に胸が大きくな
り、中学でもどんどんと大きくなっていったが、その部分をのぞけばスラリと
細く陸上選手のような締まった体型をしていたのを記憶している。
しかし、今日会った彼女は当時の印象と全く異なっていた。頬はふっくらとし
て身体は全体的に肉付きがよく、胸は普段着のトレーナーの前を盛大に突き上
げていた。活発な少女の印象は少しもなく、セクシーな大人の女性の雰囲気を
漂わせていた。腰回りもややゆったりとしており、ショートパンツからは白い
むっちりとした太ももをのぞかせていた。身長は150センチ台の後半でどち
らかといえば小柄な方に入る。
彼女も大人になったということだろうか。少し寂しい気持ちもあったが、彼女
の大人っぽい雰囲気が印象的でどうしても頭から離れないのであった。

その同窓会は意外にもすぐ開催されることになった。
俺が千々山村に戻ってきたことを三枝さんが仲の良い友人に知らせるとそこか
らネットワーク状に広がって、するすると日取りまで決まってしまったのだ。
恐るべき田舎のコミュニケーションの良さである。
中学時代、学年に11人しか生徒がいなかったことは前に述べたが、どうやら
このうち7人は現在、千々山村で働いているということがわかった。
千々山村にはおしゃれなダイニングバーもチェーンの居酒屋もない。昔から
やっている食堂が1件と、レトロな雰囲気が漂うカラオケスナックがあるだけ
だ。そこがダメなら公民館を借りて宴会をやるしかない。

結局、食堂の小上がりを借り切って7名で同窓会を行うことになった。
男は俺を含めて4人で、高岡と加藤というのが実家の農業の手伝いを、林とい
うの林業をやっている。男というのは連絡不肖なものでそのうち会おうぜと
言っておきながら誰もなかなか声をかけないのでこういう会は開催されない。
しかし、女子たちはよくランチや女子会をしているそうだ。
女性は三枝ひかりを含めて3人で中野という温泉旅館で働く子がもう一人、そ
してショッピングセンターの店員をやっている望月という子がやってきた。
皆が飲むのはもっぱら焼酎である。千々山村には稲作ができる平地が少ないた
め、日本酒の酒蔵はなく、麦や芋などを原料とした焼酎作りが盛んである。男
にしろ女にしろこの村の人はよく酒を飲む。普段は寡黙な人が多いが酒を飲む
と饒舌になり、声が大きくなるのはどこでも同じであろう。

「ねえ、ショウくんってさぁ。彼女とかいるの?」

そう俺に聞いてくるのは中野あかりという子で、皆からあかりんと呼ばれてい
る。三枝さんの親友で今日の飲み会の発起人となった子である。無論、一般的
に見ればかなりの爆乳の持ち主であり、酒が回っているおかげで重たい胸を恥
ずかしげもなくテーブルの上に乗せている。ゆうに3桁はあるだろうが千々山
村では平均的サイズである。

「いや、いないけど。」

「そうなんだ。見た目は普通っぽいけど、誠実そうだしモテそうだけどね。」

普通っぽいは余計だが、そんな他愛もない会話が結構楽しい。

「おおっ、あかりん、中山のことを気になってるんじゃないのか?」
「こいつ変態だから、やめとけよ」
「まあ、確かに真面目はまじめだけどな。面白いこと一つも言わないぜ。」

聞けば、中野さんはちゃんと彼氏がいるらしく。フリーなのは三枝さんだとい
う話になった。彼女は恥ずかしがり屋で時々しか会話に入って来ないが自分の
話となるとさらに言葉が少なくなった。
そこから彼女の胸の話になった。千々山村の女性は男の前でもとくに恥ずかし
がらずに身長などと同じレベルで胸のサイズの話をする。


「さえちゃんの胸、また大きくなってよね?今、いくつあるの?」

「この間、測ってもらったら131センチになってた。今、“かしの”でブラ
を作り直しているところなの。」

“かしの”というのはこの村にただ一軒だけあるショッピングセンターであ
り、食料品から日常雑貨、衣料品まで何でも揃う村人御用達のストアーのこと
である。

「昔からうちらの中ではダントツに大きかったもんね。」

「上級生でもさえちゃんより大きい人いなかったよね。」

もう一人の女子、望月さんが会話に加わる。

「そうそう。確か中二の秋にもう3桁に乗ってたしね?売り物のブラが入らな
くなって“かしの”で特注ブラを作るのに着いて行かされたもん。」

「そんなことあったかな??」

女子たちが集まるとよくこういった胸の話で盛り上がるそうだ。
中野さんは三枝さんの胸の膨らみに手を近づけたかと思うと、おもむろにそれ
を両手で正面から押し上げるように持ち上げた。

(むにゅう……)

「すごおい、ずっしりくるなあ。」

併せて望月さんもそれに加わる。

「私の二倍以上はあるよね。」

他の地域の人から見れば信じられないかもしれないが、女性同士で胸の触り合
いをすることも日常だし、男たちもそれを見てあまり何とも思わない。
中野あかりは同級生の胸の揉み心地を確かめつつ、男子たちがそれに無反応な
のを見てボソリと呟いた。

「やっぱり、千々山はいいわね。男たちにエロい目で見られることないし。外
でこんなことしたら大変な騒ぎになるからね」

外というのは千々山村の外の世界のことである。村の外では彼女たちの巨大な
胸が奇異なものとして見られ、ある者は性的な目で、ある者は気味悪がって気
持ち悪いものを見るような目で見たりする。村の中ではそのようなことはな
く、彼女たちにとっても居心地がいいらしい。
今日の同窓会では思わぬ収穫があった。それは俺が役場の地域振興課で働いて
おり、千々山村の過疎化を食い止めるため村のPRをする仕事をしていること
を話したときに、皆がその活動に賛同してくれたことだ。
皆それぞれ千々山村の過疎化という問題を漠然と不安に思っていたが、中山が
やってくれるのなら自分たちも何でも協力すると言ってくれたのだった。
そしてさらに、帰り道、三枝さんからは小さな声でポスターのモデルの話を協
力しますと言ってくれたのだった。


三枝さんからモデルの了解をもらった翌日、善は急げですぐに撮影の準備に取
り掛かった。
撮影場所と構図は決めてあるので、あとは衣装の準備と三枝さんの都合次第
だ。今回は名水が湧き出る千々山湧水をバックに、三枝さんには天女になって
もらおうと考えている。幸い前作の反響が良かったので多少の予算が使えるこ
とになり、撮影用の衣装はネットで注文しておいたのだ。
撮影は早朝、湧水池には朝もやがかかり神秘的な雰囲気が漂っている。車から
コートを羽織った三枝さんと付き添いの中野さんが下りてくる。気候が温暖な
千々山村といっても朝夕は冷え込むことがあり、モデルの体を冷やさないよう
には気を配っておかなくてはならない。
三枝さんに立ち位置を説明し、カメラの位置取りをした。

「さえちゃん、コートを取ってくれる?」

(ぼるんっ……)

三枝さんがコートの前を開けると巨大な胸のふくらみが飛び出した。ドレスの
間からは深い谷間が覗いている。たわわなバストが重そうに揺れる。131セ
ンチ、Tカップというのが彼女のサイズだそうだ。仁科さんよりもカップサイ
ズが一つ上となるが、バストのボリュームでは格段に差があるように見える。

仁科さんが細身なのに対し、三枝さんはぽっちゃりとはいかないまでもむっち
りと肉付きがいいということと、身長が低めの割にこの胸なので目立ってしま
うのかもしれない。
三枝さんの撮影衣装は肩を露出させた白いホルターネックドレスだ。つるりと
した白い肩は美しく、サテンのような透け感がある白いドレスの生地によく映
えている。脱いだコートを中野さんに手渡すと、代わり彼女から草花で編んだ
冠を受け取った。
暴力的なほどの膨らみがドレスを盛り上げており柔らかな胸は少しの動作でプ
ルプルと揺れる。腰回りは細く締まり、膝丈まである裾がそよ風にひらひら揺
れている。

(完璧だ……)

俺は心の中でそう叫んだ。頭に冠を付けた三枝さんはまさに天女のようだっ
た。
準備を手伝ってくれた中野さんによれば、ドレス用のブラに合うものがなく
、ヌーブラを使ってバストトップだけはかろうじてカバーしたということだ。
ブラジャーによる拘束がないにもかかわらず三枝さんのバストはだらりと垂れ
ることもなく奇跡的に美しいフォルムを保っていた。
そしてウエストはコルセットでかなり締め付けたらしく、少し緩みのある三枝
さんのボディを細く見せることに成功していた。俺は以前お目にかかった彼女
のムッチリとエロい腰回りと太ももを思い出した。今回の主役は“おっぱい”
であることから長めのドレスが彼女の腰回りのエロさを隠してくれて正解だっ
たと思った。

「さえちゃん、右手を高く上げて……そうそう。」

湧水池をバックに、バレリーナのように右手を高く上げるポーズを取る三枝さ
ん。カメラは彼女の横顔と大きな胸の盛り上がりを捉えている。ホルターネッ
クの脇からちらりと見える横乳がこの作品の隠し味であることは言うまでもな
い。