第一話
雀編
このお話は鳳凰と人の間に生まれた「雀」という半妖の女の子のお話です。そして彼女には「ヒロキ」という妖しの彼がいるのですが・・・
人気無い森の中で私は溜め息ばかりついていた。
何故なら、私とあの方が離れてしまうかもしれないから・・・
最近私の憧れの人の周りには私より魅力的な人が多い。
私より背が高い人、私より胸が大きい人、私より綺麗な人・・・
彼は自分より身体が大きくて、胸が大きい人が好きみたい。
それはすぐ分かる。彼はある事がきっかけで女というものに苦手になってしまった。別に女の子に触れないとかいう事じゃないけど、
彼が気に入った女性に迫られると吐血や気絶をしてしまう。
彼が周りに集まる女性を見るたびに、吐血を繰り返している。
その女性は身体も胸も半端なく大きい・・・
私は彼が浮気などしないというのを一番知っている。
けど、彼は女性に手が出せないから、いつ連れて行かれるか・・・
そう考えると、私は悲しくて悲しくてたまらなかった・・・
「もしも・・・もしも私の身体が大きかったら・・・
ヒロキ君、凄く喜んでくれるだろうなあ・・・」
私が乳を寄せながら、独り言をこぼした。
その時・・・
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、雀ちゃんが呼ぶ・・・
恋をしたいと私を呼ぶ〜♪」
そう聞こえたかと思うと、辺りは暗くなって、巨大なものが降りてきた。
ズンッ!!
山をも揺らすような大きな地響きの後、
砂埃が舞って、私も周りの木も隠れてしまった。
砂埃が晴れて出てきたのは、巨大な身体と爆乳・爆尻の持ち主・・・
そして私の目の前には長くて巨大な脚が現れた・・・
顔を見ようにもだっぽんだっぽん揺れる爆乳が邪魔で顔がよく見えなかったけど、誰かはすぐ分かった。
「愛の伝道尼僧・こまつ推参〜!」
降りてきてのは、私のお母さんだった。お母さんは仮装が趣味で、
よくいろんな格好になってる。今日は尼僧さんの格好みたい・・・
しかもお母さんは長身だし、爆乳・爆尻・・・
私もそれをもっと受け継ぎたかったな〜・・・
・・・ってそうじゃなくて・・・
「お、お母さん!?何でここに!?」
「うふふ、私は雀ちゃんのお母さんですよ〜。
雀ちゃんの事なら何でもお見通しですよ〜♪」
「え、えっ!・・・うん・・・」
「雀ちゃんが悲しいとお父さんもお母さんも・・・
そしてヒロキちゃんも悲しみますよ?
何があったのか話してみて?」
私はお母さんの言葉に少し戸惑っちゃったけど、
私の悩みを話す事にした・・・
続く・・・