夜になっても泉あきなからの連絡は来なかった。
数日間は会えないと言ってたわけだし、今日連絡がなかったくらいで気にすることではないのかもしれない。
僕はインターネットで大きいサイズのブラジャーを探していた。そして、113センチともなると合うブラがないという事実に突き当たっていた。
国内の有名メーカーでは最大がKカップとなっている。
Lカップ以上となるとほぼ皆無であり、あったとしてもアンダーバストがかなり大きめのものしかなく、ましてやPカップなどは絶望的である。
外国製を探すと国産よりは大きいものがあるようだった。海外のエロ雑誌の爆乳モデルたちが着用しているデカブラがネットでも手に入るようだ。
ただ、サイズ表記が国内と違うためどれを選べばよいのか理解するのに少し時間がかかった。サイトには換算表が載せてあったのでそれを参照した。
「UKサイズの最大はKカップ…国内だとPカップに相当するのか、さすが海外モノはデカイな。アンダー65の場合は30Kを選べばいいのか…」
サイズを指定するとそれに対応する商品が表示される。しかし、見つかるのは32K以上、つまりアンダーバストが70センチ以上のものだ。
「32Kにするか…いや、まてよ」
いくつか商品を選び、購入する手前のところである広告に目が止まった
"半期に一度、国内最大のインポートランジェリー即売会 海外有名ブランド品が最大70%オフ!!"
僕が気になったのは値引きではなくその下に控え目に書かれていた文章だった。
"グラマーサイズも豊富に取り揃えております。"
これなら実際に試着してちょうどよいものが買えそうだ。幸いなことに販売会場はそれほど遠くなさそうだ。
僕は会場までのアクセス方法をメモして翌日、出掛けてみることにした。
*
朝、いつものようにシャワーを浴びてニュースに目を通しながら簡単な朝食を済ませる。
そして、スマートフォンのアプリを立ち上げてアイガールへと変身する。
もうすっかりはるかの体で居ることに慣れてしまったし、メイクも手早く済ませられるようになった。
昨日、体型リミット機能が解除となりバストサイズを大きくしていたので、113センチの胸がずっしりと重くテーブルの上に鎮座していた。
はるなの華奢な体にメートルオーバーのバストは負担が大き過ぎることは昨日の散歩のときに感じたことだった。
大きな胸を支えるためにもう少し体格を良くするか、あるいは、胸の大きさをセーブするか考えた方がよさそうだった。
外を出歩くに当たって、僕は一旦、バストサイズを100センチに抑えることにした。100と113の間には数字以上の大きな違いがあり、バストの体積や重量は倍ほど違うように感じている。
「よっ…」
部屋着を脱いでK65のブラジャーを着ける。背中でホックを止めるのも慣れたものである。
ブラとお揃いのパンティをつけてドレーブのかかった長めのスカートを履く。上は薄手のニットの黒いシャツにした。
布地がぴっちり張り付いて胸の形を浮き上がらせるが、サイズが全体的に大きく、色も黒なのでそれほど目立たないように思う。
支度を済ませるとバッグを肩にかけ、靴を履いて部屋を出る。目的の会場までは地下鉄を2つ乗り換えて行く必要がある。
もちろん、車を使ってもいいのだが特に急ぐ理由はないし、渋滞に巻き込まれて逆に時間がかかるのは避けたい。
地下鉄の駅はマンションのすぐ近くにある。大きな胸で視界の下側が遮られるので階段を下りるのがかなり恐怖なのだが、気をつけて地下に降り鉄道に乗り込んだ。
土曜日の午前ということで車両の中は比較的空いていた。
やはり何人かが僕の胸元にチラチラと視線を向けるのがわかったが、それにももう慣れてしまった。
昨日、公園で男性2人に胸元を見られたときには変な気分になりかけてしまったが今は全く何ともない。
地下鉄を途中で乗り換えて目的の駅で降り、販売会場のあるビルを探した。
何の変哲もないビルの5階まで上がるとそこは広いホールになっており、さながらデパートの催事場のようであった。
入口にはインポートランジェリー即売会の看板が出ていてかなりの人で賑わっていた。
(ざわざわ・・・)
まるで聞いたことがない下着のブランドが30ほど名を連ねている。
どうやらイベンターが海外下着ブランドに声をかけ、共同で出店させることで集客力を高めると共に、まとめて広告を打つことで効率的にお客を集めようと考えたようだ。最大70%オフの謳い文句も輸入物は高いという先入観を取り除くのに功を奏しているのだろう。会場にら若年からミドルエイジまで幅広い年齢層の女性が訪れていた。
ランジェリーショップに入るのは僕はもちろん初めてのことだった。
間違えて女子更衣室に入ってしまったような居心地の悪さを覚えたが、同時に秘密の花園に足を踏み入れたようなひそやかな高揚感が僕を包んでいた。
下着はかわいい系よりセクシー系の方が圧倒的に多いように見受けられた。装飾が凝っていてかなり高額そうなものも並んでいる。
僕は案内図を確認して"グラマーサイズ"のコーナーの方へと歩いていった。
大きめサイズのエリアは会場の奥の方に設置されており、入口のバーゲンエリアと比べると明らかに狭く、人もまばらになっていた。
それでも複数の客が色とりどりの様々なブラジャーやショーツを手に取って念入りに品定めをしていた。
店員の数に比べて倍以上の客がいるため、自由に品物を見ることが出来そうだった。
すぐ脇に試着室があり選んだ下着を手にした上品そうな婦人が中へ入ってカーテンを閉めるのが見えた。
大学生くらいの女性が店員と何やら話し込んていたが胸元を見るとJ〜Kカップほどありそうでボリュームは僕よりもありそうだった。やはり実際に試着して買いたいというニーズは多いようで、買い物カゴに山ほど下着を入れてまとめ買いをする女性も見受けられた。
陳列されている下着はブランドごとに分けて置かれていて、大きさ的には国内サイズでGカップ以上がグラマーサイズに位置付けされているようだった。
陳列棚は上下2段になっており、上側に比較的小さめ、下側に大きめのサイズが並んでいた。
下段のブラを1つ手に取ってみるとサイズは「32GG」と表示されていた。壁にサイズの換算表が貼ってあり、アンダー70のKカップ相当であることがわかった。
ということは今着けているサイズとほぼ近いわけだ。
だが、僕の今日の狙いはこれより大きいものだ。棚の奥にはまだまだ大きいサイズのものが納められている。
いろいろ手に取って見てみたが、ブランドによって対応しているサイズが異なっており、僕が求めているものはなかなか見つからなかった。
(これはかなりデカそうだな…)
棚の奥からかなり大きく見えたホワイトのブラジャーを取り出した。丁寧に刺繍が施されたフルカップのブラである。
(サイズは…34K、これだ!)
探していたサイズを見つけて心の中でヨシと叫んだ。
KはUKサイズの中での最大で国内のPカップに相当し、タグにはトップバスト123、アンダーバスト75センチと表記されていた。
僕は明らかに大きすぎるそのブラを持って試着室へと向かった。
試着用のボックスは3つあり、そのうちの1つに入ってカーテンを閉めた。店員は忙しそうにしながら、僕の顔を見てフィッティングが必要なときは声をかけてくださいと言った。
改めて白いブラを見るととんでもない大きさだった。バスケットボールが2つ収まるんじゃないかというくらいに巨大だ。
それを一旦、床の上に置いてニットのシャツを脱ぎ、着けていたブラジャーのホックを外した。
(ふぅ…)
ブラの拘束から解放されて自然と息が漏れる。脱いだブラをフックにかけ、白ブラのカップを乳房に当ててみたがもちろん100センチのバストには大き過ぎた。
僕はスマートフォンを取り出してまずアンダーバストをブラに合わせて大きくした。
(66・67・68・69・70・71・72・73・74・75)
それに連動してウエストとヒップが大きくなり、スカートがキツくなったがゴムで止めるタイプなので問題はない。ステータスはこのように変化している。
身長 :163→163 (+0)
バスト :100→100 (+0)
アンダー: 65→ 75 (+10)
ウエスト: 56→ 66 (+10)
ヒップ : 83→ 95(+12)
白ブラのホックを止めてみると、果たして緩くもきつくもなくピッタリと装着できた。バンドはチャンピオンベルトのように太くて迫力があった。
その上で今度はバストサイズを増やしていく。
(101・102・103・104・105・106・・・)
巨大なブラの中でじわじわと乳房の体積が増してゆく。大き過ぎるカップには次第に柔肉が充満し、重みが加わってゆく。
(119・120・121・122・123)
最大まで数値を増やすと白いフルカップブラにみちみちと豊かなバストが詰まっていた。
(重い……だが、大きさは丁度のようだ)
その時、試着室の外から店員の声が聞こえた。
「お客様、いかがでしょうか?お手伝いいたしましょうか?」
一瞬声に戸惑ったが、ブラがフィットしているかプロの目で確認してもらおうと思い、カーテンを少し開けて声に応えた。
「お願いします。合ってるか見てもらえますか?」
「はい、かしこまりました・・・」
店員は30歳を少し過ぎたくらいの女性で彼女もなかなかの爆乳のようである。仕事柄いろんな胸を見てきているのだろうが、その彼女が僕の胸元を見て目を丸くしていた。
「し、失礼します。」
そう言って彼女はおっぱいとカップの間に手を滑り込ませてゆき、収まりきっていない乳房をカップの中に収めた。
胸のバージスラインと合うようにバンドの位置を微調整し、肩ひもの長さを少し短くした。
胸元には魅惑的な谷間が形成され、中に手を入れてみたくなるほど深く美しかった。
「はい、ほとんどピッタリかと思います。」
「では、これを。それから同じブランドで色とデザインが違うものも見たいのですが…」
「かしこまりました。」
店員はそう言うと探しにいって他のブラを3つほど持ってきてくれた。
その後もいくつか試着して、ブラとショーツのセットを3つ購入し、そのうち1つはそのまま着けて帰ることにした。
(ゆっ…さっ…)
123センチのバストは黒いニットのシャツを盛大に盛り上げ、少しの動作でゆさゆさと揺れた。グラマーサイズの客からも驚きの目を向けられてしまった。
胸はかなりの重さだが、胴を一回り大きくしたおかげなのか、それともブラが支えてくれるからなのか思ったほど重さを感じなかった。
(これはいい感じだな…)
買ったものが入った紙袋を持って僕は販売会場を後にした。
(ゆさっ… ゆさっ…)
巨大な膨らみがたおやかに揺れる。123センチはやはり街中では目立つようですれ違う人たちがほぼ全員僕の方を見た。
(ゆさっ… ゆさっ…)
大きな胸を揺らしながら街中を闊歩することはある種の快感をもたらした。
僕に向けられる視線には驚きの感情のほか、男性からは性的なもの、女性からは憧れや羨みが感じ取れた。
時間は昼を少し回っていたのでカフェで昼食を摂ることにした。
店に入ると店員と客からいきなり胸に視線を受けた。
僕はそれには気づかないふりをしながら窓際まで行き、荷物を対面側のイスの上に置いてから席に着いた。
(のしっ…)
大きな胸が自然とテーブルの上に載った。
まだ距離感がうまく掴めてないせいもあるが、イスを後ろに下げ過ぎるとテーブルと離れすぎるし、前過ぎるとテーブルが胸で占められてしまう。
イスの位置を調節し、胸の3分の1ほどがテーブルに載るようにした。バストの重みのいくらかを机が負担してくれてかなり楽に感じた。
メニューの中からパスタランチセットを選び注文した。男性店員は僕の胸元にあからさまな目線を向けないように意識しているようだった。
料理が運ばれてくるとパスタソースを胸元に飛ばさないように注意しながらフォークを口に運んだ。
パスタ、サラダ、パンのセットにコーヒーか紅茶が選べたので紅茶にした。
食事を済ませて席を立とうとしたとき、ふと胸元を見るとパンくずが乗っていたので手で払って落とした。
立ち上がってレジへ進むとまた周囲から視線が向けられた。
歩くだけでもたゆたゆと揺れるバストは自然と人の注意を引きつけてしまうようだった。
その後、また地下鉄に乗って家に帰ったがやはり123センチの爆乳は絶えず人々の視線を集めることとなってしまった。