アイデアル・ドール ING

ブラン 作
Copyright 2020 by Buran All rights reserved.

注文していた服と下着が届いた。
Kカップのブラジャーは意外にもネットで簡単に手に入った。グラマーサイズの下着専門ショップがあり、G〜Kカップまでがラインナップされていた。
アンダーバストも65〜90までと幅が広く、デザインもかわいいものが選べる。デカいブラジャーというと色は白かベージュで、フルカップでダサいというイメージがあったがそういう感じではなくなっている。
注文したのは3/4カップのブラウンのブラでフリルのついたちょっと甘い系のものと、フルカップの白いブラで細かな刺繍が施されたものの2つだ。サイズは共にK65だ。

「でけぇ…」

箱から取り出すとどちらも鎧かというくらいの迫力がある。カップの部分はすっぽりと頭に被れてしまいそうなくらいだ。
上半身ハダカになって、白いフルカップの方を着けてみる。
肩紐に腕を通し、大きな乳房の下半球にカップを当てて手で押さえる。たっぷりある乳肉を収めると、バンドを後ろに回して3段になっているホックを止める。
肩紐の長さを調節した後、手をカップの中に滑り込ませて入りきってないバストをカップ内にしっかり格納する。

「よっ…ふぅ。」

胸の収まり具合は上々のようで、くっきりと深い胸の谷間が出来上がった。ストラップを引っ張ってみたが、ピッタリとフィットしていてカップの中で胸が動くこともなさそうだ。
もう一つのブラも着けてみたが、こちらは3/4カップということで胸がカップから溢れるようにボリュームがあるように見える。ただ、フルカップに比べるとやはりバストをホールドする力は劣る感じだ。
どちらのブラも胸が少し持ち上がるので一段と膨らみが大きくなったように感じられたが、意外に窮屈な感じは少なかった。
試しに軽くジャンプをしてみる。

(ゆさ…ゆさ…ゆさ…)

体の上下動に対して少し遅れて胸が揺れる。さすがにゼロにはならないが大きく暴れるようなことはない。
上にシャツを着ると胸に突き上げられてテントが張ったみたいになった。シャツの裾でウエストが隠れてしまうため体型的に太っているように見える。
反対に両手を腰に当ててウエストを絞ると、胸が強調されすぎてしまう。

「服を合わせるのも難しいもんだな…」

どちらにせよ大迫力の胸元のボリュームは隠しようがない。



僕は新しい服と下着を身につけ、電車に乗ってショッピングモールへと向かっていた。
パーカーでは目立ちにくかった膨らみがシャツを着るとこれでもかと言わんばかりに主張され、車内の人の視線を集めている。
ノーブラの時と比べると動いても揺れはかなり小さく、ブラが乳房全体をホールドしているお陰で尖端部が擦れて変な気分になることはない。だが、あからさまな視線を次々に受け向けるとさすがに困惑してしまう。
平日の昼過ぎの電車は混雑こそしていないが、老人や子供連れの主婦、会社員などでおおよそ座席は埋まっていた。
スーツ姿のビジネスマンがちらりと僕の胸元に目を向けた。僕や一緒にいる女性達に気づかれないように目を向けたつもりのようだが僕には簡単にわかってしまう。
そんなことよりも僕は新入社員と思しきスーツ姿の女性が気になった。白ブラウスにグレーのジャケットを羽織り、同じくグレーのタイトスカートを履いている。
ウエストが絞られて女性らしい腰のくびれからやや大きめのヒップに続くラインが美しい。タイトな生地がぴっちりとヒップの形を映し出しているのがそこはかとなくエロい。

(季節的に新人だろうな。女性のスーツ姿っていいよな…はるかにも着せてみるか…)

もともと、スポーツウェアを買うためにショッピングモールへ向かっていたのだが、女性用スーツ一式も欲しくなってしまった。モールにはスーツを扱う衣料品が入っていたはずなのでそこにも立ち寄ることにしよう。
到着すると僕はまずスポーツ用品店に向かった。トランスレポートでは何らかの運動が推奨されているわけだが、僕は考えたあげくまずランニングでも始めて見ようと思いウェアを見に来たのだ。
その他のスポーツも店を見て歩けば何か良いのが思いつくかも知れないとも考えていた。
大型のスポーツ用品店だけあって品揃えは多い。ランニングウェアだけでも様々なデザインのものがずらりと並んでいる。問題はこの爆乳を難なく収められる服があるかというところだろう。

「いらっしゃいませー!よろしかったらあちらでご試着もできますのでー」

ウェアを手に取って比べていると若い女性スタッフが声をかけてきた。
正直なところこういうのには疎いので良いのを教えてもらえると助かる。

「あの〜、おすすめとかありますか?種類が多すぎてよくわかなくて…」

「そうですねー、ランニング用ですね?こちらなんかどうですか??」

店員が2着手にとって見せてくれたものはなかなか良さそうだった。

「じゃあ、それを試着させてもらいます。」

一つ目は伸縮性のある素材で体にピッタリとフィットする感じのウェアだ。店員はLサイズを持ってきてくれたが問題はこの胸が入るかどうかだ。
袖に腕を通して首からすっぽりと被る。そして下へ降ろそうとしたが引っかかってしまった。

(くっ…)

やはり胸が入らないのだ。僕は試着室のカーテンを少し開けて店員に尋ねた。

「あの。もう一つ大きいサイズってありますか?」

「しょ、少々お待ち下さい」

若い店員は僕の大きなバストの目算を誤ったようだった。XLサイズを手渡してもらって再び試してみる。

(よっ……)

今度はなんとか入った。伸縮性のある生地が伸ばされてぴったりとバストに張り付き、Kカップの爆乳を浮き上がらせる。

「お客様、いかがですか?」

店員が声をかけて来たので僕は試着室のカーテンを開けた。

「大丈夫みたいです。」

若い女性店員は盛大に盛り上がった胸部に目を丸くして驚いていた。ただ、お客の身体的特徴には何も言及しないように教育されているようだった。

「大変お似合いですねー。ただ、ちょっと肩に余裕があるようですが…気にならないのなら大丈夫だと思います。」

確かに、胸回りがぴったりなのに反しそれ以外の部分は生地が余っていて緩く感じる。何しろ、はるかの体は胸以外の部分はモデルやアイドルのように華奢なのだ。首元や肩の辺りがだぶついているし、袖や丈も少し長すぎる。
(アイガールの胸をもう少し小さくするという選択肢は僕の頭にはなかった。)
少し不格好だと思ったのが店員に伝わったのか、別のウェアを試着するように薦められた。
もう一つの方は、フードがついていて前でジッパーで止めるようになっている。それほどタイトな感じではない。
下は可愛らしいフレアスカートでその下にレギンスを組み合わせ履くようだ。
再び試着室に入ってシャツとスカートを脱ぎ、Lサイズの白いパーカーの袖に腕を通す。そして、黒いレギンスを履いてその上にピンク色の短いスカートを重ねる。

(かっ、かわいいじゃないか!)

前のジッパーを上げると胸は引っかかりそうになりながらも首下まで上がってくれた。
これでも胸の存在感はしっかりと感じられるが、先ほどに比べると全然悪くない。

「これが良さそうです。」

「色はホワイトの他に、ピンク、ライトグリーン、ブルー、グレー、オレンジがありますがこちらでよろしかったですかー?」

僕は試着した白のウェアを購入することにした。

「もしよろしかったら、こちらの商品などもいかがでしょうか?新製品のスポーツブラなんですが、従来のものよりサポート力がグンッと大きくなっているんです。」

スポーツブラか。そう言われるとそういうものも必要かもしれない。
今着けているブラのままでもランニングはできるだろうが、汗もかくだろうしスポーツするとき用のものがあると便利だろう。ただ、問題はサイズがあるかどうかだ。

「それも試着できるんですか?」

「はい。お試しいただけます。少々お待ち下さいねー」

店員はブラをハンガーから外して僕に手渡した。スポブラと言っても子供が着けるものではなくスポーツをする人のために作られたものだ。
タグにはアンダーは63〜68センチ、トップが88〜96と表示されている。これでは少し小さいんじゃないかと思いながらも先ずは試してみる。
シャツを脱ぎ、ブラのホックを外して胸を解放する。そして、滑らかな肌触りをしたスポブラを頭から被る。
薄い生地は伸びてぴっちりと張り付きバストをギチギチと締めつける。

(うっ…きっつ)

キツすぎる上に胸が大きすぎてアンダーが浮き上がってしまっている。窮屈すぎて息が苦しいくらいだ。やはり100センチを収めるには小さかったようだ。

「すみません。もう一つ大きいサイズありますか?」

「小さかったですか…少々お待ちください」

手渡されたブラはアンダー68〜73、トップ93〜101となっている。着けてみると先ほどの物よりはマシだったが、まだキツイ感じがした。
だが、揺れを抑えるために作られているのでこういうものなのかもしれない。
アンダーが少し緩いのは大丈夫だろうか。本来はもっと胴にぴったりとフィットすべきなのだろうと思ったが、他に無さそうなのでこれを買うことにした。

「これが良さそうです。」

「良かったー。ぴったりのようですね。」

ランニング用ウェアの上下とスポーツブラを購入し首尾は上々だ。もう少しスポーツ用品店を見て回ろう。

少し歩くとテニスとバドミントンのエリアになった。有名選手のポスターやポップスタンドが飾られている。
僕は昔から球技は得意ではなく、学生時代はどちらかと言えば避けてきた方なので今更やる気にはならない。
卓球、バスケットボール、バレーボールなども同じくだ。
ゴルフはどうだろう?止まった球なら打てる気はする。しかし、誰と一緒にコースを回ればいいのだ?
球技ではなく一人で出来るスポーツがあるだろうか?
水泳のエリアを通りかかる。一人で出来るスポーツだが水泳の授業で泳いだ程度で泳ぎには自信はない。しかも、この胸が収まる水着があるとも思えない。そのほかは、ダンス、ヨガ、ボクシング、乗馬、これくらいだろうか。
結局のところピンとくるスポーツは見つからず店を後にすることにした。

続いてスーツを見るため衣料品店に立ち寄った。新年度の始まりとあって大々的なキャンペーンが打たれていたが、平日の昼間とあって客はほとんどいない。

「いらっしゃいませ!」

二、三人の店員に次々に声をかけられる。女性物のスーツの売場には女性スタッフが配置されているようだった。

「ただいま、新社会人応援キャンペーンを実施しております。新社会人の方ですか?」

「いえ…」

「し、失礼しました。本日はどのようなものをお探しでしょうか?」

僕は基本的に店員に後ろについて歩かれるのは苦手である。だが、女性物となるとどれを選んでよいか見当がつかないので教えてもらえると助かる。
僕は一般的なビジネススーツが一式欲しいと伝えると、セットになったものが良いと薦められた。

「こちらはジャケット、スカート、パンツが3点セットになっておりまして
このお値段となっております。さらにもう1セットお買い上げになるとそちらが半額となるセールを実施中です。」

「あ、はい。」

スーツは1着で十分だが、問題はサイズが合うかということだろう。
店員が背中側からメジャーで僕の肩幅を測り、続いて肩から袖口までの長さを測った。正面に回ってメジャーを胸の周りに回して交差したところを読んで言った。

「もしよろしければ、バストが大きめの方用のものがありますがいかがでしょうか?」

「お願いします。」

店員は大きめサイズと表示されたコーナーからグレーのジャケットを持って来た。サイズは7号(S)ということだが胸まわりに余裕を持たせて作ってあるそうだ。
袖に手を通して着せてもらう。鏡に映った姿は悪くない感じだ。
2つある前ボタンを止めてみる。

(ぐぐっ…)

キツい。何とか止まったもののボタンは引っ張られて今にも弾け飛びそうになっている。服には深いシワが刻まれていて胸が強調されている。

「す、すこし小さいようですね。少々お待ち頂けますか…」

店員は少し焦っているようだ。
僕がジャケットのボタンを外して脱いでいると店員がまた別のものを持ってきた。

「こちらは前ボタンが1つになっているタイプで、止める位置が先ほどより下になりますので少し余裕が出るかと思います…」

そうやって説明する彼女の声は自信なさげだった。僕はまた袖を通してジャケットを着せてもらった。
ボタンを止めると先ほどより随分楽だった。

「いかがでしょうか?」

悪くはなかった。やはり服にはシワが入りそれが爆乳を際立たせていたがやむを得ない。

「いい感じです。これにしようかな。」

店員はホッとしたようでにこやかな笑みを浮かべた。そのあと、スカートとパンツを合わせてもらいカードで支払いを済ませた。

「ありがとうございました!」

スーツと先ほど買ったランニングウェアを合わせるとかなりの荷物になった。

(重い…)

荷物の重さに加え、大きな胸の重さもボディーブローのように体に負荷を与えていた。少しどこかで休みを取りたかった。
僕は空いているカフェを見つけて入った。テーブルの椅子に荷物を置いて座るとメニューを見てカフェ・オレを注文した。

(ふぅ・・・疲れたな)

慣れないことずくめでかなり疲れていた。華奢なはるかの体にKカップの胸は重すぎるようで肩や背中が痛くなってきていた。

(のしっ…)

前屈みになってテーブルの端に胸を載せると重みが緩和されて少し楽になった。
シャツを突き出させている大きな膨らみはテーブルの端に押し当てられて柔らかく変形した。
男性店員は見てはいけないようなものを見てしまったような表情を浮かべ、カフェ・オレをテーブルの真ん中付近に置いた。
僕は大きな荷物たちを抱えたまま電車に乗って帰る気が起きなかったので、少し長距離だったがタクシーで帰ることにした。