次の日、トランスレポートでレベルがまた一つ上がったことがわかった。
『4月○日のトランスレポート
なまえ:はるか
トランスタイム:16時間35分
シンクロレート:66.1%(+4.8%)
シンクロレベル:2→3
シンクロレベルが3に上がりました!
新たに年齢エディット機能が使用できるようになりましたのでアイガールをさらに自分好みにカスタマイズしましょう。』
前回、レベル2になって体型調節機能が開放されたが、今回は年齢を調節できる機能ということだ。以前の説明では、見た目を10〜30歳の間で変更できるということだった。
もちろん、実年齢が変わるわけではなくアイガールの見た目が若くなったり、歳を取ったりするだけである。
早速、試してみよう。
スマホアプリのステータス画面で、年齢が20歳と表示されている横に、"編集"ボタンというのができている。それを押すと+ーで数字を変更できるようだ。
(21・22・23・24・25)
設定を25歳にしてみたが、それほど変化がないように見える。
(26・27・28・29・30)
頬がほっそりとしてようやく歳が感じられるようになったが、顔にシワなどはなく顔の美しさはそのままである。
「この見た目でおばさんって言ったら失礼になるな…」
どうせなら40代、50代くらいまで変更できるようにして欲しかったなと思う。熟女好きの人なら不満だろう。
もう少し大人っぽく見えるようならないかと髪を黒色にして、背中に届くまでの長さまで伸ばしてみた。
「髪型でグッと大人っぽくなるもんだな」
これでそれなりに化粧をすれば30歳に見えなくもない。あとは体型をもう少しいじってみよう。
身長 :163cm
バスト :100cm(65)
ウエスト: 56cm
ヒップ : 83cm
ウエストとヒップを10cmずつ増やして少し肉感を出してみる。
身長 :163cm
バスト :100cm(72)
ウエスト: 66cm
ヒップ : 93cm
なかなかのムッチリ体型になった。大人っぽさという意味ではアリかも知れない。ビジネススーツで決めればどこかの大企業の秘書だと言っても通じそうだ。
設定を一度元に戻し、今度は低年齢側を試してみる。
(19・18・17・16・15)
目に見えて大きな変化はないが、僅かに顔が小さくなり、顎のラインが丸くなったように感じる。鼻や口、耳もやや小さくなったようである。
美しい顔にはあどけなさが同居するようになり、大人になる前の美少女という雰囲気が出ている。
さらに年齢を下げてみるとその傾向はもっと顕著になった。
(14・13・12・11・10)
10歳となると小学校の4、5年生くらいになるだろうか、幼いが、しかし十分に美少女たる片鱗を備えた少女の顔だ。
「大した機能だな」
ポツリと呟いた声がいつもより高い。つまり、声も子供に合わせて高くなっているのだ。
ただ、顔と声は10歳になったものの身長やバストはそのままなので違和感がある。まず、髪型をブラウンのボブショートから、黒髪のツインテールに変更してみるとグッと子供感がでてきた。
「10歳の身長ってどれくらいなんだろうか…」
よくわからなかったが下限の140cmまで下げてみるとそれらしい見た目になった。ただし、バストはまだ100cmのままである。
「うーん…これがホントの童顔巨乳ってやつだな。ロリ巨乳好きには堪らんだろう。これでランドセル背負ってたらやべぇよな。」
体が小さくなり、手足も短くなったので相対的に胸が大きくなったように感じる。大きな胸を下から支えておかないと前のめりになってしまいそうだ。
よく出来た女児の体を点検しているとなんだか背徳的な気持ちになってきた。
これで外を歩いたら面白いかも?とも思ったが、万が一、補導されたりしたらややこしいことになってしまうのでこの機能の使い方はよく考えないといけないなと思った。
*
さて、今日は昨日買ってきたウェアを見にまとってランニングに出掛けて見ようと思う。
歩いて7、8分のところに大きな公園があり、そこを一周して帰ってくればそこそこ良い運動になるだろう。
部屋着を脱ぎ捨てて大きなおっぱいを露出させる。買ったばかりのスポーツブラを頭から被って乳房を覆う。
伸縮性のある滑らかな生地がぴっちりと柔肌にまとわりついて適度な張力でバストを捕縛してくれる。
続いてショーツの上に黒いレギンスを履き、ピンクのフレアスカートを重ねて履いた。
あとはフード付きの白いウエアに袖を通し、前のジッパーを首元まで上げて準備完了である。
「あ、帽子とかサングラスもあった方が良かったかもな」
それはまたいずれ買うとして出発前に鏡の前で全身をチェックする。
フード付きのウェアは多少サイズに余裕を持たせてあるものの、Kカップ乳の存在感を抑えることはできず、大きく前に張り出して胸の周囲にシワを刻ませている。
胸を除くとはるかの体は華奢で手足も細く、短めのスカートから伸びる脚も真っ直ぐで美しい。
試しに軽くその場でジャンプをしてみる。
(ゆさっ…ゆさっ…ゆさっ…)
体の上下動から僅かに遅れて胸が上下に揺れる。スポブラがかなりの揺れを抑えてくれているようだが、完全に抑えるのは難しい。僕は心地よい胸の重量感と揺れを楽しんだあとジャンプをやめてシューズを履いた。
公園までは走って5分ほど、公園の中は一周すると20分くらいだろう。僕はマンション内のジムの会員になっているが、最近は行ってないので体の方は鈍っている自信がある。
最初はあまり頑張らずにコースを確かめるくらいの気持ちで軽く走るだけにしよう。
マンションを出て軽いジョギングを始める。
(ゆさっ…ゆさっ…)
平日の午前中のオフィス街を横切って公園に向かって走ってゆく。道ゆくサラリーマンが僕の胸元、もしくは顔、あるいはその両方に視線を向けるのがわかる。
大きな胸が揺れているのは遠目からでも分かってしまうようだ。僕は100cmの胸を誇らしく突き出してその横を走り抜けてゆく。
(はぁ…はぁ…)
しかし、勢いが良かったのは最初だけだった。公園に着く頃には体が思ったように前に進まないことに僕は徐々に気がついてきた。
その原因として考えられるのはまず一つに歩幅だ。ノブヒコと比べて小柄なぶん歩幅が小さいことが関係している。もう一つは筋肉量だ。やはり男の体と比べて力強さが足りないことは明らかに実感としてわかる。思ったようにスピードが出ないのはこのせいもある。
そして一番大きな原因はやはりこの胸だ。胸の重さは片方だけで少なくとも2kg、両乳で4kg、いや、5kgはあるかも知れない。
ペットボトル2本分以上に相当する重りを着けて走るのだからかなりのハンデになるのは想像に難くないだろう。
しかも、その重りが上下左右に揺れると走るのには無駄なエネルギーとして働いてしまう。実際のところその揺れは数字の8を横にした∞のような軌跡を描く。
つまり、足が地面を蹴る度に乳房は上方に押し出され、その後、重力に引かれて下方に落ちる。
これが繰り返されることにより上下動が生まれるが、加えて、右足の場合は進行方向に対してやや左に乳房は振られ、左足の場合は右側に振られることになる。
この左右と上下の動きが合わさることで∞となるのだ。
(ゆさっ…ゆさっ…ゆさっ…)
スポブラで抑えているとは言え、数キロの重りがずっと揺り動かされているのだからやがて胸板と乳房の境目辺りに支障が出てくる。
(痛ッ・・・てぇな)
胸の付け根の痛みがだんだんと大きくなってくる。僕は片腕を胸に当ててその揺れを少し押さえるようにして走った。
(はぁ…はぁ…)
僕はペースを緩め、公園の池のほとりにベンチを見つけてそこでしばらく休むことにした。
走り始めて10分ほどしか経っていないが息は切れるし、胸の付け根の痛みで速く走れなくなってしまった。
(ふぅ…)
思っていたよりもキツい。胸の大きな女性があまり運動が得意でない理由がわかった気がした。
息を整えてから、僕は再び公園の中を走り始めた。
前方から中学生の男子らしい5、6人の集団が走ってきた。体操着を着ており、どうやら体育の授業でこの公園を走っているようだ。
僕の胸元が大きく張り出してそれが揺れているのにすぐ気づいたようだった。
「お、おい!あれ!」
「でっ、でかいっ!何カップあるんだ??」
「めちゃめちゃ揺れてるぞ!」
無垢な中学生男子の性癖をねじ曲げてしまいそうで少し気の毒に思ったが巨乳を賞賛されるのは悪い気はしなかった。
(ゆさっ…ゆさっ…)
(はぁ…はぁ…)
彼らが行ってしまった後も意外に多くの人達とすれ違った。
犬の散歩をする主婦、二人で散歩する老夫婦、ベンチに腰掛けて携帯を見ているサラリーマンらしき人、近所の保育園の園児たちなどだ。
その多くが悩ましく揺れる胸元に視線を送ってきた。
公園をひと回りし、マンションの方に向かって戻ろうとしたときに前方に中学生の一団がたむろしているのが見えた。先ほどすれ違った集団が公園を何周かして休んでいるようだった。
そして、僕が近づいてくる様子をチラチラと伺っていた。どうやら僕をじっくり視姦しようという魂胆らしい。
「うおおっ!来たぞ!」
「その辺のグラビアより遥かにデカイ!」
「顔もめちゃめちゃカワイイ!」
わざわざ待ってくれてたのなら少しサービスしたくなる。僕は揺れを抑えるために当てていた腕をフリーにし、さらに揺れが少し大きくなるような走り方をした。
(ばいんっ…ばいんっ…ばいんっ…)
そして、彼らの顔を見てにっこりと微笑んであげると、男の子たちは慌てて僕から目を逸らし気のない風を装っていた。
僕はそのまま公園を後にしてマンションへと帰っていったが、やはり胸の痛みを抱えたままだった。
乳揺れをもう少し抑えられるスポーツブラを探すか何か考えないとジョギングを続けるのは難しいと感じた。
*
帰ってから風呂に入って汗を流すことにした。バスタブに湯を溜めている間に汗で濡れたウェアを脱ぐ。
首元のジッパーを下げると内に籠もっていた熱と湿気がもわっと立ち登ってきた。胸の谷間には所々汗の滴がぷつぷつと付いており、谷間の奥へと滴り落ちている。
スポーツブラは汗でじっとりと湿っており、肌にぴっちりとまとわりついて少し気持ちが悪い。
ブラの下側を掴んで引き上げると窮屈に圧縮されていた白い二つの柔乳が解放される。
(ぷるるるんっ!)
Kカップの乳房たちは拘束を解かれて勢いよくこぼれ出る。汗に濡れたスポブラを脱ぎ去ると、スカートとレギンスを脱ぎ、ショーツを下ろして裸になった。
乳房を持ち上げると下側にこもっていた熱が解放されて涼しく感じる。バストと胴体の付け根は汗で濡れており、滴った汗が溜まりやすいのだとわかった。
軽くシャワーで汗を流してから浴槽に右足から入り、温かい湯に体を沈めた。
「ふぅ・・・」
おっさんのため息も若い女性の声なら色っぽく聞こえてしまう。
おっぱいが浮力を受けて浮き上がり、小玉スイカが二つ並んでぷっかりと浮いているようである。
「おおぉ・・・天国」
肩にずっしり掛かっていたバストの重みから解放され、僕は思わず悦楽の声を漏らす。浮かんだ2つ島を見下ろしながら汗をかいて冷えてしまった体をゆっくりと温めた。
*
午前中、ジョギングで体力を使ったので午後は家でゆっくり過ごすことにした。
まず、乳揺れ対策のためネットで様々なスポーツブラを探すことにした。
乳揺れに対する周りの反応を見るのは面白いが、揺れが体へかなりのダメージを与えることは想定してなかったからだ。
僕が今持っているのは国産では最大のものになるが、外国製ならもっと大きなものがありそうだった。ただ、海外のものはアンダーバストも大きく、僕のサイズには対応していないようだった。
他に、スポブラではないが胸揺れを防止するバンドが売られていた。これは大きなゴムバンドのようなもので、胸の上半球側に巻いてバストの動きを抑えるのだそうだ。
マジックテープで着脱できるようになっており、調節も楽だということなので僕はそれを一つ買ってみることにした。
それを済ませるとやることが無くなってしまった。今日はもう出かける気もしないので久しぶりにゲームでもやってみようと思った。
僕はもともとあまりゲームなどをやる人間ではない。それよりも現実の為替や株価を眺めて予測して売買をしたり、将来伸びそうな企業に目をつけて投資をしたりする方が面白いし、実利があると思うからだ。
しかし、なぜ我が家にゲーム機があるかというと以前に付き合っていた女の子が持って来たからである。前にも少し触れたが、泉あきなという売れっ子アイドルだ。
彼女はゲームが好きで移動中や撮影の待ち時間にはずっとやっているらしく、大人しい清純派の見た目に反してゲームおたくというキャラがオタク層からも強い支持を受けていた。
「今ごろどうしてんのかな?」
熱愛報道が出てから僕は実質的に彼女と連絡を取る手段を失ってしまった。彼女はスマホの番号を変えさせられてしまったし、SNSのアカウントも削除されてしまった。
しばらくの間、彼女から僕に連絡が来ないか待っていたが、待てど暮らせどスマホは鳴らなかったしメッセージも来なかった。
住んでいるマンションの場所まではわかるものの階数や部屋番号を知らないため訪ねようもない。仮に知っていたとしても、セキュリティは万全で、新聞記者が始終うろついているその場所にのこのこと出かけていく訳にもいかない。
そういう訳で彼女と連絡が取れなくなってもう3ヵ月以上になる。
ゲーム機の電源を入れてソフトを選択する。ダンス・オン・ザ・デザートという、武器を持って戦闘するタイプのゲームが彼女のお気に入りだった。
ギルドから仕事を受けて仲間を募り、何人かのパーティーで敵のアジトを攻めたり、ギャングと戦ったりするゲームだ。
「なんだ?」
僕宛てにメッセージが届いていた。
プレーヤー同士がオンラインで連絡を取り合ったりするためこのゲームには通知機能が搭載されているのだが、誰からかメッセージが届いているのだ。
送り主は"あっきー03"となっており、かなりのメッセージ数が未読となって溜まっている。
僕はすぐにそれが泉あきなからだということがわかった。彼女はゲームの機能を使って僕に連絡を取ろうとしていたのだ。
"連絡求む!"
とだけ書かれたメッセージが例の熱愛発覚事件の後くらいから毎日のように送られて来ていた。それは、ひと月くらい続いた後ぴたりと止まっておりもう諦めてしまったようだった。
何でもっと早く気づかなかったのかと後悔しながら、僕はダメ元で返事を返してみた。
もちろん、彼女がまだこのゲームをやっている可能性はかなり低いだろう。世の中には星の数ほどのゲームに溢れていて次々と新しいものが発売されているのだから。
だが、僕はもしものことを考えてしばらくゲームをそのまま立ち上げておくことにした。