膨乳バトル烈伝 マリカ

ブラン 作
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「1174番、クロエ・グラッドストーン」
「1175番、ディアナ・アークランド」
「1176番、ミーナ・ジェッタ」
「1177番、マリカ・マルベリー」

頑丈で冷たい鉄の牢屋の中。地べたに座りながら看守が大声で名前を点呼するのを聞いていた。わたし以外の3人も気怠そうに足を崩し誰一人返事をする者はいなかった。

「確認よおーっし!今日の新人はこの4人だけであります!」

看守の後ろには少し身分の高いらしい男が控えていた。白髪で頬のこけた五十歳過ぎくらいの男だった。
男は私を含め4人の捕虜の顔を順番に値踏みしていたが、看守の点呼が終わると今度はその男が口を開いた。

「ようこそ、我がバーチナスの砦へ。ここには毎日お前たちのような者がやってくる。昨日は6人、一昨日は5人だったな。
ここではBEバトルの基本を教え、初戦が始まるまで待機してもらう。BEバトルは知っているな?魔法カードを使って相手の胸を大きくし、地面に着かせたら勝ちだ。
勝ち進んでいけば自由の身になることもできるのだぞ!そんな難しいルールはないが、意外に奥が深いからよく勉強しておくんだ!」

ある日突然わたし、マリカ・マルベリーはマグノロワ兵の捕虜となり、何日も歩かされてここに連れてこられた。家族とも途中で離れ離れになり、今はどこにいるのか、元気なのかどうかもわからない。
一緒にいる人たちもわたしと同じような境遇みたい。奴隷として下働きをさせられると聞いていたけど、どうやらそうではないようだった。
BEバトルって何?そんなの初めて聞いたよ。

「勝てば本当に自由になれるんだな?」

クロエという名の女性が口を開いた。

「黙れ!誰が勝手に喋っていいと言った?質問があるときは挙手だ!」

男は女を睨みつけた後、少し間をとって話した。

「まあいい。バトルに10勝すればお前たちでもマグノロワの市民権が与えられる。 今までに数人、そういう奴らがいたが莫大な賞金を手にして俺たちよりも良い生活を送ってやがるぜ。
ただし、そこはそんなに甘い世界じゃない。大多数の人間は負けて奴隷に身をやつしている。」

どんなゲームかよく分からないけど、10連勝だなんてよっぽどじゃないと無理だ。ジャンケンで3連勝するのも難しいのに。

「今日の午後、さっそくバトルの練習を開始する。それまでにしっかりとルールを覚えておくんだ!」

そう言うと男は看守に指示して紙でできた薄い本をわたし達に配らせた。
わたしはそれを受け取って真剣に読み始めた。ルール自体はそんなに難しそうではなかったけどバカバカしいゲームだと思った。

[基本ルール]
・1対1で戦う
・魔法カードを使い相手の胸を大きくする
・胸が大きくなりすぎて地面に着いた方が負け
・カードは7枚配られ、2枚を選んで場(フィールド)に置き、残りの5枚を手札にする。
・手札を一枚出したら、次の順(ターン)の初めに一枚補充される。
・場に置いたカードは相手の攻撃を防ぐ時などに使用する


胸が地面に着いたらって、何なの!そんなことで面白がるなんてホントに最低な遊びだわ。
ふと目線を上げると他の3人も真剣に紙を見つめていた。
先ほど質問したクロエという美しい女性は長身で肌の色が黒く南方の出身のようだった。
戦士だったみたいで体は筋肉質、腕力では絶対に勝てなさそう。歳はわたしよりも少し上に見えた。
その隣のディアナという女性は踊り子をやっていたようで特に人目を惹く美人のお姉さん。歳は二十歳くらいに見える。
胸が豊かで粗末な布の服をこれでもかというくらい盛り上げている。時々、看守の男たちが彼女のことをチラチラと見ているのかわかる。
奥に座っているミーナという女性はおそらく4人の中で最年長。と言っても22、3歳くらい。色が白く、どこかの令嬢だったみたいで上品な雰囲気が漂っている。
髪は金髪でとても美しくまるでお人形のよう。

しばらく後にわたし達は牢屋から出され、看守に連れられて訓練場までやってきた。そこには扉がいくつも並んでいてわたし達はそれぞれ別の部屋に入れられた。
部屋に入ると教官らしい女性が一人椅子に座っており、その横には人形が一体置かれていた。

「1177番のマリカ・マルベリーね?」

「はい」

女は長い髪をかき揚げながらこちらを見た。わたしがどういう人間なのかは全く興味がなさそうで、決められた仕事をこなすように淡々と話した。

「ルールブックには目を通したわね?早速、そこの木偶と勝負をしてもらうわ。」

「ええ、はい」

女が両手を広げて口元で何やら囁くと木偶(デク)がのっしりと起き上がった。最初、人形のように見えたデクは呪文をかけられて人間そっくりの姿に変化していた。

「ふふふ。マグノロワの魔法を目にするのは初めてかしら?さあ、コイントスで先攻を決めましょう。」

コインはデクが先行、わたしが後攻となることを示していた。
女が右手を広げると魔法のカードが飛び出し、私とデクの前に7枚ずつが配られた。カードはわたしの目の高さで浮かんでいる。

『ムク』
『ドバイン』
『マジックリターン』
『成長ホルモン』
『ムク』
『マムク』
『バイン』

この7枚から場に伏せるカードを2枚を選ぶのだけど、配られたカードのうち防御系は『マジックリターン』だけだった。なので、2枚ある『ムク』の1枚も併せて場に伏せた。
いつの間にか部屋の壁には魔法のスクリーンが現れ、わたしのプロフィールが表示されている。

 名前:マリカ・マルベリー
 年齢:16
 身長:152
 サイズ:72ー56ー80

デクの方は既に2枚選び終わっていて、わたしが選ぶとさっそくバトル開始となった。


〜バトル開始〜

"デカバイン!"

デクがいきなり強力なカードで戦闘の口火を切った。真っ赤な炎のような光がわたしに降りかかる。デカバインはバストサイズが1.5倍になる比較的強力な魔法。

(むくっ…むくむくむくむく)

胸が急に張って熱くなったかと思うと胸元が急激に盛り上がり始めた。
16歳にして全く平坦なことを気にしていた胸があり得ないほど豊満なサイズに膨らんでゆく。

(みちっ…ぐぐぐっ…ビリビリビリ!)

粗末な布の服は内側からの圧力に耐えきれず縫い目が裂けてしまった。

「いやんっ!ホントに大きくなっちゃった…」

[マリカ B72→108]

見る見るうちに膨れ上がったバストは3桁の大台に達した。わたしは服の裂け目を手で隠して肌が見えないようにした。
もし、場に伏せていた『マジックリターン』を発動させていたなら跳ね返せたわけだけど咄嗟のことでそこまで頭が回らなかった。

"マムク!"

今度はわたしの攻撃。マムクはムク系の中級魔法で相手のバストを20センチ大きくする。

[デク B80→100]

デクの胸元が大きく体積を増したが、魔法で出来た服は破けずにバストに合わせて伸長した。


〜2ターン目〜

"マムクム!"

デクの攻撃。マムクの1ランク上の魔法でバストを30センチ増加させる。

(むくむくむくむくむく…ビリビリッ!)

「やあーんっ!ちょっと!」

胸がさらに体積を増し、服の生地を裂いてしまった。おっぱいがむき出しにならないように前を必死に腕でカバーした。胸の膨らみは見たことのないくらい巨大になっている。
このままじゃ…まずい。

[マリカ B108→138]

わたしのターン。手札が1枚補充される。

『エンジェル』

やった!これは場で開くと相手の魔法攻撃を少し軽減してくれるカードね。場に伏せてある『ムク』を下げて『エンジェル』のカードを出して開く。ターン終了。


〜3ターン目〜

"豊乳サプリ!"

デクはアイテムカードを使ってきた。魔法攻撃ではないためエンジェルカードの効果はなくバストサイズが5%増え、しかも効果は次ターン以降も持続する。

(ググッ…)

「やだっ…」

[マリカ B138→145]

数字の変化は少ないが体積がかなり増加したことでぐっと重さが増す。両手で下から支えてないと立ってられないくらい。次に凄い攻撃を喰らったら終わりかもしれない。よーし。

"ドバイン!"

持っている中で一番強いカードを出す。ドバインはバストを1.3倍にする効果がある。
真っ赤な光が相手に襲いかかる寸前、デクは右手の手のひらを返して場に伏せていたカードを開いた。

「えっ!?」

"バイリターン!"

リターン系の最強魔法。バイリターンは受けた攻撃を2倍にして跳ね返す。
わたしが撃ったドバインが2倍になって返ってくる!?

「ちょっとまってよ!」

"マジックリターン!"

わたしは咄嗟にデクと同じように手のひらを返してカードをオープンした。
跳ね返ってきた魔法は再びデクの方に跳ね返されドバインが2倍になって相手を襲った。

「やったあ!」

[デク B100→169]


〜4ターン目〜

デクは2枚のカードを補充した。強いカードを引いていないことを願うだけ。

"ムクラ!"

デクの攻撃はムクとマムクの間の魔法。バストが10センチ増加するが、エンジェルの効果で6センチに留まる。しかし、豊乳サプリの効果で8センチが加算される。

[マリカ B145→159]

わたしの今の手持ちは、『ムク』が2枚と『バイン』、『成長ホルモン』、それから場に出ている『エンジェル』。もう強いカードは残っていない。
これから補充するカードにかかっている。来いっ!

『ミニマイザーブラ』
『ムクムーン』

来たっ!
まず、手持ちの『ムク』2枚を場に伏せて手札を5枚にし、『ミニマイザーブラ』を使う。このカードはバストを10センチ小さくでき、しかも、ターンを消費しない。
白い光が取り巻いたかと思うとわたしの胸元には白のブラジャーが装着されていた。これで胸を庇う必要がなくなったけど無理矢理締め付けてるからちょっとキツい…

[マリカ B159→149]

そして、もう一枚はムク系の最強魔法。

"ムクムーン!!"

相手のバストを50センチ増加させる。デクが防御系のカードで防げるかどうかにかかっているけど、『マジックリターン』と『バイリターン』が既に出てしまったから防がれる可能性はかなり低い。
空から雷が落ちたような激しい光で辺りが黄色く照らされる。
伏せたカードが開かれることもなくムクムーンはデクに命中した。

[デク B169→219]

風船が膨らむみたいに胸が大きく膨らんでその重さに耐えかねて体勢が崩れる。

(ズシーン!!)

デクは膝をつくと同時に上体が前に倒れ、巨大な乳房が地面に落ちた。

「やったわ!」

「勝者!マリカ・マルベリー!」

女の教官がわたしの名前を叫んだ。
デクにかかっていた魔法は消え、巨大な胸も姿を消した。そして元の人形の姿に戻っていた。

「リターンの使い方は良かったわ。勘はいいようね。」

"シュリーン!"

女が呪文を囁くとわたしの巨大なバストも縮んで無くなった。

「貴女達の初戦は明後日の午後に決まったわ。明日は準備で忙しくなるわよ。」

牢屋に戻ると他の子たちも戻って来ていた。
わたしたちはライバル同士になるのでお互いに話しかけることもない。明後日のバトルではこの中の誰かと戦わないといけないのだから。
バトルに勝ち続けてマグノロワの市民権を手に入れたら、両親や兄弟を探し出しまた昔のように皆んなで平和な暮らしをしたい。
ライバルたちも同じだろうけど負ける訳にはいかない。

わたしはイーグル国で商家の娘として生まれた。家では鋤や鍬などの農機具を主に扱っていて、鍛冶屋から仕入れたものを販売するような仕事をしていた。
真面目な父の人柄もあり店はかなり繁盛していたので家族は豊かな暮らしを送っていた。
わたしは幼い頃から読み書きと算数を習っていた。母からは読み書きを、店の使用人からは算数を教えてもらっていた。
父は弟よりもわたしに店を継がせたかったようで商売のことについて熱心に教えてくれた。両親が不在のときはわたし一人で店番をすることもあった。
両親は毎日、忙しそうにしていたがそれでも休日には家族揃ってハイキングやピクニックに出かけたりしていた。
ある日、隣国のマグノロワと紛争が始まったという噂を聞いた。昔から諍いは絶えなかったが、マグノロワとイーグルは交易が盛んで長いあいだ持ちつ持たれつの関係を保っていた。
しかし、王が代わったのをきっかけにマグノロワは周辺の領土を拡大し始めイーグルもその標的となってしまったのだ。
わたしの家も魔法兵に踏み入られ、幸い死者やけが人は出なかったけど全員が捕まり捕虜となってしまった。
家族とも離れ離れになってしまい今はどこにいるのか分からない。
家族と会って昔の暮らしを取り戻すためにもわたしは勝たなければならない。