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「それでは次は、峯山学園の与田ゆきなさん。」
12人の候補者のうち6人の自己紹介が終わり、残りは峯山学園の生徒たちとなった。
与田さんは目が大きくやや童顔でアイドルグループにいてもおかしくないほどのルックスを誇る美人だ。
巫女の選考基準の詳細は実のところ公表されていない。バストの大きさ、カタチが重要なのはもちろんだが、容姿や立ち振舞いなどバスト以外の要素もかなり影響すると言われる。つまりバストがダントツに大きくてもそれだけでは巫女に選ばれないということだ。
その点で与田さんのルックスは少なからずアドバンテージになるものと思われる。
「こんにちは。峯山学園高等部3年、与田ゆきなと申します。身長158センチ、バストは160センチの6Zカップです。私は中学、高校と合唱部に所属していました。去年の夏、全国大会に出場したときの課題曲を少し歌わせていただきます。」
与田さんの高くて可愛らしい歌い声が会場に響いた。
これだけ歌えるなら本当にアイドルになってもおかしくないように思った。
「では続いても峯山学園ですね。本田美咲さん!」
学内選考会をトップで通過した本田さんの出番だ。
「こんにちは。峯山学園高等部3年の本田美咲です。よろしくお願いします。身長163センチ、バストは163センチの8Zカップです。私は子供の頃に3年間、海外に住んでいた経験があり英語が得意です。学校でも英会話クラブに所属しています。もし私が巫女になったら海外からの参拝者さんの対応は任せてください!これから簡単に英語で自己紹介します。」
8Zカップというところで他校の関係者席からどよめきが起こった。彼女は昨年11月の選考会では7Zだったが、その後の3ヶ月でワンサイズアップを果たしたのだ。
本田さんは流暢な英語で自己紹介をした。発音が良すぎて僕には聞き取れないほどだった。峯山神社は外国人の参拝者も増えて来ているということなので彼女のスキルは役立つかもしれない。
「続いても峯山学園。桜井詩織さん!」
いよいよ8組の生徒の出番だ。生徒も緊張していると思うが、見ている方もかなり緊張してしまう。
「こんにちは。峯山学園高等部3年、桜井詩織です。身長は162センチ、バストは156センチの6Zカップです。学校では書道部の部長を務めています。書道は小さい頃から習っていて県のコンクールで最優秀賞に選ばれたこともあります。こちらの神社ではありませんが、御朱印を書くアルバイトをしたこともあります。今日もちょっと書いて来ました。」
桜井さんは手に持っていた半紙を広げた。
達筆で峯山神社と書かれており、今日の日付と朱印が押されてあった。これは桜井さんが自分でデザインを考えたということだった。半紙の端には神社のシンボルである牛岩をデフォルメして可愛く描かれていた。
これはかなり審査員の気を惹きつけたようだった。
なお、桜井さんのバストも選考会時点から1つサイズアップしている。僕のマッサージの効果があったのかどうかは不明だがトップバストは1センチちょっと増え、減量でアンダーがさらに絞れたためである。
「続いても峯山学園高等学校。槙野奈々さん!」
槙野さんは緊張でひどく顔がこわばっていた。
いつもの笑顔を忘れないようにと言ったが、やはり夢のおおぶたいに立つと普通の精神状態でいられないのだろう。
「・・・こ、こんにちは。峯山学園高等部、3年、槙野奈々です。・・・身長は165センチ。バストは166センチ。・・・9Zカップです。」
制服を押し上げる膨らみは一際大きく、9Zと聞いた他校の関係者からはまたどよめきが起こった。
再成長の終盤に肥育を行うという真壁先生のアイデアはまんまと功を奏した。選考会時点で5Zだった槙野さんのバストはなんと3ヶ月ほどで9Zまで成長したのだ。
僕は毎週、量感を増していく彼女のバストに驚きながらマッサージを行っていたのでその成長ぶりを一番身近で感じていた。それは過去の巫女候補者も含めても最大のサイズであった。
「、、、特技は小さい頃に祖母から教わった日本舞踊です。」
槙野さんは一つずつ言葉を選ぶようにして喋った。
引っ込み思案なところがあり、人前で話すのは得意な方ではなかった。いままでの候補者がよくできていたので見劣り感は否めない。普段のように振る舞ってくれたら問題ないのだがと思ったが外からはどうしようもない。披露した日本舞踊は緊張のせいで動作もギクシャクしていた。
「続いても峯山学園高等学校。鹿間亜沙美さん!」
彼女は選考会を2位通過した10組の生徒だ。
「こんにちは!峯山学園高等部3年、鹿間亜沙美です。身長は172センチ。バストは162センチの7Zカップです。私は子供の頃から絵画を習ってました。高校では美術部に所属しています。」
鹿間さんは脇に抱えていた絵を審査員たちに見せた。水彩で峰山高原の美しい春の景色が描かれていた。
彼女のバストも選考会時点では6Zだったのがワンサイズアップを果たしていた。
「最後の候補者になります。同じく峯山学園高等学校。赤石理乃さん!」
最後の赤石さんは12組の生徒でいつも笑顔の明るい女生徒だ。
「こんにちは〜、よろしくお願いしまぁす!峯山学園高等部3年の赤石理乃です。身長は166センチ。バストは158センチの5Zカップです。私は料理を作るのが大好きで料理部の部長を務めています。もちろん食べるのは大好きです。悩みは料理のときに胸が邪魔になることです。まな板が見えないし、胸で瓶をなぎ倒したり。ですからこうやって身体を捻って料理をするんです。あと、食べるのが好きなので減量期はとても辛かったです。作った料理を他の学年に持って行って食べてもらいました。イケメンの先輩に食べてもらいたかったのですが、残念ながら女子校なのでカワイイ後輩に食べてもらいます。毎回、美味しいと言ってもらえてこちらまで幸せな気持ちになりました。」
赤石さんは料理部での苦労や面白い話を身振り手振りを交えて話した。話し上手で、ときどき審査員の笑いを誘っていた。こういうアピールの仕方もあるんだなと感心したのだった。
「以上で第一次審査の自己紹介、PRは終了です。お疲れ様でした。候補者の方々は退出してください。審査員の方々はお手元のタブレットに間違いのないように点数を入力し、確定ボタンを押してください。」
12名の候補者がそれぞれ個性を活かして自己紹介をしたがそれぞれに特徴があり、よく工夫を凝らしていたと感じた。峯山では育乳に力を入れるあまりそのほかの個性を伸ばすということにあまり力点が置かれていないと思った。巫女選びではバストの大きさやカタチだけでなく、巫女としての品位や立ち振る舞いも重要視される。この辺りは今後の課題として学園側に伝えなくてはいけないと感じた。
ところで、12名のバストサイズとカップが明らかになった訳だが、峯山北斗は4Zと5Z、南陽は5Zと6Z、静翔は4Z、長門も4Z。これに対して峯山は5Z、6Z(2人)、7Z、8Z、9Zとなっておりサイズでは我が学園が優位となっていた。