森エルフさんの巨乳願望

ブラン 作
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3 好きな科目、苦手な科目

学校の授業は私にとってはかなり大変です。中学1年、2年の勉強をしてないのにいきなり3年はレベルが高すぎるのです。
全く分からないのは、数学と英語。y=ax+bと言われてもさっぱり何の事か分かりませんし、英語も今まで触れることがなかったのでアルファベットを読むことすらできません。
国語、理科、社会など教科については、やはり漢字が読めないのが問題ですが先生が話すことを聞いていればおおよそのことは分かります。
それ以外にも副教科と呼ばれる保健体育、技術家庭、美術、音楽があります。これらはだいたい得意な方かなと思います。

私が一番得意な科目は体育です。
小さい頃から森を駆け回っていたので体力には自信があります。背丈がある割に動きが素早いのもエルフの特徴ですから走る速さでは人間には負けません。
ランニングで普通に走ると男の子を追い抜かしてしまいそうになります。あまり目立ちすぎてはいけないので七分目ほどの力で走りました。グラウンドを何周か走り終えると皆んな息を切らしてしまいましたが、私は呼吸すら乱れません。

体育が終わり、更衣室で着替えていると矢野さんと吉川さんが話かけてきました。

「森中さんって足速いのね!」
「身長あるし、脚が長いからなー」

吉川さんは体操着を脱いで下着姿になり、タオルで汗を拭いています。私も体操着を脱ぎました。

「いいなぁ、細くて羨ましい〜。私も森中さんくらいスタイルが良かったらな〜」

吉川さんが私の身体を見て言いました。
褒められて悪い気持ちはしませんが、エルフの中では普通なので自分でそんなように思ったことはありません。

「少し身長を分けて欲しいわー」

そう言ったのは矢野さんでした。彼女はクラスで一番目か二番目に背が低く、私と並ぶと大人と子供くらいの差があります。
私を見上げる小さな矢野さんは目がくりっとしていてとても可愛いです。

「森中さん、ブラ着けてなかったの?」

「ブラ?」

ブラとはどうやら胸当てのことのようでした。吉川さんは美しい刺繍が入った白い胸当てを着けていますし、矢野さんもピンク色でリボンの付いたカワイイものを着けています。
私も一つ持っていますがデザインはもっと簡素なものです。普段、あまり着けたことがないと言うと二人から驚かれました。

「ええっ!ぜったい着けなきゃだめっしょ??」
「擦れるし、透けちゃうし!」

中学生の女の子は常にブラを着けるのが普通なのだそうです。私の場合、ほとんど胸の膨らみがないので着けなくても良いと思ってましたが着けた方がいいのだそうです。
明日は着けて来ようと思いました。

「ところでさぁ・・・」

吉川さんが矢野さんの方を見て言いました。

「みのりの胸、また大きくなってない?」

私も実は少し気になっていました。矢野さんは小柄なのに胸がとても発達しているのです。ピンクのブラは吉川さんよりかなり大きくて前に飛び出しているように見えます。

「そうみたいなの。最近、ブラがキツくて… これ以上、大きくならなくていいのに。肩は凝るし、走るとき邪魔になるしー」

人間の女の子は10歳前後から胸やお尻が成長を始め、大人の身体へと変化していくそうです。
エルフの場合もそうなのですが、人間のように大きく変化はしません。胸もせいぜい手のひらで覆い隠せるくらいの大きさにしか成長しないのです。

「いいじゃない??羨ましい〜。私なんてAカップだし、もう少し大きくなって欲しいよ〜」

ブラの大きさはアルファベットで決まっているのだそうです。吉川さんの胸は膨らみがあるかどうか分からないくらいの大きさです。
矢野さんの豊かな胸が何カップなのかは不明です。本人は大きくて困ると言いながら本気で嫌がっているような感じではありませんでした。

その日から私はクラスの女子の胸が気になってしまい、体育の授業中や着替えの時にチェックするようになりました。
皆んな綺麗なブラを着けています。下着の色は白が基本ですが、派手なものでなければ少し色がついていても良いそうです。
クラスには私を含めると15人の女子がいますが、見比べてみた結果やはり矢野さんの胸が一番大きいようでした。
男の子は矢野さんの胸が気になるらしく、体育の時とかにぷるんぷるんと揺れている様子を盗み見しているのが分かります。
私も自分が平らなだけに豊かな胸が羨ましいと思うようになってしまいました。

ところで余談ですが、叔父さんの店の近くにコンビニというお店があって食べ物、飲み物から調味料、鉛筆やペンまで様々な品物が売られています。その中に本や雑誌の売り場もあるのですが男性向けの本の表紙に写っているのはたいてい胸の大きな女性です。人間の男の人は皆、胸の大きな女性が好きなのでしょうか?

お昼の時間、皆んなは"給食"というまとめて調理したランチのセットを食べますが、私だけ家から持ってきたお弁当を食べます。
給食は必ず食べないといけない訳ではなく、持病や体質、宗教上の理由などがあれば自分で持って来ても構わないことになってます。
エルフは動物由来の食べ物は口にすることができませんので、野菜、芋類、キノコなどを主に食べています。
人間の中でもベジタリアンといって野菜しか食べない人がいるそうですのでそれと同じではないでしょうか。
クラスメイトは私のお弁当を不思議がって覗いてきます。

「や、野菜ばっかりなのね…」
「森中さんて、ビーガンなんだ?」
「こんなので足りるの??」

ビーガンというのもベジタリアンを表す言葉で、動物由来の食物を一切食べない人たちのことを言うそうです。

「だいたいいつもこんな感じなの」

クラスメイトは信じられないという表情で私のお弁当を見ます。エルフの身体は少ないエネルギーで活動できるように出来ています。人間のように肉や魚を食べなくても全然大丈夫なのです。
そのせいかエルフの身体は人間に比べてとても細っそりとしています。私達からすると人間は小柄でずんぐりしていると感じます。

最初は学校に馴染めるかどうか心配でした。でも、クラスの女の子が色々と声をかけてくれるのでだんだんと話すようになり、半月ほどですっかり皆んなと親しくなりました。
特に仲良くなったのは"矢野みのり"、"吉川かえで"、という二人の女の子です。出席番号が並びなのと帰る方角が同じなのでよく話すようになりました。
反対に男の子はほとんど私に話しかけてくれません。後になってわかったのですが、人間の男の子というのはだいたいそういうものなのだそうです。年頃になると急に無口になって無視したりしますが嫌っている訳ではないのだそうです。