忘れられないあの日のできごと

ハードボイルド 作
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体はややスレンダーで足はそんなに長いほうではない
顔はひとめみればおもわず「かわいい」といってしまうくらいかわいかった
しかしそんな彼女には一つのコンプレックスがあった
胸がえぐれ胸なのである
普通小学校5,6年になれば少しずつ胸が膨らんでくるのだが、ナツの場合は逆にえぐれていた
1センチほどはえぐれているだろうか?裸を正面から見れば誰でもわかるほどえぐれていた
「もう、なんでおっぱい大きくなんないの!」
そう自分の体に文句を言いながら今日も一人下校する
すると前から一人の白衣を着た男がとぼとぼあるいていた
なにやら近づきがたい雰囲気をかもし出していたので道をわざと曲がろうとした瞬間だった、男がナツを呼び止めた
「おい、そこの女の子!ちょっとまってくれ」
(うわ!声かけられちゃった。無視するのも感じ悪いしなーどうしよう)
っと思っているうちに男はすぐ横にいた
「きみだよきみ、聞こえなかったかい?」
「え?なんですか?」
あたかも聞こえていなかったように答えた
「まあいい、ちょっとまってくれ」
そういいながら男は一つの小瓶をナツに手渡した
「なに?これ?」
「これは全女性の願いをかなえる夢の薬だ、君はその実験台第一号となるんだ。よろしくたのむよ」
ナツが動揺していると男はいつの間にか10メートルほど先を走っていた
「いいかい、帰ったらすぐその薬を飲みなさい。わかったね?」
「は、はあ?」
意味の分からないままナツは家に帰った
家には誰もいなく静まりかえり少し不気味だった
すぐに自分の部屋に行きベットにねころんだ
「何の薬だろ〜、確か全女性の願いをかなえるとか言ってたわよね。きっとすごい薬なんだわ」
ベットでごろごろしながらじっと薬を見て、何を思い立ったか急にその薬を飲んだ
「ごきゅごきゅ」音を立てながら薬を飲んだ
「うえぇ、まずいはね。」
そういうと急に眠くなりそのままベットに倒れてしまった
そして目覚めるともう朝だ
「あれ!もうこんな時間?やだ、早くしないと学校に間に合わない!」
そういって下に階段をおりるともう誰もいなかった
急いで学校に行く準備をしてすぐに家を出た
「あ、そうだ!今日はプールがあるんだった」
あわただしい音を立て階段を上りたなにあったプール道具をバックに押し込み家を後にした
そのときはもう昨日飲んだ薬のことなど忘れていた
そしてこの日がナツにとって忘れられない日となることをナツはまだ知らなかった

続く