ブレストジャッカー

Ecoli 作
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俺の住む街では最近、突如として建物が崩壊したり、胸が露出した女性が気絶したりする事件が世間を騒がせていた。
無論これらはブレストジャッカーとして開眼した俺の仕業である。
あの石を手に入れて以降、もう何人の胸を大きくしただろうか。
相当な数をこなした俺だが、ときに自分の膨乳能力を制御しきれないことがあるのも事実だった。

そこで俺は、自分の能力をより向上させる意味を込めて、次のターゲットにクラスメートのアオイを選んだ。
アオイは健康的美少女で、身長は158センチ、体重は52キロ、スリーサイズは上から82-63-85である。
なんでこんな細かい数値を知っているかというと、しばらく前の保健だよりに掲載されていた『日本人の平均的体型』の欄に、理想的な体型をしているとして、アオイの名前が写真入りで載っていたからである。

さて、今日は日曜日、天気も良く絶好のお出かけ日和である。
先週末、他のクラスメートに乗り移って収集した情報によると、アオイは今日、下着を買いに行くらしい。
俺は自分の部屋で例の石を握りしめると、アオイの顔を思い浮かべた。
そして再び目を開けた俺の目に移ったのは、デパートの下着売り場に並ぶ色とりどりのブラジャーだった。

「いらっしゃいませ。お客さま、何かお探しでしょうか?」
「はい、ブラを買いに来たんですけど。このブラ可愛いですね!」
「こちらはマコール社の新作になります。もしよろしければ試着なさいますか?」
「それじゃお願いします!えーと、サイズはBの70で。」
「では試着室はこちらになります。もし違うサイズがよろしいと感じた場合には、お気軽に声をお掛けください。ごゆっくりどうぞ。」

アオイは試着室へ入ると、来ていた服を脱ぎ始めた。
何の躊躇もなく脱ぎ進めるアオイの体を俺は鏡越しに見ているのだが、なぜか妙に照れてしまう。
しばらくしてブラとショーツだけになったアオイは、おもむろに腰に手をあててポーズをとった。
やや胸のボリュームにかけるものの、綺麗な肌、よく締まったウェスト、丸く張り出したヒップはまさに健康そのものである。

アオイは次に、今まで着けていたブラジャーを外して売り物のブラジャーを着けた。
いよいよここからが俺の出番である。
俺はアオイの胸が大きくなるように創造をめぐらせた。
ただし、今までとは違ってむやみに大きくするのではなく、きっちり2.5センチ、つまりカップサイズ一つ分の膨乳を念じたのだ。

こころなしか食い込んでいるブラのカップが気になるのか、アオイは何度かホックや肩ストラップをいじっていた。
しかし実際に大きくなった胸にBカップはきついと感じたのだろう、観念して試着室の外の店員に呼び掛ける。
「すみません、同じブラでCの70ってありますか?」
「はい、ございますよ。こちらをどうぞ。」
「ありがとうございます。(なんだかちょっと胸が大きくなったかも♪)」
渡されたCカップのブラをアオイが着けたのを確認した俺は、さらに2.5センチ胸の大きくしてみた。
少しの誤差があってもいけない、そう考えながら慎重に慎重にイメージをふくらます。

さて、この後のことは容易に想像がつくだろう。
「すみませーん、Dの70をお願いします!」
「あれ、やっぱりEの70を持ってきてくださーい!」
「えーと、同じデザインでFカップってありますか?」
「……何度もすみません、Gカップを……!」
「……もしかしてHカップなんて置いてますか?」
「うぇーん、なんでもいいからアンダー70のIカップを持ってきてください!」
そんなこんなで気がつくとアオイの胸はアンダーバストが70センチ、トップバストが100センチのIカップにまでなっていた。
俺の膨乳もかなり精密だったらしく、きちんと2.5センチずつ大きくなっていたようだ。
I70という、ハンドボールでも収納できそうな巨大ブラをアオイが着けたのを確認した俺は、もう一押とばかりに2.5センチの膨乳をする。

「あのー、これより大きいのを……出来ればでいいんで……。」
「もうしわけございませんお客さま、市販のブラではIカップまでしか扱っておりません。」
「え、そんな……。」
Iカップのブラからはみ出る乳肉を指先でつつきながら、アオイはため息をついた。
彼女自身、急激なバストの変化に驚いてはいるものの、起こってしまったことは仕方ないと思っているようで、とんだ楽天家である。
「ですが、もしよろしければオーダーメードという方法もありますよ。当店自慢の最新型計測機を使用すれば、高速かつ正確なオーダーができますし。」
「オーダーですか?でもそれって高いんじゃ……。」
「とりあえず計測するだけでしたら無料ですので、いかがですか?」
「じゃあ、とりあえず測るだけお願いします。」
「ではこちらの部屋へどうぞ。」
そう言って通された店の奥の部屋には、ガラス張りの円筒形をした電話ボックスのようなものが置いてあった。
どうやらこれが、店員が言っていた最新鋭の計測機らしい。
面白くなってきたな。俺は心の中でそうつぶやいた。

「こちらの機器が、我が社が10億円を投じて開発した体系計測機になります。」
「じゅ、10億円ですか?すごいですね。」
「ありがとうございます。これを使うと、たった15秒間で体のあらゆる場所のサイズを、誤差1mm以内で計測できます。」
「へ〜、なんかすごそうですね。」
「百聞は一見しかず、まずは測ってみましょう。下着姿になって、その中でバンザイポーズをとってください。」
「えーと……こうですか?」
「はい、それでOKです。今から赤外線センサーが上から降りてきて、頭から爪先、爪先から頭というふうに往復して、2回計測します。できるだけ動かないようにしてください。」

そういうと店員はSTARTと書かれたボタンを押した。
すると上から赤い光の輪が降りてきて、頭から順にバスト、ウェスト、ヒップを計測していく。
俺はここぞとばかりにアオイの胸を10cm大きくしてみた。
爪先から戻ってきた光が頭の上まで到達したかと思うと、部屋中にエラーを知らせる音が鳴り響いた。
「あれ、おかしいですね。行きと帰りでバストの数値が100ミリも違ってますね。すみませんが、もう一度測り直します。」
2回目の計測が開始され、また大きな山を越えるようにして、光の輪が胸を通過する。
そして俺は20センチきっかり大きくなるように想像をめぐらせる。
乳房の急激な変化にバランスを崩しそうになりながらも、アオイはバンザイをしたままだ。
しかし今まで着けていたIカップのブラは完全に原形を失っており、もはやバストトップを隠すだけの飾りほどの意味しかない。

2度目の計測が終わったところで、再びエラー音が部屋にこだました。
「おかしい、今度は行きと帰りでちょうど200ミリの誤差がありますね。すみません、次で最後の計測にしましょう。」
「はい、お願いします。でもすみません、私のせいで時間をとらせてしまって……。」
「いえいえ大丈夫ですよ。それにこの機械も発展途上なので、こういうエラーをフィードバックするのも私たち店員の仕事ですから。」
少し焦りの顔を見せながら店員はそう言うと、STARTボタンを押した。
胸を光の輪が通過するのを見届けた俺は、ふと面白いことを思いついた。

1,2回目はここで膨乳をしていたのだが、3回目はもうしばらく我慢をすることにした。
爪先から赤い光が帰ってくる。
ふくらはぎ、太もも、ヒップ、腰周り、ウェスト、アンダーバスト……。
そして光がバストを通過しようとした瞬間、俺はイメージを最大限に膨らませて、アオイの胸を一気に1メートル膨乳した。

ガッシャーン!
バリバリバリ!
ウィーン、ウィーン、ウィーン!
ザザーーーーーーーーーー!

まず大きな音を立てて、機械を制御していたコンピュータのディスプレイと天井の蛍光灯が割れる。
次に、アオイが入っていたブースの強化ガラスに、網の目状の亀裂が入る。
さらに、そのブース上部に取り付けられている警告灯が、部屋を真っ赤に染める。
そしてお仕舞には、天井に開いた穴から消火用の水が盛大に降り注いだのだった。

「うわーん、ごめんなさーい!」
あっけにとられる店員を尻目に、アオイは着てきた服をひったくるように持って部屋の外に出た。
そして混乱に乗じてトイレに駆け込み、なんとか着替えを済ませてデパートをあとにしたのだった。
その早業たるや、ジャックしていた俺が目を回して、彼女の体から離脱してしまうほどだった。
まぁ、そのおかげでアオイの胸は元通りのBカップになって、無事に服を来て逃げられたんだけど。

そんなこんなで、俺は自分のブレストジャック能力に一層の自信がついた。
もうミリ単位で膨乳することも、コンマ数秒の間に一気に大きくすることもできる。
まさに史上最高のブレストジャッカーに間違いない!