全日本ビッグバスト選手権 その9

魏乳(物語)・魏乳(挿し絵)・鈴木やまは(挿し絵) 作
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ビッグメロン編集部の編集長が「ビッグバスト選手権」への参加の決意を固めていたその日の午後6時、編集部のドアが乱暴に開いて一人の少女がもう一人の女の子の手を引っ張って編集室へ飛び込んできた。
「こ…ごめんくださひ…ここって、『ビッグバスト選手権』の参加を受け付けてますでしょうか…」
息を切らしながら話す健康的なカットジーンズの少女、その後ろには着物姿の少女が立っていた。
「いきなり押しかけてぇ〜…スミマセンですぅ〜…このコってばぁ〜…『超』がつくほどのぉ〜…方向オンチなんですぅ〜…」
「だあって、東京駅があんな迷路みたいなとこだったなんて思わなかったんだもぉ〜ん」
「でもぉ〜…私がぁ〜…いろんな人にぃ〜道を聞いたおかげでぇ〜…」
「ああ〜もう!コトコ先パイは黙って!!先パイと話してると一週間後になっちゃうわ!!だいたい、コトコ先輩が道を聞くにしてもそうやってスローに話すから余計に時間がかかったんじゃないの」
「でもぉ〜…ここってぇ〜…駅からぁ〜…遠いんですねぇ〜…歩いてぇ〜…6時間もかかっちゃうなんてぇ〜…」
「はい〜???」
塩原は顔をしかめた
ビッグメロン編集部のビルは某中央口の出口を出てすぐ目の前にある。おそらく彼女たちは反対側の出口から出てしまったのだろう。
「それで、あなたたちは誰?ナニしに来たの?」
言われてカットジーンズの少女は塩原の方に向き直る。
「あ、スミマセン…アタシ、朝日奈陽子。そんで、こっちは…」
「菅内琴子ですぅ〜…」
「ヨーコたち、『ビッグバスト選手権』の参加申し込みにきましたあ☆」
「ましたぁ〜…」

「琴子、ワタクシと一緒にコレに出なさい!」
話を遡ること数日前、ここは都内某所のとある女子高。この日の一日はこの女子高の生徒会長である静香・コールドラバーズの鶴の一声で幕を開けたのである。
「はぁ〜…いきなりですねぇ〜…」
「ふふふのふ♪この雑誌のここの記事を見なさい!」
琴子は渡された雑誌の記事に目を通した。静香が他の生徒から没収した漫画雑誌「ビッグメロン」の記事だ。
「へぇ〜…すばらしいですねぇ〜…『全日本ビッグバスト選手権』ですかぁ〜…」
「そう、コレに参加してワタクシの名を全国に知らしめるのよ〜♪を〜っほっほっほっほっほ!」
「でもぉ〜…私は別にぃ〜…有名になりたくないしぃ〜…『ビッグメロン』てぇ〜…月刊誌でぇ〜…ほとんど読む人がいないみたいですしぃ〜…」
「何言ってますの、親友のよしみでワタクシの幸せを分けてあげようって言ってるじゃありませんの。それに、ほら…琴子…次のページの『次号予告』をよく見なさいな」
「んん〜〜…?まぁ〜〜〜…『ビッグメロン』て週間化するんですねぇ〜…」
「そう、大会の様子は随時誌面で紹介されるから私のお美しい姿が誌面に載ったらグラビア界にスカウトされちゃうかも♪ど〜おしましょぉ、新しいドレスを買う必要がありますわねぇ〜ぅを〜っほっほっほっほっほっほっほ♪」
「まあぁ〜、静香さんたらぁ〜…うふふふふふ〜…」
「早速応募しますわよ!」
「やっぱりぃ〜…私もぉ〜…書くんですねぇ〜…」

しかし…翌日届いた合格通知には、菅内琴子の名前しか載っていなかったのである…
「なぜ…何故ワタクシが不合格なんですの…?ありえませんわあ!!私のお美しい顔写真もビッグサイズで貼りましたのに、誰から見てもわかるように用紙の3分の2を占める大きさで」
アンタ…応募規定で定められた大きさの写真を貼らなきゃ、そりゃ落とされますって…
「んん〜…?あらぁ〜…まあまあまあまあ〜うふふふふふ〜…♪」
地団駄を踏む静香をよそに、生徒会室のパソコンをいじっていた琴子が何かを見つけたようだ。
「どうかしましたの、琴子…?」
「今ぁ〜…『ビッグバスト選手権』のぉ〜…ホムペを見たんですけどぉ〜…そこに参加する女の子達はぁ〜…みんなバストが3ケタぐらいいってますよぉ〜…2ケタの静香さんなんてぇ〜…足元にも及ばないみたいですねぇ〜…」
「むっきゃーーーーーーーーー!!!悔しいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「でもぉ〜…静香さんのぉ〜…代わりならぁ〜…すでに目星がぁ〜…ついていますぅ〜…」
「え?琴子さん…?代わりっていったい…」

同日、夕方4時。ここは体育館の隣にある室内温水プール。この時間、このプールでは水泳部の人たちが練習していた。その中で、琴子が目星をつけていた人物というのが1年の朝日奈陽子。スポーツ万能で、1年にして水泳部の若きエースと呼ばれていた。
「ええ?ヨーコが静香先パイのかわりに出るんですか?その『ビッグバスト選手権』とかに?」
「そぉなのぉ。私と一緒にぃ〜…優勝目指しましょうねぇ〜♪」
「でも、いきなりそんなこと言われたって…」
「心配ないわぁ。書類はぁ〜…すでに送っておいたから〜…あなたならぁ〜…きっと合格できるわぁ〜♪」
「ちょっと待ってください、琴子先パイ!ヨーコはまだ出るなんて一言も…」
「先輩の命令ですよぉ〜…うふふぅ〜…」
「いや、でも琴子先パイ…?」
「命令ですぅ〜…」
「いや、だから…その…」
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ〜〜〜…♪」
「わかった…わかりました…でますから、その…笑顔で零距離まで迫るのやめてくれませんか…?」
「あぁ〜らぁ〜…なんだか無理頼んじゃってごめんなさいねぇ〜…合格通知が来たら今度の日曜日に東京駅で待ってますぅ〜…♪」
無理やり話を進められてうなだれる陽子。だが、下を向いている顔には不気味な笑みが浮かんでいた。
(ふふふふふふ…あの自己顕示欲を絵に描いたような静香先パイが落選?イイ気味だわ。優勝したらトップアイドルにまでのぼりつめて、静香先パイを見下してやるの。ヨーコの前にひざまずかせてやるのよ。そんでもって、無様に這いつくばってる静香先パイの前で思いっきり高笑いして…うふふ…ざまあみろだわ♪)
ここのガッコの人たちってこんなのばっかかい…

そして話を現在に戻す。
「ふうん、なるほどねえ…でも、今までに入ってきてる情報によると、東京代表の枠はすでに企画が発足してる時点で塞がっちゃってるのよね…」
「それならノープロブレム、ヨーコは生まれが新潟なので新潟代表ってことで☆」
「私はぁ〜…母方の祖父母がぁ〜…名古屋に住んでるのでぇ〜…名古屋代表でいいですぅ〜…」
「あの、コトコ先パイ…?名古屋は県じゃなくて市の名前…それになんで母方の祖父母が名古屋に住んでるってだけで名古屋代表なのよ…だいたい、コトコ先パイはちっちゃい頃から静香先パイといっしょだったから、生まれも育ちも東京でしょうが!」
「話せば長くなるんですけどぉ〜…母方の祖父母が住んでる所といえばぁ〜…おかあさんがぁ〜…生まれたところであってぇ〜…そのお母さんから生まれた私はぁ〜…そこの生まれでもあったりするからぁ〜…」
「はいはい、お二人とも!漫才はそこまで!!」
痺れを切らした塩原が横から口を挟んだ。
「それじゃあ…菅内琴子さん…だったかしら?あなたは愛知県代表、それでいいわね?」
「はい〜…それでいいですぅ〜…」
いいのか?それで…?
「それじゃ、お二人とも…この中から好きな水着を選んで」
ビッグメロン編集部には木根氏のような水着デザイナーがいない。『ビッグバスト選手権』が2誌合同企画になったとき、大蔵氏がビッグメロンにも出場志願者が現れることを考慮して何着か水着を用意していた。
「ヨーコ、この水着がイイ☆」
「私はぁ…これにしますぅ〜…」
こうして、二人の少女が新たにエントリーしたのである。

新潟代表
朝日奈陽子(あさひな ようこ)
15歳
身長 :164cm
バスト:138cm(Tカップ)
ウエスト:58cm
ヒップ: 88cm
支給水着:迷彩柄のビキニ
備考 :スポーツ万能で、学校では水泳部に所属。
    落選した生徒会長のかわりに参戦

魏乳さん作

愛知代表
菅内琴子(すがうち ことこ)
18歳
身長 :168cm
バスト:126cm(Sカップ)
ウエスト:56cm
ヒップ: 87cm
支給水着:蝶のプリントの入ったビキニ(下はスカート)
備考 :陽子と同じ学校の3年。しゃべり方がスローで
    一見穏やかに見えるが、実はかなり強硬

鈴木やまはさん作