バストガン 第一話

ドンタコス 作
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夜中、人々が寝静まっている頃、ある高校生が暗い部屋の中で工具を弄っている。
机の上にはドライヤーの残骸や、謎の電子部品などが散乱している。
「もう少しで完成だな、ウヒヒ。」
不気味な笑い声が部屋にこだました。
 
 
次の日、市立乙胚(おつはい)高校に彼は居た。
彼の名前は折笠達也、ただの男子高校生…という事になっているが、世間には隠しているが天才的な発明家である。
 
達也は目の前を通りがかった女学生を見ている…………主に胸を。
 
(顔はそこそこ可愛い、だが胸の大きさは絶望的だな。)
 
次にアメリカから来た留学生の集団が前を通った。
 
(うむ、美人だな………胸は………いい大きさだ………しかも全員大きいぞ!
一歩一歩歩く度に軽快に弾むおっぱい………)
 
「うむ、外国人はいいな…つくづく日本に産まれた事を後悔する瞬間だね。」
と毒付くと、隣にいたもう一人の男子学生がハァ?という顔をする。
「留学生を見た途端いきなり何を言い出すんだよ。なんだ?日本人に恨みでもあるのか?」
「いや、日本人も好きなんだ、ただ一点の傾向を除いてな。」
「なんだよそれは。」
「胸の大きさだよ!日本人は皆小さすぎる!」
「また出たよおっぱい星人。ま、達也の事だから大体分かったけどさ。」
「何カッコつけてんだよ、お前も巨乳好きな癖に。」
「………否定は出来ない。」
達也は肩をガバッとつかんだ
「だよな、俺はお前さんにシンパシーを前から感じていたんだ、巨乳好きっていうシンパシーをな!!」
「大声で叫ぶな恥ずかしい…。」
恥ずかしがる男子学生、三井信二を尻目に達也は巨乳を求め、校舎内を闊歩する。
 
 
ある日の朝、信二は学校に向かう道の途中で、達也に出会った。しかし、今朝の達也は妙にテンションが高い。
「おはよう!信二!」
「あぁ達也か、眠いから出来れば静かにしてくれ…」
「おい、大ニュースだ!」
「なんだよもう…」
「これ分かるか?」
と、達也は鞄の中をゴソゴソやると、ドライヤーのような物を取り出した。
「ん、ただのドライヤーじゃねーか、達也はあまり髪弄らないのにいきなりなんだよ。」
「これがドライヤーに見えるか?どこに目が付いてる。これはな、俺が発明したバストガンっていう銃だ。」
「発明?銃?変わったエアガンだな、おっと俺には向けるなよ…当たると痛いから。」
「エアガンじゃねーっての!人は殺せないが、れっきとした本物の銃だよ。だが、まだ試していないんだよなあ〜。」
「本物?試す?何をだよ。」
「まあ、見てろって。お、あそこに女の子発見。胸は…小さいな。ちょうどいい、効果を見せてやろう。ツマミをUPにして、出力レベルを上げて照準を合わせてーと。」
前にいる女の子に向けて銃を構える。
「お、おい、何やってんだよ、止めろよ!」
達也は聞く耳も持たずにニヤリと笑った。
「発射。」
トリガーを引くと………何もない。
「あれ、何も無いじゃん、焦った俺が馬鹿だった。」
「マジかよ!もしかして、俺の設計が間違っていたのか?部品高かったんだぞぉ…」
塀にガックリともたれる達也、さっきのテンションが吹っ飛んだ。
 
しかし、前の女の子の様子がおかしい、フラフラとし始めたと思いきや、道路にへたりこんでしまった。
「あれ、あの子倒れたぞ!達也何したんだよ!」
信二が女の子へ駆け寄る。
「大丈夫ですかあ!」
「何か急に体が熱くなって胸が苦しい…」
「待ってて!救急車呼ぶ!おい達也!彼女に何をした!」
「ウヒヒ、やったぞ!」
達也は先程以上のテンションで笑いながら叫んだ。
「何がおかしいんだよ達也!」
「救急車を呼ぶ必要は無いよ信二、まあ見てろって。」
 
女の子が急にビクっとした、信二はまたも駆け寄る。
「大丈夫?………うわ!」
 
女の子の体を見ると、着ているYシャツがパツパツに張り、ミチミチと音を立てている。
「胸があ、胸が締め付けられる!苦しい!あぁ!」
Yシャツが引き延ばされて、間からブラが見えた途端、ボタンがブツブツと外れ、なんと中から張りのあるおっぱいが飛び出してきた。
ブラは千切れ、道にパサリと落ちる。
おっぱいがまるで生きているかのように膨らんでいく。
「ああっ、見ないで!お願いだからあ!見ないでえ!はぁっ、助けて!」
女の子は、手で胸を隠しつつも、半狂乱状態である。
しかし、驚異的な早さで成長するおっぱいに手もおおいきれず、乳肉がはみ出していく。
信二は着ていたブレザーを女の子の胸にかけて見えないようにしたが、ブレザーの上からも胸が膨らんでいるのが分かる。
「この辺でスイッチオフと…ちょっと出力が強くて苦しそうだけど成功だ!改善の余地はまだまだあるな。」
銃の操作に合わせて胸の異変も止まった。
 
「はぁはぁ…重いよぉ、あたしの体が変になっちゃったよぉ…」
シクシクと泣く女の子とは裏腹に離れた所で狂喜乱舞する達也が居た。
「こりゃすごい物を俺は作ってしまった!俺は天才だぞ!」
異常なまでの自画自賛をする達也を無視し、信二は女の子を慰める。
 
「大丈夫?歩けるか?無理はしなくていいぞ。」
「落ち着くまで座らせて…」
信二は冷静に考える。
(こんな体じゃこの子も学校へは行けないだろう、家に帰した方がいいかもしれないな。)
しばらく、重い空気が流れた。
「はぁ…ちょっと落ち着いた。歩けます。」
信二が手を差しのべて、女の子が立ち上がるが、とても大きく巨大化したおっぱいの重さはすさまじく、バランスを崩してしまう。
「きゃあ!」
「うわ!」
信二もつられて、女の子を庇うようにして倒れてしまった。
胸の上に掛けたブレザーも落ちてしまった。
 
信二の顔にふにん、と柔らかく、暖かい物が覆い被さる。
 
「きゃあああ、ごめんなさい!」
「むむむむ!(息が出来ない!)」
「あっ、あの野郎どさくさに紛れておっぱいを堪能してやがる!くそっ!」
 
仕切り直して、再び立ち上がるが、女の子は信二が体を支えているものの、フラフラと足取りがおぼつかない。
信二のブレザーを胸の上に掛けているものの、足りずに下乳や乳輪がはみ出している。
歩く度に大きな胸が揺れ、ふにふにと信二の体に当たる。
そして、女の子が転びそうになると、信二が体を支える。
抱き抱える形になるので、おっぱいを体で受け止める。
あまりの大きさに信二が受け止めると、変形し信二の体がおっぱいに包まれる。
(す、すごい柔らかさだ…)
 
女の子に家の場所を聞き、家に向かう。
 
その後ろでは、一部始終を見ていた達也が顔を真っ赤にしていた。
「俺の発明だというのに、俺が楽しめてないじゃないか!くそおお、羨ましい!」
髪の毛をクシャクシャにして、今にも狂いそうな様相である。
「こうなったら別の女の乳を大きくして、どさくさに紛れて揉みしだいてやる…!」
と危ない思考まで飛び出したが、バストガンのエネルギーはempty、つまり空。
怒りにも似た感情をどこにぶつければいいのか分からない達也なのだった。