無色 その1

橙 作
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雨が降っていた
グジョンセンは、真っ黒のワンピースを着て、ある墓の前に立っていた
彼女の胸元はボリュームに欠ける、と言うか、無いに等しい
これでは、魅力が七割減である
目の前の墓石には「Cudicini」と彫ってある
クディチーニ・・・・・・彼は、今から三日前に、この世を去った

クディチーニは、三日前に屋根の修理をしている途中、転落して死んだ
彼は、幼馴染であるハッセルバインクと、グジョンセンを巡ってライバル関係にあった
グジョンセンの気持ちがクディチーニに傾いていた頃の・・・・・・突然の悲報だった

彼の葬式の日、ようやくグジョンセンは、早すぎる彼の死を受け入れられていた
しかし、だからといって、クディチーニを失った悲しみが癒えられる訳ではなかった
悲しかった
彼女はただ、目の前にある、彼の名が刻まれた墓を見ていた
「・・・・・・グジョンセン」
突然、後ろから声がした
グジョンセンは、何も言わずに振り返った
後ろにいたのは、こちらも真っ黒の服を着た、ハッセルバインクだった
グジョンセンは何も言わなかった
何を言って良いか判らなかった
それはまた、ハッセルバインクも同じだった
しばらく、二人の間に沈黙が流れた
そしてようやく、ハッセルバインクが言葉を発した
「・・・・・・まったく、こいつも何やってんだかな」
そう言って、ハッセルバインクはクディチーニの墓を軽く蹴った
「いきなり死んじまってよ・・・・・・屋根から落ちるなんて、ドジなんだよ。ドジ」
ハッセルバインクはそう言ってクディチーニをけなすが、それが彼の、唯一とも言える平常心を保つ方法だった事は、グジョンセンにも判っていたので、何も言わなかった
それから、しばらく二人は何も言わなかった
ただ雨に打たれていた
「あ、そうだ」
ハッセルバインクは、急に何かを思い出したように言った
「お前もさ・・・・・・悲しいだろ?」
その問いかけにも、グジョンセンは応じなかった
「だからさ・・・・・・俺・・・・・・何て言うかさ・・・・・・その、プレゼント、持ってきたんだ」
「・・・・・・プレゼント?」
「いや、プレゼントって言うか、その・・・・・・まあ、つまり、辛い気分を紛らわしてくれるもんなんだけどさ」
「紛らわす・・・・・・?」
そうは言っても、ハッセルバインクは、何かを持っているようには見えない
グジョンセンはただ、そんな彼を不思議がっていた
「紛らわすって言うか・・・・・・いいものなんだよ。うん」
ハッセルバインクは何が言いたいのか判らない。よほどプレゼントに自信がないんだろうか
「いいもの・・・・・・」
「そう、きっと気に入ってくれるはずだ。お前なら」
グジョンセンには、まだ彼の真意が見えず、少し戸惑っていた
「目・・・・・・つぶっててくれるかな?」
グジョンセンは、言われるがままに目を閉じた
「絶対開けないでくれよ・・・・・・」
そう言って、ハッセルバインクは、彼女の胸元に手をかざした
もちろん、彼がそんな事をしているとは、グジョンセンにはわからない
そして、次の瞬間、ハッセルバインクの手がちょっと怪しい動きをすると、グジョンセンは、体におかしな感覚を感じはじめた
「・・・・・・ッ!」
胸のあたりが熱くなってくる
乳首が一気に勃起してくる
「なっ・・・・・・何!?」
グジョンセンは、思わず目を開けて自分の胸を確認しようとする
「だめだ、目を開けちゃだめだ!」
それを、ハッセルバインクは必死に制した
なおも胸の変化は続く
勃起した乳首がワンピースに擦れて、グジョンセンに妙な感覚を与える
そして・・・・・・さっきから熱くなっていた胸の奥底から、何か湧き上がるものを感じる
「んっ・・・・・・ぅ・・・・・・」
すると、さっきまでぺったんこだったはずのグジョンセンの胸が、徐々に盛り上がり始めた
その胸は、生地が余っていた彼女のワンピースをどんどん押し上げていく
「あっ・・・・・・あうぅ・・・・・・」
さらに彼女の胸は速度を増して膨らみ続け、乳首もさっきより大きくなってきている
そして、膨乳が終わったときには、彼女の胸は片手では包み込めないほど大きくなっており
彼女の着ていたワンピースは無理やり押し広げられ、下にある乳首が勃起しているのが丸わかりだ
ついさっきまでは無かった深い胸の谷間も現れ、グジョンセンはいきなり爆乳の持ち主になった
「・・・・・・どう、かな・・・・・・?」
ハッセルバインクは、恐る恐るグジョンセンに訊いた
「・・・・・・重い」
グジョンセンは、胸を持ち上げて言った
両手にかかる重さ、圧力も、相当のものになっている
「あと・・・・・・やわらかい」
グジョンセンは、自分の胸を揉んでみた
むにゅ・・・
指が胸にめり込む。グジョンセンは少し赤面した
「そうか・・・・・・割と気に入ってもらえたみたいだな。よかった」
それだけ言って、ハッセルバインクは帰っていった
残ったグジョンセンは、一人で胸の感触を楽しんでいた
胸をさっきよりも強く揉む
「あっ・・・・・・」
グジョンセンの体に気持ちいい刺激が走る
むにゅ、むにゅ、むにゅむにゅ・・・
だんだん揉む速度と強さが増してゆく
自分でも止められない
「ハァッ、ハァッ、ハアッ・・・・・・」
息遣いが荒くなり、体も火照ってくる
ちょうどその時、火照った彼女の体を冷やすように雨が強く振ってきたので、グジョンセンは、そこで一旦胸を揉むのを止め、家に帰っていった

しばらくして・・・・・・
クディチーニの墓に、一人の女性がやってきた
その女性、物凄い巨乳の持ち主で、その胸は、グジョンセンと同じくらいだ
女性は、クディチーニの墓の前に来るなり、こう呟いた
「俺の・・・・・・墓だ・・・・・・」

続く