短編集 〜膨・乳・ワールド〜

ブラン 作
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5.牛女の人形

私の大学では3年生からゼミに入りますが、私が選んだのは民俗学が専門の森教授の研究室でした。
教授は世界の少数民族の生活様式や言語、歴史などを研究していて、授業を受けて面白そうだと思ったことと、フィールドワークに出かけることは少なくてちょっと楽そうだなと思ったのが選んだ理由でした。
ゼミには3年生と4年生の学部生が4人ずつ、助手の松本先生、そして教授の森先生がいました。
森先生は50歳半ばの白髪の男性で、一年のほとんどを海外で過ごし、各地を飛び回って研究をしています。ですので、ミーティングのほとんどはリモートで行われます。4月にこの研究室に来た時に一度お会いしましたが、その後すぐに南米の奥地へと出かけて行かれました。
助手の松本先生は30歳過ぎの男性で、森先生が海外から送ってくる資料をまとめて分析したり、論文にしたりと毎日忙しくされています。また、私たちの研究を指導するのも、4年生の卒論を見るのも松本先生が一人で行います。森先生から届くたくさんの資料の整理も一人で行わないといけません。
私がこの研究室に来て驚いたことは大きく2つありました。一つはアフリカや中南米の少数民族が作ったお面や武器、生活用品、何かの儀式に使う道具などが棚や壁、キャビネットの上などに所狭しと詰め込まれていたことです。学生の部屋はまだマシですが、森先生や松本先生の部屋はそういったもので足の踏み場がないくらいになっていました。
もう一つは先輩の4年生の女子のことです。4人のうち1人だけが女子ですが、その子の胸がすごく大きくて、雑誌のグラビアなんかに載っている女の子よりも遥かに豊かな胸をしているのです。
バスケットボール2つ分くらいの大きさといったら言い過ぎかもしれませんがとにかくそれくらい大きいのです。
私と同じ3年生の男子2人もその先輩の胸の大きさにとても驚いたようでした。
ちなみに3年生はわたしとその他に女子がもう一人いますが2人ともほとんど膨らみはなく、平均以下の大きさです。
その胸の大きな先輩は飯豊いくみさんと言います。
髪はショートでメガネを掛けていて、服装はカジュアルでお洒落にはあまり気を遣ってなさそうなのですが、その胸のせいか男性にはかなりモテるというウワサです。
まだ飯豊先輩とは打ち解けた話ができませんが、仲良くなってバストが大きくなる秘訣とか聞けたらいいなと思ってます。

ゼミに配属されて数日経った日に、助手の松本先生から研究内容についての説明がありました。
説明を受けた後、いくつかのテーマ候補からどれかを選択するか4人で相談して決めてほしいと言われました。3年生は私と富永さん、山名君、三輪君の4人です。同じゼミに配属された私たちはもうお互いによく話すようになっていましたが、特に私と富永さんは2年の頃から面識があったので下の名前で呼び合うほど仲良くなってました。

「みずほはどうする?」

「すぐに決められないわ… まりかは?」

みずほというのは私、川内みずほのことです。
テーマはその場ですぐ決める必要はなかったので二、三日考えることになりました。
後日、テーマは無事に決まり、私たちは松本先生の指導を受けながらそれぞれのテーマに取り組むことになりました。



夏休みにゼミのメンバーで親睦を兼ねて一泊二日の温泉旅行に行くことになりました。このイベントはゼミの恒例行事だそうです。
メンバーは3年生4人、4年生4人と松本先生の合計9人です。男女比で言うと男5人、女3人です。
私はこの日を前から密かに楽しみにしていました。というのも、飯豊先輩と同じ部屋に泊まって温泉も一緒に入れるのですから。同級生のまりかも同じ理由で楽しみにしていました。私たちは飯豊先輩のおっぱいがどれくらい大きいのか確かめることにしました。

2台の車に分乗し、途中で観光地にも立ち寄りながら温泉宿に到着しました。宿に着いたらまず、温泉に入り、みんなで夕食を食べ、その後はゲームなどをして過ごす予定です。
私と富永まりか、飯豊先輩は早速、温泉に入る準備をしました。

「川内さんと富永さんは先に行ってて。私準備が遅いから・・・」

「はい。わかりました。」

私とまりかはタオルや着替え、化粧ポーチを持って大浴場へ向かいました。ですが、このチャンスを逃すわけにはいきません。私たちは先には入らず休憩スペースで先輩を待っていました。

「あら?先に入っててくれたら良かったのに…」

「先輩を差し置いて入るわけにいきませんよ〜」

脱衣所で私とまりかは先輩を挟むように場所を取りました。先輩は体型が分かりにくいロング丈のワンピースを着ています。しかし、大きな胸の膨らみの存在は隠しきれてません。

(ぶるるんっ…)

着替えをしながら先輩の様子を伺います。
私は視界の端で白いブラジャーに包まれた大きな膨らみを捉えました。

(出た… すごい… めちゃくちゃ大きい…)

膨らみはお臍を隠すほど大きなものでした。
先輩は背中に手を掛けてブラのホックを外しました。

(ぼろんっ…)

カップの下から柔らかそうな乳房が溢れてきました。
先輩はショーツを脱ぐと手で胸のトップを押さえて浴場の方へ向かいました。

「あっ、私、トイレに行くんで先に行っててください。」

私は下着姿でトイレに行き、まりかと飯豊先輩は2人で浴場へ行きました。
先輩の後ろ姿を見ると脇腹から乳房がはみ出ているのがわかりました。そして、胸だけではなくお尻もすごく大きいことに気づきました。隣りにいるまりかの2倍ほど幅があるんじゃないかと思うほどでした。
私はトイレに行った後、こっそりと先輩が脱いだ服が入っている籠を覗きました。そして、ブラのバンドを見つけると裏返してタグを見ました。

 TOP:120
 UNDER:75
 CUP:O

(Oカップ!やっぱりすごい大きさ…)

浴場へ行くと2人は湯船に浸かっていました。
先輩の2つのバストはぷっかりと浮いていて、まるで水に浮かぶスイカのようでした。
先輩から胸にまつわる話は聞けませんでしたが、生でおっぱいを見られて、サイズも知ることができて大収穫でした。
その後は皆でご飯を食べましたが、浴衣姿の艶っぽい飯豊先輩は男性陣の熱い視線を一手に引き受けていました。



3年生は授業が結構たくさんあって、取らないといけない単位も多いのでゼミにいる時間はそれほど長くはありません。授業の合間や終わってからゼミに立ち寄ります。研究テーマは決まりましたがまだ本格的には始まっていない感じです。
4年生は夏頃に卒論を書き始め、年内に提出があるので忙しそうにしています。
研究室内がだんだんと散らかってきたことに見かねてまりかと2人で片付けをすることにしました。
前にも言ったように研究室にはアフリカや中南米の少数民族が作った所狭しと置かれていますが、中には不要なものや倉庫に片付けていいものもあります。
それらを要るもの、要らないもの、倉庫に片付けるものに分類しながら片付けを始めました。

「松本先生、これは捨てていいですか?」

「そうだなぁ。もう要らないね。」

「これは倉庫ですよね?」

「ああ、そうだね。助かるよ。」

部屋の隅っこにホコリを被った木箱を見つけ、蓋を開けて中を覗くと木彫りの人形が出てきました。

「これはどうしましょうか?」

「それは何だったかな?森先生に聞いてみるから取り敢えず倉庫だな」

人形は30センチほどの大きさでしたが、少し奇妙な人形でした。というのも、頭が牛で身体は人間の女性となっていて、胸がとても大きいのでした。

「変わった人形ですね…」

「それほど珍しくはないよ。牛とか豊満な女性は豊さの象徴だからね。多分、この人形は神様に祈りを捧げる儀式のために彫られた人形だろうな。もしかしたら神様が宿っているかもしれないよ。」

松本先生はそう言って笑いました。
土偶とは少し違いますが似たようなものかなと思いました。この人形はお尻も大きいのですが胸の方が際立って大きく表現されています。

(すごい胸… まるで飯豊先輩みたい…)

私は他の荷物と一緒にその人形を倉庫へ持って行きました。そして棚の上の方の良く見えるところに飾りました。

「長い間、ホコリを被った木箱の中で窮屈だったでしょう。ここでゆっくり休んでくださいね。」

私は誰もいない倉庫で小声でその人形に話しかけたのでした。



冬場になって、少し不思議なことが起こりました。
その異変は家の自分の部屋で着替えているときに気がつきました。

「あれ?ブラがキツいかも?」

私の胸はAカップしかなく、ブラジャーもほとんど必要ないため普段はよくカップ付きのキャミソールを着ています。久しぶりにブラを着けたとき異変に気がつきました。

「うそ!大きくなってる?」

秋から冬にかけて少し体重が増えたことはわかっていましたが、胸が大きくなっているとは思ってもいませんでした。ほとんど平だった胸元にはこんもりとした2つの丘が隆起しているのです。
私は机の引出しからメジャーを探し胸囲を測ってみました。

「84センチ… やっぱり5センチも…」

この歳で胸が大きくなるなんて信じられないことでしたが数字が証明していました。

(むにゅっ)

手で乳房を寄せてみると中央に谷間が出来上がりました。

「どうして胸が急に… 何かの病気?しばらくしたら元に戻るのかな?」

しばらく経っても胸は元には戻りませんでした。
下着を買いに行くとCカップのブラがちょうどになっていることがわかりました。
原因はよくわかりませんでしたが、特に何の問題もなかったのでこのことは誰にも言わず、病院にも行きませんでした。



それから約1ヶ月ほどが過ぎたある日の朝、またその異変は起こりました。

「うーん、今日は何だか身体が重いなぁ…」

目が覚めてベッドで身を起こしたときにそれに気が付きました。

(ユサッ…)

「えっ?なに?む、むねが…」

胸元を見下ろすと今までに見たことがない大きな盛り上がりがパジャマを押し上げていました。

「大きくなってる!?」

(むにゅんっ…)

両手で胸を掬い上げると明らかに体積と重量が違いました。

「重っ… でもどうして?」

パジャマを脱いで確かめます。手に収まっていたCカップのバストは明らかに巨乳と言えるサイズに成長を遂げていました。メジャーを当ててサイズを確認します。

「きゅっ… 97センチ!?そんなにあるの?」

アンダーが69センチですので、その差は28センチ、カップの大きさはHカップになります。

「急に大きくなるなんて私の胸に何が起こってるの?」

大学の帰りに病院で胸を診てもらわなければいけないと思いました。

「あ!もうこんな時間!早く行かなきゃ!」

家を出ないといけない時間が近づいていました。
今日は授業がいくつかあるので大学に行かないといけません。私は慌てて着替えを始めます。
当然のことながらCカップのブラジャーはホックが全く止まらなくなっていました。

「仕方ない… ノーブラで行くしかないわね」

服を着て準備を済ませた私は家を出ました。
コートを羽織るとそれほど胸の膨らみは目立ちません。

(ユサッ… ユサッ… ユサッ… ユサッ… )

歩くとノーブラの胸が服の中でユサユサと揺れました。しかも、胸の先端部が服の内側と擦れてくすぐったいような、気持ちいいような変な感覚になりました。

(あっ… やんっ…)

私は胸が揺れないように手で押さえながら歩きました。大学の授業には何とか間に合いました。
教室に入ると同じゼミの冨永まりかの隣に座りました。

「おはよー」

コートを脱ぐとニットの胸の膨らみが目立ちます。すぐにそれをまりかに気づかれてしまいました。
昨日までのCカップが突然、Hカップに成長した訳ですから驚かないわけがありません。

「み、みずほ。どうしたの?その胸…」

「わからない。朝起きたら膨らんでたんだよね。」

「冗談でしょ?何かのドッキリ?」

「ちがうよ、ホントだって。でも原因不明だし、病院で診てもらうつもり」

「えー、いいなー。私も大きくならないかな〜」

まりかだけでなく他の同級生にも気付かれてしまいました。

「でかっ。あんなのを隠し持ってたのか?」
「川内さんって意外と胸あったんだ。」
「完全にノーマークだったわ…」

チラチラと私の胸に視線が向けられます。ちょっと恥ずかしいですが、もともと大きなバストに憧れがあったので少し嬉しい気持ちもありました。
ただ、ノーブラであることがバレないかちょっとヒヤヒヤとしました。

今日の授業が終わると私はゼミには顔を出さず、病院へ行きました。Hカップのまま生活するのも悪くないなと思いましたが、もし変な病気だったら困ります。
バストの病気を専門にしている乳腺外科を受診しました。

「たったひと晩でこんなに大きくなったのですか?ちょっと信じられませんね… 」

私は女医さんに大きくなった胸を見せました。
ほとんど平だった胸が1ヶ月ほど前にCカップになったことも伝えました。

「以前から兆候はあったということですか…」

女医の先生はこういう例は聞いたことがないと言いました。念のためX線で検査してもらいましたが、乳腺は健全に発達しており特に異常は認められてないということでした。つまり、原因はわからなかったわけです。
胸が治らない以上このまま生活するしかありませんがさすがにノーブラでは具合が悪すぎます。
病院の帰りに私はデパートの下着売り場に立ち寄りました。

「お客様、申し訳ございません。残念ながら当店ではお客様に合うサイズのものを取り扱っておりません。」

そのデパートでは最大でGカップまでしか取り扱っておらず、試着するとカップから胸が溢れてしまいました。これ以上のサイズは大きいサイズの専門店かインターネット通販で手に入れるしかありませんでした。



春になって私は4年生になりました。
先輩たちが卒業したのでゼミにいる学生は新4年生だけになりました。3年生はしばらく経ったらゼミに配属されてくるでしょう。
少し広くなった部屋を私たちは掃除をしていました。

「川内さん、これはどこに置いたらいい?」

「それは私が倉庫へ持っていっておくね」

海外にいる森先生から届いた荷物が研究室のあちこちに置かれています。
私は割と整理整頓が得意な方なので助手の松本先生から頼まれてよく部屋の整理をしています。どこに何が置いてあるかをよく把握しているのも私です。
倉庫の中の目立つところに牛女の人形がありました。頭が牛、身体が女性、胸がとても大きな人形で去年私がそこに飾ったものです。
処分するかどうかは松本先生が森先生に確認するということになってましたがそのままになっていました。そこにあるのがもう普通のことのように馴染んでしまったので敢えて松本先生に確認することはやめました。廃棄を免れた牛女は私に向かってにっこり微笑んでいるような気がしました。

次の日、あの異変がまた起こりました。
朝起きるとパジャマのボタンが弾け飛んでいました。胸のサイズがまた一段と大きくなっていたのです。

「ええっ!なにこれ?また大きくなってる??」

私の胸はベッドから起き上がるのに苦労するほどの大きさに膨れ上がっていました。

「おっもっ・・・」

両手で乳房を抱え上げながら立ち上がりました。
巨大な膨らみは自分のお腹が隠れるほど大きいのです。メジャーを当ててみるとその数字に驚きました。

「ひゃっ… 120センチ…」

なんと20センチ以上も大きくなっているのです。
アンダーは69センチですのでその差は51センチ。カップはQということになります。

(たぷんっ…)

「うーん… ここまで大きいと…」

Hカップのブラは試すまでもなく入らないことはわかります。着られそうな服を探すと、フリーサイズのパーカーだけは何とか入りそうでした。

(ググクッ・・・)

胸の途中で引っかかりながらジッパーを上げました。
パーカーの膨らみはバレーボールが2つ入っているんじゃないかと思うくらいの大きさになっています。

「これじゃ、足元がぜんぜん見えないよ…」

それから、胸だけではなくお尻もひと回り大きくなっていることに気がつきました。デニムを履こうとすると太ももで引っかかってしまうのです。

(むちっ…)

「きっつ… ダメだ、履けなくなってる…」

ヒップのサイズを測ってみると103センチになっていました。

「お尻まで大きくなっちゃうの?このデニム、お気に入りだったのに…」

私はデニムからスカートに変更することにしました。
ウエストは60センチのままで変化がなかったので難なく履くことができました。
何とか着替えを済ませると、私は躓かないように気をつけながら靴を履いて家を出ました。
道ゆく人々はみんな私の胸に目が釘付けになりました。

(どぷんっ… どぷんっ…)

ノーブラのQカップの胸はゆっくりと歩くだけでも大きく波打って揺れてしまいます。
道ゆく中高生や会社員の男の人がすれ違い様に胸をまじまじと見てきました。
大学でもやはりみんなに驚かれました。

「うおおっ!何だあれは?」
「川内の胸がまたデカくなったぁ??」
「ででっ!何カップあるんだ?」

バストが重たいので机の上に乗せるとノートを広げるスペースがなくなりました。
まりかが隣の席に座って来て言いました。

「み、みずほ。何よそれ!また急成長したわけ??いったい何センチあるの!?」

「うん。朝起きたらね。120センチになっちゃって…」

「デカすぎ!そんなサイズ聞いたことない!」

授業が終わってゼミに行くと新しく配属された3年生たちやって来ていました。彼らは声には出しませんでしたが、私の胸を見てすごく驚いていました。
そう言えば、1年前に私がここに来た時に飯豊先輩のバストを見てとても驚いたことを思い出しました。
先輩の胸のサイズはOカップでしたから、今の私の方が2つも大きいことになります。



「あの、川内先輩。胸が大きくなる秘訣な何なんでしょうか?」

3年生がゼミにやって来てしばらくしてから、1人の女の子が私に聞いてきました。
明るい性格で何でもよく質問してくるカワイイ後輩です。

「それがぜんぜんわからないの。ある日突然、大きくなっちゃったのよー」

「ホントですか!?信じられないようなこともあるんですね〜」

「病院で診てもらったりもしたんだけどね…」

後輩は秘訣が分からず、残念そうな表情を浮かべてました。お世辞にもバストはあまり豊かそうには見えませんのでその気持ちはよくわかりました。私も1年前はその子くらいしか無かったからです。

「ところで、先輩。倉庫に牛の顔をした女の人の人形が飾ってあるじゃないですか?アレって何なんですか?すごく胸が大きいですよね。」

私は松本先生から聞いたことをそのままその子に伝えました。

「えっ?儀式に使うものなんですね、へぇー。神様が宿ってるかもって?あははっ、まさか!でも、一応お願いしてみようかな?私も胸が大きくなりますようにって。」

その後、数ヶ月経ちましたが私の胸はそれ以上大きくなっていません。さらに大きくなったらホントにどうしようかと悩んでいたので今のところ少し安心しています。