森エルフさんの巨乳願望

ブラン 作
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1 叔父さんの家へ

私が叔父さんの家にやって来たのは3月の初め、雪が深くまだ春の気配も感じられない季節でした。
叔父さんは街で薬草などを扱う店を経営していて叔母さんと二人で暮らしています。
叔父さんは薬の原料となるハーブやキノコ、木の実などを仕入れ、叔母さんが店でそれらを売って生活をしています。
二人の家は街の中にあります。古い木造二階建ての大きな建物で広い庭がついていて、少し野菜やハーブの栽培もしています。店は商店街の中にあって、小さな店ですがお客さんは着いていて二人で生活できるくらいの稼ぎはあるそうです。
叔父さんは私の父の弟で、父が伝統的な"森エルフ"なのに対して叔父さんは伝統に縛られない"街エルフ"です。
二人は対立しているわけではなくお互いの生き方をそれなりに認め合っているそうです。
そうでなければ娘を一年間、弟の家に預けるなんてことを考えたりしないはずです。
私の父は厳格な"森エルフ"ですが、伝統的な暮らし守る森エルフは年々減少していて、生活も変わりつつあることを感じています。
これまでは人間と関わらずに暮らしてきたけれどそうもいかなくなって来ています。街エルフのように人間との共存も考えなくてはならないと思っているみたいです。
そんな変化の時代に子供に人間の生活を体験させることは意義があると考えて私をここに送り込んだそうなのです。
私は4月から人間の学校に1年間通います。不安でもあり、人間がどんな生活をしているのか見るのを楽しみにしています。

「エルちゃん。そっちの端を押さえててくれる?」

エルと言うのは私の名前。森中エル。年齢は14歳です。私は今、学校に来ていく制服を叔母さんに仕立ててもらっているところです。

「はい、叔母さま」

叔母さんの名前は森岡カヨと言います。叔父さんからはカヨ、親戚や近所の人からはカヨちゃんなどと呼ばれています。年齢は200歳を超えていますが人間の40歳くらいの見た目です。
服を仕立てると言ってもそれほど難しくはありません。素材を準備し、絵や写真などを参考にしながら完成図を頭に思い浮かべます。あとは"まじない"をかけるだけで出来上がります。

「それでどう?成長期だから少し大きめにしておいたわよ??」

叔母さんの仕立てのまじないはプロ級です。
机の上には白いシャツと紺のジャケット、スカートが出来上がっています。さっそくそれに着替えて見ると少し余裕がありますがほとんどピッタリでした。

「スゴい!ピッタリです!」

「これで学校の準備はほぼおしまいだね?少し店に荷物を運ぶのを手伝ってくれるかい?」

「はい!」

この家からお店までは車で5分ほどです。
エルフが車を運転するなんて信じられませんでしたが叔父さんも叔母さんも運転します。二人は白い軽自動車を1台所有していて、お店との往復や仕入れ、配達などに使ってます。
今日はお店が休みですが、商品を車で運び入れるのだそうです。
私は一年間お世話になる代わりに家事や店番など二人のお手伝いをする約束になっています。
荷物を後ろの座席に乗せて助手席に座ると叔母さんが車のエンジンをかけました。
初めて車に乗せてもらったときはとても興奮しました。風のような速度で走ることができるのです。何度か乗せてもらっていますが、いつも心臓がドキドキ、ワクワクしてしまいます。
お店では叔父さんが棚を移動させていました。叔父さんの名前は森岡トオルと言います。エルフなのにでっぷりと太っていてとてもエルフには見えません。親戚の人からは街エルフならぬ、街ドワーフとあだ名をつけられています。
休みの日を利用して、商品をたくさん並べられるように棚を改造しているのだそうです。

「ありがとう、エルちゃん。やっぱり若い子がいてくれると助かるよ。」

叔父さんは脂ぎった顔をこちらに向けてニッコリと笑いました。
荷物を下ろし、叔父さんの作業が終わるのを少し待ってから三人で車で家に帰りました。
二人はボロ家と言いますが、私が育った森の家に比べれば遥かに大きく立派な家です。
私は二階の部屋を使わせてもらっていますが、一人部屋が初めててしかも広いのでとても気に入っています。
学校が始まるまでの間、私は二人のお手伝いをしたり、人間界のルールを学習したり、近所を探索したりして過ごしました。