短編集 〜膨・乳・ワールド〜

ブラン 作
Copyright 2022 by Buran All rights reserved.

3.日曜日の宅配便


(ピンポーン・・・)

「はーい」

「お届けものです。こちらに印鑑かサインをお願いします。」

日曜日に宅配便が来るのは珍しいことでしたが一人で家にいた私は何の疑問も持たずにその荷物を受け取りました。
その荷物は大きなダンボール箱で宛名は私の名前になっていました。送り主はどこか聞いたことのない会社からでした。

「なんだろう?お母さんが頼んだのかな?」

しかし、お母さんがわざわざ私の名前で注文する意味がわかりません。

「私へのプレゼント?」

もしかしたらお婆ちゃんかお爺ちゃんが送ってくれたのかもしれません。私はとにかく箱を開けてみることにしました。

「なに?ブラジャー??しかもかなり大きい…」

箱の中からは見たことのない大きさの白いブラジャーが2つに折り畳まれて入っていました。
お母さんが着けるにしても大き過ぎる大きさです。ましてや中学2年の私が着けられるわけがありません。
箱から取り出して広げてみるとその巨大さがわかりました。

「でっか!頭にすっぽりかぶれちゃう…」

カップの大きさは私の頭が入ってもまた余裕があるくらいで、バスケットボールでも入っちゃいそうでした。肩のストラップも紐というよりベルトです。サイドベルトも帯のような太さでした。
ホックは何段か数えてみると何と8段もありました。ホックを止めるのも大変だろうなと思いました。
タグを見るとサイズが書いてありました。

 TOP  155
 UNDER 65
 CUP   8Z

8Zなんてサイズは聞いたことがありませんでした。
ブラのサイズはアルファベット順に大きくなりますが、アルファベットの最後のZよりもさらに大きいということなのでしょうか?
誰が何の目的で私宛てにこんな大きなブラを送って来たのか全くわかりませんでした。
お母さんたちが帰って来たら相談しようと思いましたが、その前にそのブラをちょっと試してみたくなりました。

「もう開けちゃったし、ちょっと試すくらいならいいよね?」

この大きなブラを着ける人はどんな人でどこに住んでいて何歳くらいなのでしょうか?すごく興味が湧いてきます。
私は着ていた服を脱いで上半身ハダカになりました。
残念なことに私の胸にはほとんど膨らみがなく、中学2年になっても一向に成長しない胸を気にしていました。クラスで大きい子はEとかFカップになってたりして、着替えや水泳のときなどに注目を集めています。自分もせめて平均くらいまで成長して欲しいなと思ってます。

「よっと…」

ずっしりと重い8Zブラの肩紐に腕を通します。
そしてバンドの端を持ち背中の後ろでホックを止めようとしましたが、8つもあるホックはうまく止まりませんでした。
そこでホックを一度前で止めてからくるりと回転させて背中に回し、それから肩紐に手を通すことにしました。バンドの長さは不思議と私にぴったりでしたが、カップはもちろんブカブカでした。

(ピクッ)

何故だか急に胸がくすぐったく感じ身体を捩りました。

(ピク、ピクッ)

気のせいかな?と思いましたがそうではありません。その感覚はだんだんハッキリと胸の辺りに集中しているのです。

(ピクッ)

「ああっ、なんなのよ、この変な感じ??む、むねが暑い…」

胸元に何か大きな熱い塊が集まってきているような感覚がありました。
そして、突然、私の胸が膨らんだのです。

(ググッ・・・・ボボンッ!ボイーーーーーーーンッ!!)

まるで風船が膨らむように胸は膨らみました。ブラの中の空間は膨らんだおっぱいでミチミチに満たされました。

(ギチッ… ギチッ…)

「ど、ど、どうしよう!!私の胸がこんなに…」

両手で胸を持ち上げるとずっしりと重く、その場で立っているのがやっとでした。2つの胸は中央でものすごく深い谷間を作っていて、その盛り上がりでお腹や足元が見えません。
鏡の前に立つとバストは私のおへそやウエストを隠すくらい大きくなっていることがわかりました。
大人でもこんなに胸の大きな人がいるとは思えません。もしこれで学校に行ったら大騒ぎになるでしょう。

その時でした。

「ただいま〜!ひかり、いるの?」

家の玄関の方でお母さんの声が聞こえました。
お出掛けから帰ってきたようでした。お母さんがこの胸を見たらもの凄く驚いてしまうでしょう。

「ヤバい!とにかくブラを外さないと!」

背中に手を回してブラのホックを外します。
しかし、ホックはしっかり噛み合っていて簡単には外れません。しかも、8つもあるので時間がかかります。

「お母さんが部屋に来ちゃう!」

私は重い胸を両手で抱えたままベッドに潜り込みました。

(ガチャ…)

「ひかり?いるの?・・・なんだ、お昼寝してるのね」

お母さんが扉を開けました。しかし、私がベッドで寝ているのを見ると戻って行きました。
私はベッドの中で一つずつホックを外しました。

「ふぅ〜、やっと外れた。これで元に戻るはず・・・・・・だよね?」

ブラを外すとバストの重さがずっしりと肩にのしかかりました。私は大きな胸が羨ましいと思っていましたが、ここまで大きいと苦労するなぁと思いました。

「小さくなってる??」

胸はすぐには元に戻りませんでした。膨らむときは一瞬でしたが元に戻るときはしばらく時間がかかるようなのです。元の大きさに戻るまで部屋から出られないので私はそのままベッドでお昼寝をすることにしました。

「ひかり、起きなさい!ごはん食べるわよ」

どれくらい眠ったでしょうか。窓の外はすっかり暗くなっていました。お母さんの声で起こされて私は応えました。

「はーい。すぐ行くー」

そして胸に手を当ててみます。

(むにゅんっ…)

巨大だったバストはかなり小さくなっていました。
しかし、まだまだメロンくらいの大きさがありました。家族を驚ろかせるには十分な大きさです。

「困ったわ…」

(たぷんっ…)

私は引き出しから運動するときに着けるスポーツブラを取り出しました。これで胸を押さえてみようと考えました。

(ぐぐぐぐっ…)

スポブラを頭から被り、布地をぐっと引っ張りながら2つの乳房を収めます。下から胸がはみ出ましたが何とか入ったでしょうか。

「キ、キツイ・・・けど、しばらくの我慢ね」

その上からルームウェアを着ると胸の膨らみはそれほど目立ちません。それで家族にもバレずに通すことができました。
その後、寝る前には手に収まるほどのサイズまで小さくなりました。

「これくらいで止まってくれたら嬉しいんだけど…」

その願いも虚しく、次の朝、起きると胸は元通りになっていました。
8Zのブラは私の部屋のクローゼットの中に入っています。また着けたくなったときは着けてみたいと思います。