ウミヨリフカク

CMSM 作
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むせるような熱と、覆いかぶさるように鼻を突く森のにおい。
蛇と見まごうツタが絡まる木々を抜け、遠くに聞こえる鳥獣の鳴き声を聞きながら・・・・
今俺はジャングルにいる。

海外で流通関係の取引に出た父から突然、手紙と航空チケット、そして行き先の地図と現地ガイドの資料が送られて来て、
「お前の将来について大事な話がある。いまからアマゾンへ来い。」
と書いてあった。

アマゾンって・・・
俺はこれでも来年の進路についてこれから勉強やら何やらで忙しくなるって言うのに。いや、それ以前に今は1学期まっただ中だぞ!こんな将来ある少年に何たる仕打ち・・・一発親父にぶちかましてやる!!コンチキショウメ!!

と、いきまいて日本を出てきたが・・・
現地ガイドは確かに頼もしかったが、やたらと人の名前を間違えたり、何かと減点をつけたり、妙に重たげな望遠レンズ付のカメラを片手に
「キレイナトリトルヨ〜。ブンブンクバ〜ン」
と訳の分からない事をのたまいながら延々と歩かされた挙句に俺は竪穴に落ちて身動きもとれず、ガイドはそれに気づかず言ってしまった・・・・
もう嫌だ・・・かれこれ2時間はこんな状態だ。上ろうにも深すぎる。
太陽は落ちてしまい、獣達の鳴き声は静かでは有るが勢いを増している。
不安と恐怖感が高まり、正直ウ○コが漏れそうになってきた。
親父に一発かますつもりが知らない土地・・・つうかジャングルでこのまま若い身空を散らす事に哀しくなり、いつの間にか泣いていた・・・
「母さん・・・」
不意に俺が小さい時に死別した母のことを思い出した。
温かく、優しかった・・・笑顔がまぶしい・・・オッパイが大きかった・・・

じゃねぇよ!!こんなんだから友人からは「おまえはマザコンなんだなぁ」
と温かく言われてしまうんだ。そういえばあいつから借りたトレイシー・ローズのビデオ。まだ返してねーんだよなぁ・・・つうか、トレイシーは出てるんだが。
友よ、お前の貸してくれたの映画「ブレイド」じゃねーか・・・
空腹で思考の回らない頭の中をトレイシーが「フーズタスキス!!」と叫ぶ声がリフレインしていく・・・気が遠くなってきた・・・・親父・・・恨むぜぇ・・・

・・・・・・温かい、何だか凄くあったかい物に包まれてるような感じで意識が少し戻った。ぼやけた頭で状況を掴もうとするが、何だろう、大きな腕に抱かれているような、凄いスピードで走っているのか風を切る音が耳に障る。
でも、この温かく、柔らかい大きな・・・オッパイ?ふと上を見上げると、綺麗だ、女の・・・人・・母・・さ・ん・・・・・・・・トレーシー・・・・

「・・・・やぁ!大変だったなお前、あと少し遅れてたら虎に食われかけてたんだぞおい」
何だ?どこかで聞いたような声だぞ。親父に似た声だなぁ?眩しい・・どうやら朝みたいだが、
「・・お前、しっかりしろぅオイっ!そんなんじゃ未来の嫁さんに笑われっちまうぞ!ほれ、干し肉だ!食え。」
「親父!!?」突然意識がはっきりした。俺の仇敵。未来を奪いかけた男。
許さん!!一発食らわし・・・「嫁さん?」
さっき親父が言った事が引っかかりだした。嫁さんって?
「いいか、父さんな、お前にふさわしいぃ・・・最高の許婚さんを選んだんだ!村長もお前になら任せてもいいって言ってくれたんだよ!喜べ!お前の好きな大っきいオッパイの強い子だよ。昨日もお前の事が心配でジャングルの中へ探しに行ってお前を抱きかかえて連れてきてくれたんだよ!!何せこの村で一番強い戦士なんだからなぁ!!おい憎いねぇ・・この色男ォ!!ウラヤマシイィ」

よく喋るぜこの中年・・・とにかく俺を助けてくれたこの村最強の女戦士が俺の嫁さん・・・・・・

    嫁   さ   ん   !!!!??

「大丈夫ですか?」後ろから声をかけられハッとして振り返ると・・・
身長は180位、体のラインは・・恐ろしくがっちりしているが、布で隠れた大きな双房が呼吸のリズムと共にゆったり弾む、髪はヤマアラシのようにザンバラで、頬を薄ピンクに染めながらちょっと釣りあがった勝気な目で俺を優しく見下ろすその顔は・・・・綺麗だ。

膿子・・・俺のかわいい戦士。最愛の嫁さん。出会いは・・・
最悪だこら・・・・