ワタナベさんはため息が多い

ブラン 作
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チチ暦 962年 秋

11月に入っても胸の痛みはまだ続いていました。
夜中に目が覚めるほどの痛みはありませんでしたが、鎮痛剤がないとズキズキと痛むのです。
今日は月に一度の健康診断の日でした。保健室のカーテンで仕切られたところでシャツを脱いで順番を待ちます。
前の人の診察が終わると私の番になりました。

「マリー・ワタナベさんね。座ってください。」

「よろしくお願いします。」

私は背中に手を回して先生の前でブラのホックを外しました。
先生がリモコンのような機械で胸を測定します。

(ピピッ)

「102センチ。また、大きくなりましたね。」

夏休み明けに93センチだった胸は、1ヶ月後には98センチに達していましたが、とうとう3ケタの大台に乗ってしまったのです。
夏休みの急激な成長は収まってきたみたいですが、それでもまだ大きくなり続けているようなのです。

「痛みの方はどうですか?」

「まだ少し痛むんです。かなりマシになってきましたけど」

「そうですか、もうじき収まってくると思いますよ。ではまた鎮痛剤を出しておきますね。」

診察室を出ると次の子とすれ違いました。私は前を押さえていましたが、彼女は私の胸をまじまじと見つめていました。
女の子に胸を見られるのはイヤではありません。私の胸は100センチを超え、とうとうクラスで一番になりました。
ブラもKカップを着けていますがそれもかなりキツくなってきています。
今まで私に冷たくしていたクラスメートも話しかけてくれるようになったし、先生たちも少し特別に扱ってくれます。

「ねえねえ。ワタナベさん、いくつだった?」

「102。カップはKからLに上げるように言われたわ」

保健室から戻ると私はクラスメートに取り囲まれました。
胸が大きいことが尊敬されるのは大人だけでなく、子どもたちの間でもそうなんだと感じます。

「わぁ!まさかの3ケタ突破!?」
「どこまで大きくなっちゃうのよ??」
「マリーちゃんこそ特別科の誇りね!」

皆に100センチ超えを祝福されて気分は良いのですが、胸がまだ小さかったときのことを思い出すと少し複雑な気分になりました。



チチ暦 962年 冬

バストが大きくなったのは嬉しいのですが、色々と問題もありました。とくに服と下着のことです。
私の歳でバスト100センチ超えってほとんどいないんです。だから、合う服が全然ありません。
仕方なくぽっちゃりさん用のサイズを選ぶと胸以外がぶかぶかになっちゃってとてもカッコ悪いのです。
幼稚園児のスモッグみたいな感じです。ブラは大人用のを買っていますが、すぐにサイズが変わってしまうのが悩みです。
結構値段が高いので親に迷惑をかけるのが気がかりです。その話をナミにしたらいい事を教えてくれました。

「スーパー・ストレッチブラ?」

「知らないの?今、大人気なのよ。とてもよく伸びるブラで少しくらい胸が大きくなっても苦しくならないって評判なのよ。
私も欲しいって思ってたから一緒に買いに行く?」

「行く!行く!」

普通は胸が大きくなるとブラの締めつけがキツくなってカップが浮いたり、はみ出たりしちゃうけど、
そのブラには特別な素材が使われていて大きく伸びても締めつける力が強くならないそうなのです。
デカメロン市の郊外に大きなショッピングモールがあってそこに行けばどんなものでも揃います。
インターネットでも買うことはできますが身につけるものは試着して買いたいです。
ナミと私は下着売り場にやって来ました。普段は母親に買ってきてもらっていたので、自分で買いに来たのは初めてです。ちょっと恥ずかしいのですがナミが一緒にいるので心強いです。

「うわぁー!すっごい数のブラ!」

「ここならどんなサイズのものでも揃うわよ。ほらっ、あっちは超乳さん用」

見ると、私の頭がすっぽり隠れそうなほど大きなブラジャーがたくさん並んでいました。

「すごいわね」

「子供用はこっちよ!」

子供用はサイズも小さく、デザインはかわいくて、イラストの付いたものが多く並んでいました。

「いらっしゃいませ〜」

店員さんがにこやかな笑顔をで話しかけてきます。20台後半の若い女の人でした。

「今日はどんなものをお探しですかぁ?」

ナミが探しているものを伝えます。

「それならこちらの方にどうぞ〜」

私たちは店員について行くと、お目当てのブラが見つかりました。セール中らしく目立つ宣伝がつけられていました。

"大反響!話題のスーパー・ストレッチ・ブラ。今なら特別価格でセール中!"

「サイズをお測りしますねー」

そう言うと店員さんはポケットからリモコンのような機械を取り出してナミの方に向けました。

(ピピッ)

TOP 100
UNDER 65
CUP K

「100センチぴったり。もしかして、特別科の生徒さんですか?」

「はい」

「わあ、やっぱり。そうかなって思ったんです。そちらのお嬢さんもお測りしますねー」

店員さんは今度は私に機械を向けました。

(ピピッ)

TOP ERR.
UNDER ERR.
CUP ERR.

「あれっ?エラーになったわ。すみません、もう一度。」

(ピピッ)

店員さんは何度かやりましたがうまく測れないようでした。

「申し訳ありません。あとで試着するときに計りましょうね。気に入ったデザインを選んでくださいね。」

私とナミはたくさんある色とデザインから好みのものを選びます。

「どう?これだとちょっと子供っぽくないかな?」

「何言ってんのよ、あなた子供でしょ?」

ナミはKカップをいくつか持って試着室に入りました。私はそれより大きいのを持って隣の部屋に入ります。
店員さんがもう一度サイズを測りに来ました。わたしはシャツを下からめくり上げてブラ姿になったところでした。
わたしはLカップを着けていましたがカップから胸が溢れるのを無理やりに押し込んでいました。店員さんはそれを見てびっくりしたようでした。

「お、お客様。かなり窮屈そうですね・・・カップが合っていないようですよ。
そっか、胸がカップからはみ出し過ぎてて形状が乱れていたから測れなかったんですね。ホックを外してもらえますか?」

わたしは背中に手を回してブラのホックを外しました。

(ぶるるんっ!)

キツいブラの締め付けが外れて胸が楽になりました。
ぎゅうぎゅうになっていた胸が自由になってひと回り大きくなったように見えます。
店員さんはもう一度機械を私に向けました。

(ピピッ)

TOP 108
UNDER 66
CUP N

「まぁ、すごい。ホントに小学生ですか?」

そんなこと言われても困ります。正真正銘の小学5年生なんですから。
店員さんはNカップのブラを持ってきてくれたのでそれを試着してみます。

「あ、ちょうどいいみたいです」

ストレッチ素材がぴったりと胸に馴染んでいます。少し余裕がある感じがして胸を左右に揺さぶってみましたが、カップに隙間ができたりはしません。

「そうですね、カップの浮きもありませんし、ぴったりだと思いますよー」

カップの部分を手でグイッと引っ張ると素材がグイーンと伸びて余裕が出来ます。
手を離すとゆっくり元に戻るのですが、緩まずにピッタリになるのが不思議です。
今より3サイズアップ、Qカップになっても胸にフィットしてくれるんだそうです。すごい発明だと思いました。
私はこのブラを2つ、ショーツとセットで買うことにしました。
普通のブラより少しお高めでしたが長く使えるので家計にも優しいと思いました。
私はナミにありがとうと言いました。

「お互い良かったわねー!ところでマリーの胸、いくつだったの?」

「108のNよ。」

「マジで〜?差が開くばっかじゃない?」

「ナミだって3桁到達したんだよね!おめでとう!」

「ありがとう〜!イェーイ!でも、なんか上から目線で言ってない?」

「言ってない!言ってない!」

私たちは仲良くはしゃぎながら下着売り場を後にするのでした。



買い物の帰り、ナミがお腹が空いたと言うのでファストフード店に行くことにしました。
2人で町を歩くとやはり注目を浴びてしまいます。
私が銀髪でナミが金髪なので目立つということもありますが、それより私たちのような幼い女の子が
大人サイズのバストをしているというのが奇妙に見えるのだと思います。
ナミのKカップと私のNカップはブラをしていても歩くだけでユサユサと揺れてしまいます。それを道ゆく人が目で追うのもわかります。
私たちは美味しいと話題のハンバーガーショップに入りました。

「いらっしゃいませ〜!」

私の家ではあまりファストフードに連れて行ってもらえないので友だちだけで来るのは何だか悪いことをしている気がしました。
そんなことはお構いなしのナミは早速ハンバーガーのセットを注文しました。

「んーと、トリプルチーズバーガーにベーコン増し増し、ポテト大盛り、コーラは特大で!」

「ナミ、食べすぎじゃない?」

「最近、特にお腹が空いちゃうのよー」

最近、食欲がスゴいのは私も同じです。

「じゃ、私は、メガグリルバーガーのパティ2倍、ポテト大盛り、メロンソーダ特大、それと、チキンバスケットのビッグサイズ!」

「ずっるーーい!チキンまで頼んでる!」

「なによー、悪い?」

「そんなに食べて、太っても知らないわよ?」

「少し分けてあげるから、もう」

それだけ食べたのに夕食の時間になるとお腹が空いているのが不思議です。
母は育ち盛りだからしっかり食べなさいって言ってくれるんですけど太っちゃうんじゃないかとちょっと心配です。
でも、今のところお肉かつくのは胸のところだけなんです。二つのおっぱいが栄養を求めているんじゃないかって気がしてしまいます。