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「失礼しまーす」
「はい。そこに座ってください。杏西さん…」
面談は1人15分だが30人全員となると到底一日ではこなせない。一日に1時間、4人ずつを面談していく。その間、他の生徒は教室で自習となる。
出席番号1番の杏西さんが明る目のブラウンの長い髪を靡かせて面談室へと入ってきた。
少しギャルっぽい見た目の子だ。
(のしっ…)
彼女は椅子に腰掛けると同時に大きな胸を僕との間にあるテーブルの上に乗せた。
バストのサイズはTカップ、クラス平均よりはやや控えめな大きさだ。
僕の手元のPCには杏西佳奈子の基本情報、学業成績、そして先日測定したばかりである身体測定の結果が保存されている。
"身体測定結果(4月)"のタグをクリックすると杏西さんの身長、体重、スリーサイズなどのデータと全身の3D画像が表示される。
胸部にカーソルを当てるとトップ、アンダー、乳高、乳重、乳容量、乳底面積、乳首長、乳輪径などの数値が現れ、さらにダブルクリックするとバスト部分がズームアップされる。
「4月から減量期に入りましたが体調などはどうですか?」
肥育期から減量期の変わり目は生活スタイルの変化から精神的に不安定になる生徒もおり、それを確認することもこの面談の目的の一つである。
「うーん。特に何ともないかな」
顔色も良さそうなので問題はなさそうだが、本心を言わない生徒も多いので安心は禁物だ。
「いよいよ高等部最後の年となるけど、将来はどのように考えてますか?ご両親と話したりしますか?」
「んー、まだ」
「大学への進学か、就職を希望かなど何かありますか?」
「とくに」
「じゃあこれからだね。これから学校では時々、お仕事紹介フォーラムが開催されるので参加したらいいと思います。休みの時にご両親とも相談を始めてくださいね。7月には三者面談がありますからその時にまた聞かせてもらいます。」
「はーい」
大学も企業も峯山グループが運営するところなら高等部の生徒はほぼどこでも入ることができる。
卒業生は全員巨乳であると共に真面目で素直な子が多いため企業側からの評判も良い。
受験勉強のようなものは不要であるが、進学・就職先を本人の希望通りにマッチングさせることも僕らの仕事となる。
「育乳の方は順調ですか?」
「そですね。」
「何かあれば僕や檜原先生に相談してくださいね。」
「はーい」
PCで彼女の成長履歴を確認すると、初等部の6年から成長を始めたバストはほぼ平均的な成長曲線を辿っていた。
中等部の間にEカップからMカップまで大きくなり、高等部に入るとやや成長が緩やかになったが2回の肥育で着実に体積を増して現在はTカップだが、まだ緩やかに成長は続きそうである。順調に減量が進めばVかWカップまでは問題なく大きくなるだろう。
豊かな乳房は苦しそうに制服を突き上げてどっかりとテーブルに乗せられているが、この大きさでクラス平均より控えめというのがまだ僕は信じられなかった。世の中の成人女性の平均がIカップであることを考えるとやはり峯山は別次元である。
パツパツになっている膨らみに手を触れてその充実ぶりを量りたいところだが、今日は面談の時間しか取ってないためまたの機会にする。
杏西さんが面談室を出て行くと、次の生徒が入ってきた。
「失礼します!」
(ゆっ…さっ)
「はい。そこに座ってください。梅野さん…」
デカい。ストレートのロングの黒髪に切れ長の目元、整った顔立ちはアイドルグループにいてもおかしくない容姿だがその見た目に反して胸元のギャップが特大だ。梅野清佳はなんとZカップの持ち主である。
(ずしっ…)
彼女はテーブルの上に高校生らしからぬビッグバストを鎮座させた。両乳で10キロ、いや、15キロ以上もあるかもしれない乳房をこんな美少女高校生が待ち合わせているのだ。
「4月から減量期に入りましたが体調などに変化はありませんか?」
杏西さんと同じ質問を彼女にする。
「特に大丈夫だと思います。」
第二期の肥育期間でかなり体重が増加したようで胸がZカップに達したことは喜ばしいことだが、頬は膨らんで二の腕もムチムチとしている。腰回りにもかなりお肉がついているようなのでどこまで身体を絞れるかが気になる。
「いよいよ高等部最後の年となるけど、将来のことは何か考えてますか?ご両親と話したりしましたか?」
「まだ決めてませんが… 峯山神社の巫女に申し込もうかなと思ってます…」
梅野さんは少し顔を俯き加減にして言った。
峯山神社の巫女は生徒たちだけでなく世の女性の憧れになっており、全国から応募が集まるほど人気となっている。結果的に峯山学園の生徒が複数選出されることが多いが、学園内の選考がかなりのハイレベルだからである。
少し昔ならZカップもあれば文句なしに巫女に選ばれていたが、最近は学内選考に申し込む基準が概ねZとなっているくらいである。
ただ、巫女は乳房の大きさだけで選ばれる訳ではなく、形も重要であるし、容姿や体型も審査の対象となる。
うちのクラスには梅野さんを含めて既にZ以上が5人もおり、学年に12クラスもあればそれだけでかなりの人数である。それに対して巫女になれるのはたったの3人と非常に狭き門なのである。
「目標があるのはいいことだと思います。先生もできる限りサポートするよ。日々の育乳を怠らずに頑張ってください。」
「はい!」
減量がうまくいけば2サイズほど上がる可能性はあるがそれで学内選考に残れるとは限らない。ただ、自分の生徒として出来る限りの手助けはしたいと思った。
「先生に聞いておきたいこととか質問などはありますか?」
「あの・・・いいですか?」
梅野さんはまっすぐな目で僕を見ながら言った。
「平野先生は育乳師の資格を持っておられるんですよね?む、むねを触ってもらいたいんですけど…」
「えっ、あ、そうだな。今は面談中だから難しいけど、そういう機会はまた考えたいと思ってます。」
まさかそんな申し出があるとは思ってなかったので戸惑ってしまった。
育乳師に触ってもらうと胸が大きくなるというのは単なる迷信で科学的根拠などはない。しかし、効果があると本人が信じていれば心理的な意味で良い効果をもたらすことがあるとも言われている。
育乳目的であれば生徒の胸を触ることは問題がないが、一人だけを贔屓することは好ましくない。だが、現役女子高生のムチムチZカップバストに触れる機会など普通はないので、僕は含みを持った答え方をしてしまった。
このように僕は毎日、時間を作って8組の生徒と順に面談をし、彼女たちの顔と名前、キャラクターを把握していった。
もっともバストが大きかったのは桜井詩織という生徒でサイズは3Z。その次は楠木柑奈の2Z。Zカップは梅野さんを含めて3人だ。そして、峯山神社の巫女になりたいと思っている生徒はかなりの割合でいることもわかった。
そのことを檜原さんに話すとそれは当たり前のことだと返ってきた。
「そりゃそうですよー。峯山神社の巫女は皆んなの憧れですからね!小さい頃から見てきてますしー」
「そういうものなのか。大体いくつくらいあれば巫女に選ばれるの?」
「昨年の巫女は5、7、8Zでしたよ。その前の年はどうだったかな・・・でも、3Zでは厳しい世界になってきているのは間違いないですよ」
「5、7、8Zか…」
「おっぱいのサイズだけが選考基準じゃありませんから、必ずしもというわけじゃありませんけど」
「学内選考は何人くらいから何人が選ばれるの?」
「申し込みは本人の意思ですから結構きますねー。4、50人くらいだと思います。一次選考でまず12人に絞られて、二次選考で6人が選ばれます。この6人が我が校の代表者として峯山神社の本戦に出場します」
「6人に選ばれたとしても巫女になれるのは3人。しかも他校とも競争するわけだからな、かなり厳しいんだね。」
「そうですね。うちの姉妹校も最近は実力をつけてきてますから安心はできないですね!私の母校、南陽峯山からも結構いいサイズの子が出てくるんですよー」
自分のクラスから巫女が選ばれたらそれは嬉しいことだが、そのために生徒にプレッシャーをかけて育乳が進まないということは避けなくてはならない。
指導員の檜原さんとよく相談しながら進める必要がある。
「ところで檜原さんの減量の方は順調?」
「ええ!ご心配なく!この後も生徒たちと一緒にバイクを漕ぐんですよー」
檜原さんがダイエット宣言をしてから二週間ほどが経つ。まだ見た目の変化はないがカロリー計算をしたり、間食を控えてたりしているのは隣の席に座っていてわかる。
バイクというのは室内に設置されたエアロバイクのことで、減量期の運動メニューとして取り入れられており、生徒たちは放課後に1時間ほど漕いでから下校するのが日課となっている。他の運動と比べると、胸揺れが少ないことと、カロリー消費量が把握しやすいという2つの大きなメリットがある。
「毎日行ってるんだ?」
「そうですよー。あ、後で見に来てくださいよ!みんなも喜ぶと思いますよ♪」