千々山村役場 地域振興課

ブラン 作
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撮影隊は千々山鉄道の駅舎の近くまでやってきた。
駅前といっても人影は少なく、ロータリーには温泉旅館のマイクロバスと観光
客を待つタクシーが数台ずつ止まっており、食堂とみやげ物屋が少しあるくら
いだった。
桜木ミリアは駅舎に向かって歩きながら、カメラを見ながら千々山鉄道の変遷
についてレポートした。

「・・・というわけで、廃線の危機にあった鉄道なんですけど、千々山村では
それを観光資源に活用しようといろんなPR作戦を実行したそうなんです。
その甲斐あって最近では乗客も少し増えてきているんですって。見てくださ
い!このレトロな駅舎。なんと、国の重要文化財にも指定されているんです
よ。それから、ここにはユニークな駅長さんがいるって噂なんですよ。どんな
駅長さんなんでしょうね?今から行ってみたいと思いまーす!」

千々山駅の駅舎は観光客が真っ先に写真を撮るスポットである。大正時代に改
装されてからは建て替えることもなく、当時の雰囲気を残しながら少しずつ改
修を続けている。

「うーん、すごくレトロでいい雰囲気の駅舎ですね。まるで100年前にタ
イムスリップしたかのようです。駅舎の中はこのように待合いの椅子が並んで
います。この椅子もとってもレトロですねー。」
(やだ、誰もいないじゃない!もう!)

「駅員さんはどこにいるのでしょうか?あっ、ホームの方にいるようですね。
声をかけてみます!すみませーーん!」

駅員はホームに落ちたゴミを拾っていたようでミリアに呼ばれると、改札の方
へと歩いてきた。

「いらっしゃいませ。何か御用ですか?」

「今、テレビのロケをさせてもらっているんです。この駅に変わった駅長さん
がいるって聞いたんですけど本当ですか??」

「ああ、いますよ。今、駅長室にいると思うからドアをノックしてみて下さ
い。」

ミリアは駅舎の中を見渡すと待合いの椅子の他に、土産物を売る売店があり、
券売機が二つ置かれていた。その間に“駅長室”と書かれた扉を見つけミリア
はそこに近づいていった。

「コン、コン」

「はぁーい」

中から若い女の子の声がした。

「すみませ〜ん、駅長さんですか?」

ドアがゆっくりと開く。その中から猫を抱いた背の高い女性が現れた。

「いらっしゃいませ。」

匹田さんはチヂを抱いたままミリアに向かってにっこりとほほ笑んだ。

「あの〜」

「駅長ですか?ここにいる猫のチヂが駅長を務めています。」

「ええっ!駅長さんってこのネコちゃんなんですか??」
(むむっ?)

「はい。そうなんですよ。」

「きゃあ〜、かわいい猫ちゃんね〜。千々山だから“チヂ”って言うんです
ね。いい名前。」
(この女の人っていったい?)

このくだりもほとんど台本通りであった。ミリアには猫のチヂよりも気になっ
ていることがあった。それはチヂを抱いている女性の巨大な胸の膨らみだっ
た。

「抱いて見られますか?」

ミリアは匹田さんからの申し出に従い、両手を出してチヂを受け取った。しか
し、抱こうとした瞬間、チヂはミリアの胸と腕の間からスルリと逃げてしまっ
たのだ。

「あ、もう、チヂちゃん、待って〜!!」

ミリアはチヂを追いかけたが、椅子の間を縫うように逃げていき中々捕まえ
させてもらえなかった。スタッフ達の笑い声が響き渡り、テレビ的にはミリア
が猫に逃げられる“おいしい”ハプニングを撮ることができたようであった。
結局のところ、チヂは匹田さんの腕の中に戻りミリアは全く抱かせてもらえな
かったのだ。

「ところであなたはどなたなんですか?」

「わたしですか?私はチヂ駅長の秘書を務めています匹田かなこと申します。」

ミリアは匹田かなこの爆乳に度肝を抜かれていた。その胸は秘書の制服を大き
く盛り上げて今にもボタンを弾かんばかりになっており、大きなスイカが二つ
入っているんじゃないかと思わせるほどに大きい。制服はウエストの部分が細
く絞られているためなおさらその大きさが目立っているのだった。

「秘書さんなんですか〜」
(お、おっきい・・・今日見た中で最大!!)


「すごく大きいですね・・・胸」

ミリアはもはや自分とは次元の違う特大サイズの爆乳にもはや対抗意識を燃や
すこともなかった。

「そんなことないですよ〜」

「初対面で聞いちゃって失礼ですが、いくつあるんですか??」

彼女の素直な好奇心から出た言葉だった。

「136センチのWカップです。」

「わお〜、W!ワールドカップですね!」

「はい、よく言われるんですよー」

「これだけ大きいとさすがに千々山村ではナンバーワンですよね??」

「うふふ。そんなことないですよ。」

「またぁ〜!謙遜しちゃって!」

初対面でも誰とでもすぐに親しくなれるのが桜木ミリアの特技でもあった。
相手が少し心を許したと思ったらグイグイと間合いを詰めるバラエティー的な
能力も持ち合わせているのだ。

「わたしも結構大きいって言われるんですけど、匹田さんとじゃ大人と子供で
すよねぇ。ちょっと触ってもいいですか?」

「ええっ、これ、テレビなんですよね?」

「もう、硬いこと言わないで。こんなにあるんだから?ねっ?」

ミリアは相手の意思を確認するまでもなく片手を匹田さんの胸に当て、ぐいっ
と力を入れた。大きな膨らみがたおやかに変形しミリアの手が胸に沈み込ん
だ。

「や、やわらか〜い!!でも、こんなにおっきいのにすごい弾力で跳ね返して
きますね!」

「シャーーーッ!!」

そのとき、突然、チヂがミリアに向かって威嚇音を発した。

「きゃあ!」

チヂは勝手に秘書の胸に触れるなと言いたげであった。ミリアは慌てて手を引
いてチヂから遠ざかったのだった。
そのとき、遠くから列車が鳴らす警笛が聞こえてきた。どうやら駅に列車が
入ってくるようだった。
駅長との対面場面はこれで終わりとなり、撮影隊は入線してくる列車の方にカ
メラを向けた。
もちろん、列車の到着時間を計算に入れてロケの時間が考えられており、次は
列車から降りてくる乗客に話しかけ、何か面白いことを引き出そうというの
だった。
乗客には仕込みはしておらず、出たとこ勝負の予定であった。

列車が着くと二両編成の車両からばらばらと30名ほどの乗客が吐き出されて
きた。
乗客の半分以上は観光客風の人々であり大きい荷物やキャリーバックを持って
いた。その他は千々山村の村人とおぼしき人たちで休日に町に出て買い物をし
てきたらしく、大きな紙バッグをいくつか抱えている人や遊んできた帰りの家
族連れもいた。
その中に一人、学校の制服を着た女の子もいた。乗客の群れの後ろの方から改
札に向かって歩いて来た。

(ゆさっ・・・)

女の子は高校生らしく大きな楽器のケースを背負っている。その子と同じくら
いの高さなのでチェロか何かなのだろう。

(ゆさっ・・・)

今日は休日だが部活動で学校に行っていたのか、それともコンクールがあった
のかもしれなかった。

(ゆさっ・・・)

遠くからでも彼女の胸がかなり大きいことがわかった。
セーラー服の前を大きく突き出した胸をゆさっ、ゆさっと揺らしながら歩いて
いる。正面から見ると体の幅よりも胸がはみ出ており、彼女のウエストライン
を隠してしまっていた。

(ゆさっ・・・)

改札口に差し掛かると体を少し斜めにして、大きな楽器ケースがぶつからない
ようにしながら通った。胸の膨らみが改札の柵にぶつかる。

(もぎゅっ・・・むにゅん・・・)

改札の幅が狭いため、彼女の大きな胸は鉄製の柵にぶつかって圧縮され、そし
て通り抜けるとぶるるんっと重そうに揺れて解放された。
その様子を改札の出口で乗客を待ち構えていたミリア達はぽかんと口を開けて
見守っていた。

「こ・・・こんにちは!」

ミリアとしたことが、口の中が乾き第一声がかすれていた。
彼女はすぐに気を取り直して胸に向けていた視線を上げ、彼女を見た。

「こんにちは!桜木ミリアです!テレビなんですけど、ちょっとインタビュー
いいですか??」

「ええっ、ほんとにミリアちゃんなの!?うっそ、やばいって!!」

女子高生は驚いて身体を小躍りさせた。それに合わせて彼女の巨大なバストが
ぼよんっ、ぼよんっ、と大きく揺れた。胸が上下するたびにお腹がチラリと見
えた。セーラー服は特注サイズなのだろうが胸の成長に追いついていないこと
を窺わせた。

「正真正銘、本物の桜木ミリアですよ〜。高校生ですか?お名前は?」

「はい、高校3年の中村やえこと申します。」

「やえこちゃんですか!ちょっと古風でいいお名前ですね。今日は学校だった
んですか??」

「はい。部活……、管弦楽部の練習だったんです。」

「おっきい楽器だよねー。それってなんて楽器??」

「チェロです。」

「すごーい。重そう。」

ひとしきり打ち解けてきたところでミリアは気になっている質問をした。

「もし気に障ったらごめんだけど、やえこちゃんって・・・胸、おっきいよ
ね??」

「は、はい。」

「わたしも結構大きいほうなんだけど、やえこちゃんにはかなわないわね。
ねえ?サイズを聞いちゃっても大丈夫かな?」

「はい。えっと・・・151。だったと思います。」

「ひゃ、ひゃくごじゅういちぃい!!身長じゃないよね??」

「バストです。」

「すごいっ!ちなみにカップはいくつなの?」

「3Zです。」

「さんぜっとぉお??もしかしてZカップより大きいってこと??」

「そうなんです。大きくなりすぎて困ってるんです。」

「周りからジロジロ見られたりして・・・大変よね??」

「そういうのにはもう慣れました。チェロが弾きにくくて困るのが悩みなんで
す。」

「そうかぁ、前に楽器を抱えて弾くんだものね。」

ミリアは他の乗客へのインタビューをすっかり忘れて、女子高生と話しこんで
しまったためもう駅舎には彼女のほかに、撮影スタッフとチヂと匹田さんしか
残っていなかった。
彼女が匹田さんの横に並ぶと圧倒的大差で彼女の方に軍配が上がってしまう。
それほど巨大、それほどビッグボリュームなのだ。
しばらくすると、彼女に迎えの車がやってきた。彼女はミリア達に別れを告げ
て駅舎から立ち去った。大きな胸をゆさっ、ゆさっと揺らしながら。

ミリア達はしばらく呆然としていたが、気を取り直して次のロケ地、千々山温
泉へと移動を始めた。温泉では足湯に浸かっているところを撮影してようやく
エンディングとなるのだった。

(ふぅ、なんか今日、疲れた。)

彼女は千々山の絶景を眺めながら足湯に足を漬けていると今日一日の疲れがど
んどん取れていくのを感じた。
ただし、足湯に入る彼女の周りは温泉にやってきた大勢の観光客に取り囲まれ
ていた。

「わぁ!桜木ミリアが来てるよ!」
「ほんとだぁ!テレビのロケだって!」
「きゃああっ、めちゃくちゃ可愛いわね!」

いわゆる女子旅でやってきた女の子達がきゃっきゃとはやし立てた。
社員旅行か何かでやってきた男たちの集団もいた。

「おおっ、すげぇ!桜木ミリアだってよ!」
「うおおおっ、浴衣姿、エロっ!」
「見ろよ、浴衣を盛り上げる胸の膨らみ。すげぇよな…」

ミリアは外野の声を無視しながらも小さな声でつぶやいた。

「今日わかったこと。世の中には上には上がいる。」

彼女は足湯だけであったが千々山温泉を気に入り、今度はゆっくり入りに来た
いからお休みが欲しいとマネージャーに言ったそうである。