アイデアル・ドール ING

ブラン 作
Copyright 2020 by Buran All rights reserved.

夜の7時を過ぎて腹も少し減ってきた。
今日は終わりにしようと思い、書斎を片付けてリビングに戻るとつけっぱなしにしてあるゲーム機にメッセージが届いていることに気がついた。

"ノブくん?おうちにいる?"

あきなから着信があったのはつい5分ほど前だ。僕はすぐに返信を打った。

"いるよ。そっちは?"

しばらくして彼女から返事が帰ってきた。

"家だよ。今から会えない?"

"いいよ、今から行く。"

"ごはん食べた?"

"まだ"

"じゃ、何か頼んでおくねー"

前回、彼女の家を訪れたときから4日間経っている。彼女は丸3日間家を空けていたことになる。
僕はアイガールのボディサイズをいつもと同じに戻してからブラのホックを止めて身だしなみを整えた。
改めて着替えるのも大変なので今日はビジネスウーマン仕様のままあきなの家に向かうことにする。上品な白いブラウスの上にスカートと同色の黒いジャケットを羽織る。
こうしておけばブラウスに下着の模様が透けていても問題はない。
マンションの前にタクシーを呼んで僕はそれに乗り込んだ。

彼女と連絡が取れない間、僕はできるだけ彼女のことを考えないようにしていた。
心配してもどうすることもできないし、彼女は彼女なりの方法や考え方があって自らの意思で動いているからだ。
しかし、彼女には何か危なっかしいところがあり放っておけないところがある。そのことが多くの人々を惹きつける一つの要素であるようにも思える。
マンションの下までやってくると住民用の出入口で彼女の部屋番号を押した。インターホンに彼女が出てくるまで少し時間がかかったが、僕の姿を認めると扉を開錠した。
エレベーターで上まであがり部屋のチャイムを鳴らすと玄関の扉が数センチ開いてあきなが顔を見せた。

「ごめんねー、いまお風呂から上がったところなの。入ってー」

彼女はピンク色のバスローブに身を包み、頭にはタオルを巻いている。シャンプーか石鹸の良い香りが扉の奥から漂ってきた。
風呂上りで上気したあきなもなかなかの可愛さだ。ただ、その顔には少し疲れが出ていた。

「いつ帰って来たの?」

「7時前くらいよ、帰ってきてすぐノブくんに連絡したんだから。」

僕は彼女の後ろに続いてリビングルームに入った。

「ちょっとそこで待っててねー、着替えてくるから…」

彼女はそう言って寝室に消えていったので僕はソファに腰を下ろして着替えが終わるのを待った。

「ピロリロリロン、ピロリロリロリン・・・」

玄関のチャイムが鳴った。彼女が寝室から顔を覗かせて僕に言った。

「出なくてイイわよー、デリバリーだから。玄関の外に置いておいてもらうように言ってあるの」

部屋着に着替えを済ませた彼女が出てきて届いたものを取りにいった。

「ノブくん、ちょっと手伝ってくれない??」

見るとあきなは両手に大きな袋を下げている。どれだけ頼んだんだ?と驚くほど玄関にはデリバリーされたものが置かれていた。
僕は置かれてあるものをリビングのテーブルまで運んで並べた。

「これ、全部食べるの?2人で?」

聞いたことのあるピザチェーンのボックスと有名ファストフードの紙袋、にぎり寿司のセット、そのほかにカレーの匂いが立ち昇る袋まである。

「もちろん!わたし、お腹ぺこぺこなんだから。」

そうは言っても量が多すぎる。配達した人は5、6人でパーティーでもやるんじゃないかと思っただろう。
注文した料理を並べ終わるとテーブルはほとんど埋まってしまった。

「あ、そうそう、その前にコレ」

「なに?」

「ノブくんの部屋着よ、買っておいたの。そのスーツ脱いでノブくんの姿に戻ってよー」

「えっ?あ、ありがとう…」

僕はあきなが買ってくれた服を受け取り部屋の隅で着替えることにした。
ブラウスとスカートを脱いで下着姿になると、後ろ手でホックを外してブラを取った。そしてスマートフォンのアプリでトランス解除のボタンを押して僕の姿に戻った。
小さなショーツが尻に食い込んで少し気持ちが悪かった。

「ごめん、パンツは買うの忘れちゃってた…」

「いや、僕が着替えを持って来ればよかったんだ。」

部屋着に着替え終わるとテーブルの前に座った。

「さぁ、冷めないうちにいただきましょ!」

「う、うん」

にぎり寿司、ピザ、ハンバーガー、フライドポテトとチキン、カレーライスと並ぶ中、まず彼女はハンバーガーを手に取ってかぶりついた。

「ん〜ん!おいしいっ!この3日間、碌なもの食べてなかったからー」

「大変だったんだ?」

ハンバーガーを半分ほど食べた後、フライドチキンをむしゃむしゃとやっている。

「そうそう。事務所はね、私がどんどん太ってきてることを気にして教育とかレッスンという名目でダイエットをさせようとしているわけ。
どこかわかんない場所で泊まり込みでね。」

「それで脱退のことは言ったの?」

カレーライスを口に運ぶ彼女の手が少しゆっくりになった。

「ええ、言ったわ。上層部と相談するって。でもきっと聞き入れてくれないでしょうね…彼らは真剣にわたしがグループへ復帰するのを計画しているみたいだから」

「復帰はいつごろに?」

「わからないわ…3ヵ月後とかそれくらいじゃないかな?あきなちゃんはハラダ・ノブヒコに騙され一時の感情に流されてしまいました。
でも、今は過ちをしっかり反省し彼ともすっぱり別れましたよ…ってストーリーになりそう」

彼女はピザを口一杯に頬張りながら呆れ顔で言った。

「ひどいな…」

「ノブくんの素行が悪いからよ。でも大丈夫!次の手は打ってあるの…そんなことより食べてよねー」

僕は幸せそうにイクラの軍艦を口に放り込む彼女を見ながらポテトフライを1つ摘んだ。
十分にカロリーを補給した彼女は元気を取り戻したようだった。

「次の手って?」

「それはナ・イ・ショ。でも、すぐにわかるわよ」

その後、彼女から事務所のグチを聞きながら食事を済ませた。あれだけ豊富にあった食べ物はすっかりなくなり、その2/3以上は彼女の胃袋に収まったと思う。
彼女自身は全くダイエットなどする気はなさそうだった。
僕はあきながいなかった3日間の事について話した。近くの公園を散歩したことやショッピングに出かけたこと、久しぶりにルームランナーで走ったことなどを話した。もちろん、エロい気分になって自慰をしてしまったことは喋っていない。
アイガールの姿で自由に出歩けることを彼女はとても羨ましそうにしていた。

「ねー、ノブくん。はるかちゃんのことなんだけどさぁ。顔もスタイルも完璧すぎて、正直、女として嫉妬しちゃうのよねー」

もちろん理想的に美しく作ってあるのだから当たり前だが、彼女がそんな風に思っていたとは意外だった。
スタイルは何とかできるにしても顔は変えられないのでどうにもできない。

「…でね。ちょっと相談なんだけど…」

そう言うとあきなは立ち上がって寝室の方に消えて行った。
2、3分ほどした後、彼女は白葉紙に包まれて丁寧に畳んである布のようなものを持ってきた。

「なにそれ?」

「これね、昔の衣装よ。わたしがデビューするよりもう少し前、オーディションを受けたりしていた時に着ていたお洋服…」

彼女は薄い包み紙を解き目の前で衣装を広げた。淡いブルーのワンピースで胸元に小さなリボン、後ろの方には大きなリボンが付いていた。
小学校の高学年か中学生くらいの少女が着るような服である。

「…懐かしいわ、記念なの。時々出して防虫剤を入れ替えたりしてるのよ。」

「思い出の品」

「これを着てたのは12歳くらいかな。もう7年も前ね…これを見ると当時のことを思い出すの。
オーディションに落ちて泣いたこともあったけど未来は希望に溢れたなぁってね…」

「おいおい、ハタチ前の女の子が吐くセリフじゃないぞ」

「あ、でね?アイガールになって着てみて欲しいんだ!?」

「コレを?」

「ねっ?お・ね・が・い!」

「う、うん。」

乗り気はしなかったが、あきなが目をキラキラ輝かせて訴えてくるので無下にするのも可哀想だと思ってしまった。

「やった〜!」

僕はスマートフォンのアプリを立ち上げ再びアイガールへとトランスすると、部屋着の胸元がぼいんっ、と膨らんだ。
あきなの洋服を着るためにはさらに体型の調整が必要だ。

「身長をもう少し縮めないといけないな…」

「それ貸してくれる?わたしが調整してみるね」

僕はスマホを手渡し、簡単に操作方法を説明した。

「身長を変化させるときは…うん、そこをタップして数字を上下させる」

「うん。たぶん今よりも10センチくらい小さかったから…」

(162・161・160・・・)

あきながスマホを操作するとだんだんと目線が低くなっていく。背が縮むと共に今までに感じたことのないぞくぞくとした変な感覚に包まれる。

(・・・147・146・145)

彼女は145センチでストップさせた。僕は彼女よりも背が低くなり、彼女を見上げるようになった。部屋着が大きくなり裾がかなり余っている。

「人に操作されるのって変な気分だ」

「身長はこれくらいねー。後はスリーサイズは…」

今度はバスト、ウエスト、ヒップを調整し始めた。部屋着の下の胸の膨らみがどんどんと萎んでいった。

「ううっ…」

体を操作される妙な感覚に我慢しながら調整が終わるのを待つ。

「ねぇ?もう少し調整するからちょっと脱いでくれる?」

「いいよ。」

ぶかぶかになった男物の部屋着を脱ぐと細く美しい肢体が現れる。
胸は小ぶりだがこんもりとお椀型の丸い丘を形成しており、華奢な体の割には発育が良いように見える。
ズボンを脱ぐと緩くなったショーツも一緒に脱げてしまい素っ裸になってしまった。

 身長  :163→145 (-18)
 バスト :100→ 80 (-20)
 アンダー: 65→ 60 (-5)
 ウエスト: 56→ 52 (-4)
 ヒップ : 83→ 75 (-8)


「こんな感じかな。この頃からわたし、割と胸あったのよねー。あとは年齢を合わせるんだっけ?」

「プロフィールの年齢を編集するんだ」

「これね」

(19・18・17・・・・・12)

低年齢化するとともに頭部がやや小さくなり、併せて顔も少し小さくなった。顔の輪郭は丸みを帯びる。
目が相対的に大きくなったような印象となり、幼さの残る12歳の少女の顔に変化した。

「きゃあああっ、カワイイ〜!!」

「は、恥ずかしいだろっ。早く服を」

僕は彼女からその服を受け取り、足を通した。服を肩まで上げ、背中のジッパーを彼女に上げてもらった。
淡いワンピースの着丈はほぼぴったりだった。

「イイッ!とっても似合う〜」

「あの、胸がちょっとキツいんだけど…」

胸の膨らみが服を盛り上げて乳房の存在感を表しており、ブラをしていないので胸の突起が浮き上がっている。

「うーん、ちょっと見栄を張っちゃったかな?もう少し小さかったかも?」

彼女はバストを2センチ減らして78センチにすると胸まわりの窮屈さが無くなった。

「これでぴったりね。」

服は着心地が良く、オーダーメイドで仕立てられたものだというのがわかった。ただ、下着を着けていないのでスースーして落ち着かなかった。

「じゃあ、次は髪を変えましょう」

そう言うと、ショートヘアをいろいろな髪型にチェンジさせてどれが似合うかと思案を始めた。

「やっぱり黒髪のロングが似合うわね。2つに分けてツインテールにしてもかわいいかも〜♪」

彼女は新しい人形を買ってもらった少女のように、一人で盛り上がりながら僕の髪型をいろいろ変えて遊んだ。
そして結局、リボンの付いた髪留めで髪を2つに束られてしまった。

「アナタは今日からわたしのかわいい妹よ?ねっ、はるかちゃん?」

「やめろよ。」

「いいじゃない!?ねっ!わたしの家でアイガールの姿で過ごすときはこの姿でいてよね?いい?」

「やだよ。解除しとく」

「だーめ!ほらっ、ノブくんのスマホはどこでしょう??」

「あっ、どこに隠したんだ!?」

「後で返してあげるからしばらくこのままで、ねっ!」

僕はスマホを隠され、その後しばらく少女の格好で過ごす羽目になってしまった。

「今度来るときまでにお洋服とか下着をもっと買っておくわねー。ヘアバンドとかアクセサリーとかはわたしのを分けてあげるね。」

「・・・・」

彼女はすっかり僕を妹として扱うことを気に入ってしまったようだ。

「じゃあ、名残り惜しいけど今日はこの辺でノブくんに戻してあげる。今のはるかちゃんの状態を記録することはできるの?」

「どうだろうな、やったことないな」

「"名前を付けて保存"でいいのかな?名前は"いもうと1"にしておくわねー」

いつも設定している以外に体型を保存する機能があるなんて知らず、初めて使ってすぐに理解しているあきなに単純に驚いてしまった。
ようやく元に戻してもらった僕だったが、サイズ感が違うので元の体の感覚に慣れるのに少し時間がかかってしまった。

「ふぅ、やっと戻れた。」

「ねぇ、ノブくん…今日は泊まってってくれるの?」

「いいの?」

彼女はこくんと肯く。

「実はわたし…一人だと不安で。ノブくんが居てくれないと心も体もバラバラになりそうなの…それと…すごくエッチがしたい気分なの。
なんかもうめちゃくちゃにして欲しいって感じ。」

呑気そうに見えて実は繊細な部分を抱えているあきなを僕は守ってあげたいと思った。

「僕だって3日間ずっとあきなとセックスがしたいと考えてたよ。」

彼女の肩を抱き寄せて口づけをした。待ちきれなかったのか彼女の方から舌を絡めてきた。
僕たちは濃厚なキスをしながらソファでお互いの体を弄りあった。

「ベッドへ行こう」

その夜、僕たちはあきなのベッドの上で日付が変わる頃まで体を重ねた。それは今までに体験したことのないほど激しいセックスだった。