私の悩み その2

Ecoli 作
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男の子みたいにゴツゴツした身体で貧乳な私。そんな私にも気になる異性がいます。今年で3年連続のクラスメート、「小沢雄太」くんです。雄太くんはサッカー部でフォワードをやっていて、ちょっと小柄だけどすごく頼れる人なんです。成績もクラスで3番以内は当たり前で先生からの信頼も厚く、どの学年でもクラスの中心的存在でした。そんな雄太くんを密かに思っている子はきっとたくさんいる。そう思っていた矢先に、修学旅行先で事件は起こりました。

「わたし、今日こそは小沢くんに告白しようと思うんだ。」
私のクラスメートで吹奏楽部の部長をやっていた「荒川瑠璃」ちゃんがそういったとき、私は正直迷いました。彼女は小柄で幼い顔立ちのとってもかわいい女の子で、人あたりも良く男女問わず人気がありました。彼女自身、150cmにも満たない身長と、小学生に間違えられることの多い顔立ちを気にしていました。しかし男子から陰で「ロリちゃん」と呼ばれていることを知っても、笑顔で許してあげるような広い心の持ち主でもあるのです。

そんな彼女が告白したら、雄太くんはOKしちゃうにちがいない。そんな風に思った私ですが、ここはグッとこらえてこう言ったのです。
「そっか、頑張ってね!瑠璃ちゃんならきっとOKしてもらえるよ!」
「ありがとう、さやかちゃん。私ほんとに言うことにしたから。相談乗ってもらったし、ちゃんと結果は教えるね。」
「いい返事もらえるといいね!」

さてその日の自由時間、意を決した瑠璃ちゃんが雄太くんのもとへ向かい何か一生懸命に話しているのを、私は少し離れて見ていました。しかし、しばらくして帰ってきた瑠璃ちゃんの目は、キラキラとにじんでいました。
「……ダメだった。」
彼女は声を絞りだすようにしてしゃべりました。
「そっか、残念だったね。でも意外だな、私が男だったら瑠璃ちゃんの告白を断る理由なんてないのに。」
私はそう慰めました。雄太くんを取られなくて良かったという安堵感と、友達を思いやる気持ちが激しく交錯しましたが、ここで本音を出せるわけがありません。
「私も理由を聞いてみたんだ。そしたら小沢くん、もっと大人っぽい女の子がいいんだって。背が高くって、胸が大きい方が好きだって言ってたよ……。私もさやかちゃんくらい背が大きければ、ちょっとは可能性出てくるのかな。」
小沢くんは大きい胸が好き、その言葉を聞いた私はひどい虚無感に包まれました。確かに私の身長は162cmなので、小沢くんが好きな背が高い女の子と言えるかもしれません。でも私の体は大人の女と言うより、健康的な青少年という感じです。
「大丈夫、瑠璃ちゃんだってもう背が伸びないと決まったわけじゃないでしょ?それに、ほかの男の子だってたくさんいるわけだし、彼のことはもう忘れなよ。」
「ありがとう、さやかちゃん。そうだね、今年は受験も頑張らないといけないもんね。」
いまの私にはそんなセリフが精いっぱいでした。もっと女らしい体を手に入れたい。そう思いつつ、いいアイデアが浮かばないまま、修学旅行の一日は幕を閉じたのでした。

ここまでが5日前までの私の悩みです。