暇な午後。太陽光線を背中に浴びて、男はぶらぶらと歩いていた
「・・・・・・」
男の名はスミス。暇だからって一日中家にこもっているのも何なので、外に出てみたが、やはりやる事がなく、道を彷徨っていた
(・・・なんか、面白い事でもねーかな・・・)
そう考えながら歩いていると、スミスは道の脇にある看板を見つけた
『←YUMEZORA』
(・・・ゆ・・・め・・・ぞ・・・ら・・・?)
白い小さな看板(と、言うよりも標識に近い)には、それしか書かれていない
スミスは左のほうを見てみるが、特にこれといったものは見つからなかった
ただ、小道が続いているだけである
(・・・何だこれ?)
通る人を見ると、誰もその看板に気づかないのか、そこを素通りしていく
それとも、誰も興味を示さないだけなのか?
そもそも、ゆめぞらって何だ?
スミスは、暇で暇でしょうがないので、ゆめぞらの謎を追ってみることにした
とりあえず、小道を通っていくことにする
周りは植物のアーチで覆われ、いささか幻想的な雰囲気もする
意外に長い小道をくぐり抜けて、スミスはようやく広い所に出た
そこには、一軒の建物があるだけだった
二階建てのその建物はいかつい外観の割にどことなく優しい感じを受け、周りの緑と相まってそこだけ別世界のようであった
見ると、その建物にも『YUMEZORA』の文字が書かれている
しかし、外側から得られる情報はそれだけで、そこが一般家屋なのか店なのかすら、スミスに見当はつかなかった
窓から中を覗いてみると、広々とした中には何かが並べて置いてあり、奥のほうに女性が一人立っていた
どうやら、何かの店であるらしい
スミスは、その店のドアを開けてみた
カランコロンカラーン♪
ドアの上部に取り付けられたベルが鳴り、奥にいた女性がスミスに気づく
「あっ、いらっしゃいませ〜」
女性はそう言って、ニコニコしながら奥のカウンターに立っていた
よく見ると、奥の女性、服の一部が異常に盛り上がっている
(・・・なんだあれ?)
まるで前方に向かって突き出そうとでもしているその盛り上がり。中に何が入っているんだろうか?
・・・大して考えるまでもない。胸だ。それも、かなり大きな
(・・・・・・はぁ?)
その事実を、スミスはいまいち認識できなかった
目の前の女性の胸は、とても人のそれとは思えないほど大きかった
人のものとは思えない、が、現に目の前にあるのだ
服は伸びきってしまい、生地が薄くなったせいで乳首が浮き上がっている
それでもその女性は、この胸に関しては当方は一切責任を持ちません、といった顔をしている
しばらくじっと胸を見ていたら、スミスは女性と目が合ってしまったので、照れ隠しの意味をこめて棚に置いてある物に視線を落とした
棚の上には、精巧に作られた小物やエンブレムのようなものがおいてあった
(へぇ・・・なかなか・・・)
店は胡散臭いが、中に置いてある物はなかなかの一流品だった
「どうです?素晴らしいでしょ?」
すると突然、後ろから女性の声がした
驚いてスミスは振り返る
女性はいつのまにかスミスの後ろに立っていた
「あ・・・あ、ああ・・・あなたが作ったんですか?」
スミスは目が胸に行きそうなのを抑えながら聞く
「いいえ、私はこうして店番をしているだけです。作っている人は別に居ますよ」
女性がそう言った時、奥のほうからもう一人、女性が顔を出した
何か、隠れるように、ほんの少しだけ、顔を出している
顔の位置からして背は低いようだ。青く長い髪が美しい
「あ、店長」
「・・・ルーニー・・・ちょっと・・・」
店長と呼ばれた女性は、ルーニーと呼ばれた先程の女性を手招きした
「ちょっと、待っててくださいね」
そう言って、ルーニーは店長のほうに向かって行った
奥のほうで何やらごちゃごちゃ話している
その間、スミスはルーニーの胸について思いを馳せていた
歩くだけでもたぷんたぷんと大げさに揺れる胸
おそらく180センチはあるだろう・・・カップなんか測り知れない
触ったらさぞかし柔らかいんだろうな・・・とか思っていたら、ルーニーが店長を連れてこちらに向かってきた
連れて、と言うよりも、なんだか無理やりといった感じで、店長はルーニーの陰に隠れている
「こちら。この方が全部作っているんですよ、この店の物は」
そう言って、ルーニーは隠れている店長を前に引きずり出した
そのとたんに隠れている全身が露になる
(・・・・・・!)
店長は今にも逃げ出そうとしているが、ルーニーにつかまってそれもままならない状況だった
なんと、店長の胸は、ルーニーのそれよりもさらに大きかった
服は張り詰め、乳首は盛り上がる
おそらく平常時でこれだろうから、勃起したら一体どこまで大きくなるのだろうか
乳首の先端は、濡れているような、濡れていないような・・・
「ルーニー・・・もういいでしょ・・・」
店長はルーニーの腕を振り切ると、そそくさとどこかへ行ってしまった
「あっ、店長!」
走っているので、店長の胸は大きく揺れた
揺れた・・・と言うよりも、動いた、という感じもする
「ふう・・・・・・ああいう人なんですよね、あの人って」
「はあ・・・」
「名前はエインセって言うんですよ、あの人。腕は良いんですけど、見ての通りの極端な人見知りで・・・それで、私が店番をしているんです」
「へぇ・・・」
スミスは、それよりも、エインセの胸が気になってしょうがなかった
ルーニーの胸も十分大きいと思ったが、それ以上というのもまた居たのだった、それも、こんな近くに
「すごいですよね、店長の胸。確か、220センチを超えたはずですよ、この前測ったら」
そんなスミスの考えを読んでいるように、ルーニーは言った
「私が測ろうとすると、決まって逃げるんですけどね。もったいないですよ、あんなおっきい胸して」
「はあ・・・」
度重なる乳の話に、スミスは生返事しかできなかった
本当は興味心身だが、かといって話に乗るというのも恥ずかしい、気がする
「でも、何でそんな恥ずかしがり屋の人が、店なんて出す気になったんですか?」
やっとわかったが、ゆめぞらとは、店の名前だったのだ
「さあ、どうだったかしらね・・・もう覚えてないわ」
「覚えてないって・・・・・・それに、こんな僻地じゃ、客も来ないでしょ?看板だって小さいのしかなかったし・・・」
「来てるじゃない、ほら」
ルーニーは、スミスを指差して言った
「あ、いや、俺は・・・」
「大丈夫ですよ、心配しなくても。お店なんて、趣味でやっているようなものですから」
「はあ・・・」
スミスにはルーニーの言っていることがあまり理解できない
要するに、店に関しては適当にやっているという事なのだろうが、それでいいのか、とスミスの疑問は消えなかった
「それより、も。もっと大切な事があるんですよ、実は」
「・・・大切なこと?」
「そうです。丁度いいから、あなたに手伝ってもらおうと思いまして」
「・・・俺に・・・何を?」
「まあ、立ち話もなんですから・・・そこに座りましょうか」
ルーニーは、店の隅に置いてある椅子に、さっさと座ってしまった
スミスも慌ててそれに続く
「よいしょ」
程よい高さのテーブルに、ルーニーはその爆乳を置いた
「おっぱいが大きいと、結構疲れるんですよね・・・」
わざとなのだろうか。初対面の人にもかかわらずこんなに胸の話をするのは
「じゃあ、本題に入りますよ。いいですか」
ルーニーはじっとスミスの目を見つめる
「・・・どうぞ・・・」
スミスは力なくそう答えた
「もうわかってると思いますが・・・店長は極度の人見知りで、まともに知らない人と会おうとしません」
「まあ・・・そこはわかりますけど」
「ですから。店長の人見知りを治すのを手伝ってほしいんです。あなたに」
「・・・・・・俺が!?」
思いもしなかった事に、スミスは大声をあげる
「しっ!あまり大きな声を出さないでくださいよ。この事、店長には秘密なんですから」
「でも、何で・・・」
「まあ、いいじゃないですか。どうせ暇でしょ?」
ルーニーは、スミスのそんな所まで見抜いていた
「それに、おっぱいの大きい人に囲まれて生活できますよ」
「いや、それは別に・・・」
スミスは思いっきり否定した、が、すぐに前言を撤回した
「・・・いいよ、やればいいんでしょ。やれば」
「そうそう。物分りがいいじゃないですか」
ルーニーは、にっこり笑ってスミスの手を取り、自分の胸に当てて、言った
「やっぱり、決め手はこれですか?」
むにゅっ・・・
やわらかい感触がする
「ち・・・違いますよ!」
スミスは、もっと触っていたいという気持ちを抑えて、手を離した
「それじゃあ、とりあえず、あなたは新しいお手伝いさんとして入ってもらいますので。いいですね?」
「・・・いいですよ、もう、何でも」
いろいろと諦めたスミスは、力なく答えた
「ずいぶん嫌そうに言いますね・・・でも、本当に嫌がってるわけでもないでしょう?」
「え・・・なんで?」
「だって、本当に嫌だったら、あなたもうとっくに逃げ出してますよ」
「・・・・・・」
微妙なところを突かれ、スミスは黙ってしまった
「まあ・・・いいですけどね。とりあえず・・・お手伝いさんなので、きちんと家事はやってもらいますから、その辺はちゃんと聞いといてくださいね」
「聞いといてって・・・あなたが説明するんじゃないんですか?」
「いいえ。私はただの店番ですから。家事をやる人は他にいますよ」
ルーニーがそう言った時、店のベルが鳴り、それと同時に一人の女性が入ってきた
・・・胸を揺らしながら
(・・・おい・・・こんな事って・・・)
その女性の胸はルーニーよりも、もちろんエインセよりも小さかったが、それでも一般的な感覚から言えば十分爆乳と言えるほど大きかった
メイドが着るような服を着ている。腰が細いので、ますますその胸は引き立つ
「ただいま・・・・・・あれ、ルーニーさん」
「お帰り、リオ」
リオと呼ばれたその女性は、買い物かごに食料品をたくさん詰めていた。買い物帰りらしい
「・・・その方は?」
「それがね。ようやく『アレ』を実行するときが来たのよ」
「・・・えっ!?『アレ』ですか?」
どうやら先程の話は、この二人には『アレ』で通じるらしい
「だから、いろいろお願いね」
「はーい、わかりました!」
二人がスミスを脇において話し込んでいると、奥から再びエインセが現れた
歩くたびに乳を揺らしながら
「あ、店長、ちょっとお話があるんですけどね」
「・・・話・・・?」
「はい。この方」
ルーニーはスミスを引っ張り出す
「この方が、今日からお手伝いさんとして加わりますので。よろしく」
「・・・・・・えっ・・・・・・えっ・・・・・・」
ルーニーは、小刻みに震えながら、その場に倒れこんだ
「あらら・・・」
「・・・大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ。知らない人と一緒に生活するってわかって、ちょっとびっくりしただけですから」
「・・・ちょっと・・・ねぇ・・・」
しかしこの時、スミスは、これからの生活がどれほど大変になるか、まだ判っていなかった・・・
続く