短編集 〜豊・乳・ワールド〜

ブラン 作
Copyright 2021 by Buran All rights reserved.

【N】クラスのニューマドンナ


ある日、空から純白のブラジャーが降ってきた。
バルコニーの柵に引っかかっていたので初めはビニール袋か何かかと思ったが近づいてみるとブラジャーだということがわかった。
それも見たことがないくらい大きなものだった。

「ごめんなさ〜い!」

見上げるとマンションの2つ上の階からおばさんがこちらに向かって手を振っていた。
どうやら春の強い風でウチのルーフバルコニーまで飛ばされたのだろう。
おばさんが降りてくると僕は拾ったブラジャーを手渡した。

「どうもすみません。ありがとうございました。」

歳はウチの母と同じくらいだろうか、40歳くらいのキレイな女性だった。髪を後ろで一つにまとめ、Tシャツとデニムのカジュアルなスタイルで、メイクはほとんどしてないようだった。
この地域に引っ越して来たばかりで、こんなに強い風が吹くとは思っていなかったらしい。おばさんはブラを受け取ると恥ずかしそうに帰っていった。

その話を母親にしたら最近越してきた住人のことを知っていた。鹿島さんと言って、40代の夫婦で娘が一人いるそうだ。マンションのどこの部屋にどんな家族が引越してきたかなんて僕は大して気にしないが、母親達の間で情報はすぐに広まるらしい。

その次の日にはこんなことがあった。
近所に買い物に行こうと思ってエレベーターを待っていた。上の階からエレベーターが降りてきて、扉が開くとその女性と娘さんが乗っていた。
僕は軽く会釈をしながらそれに乗りこむと母親が僕に声をかけた。

「こんにちは。昨日はどうもありがとうございました。」

「い、いえ、どうも」

気の利いた言葉も返すことが出来ずエレベーターが下に降りるまで気まずい思いをした。
娘さんとは目を合わすこともできなかったが、歳は僕と同じくらいだろうということはわかった。
一階に着くと僕はエレベーターの"開"のボタンを押して二人に先を譲った。

「ありがとうございます。失礼します。」

母娘は僕に礼を言ってエレベーターから降りた。

(どゆんっ…)

そのとき、僕は娘の横顔とその子の巨大な胸の膨らみを見た。

(で、でっ……)

カジュアルなフード付きのウェットシャツの胸元はバレーボールでも入ってるんじゃないかと思うくらいとんでもない盛り上がりを見せていた。

(ゆっさっ…)

マンションの敷地を出て、鹿島母娘はどうやら近所のスーパーマーケットまで歩いていくようだった。僕は別の方向に向かったが彼女の胸の残像は僕の脳裏に焼きついたままだった。

(昨日のブラジャー、きっとあの子のものだったんだろう…)

昨日拾ったブラジャーには特にサイズのようなのは書かれていなかった。あんな大きなのはきっと普通に売っているものではなくオーダーメイドなのだろう。
そんなとんでもないバストをした女の子が僕と同じくらいの歳だなんてちょっと信じられなかった。



「はーい、静かに!今日からうちのクラスに転入生が加わります。鹿島ちあきさんです!」

先生に導かれて教室に入ってきた女生徒を見てクラスに大きなざわめきが起こった。
整った顔立ちの美少女、そして、セーラー服の胸元ははちきれんばかりに膨らんでいた。
ウチのマンションに引越してきたあの子だった。

「鹿島さん、簡単に自己紹介をお願いします。」

先生に言われて鹿島さんは教壇に立ち、緊張で声を震わせながら自分の名前や趣味、前の学校のことなどを話した。
男子は彼女の美しい顔よりも豊かな胸元に釘付けになり、こそこそと小声でウワサし合っていた。

(ででっ、でっか!)
(その辺のグラビアなんかより明らかにデカイぞ)
(いったい何カップあるんだよ?)

僕もウチのマンションに越してきた子がまさか同じクラスに転入してくるとは想像していなかった。

「じゃあ、鹿島さん。窓際の列の前から3番目の席に座ってください。」

彼女が教壇から下りると大きな胸がばゆんっと揺れた。そして、空いていた僕の隣の席に座った。

(ニコッ)

僕を見て彼女はニッコリと微笑んだ。
よろしくって意味なのだろうけど、どうやら僕はその笑顔に心を撃ち抜かれてしまったようだ。