千々山村 その後のはなし

ブラン 作
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登場人物紹介

豊臣昌史
千々山村でITベンチャーを立ち上げた青年実業家。33歳。乳好き。ITで大金持
ちになり、爆乳美女を嫁にするのが夢。

望月みどり
ショッピングセンター・かしのの社員。24歳。地域振興課の中山とは小中学校
の同級生。普段は控えめな性格だが、ボニータ(下着ブランド)のことになる
と熱くなり過ぎてしまうところがある。


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発表会は二ヶ月後に差し迫っていた。ショッピングセンターかしのの望月さん
からアプリの開発を依頼されてから半年、俺はほぼ希望の機能を備えたスマホ
アプリを完成させていた。AIの学習度もかなり上がってきたし、そろそろ実用
試験を始めるステージになっている。

俺は豊臣昌史。33歳。千々山村でIT関連のシステム開発を行う会社をやってい
る。いわゆるITベンチャーというやつだ。
千々山村が地域振興のために企業を誘致しているという噂を耳にし、思い切っ
て応募したら見事に当選したという訳だ。事務所の賃料と法人税が三年間免除
され、サーバーやネットなどの環境も整えてもらえる。
本当のところを言うと、俺はこの村のことをテレビで知った。タレントの桜木
ミリアちゃんが町や村を巡るロケ番組。出てくる村人が皆爆乳だったことに世
間は騒然としたが、俺もそのうちの一人だった。乳フェチの俺にとってはまる
で天国のような村だと前のめりになってテレビを見たのを覚えている。ネット
で検索してもほとんど情報が得られない千々山村というワードが俺の記憶に刻
まれることになったのだ。
後に、千々山村役場のホームページで企業誘致の話を知ったとき、迷わず応募
することを決めた。
俺の夢は『ITの世界で天下を取って大金持ちになる』そして、『桜木ミリア
ちゃんのような爆乳美女を嫁にする』の二つ。ITの仕事はどんなド田舎であろ
うがどこでも出来るが、爆乳美女はどこにでもいるわけではない。そう言う意
味で千々山村は俺の天下取りの根城にはうってつけの場所なのだ。

事務所を開設するとすぐに仕事が舞い込んできた。かしのの望月さんからの依
頼だ。女性の胸の写真から立体画像を生成させ、その胸の形に合うブラジャー
をAIが提案するというものだ。"スマホでオーダーブラ"という名前がついてい
る。
毎日、女の子のおっぱい画像とにらめっこを続けるハメになったが、乳好きの
俺にとってはまさに天職のような仕事だ。
事務所は俺を含めて5人。俺以外は千々山村の爆乳美女、と言いたいところだ
が女性のIT技術者はおらず、今のところ事務担当の竹川さんが唯一の千々山女
性だ。
竹川さんは村生まれの23歳でもちろん立派な爆乳の持ち主である。胸のサイズ
は不明だがKカップは確実に超えている模様。シャツの胸元から見える豊かな
谷間、机の上にどすんとばかりに置かれる胸は俺の日々の癒しになっている。

今日は望月さんが事務所にやって来て打合せをする。アプリの開発状況を報告
するのだ。
彼女は二ヶ月後に迫った『ボニータ誕生30周年』を祝う記念イベントを企画し
ていて、その目玉としてこのアプリを世の中に発表する。
ボニータというのはショッピングセンター・かしのの下着ブランドで、爆乳
ちゃんの多い千々山女性に向けて作られた独自ブランドだ。サイズはなんとK
カップからと特大サイズで、一人ずつ採寸してからセミオーダーで作る。セミ
オーダーというのは完全なオーダーメイドではなく、いくつかの型紙の中から
一番近いものを組合わせて作る方式で、フルオーダーよりも早く作れて値段が
安いという利点がある。
しかし、胸のカタチは人によって千差万別で一人ずつ来店して採寸しないとい
けないというのが問題だ。千々山村の村人なら良いが、村外や県外の人はわざ
わざ来店してもらう必要がある。
望月さんのアイデアは、スマホから写真を送ればぴったりサイズのブラジャー
をAIが勧めてくれるというもの。これなら遠方でも国内、海外を問わずに自分
に合ったブラジャーを購入することができるのだ。

彼女も千々山村生まれでなかなかの爆乳の持ち主であるが、本人は普通サイズ
だと言う。Nカップのどこが普通なのだと言いたくなるがここでは本当に普通
サイズなのだ。
俺はボニータ・ブラを愛用する顧客の採寸データをAIに覚え込ませる作業をし
たが、その中にはZカップをオーバーするようなデータも複数存在していた。
未だにそのような爆乳ちゃんがいるとは信じられないが、本当なら一度は見て
みたいと思っている。
車のエンジン音が聞こえ、駐車場に止まる音がした。彼女がやって来たよう
だ。