椿姫の希

ハヤト 作
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表-5話 恒常

次の日。
俺はマスクをして登校するも。学校の中では騒然としていた。
仲のいい生徒はみな俺が来るなり口をそろえてこう言うのだ。

「副委員長と伊達さんが巨乳を越してとんでもない乳を抱えてやってくるなり、信弥を探していると。」
「あの目は尋常じゃねぇ…なんか危険な香りがする。できれば生きてくれ信弥。」


大袈裟だなって思ってたけど、膨乳薬の効果が切れる午後4時に近づくにつれて綾乃のアプローチが激しくなってきたのだった。
まず朝、廊下で俺の前を歩いていた綾乃はまるで後ろにも目がついているように、振り返り、俺の名前を呼びながら近づいてきた。
本人は笑っているように見せているのだろうけど、昨日のような笑顔ではなく、どこか本気な目。ドラッグが切れた時のような苛々と獰猛な野獣の雰囲気を身に包んでいる。
それどころか彼女の乳房は母さんのおっぱいみたいに大きく、正面から見るとおっぱいに顔がついているだけだった。後ろから見た時はおっぱいだけが左右からはみ出しているほかは、制服を着ていたから破れたまま着ていることになるだろう。

床につくそれは擦れているにもかかわらず、無関心でただ俺のことを見つめたまま近づいてくる。
俺は狙われた小動物のようにその場で立ちすくんでしまった。

「信弥くん。おはよ。」
「あぁおはよう。」

一歩近づく綾乃に俺は、どうすることもできずただ立っていた。
近づいてくるということは俺の身体に彼女のおっぱいがつきあたり押しつぶされること意味しているのにも関わらず、俺は押されるがままだった。

「ねぇ信弥くん。私、昨日の昼休みからずっと信弥くんのことが忘れられないの。それどころかこのおっぱいが信弥くんを欲してやまないの。どんどんカラカラに乾いてしょうがなかったから借りたジャージをずっと抱いて顔に当てて過ごしてたら、こんなおっぱいになっちゃったの。学校にきたら何かわかるかと思ったけど、何もわからないし何も変わらない。それどころか信弥くんの机の近くに来たらカラカラが限界になっちゃって…もう信弥くんが欲しくてたまらないの。」

身体を押しつけてくる綾乃に成す術なく俺は廊下の壁に押し付けられる。こんなにも巨大なのに乳首や乳輪は小さいまま。
余計に大きく見えてしまう。
自身が乗れそうなほど大きい乳房は俺の傍にきて、再び大きく張り出した。

チャイムが鳴る。

我に返った綾乃は一言謝ると一歩下がった。
まぁ一歩だけじゃ俺は解放されるはずがない。


教室に戻っても、教室のど真ん中に超乳を抱えた綾乃が鎮座して、授業中も休み中も俺を欲し続けた。たぶんこれは近くにいればいいとか、そういう問題ではなく、昨晩の母さんと同じ発情なんだということは気付いてた。それを考えると汗が止まらない。でも何とかすり抜けて綾乃の誘惑を避けたり、クラスの皆と心配そうに気にかけてたのは、彼女にとっては生き殺しとさして変わらなかったと思う。

そういえば、放課後まで椿姫の姿を一度たりとも見なかった。クラスに行っても生徒会室に行ってもいなかったんだから。

それでも放課後生徒会室へ行ったら、椿姫がいた。昨日とは比べ物にならない大きさの乳房を持って。

「あ、やっと来た。」
「お、椿姫。お前、他と比べて冷静じゃねえか。」
「当り前よ。私を誰と勘違いしてるの?そんな大衆に見える大通り(廊下)で一人の男子をおっぱいで弄んだりなんかしないわ。」
「おいおい、事の発端人が巻き込まれた人のことをとやかく言える立場だと思うのか?」
「思うわよ。私の最高傑作で信弥をイチコロにする予定がめちゃくちゃよ。」
「最高傑作って自作だったのか?」
「闇市で買ったものに手を加えただけ、だから半分は私の作品。敢えて言うとこの人並み外れた膨乳力は私が加えた部分なんだからね。」

自信満々にしゃべっているが椿姫のおっぱいを支えている教室の机は全部で8つ。それくらいの大きさだということがわかる。
昨日は2つあれば事足りただろうと思っていたが…とんでもない。

「信弥、大きなおっぱい好きなのよね?」

ここで苦手なんて言ったらどうなるんだ?

「あぁ…好きだよ。」

「じゃぁ、私も?」
「…あぁ。」

おっぱいにもたれていた身体を起こし、おっぱいを机から下ろす。ドスンという音とともに俺に近づいてくる。

「大丈夫か?身体、暑くならないか?」
「うん。もう大丈夫みたい。ほら…」

時計を指差したその時間は午後4時1分。

おっぱいの大きさこそは元に戻らないが、これ以上俺の息や匂いでおっぱいが大きくなることはなくなったわけだ。
俺はマスクを外して、椿姫を抱いた。

途中、廊下で物音がしたがドアには鍵をしてたから気にせず、椿姫とやれた。
まぁ一瞬にして俺は撃沈したがね。

6時ごろ、ドアを開けて空気を入れ替えようとしたら、廊下で自身のおっぱいをベッドにして綾乃が寝ていた。朝見たときよりもおっぱいが数段大きくなっているのは、あえて触れないでおこう。


「大丈夫?」
「う……ん?信弥くん??私…」
「廊下で一人、他の学生にその巨大なおっぱいを見せつけて居眠りしてたのよ。」
「椿姫さん…。」
「綾乃…身体の火照りとかは、ない?」
「うん。大丈夫そう。私どうかしてたのかしら。全然記憶がない。」

女の子座をしている伊達さんのおっぱいは膝より前に突き出して廊下の半分を占めている。
椿姫が身体を寄せてお互いのおっぱいを当てて何かを確認している。

「信弥、お願いがあるの。」

俺の手を引っ張ると再び生徒会室に入る。もちろん出たり入ったりするときは片房ずつ丁寧に出入りしている。

「私と伊達さんのサイズ測って。」

伊達さんも教室の中に入ってきた。
グランドの照明が教師の一部を明るくするが巨大な乳房のシルエットが教室を余計に暗闇にする。

すると椿姫はおもむろに教室を飛び出して俺は、伊達さんと二人っきりになった。

「私、今日一日の記憶がないみたい。何も思い出せないの。それどころか昨日の放課後からすっぽり抜けてる感じがする。気付いたらさっきで、身体にはとてつもなく大きなおっぱいがついてて、でも椿姫さんもおっぱい大きくなってて…。」
「ごめん、あいつがちょっと暴走しちまって…」

俺は膨乳薬の話をしてその影響が伊達さんにも起きたことを話した。
彼女がずっと俺を欲してたことは言わなかったが…





しばらくたって椿姫が戻ってきた。手には体育用の50mは測れるメジャー。
そんなにはいらないのはわかるが身体用のメジャーで足りないことも容易に分かった。

先端を綾乃に持ってもらい、俺が椿姫の周りを一周する。綾乃を測るときは椿姫がメジャーの先端を握る。
結果、椿姫は792cmあることがわかった。とんでもない超乳だ。
綾乃は569cm。数値にするとかなりの差があるように思えるが実際のモノを目にするとあまり大きさ自体はかわらないというより、2人ともとりあえずバカでかい。
そんな感じだ。

「そうだ。信弥、せっかく一緒になったんだからこれから放課後は私のおっぱいに包まれなさいよ。」
「一緒って?」
「そうね。伊達さんは知らないだろうけど、私があなたを巻き込んでまでここまでおっぱいを膨らませたのには理由があって、信弥を私のモノにするためよ。」
「モノって…。付き合ってるってこと?」
「まぁそんなところかしらね。伊達さんは好きな方はいるのかしら…?」
「……信弥くん。」

俺は耳を疑った。最初は気のせいだと思ってたけど、昨日の昼休みの行為は俺を想っての行為だったのか。

「そうよね。こんなにおっぱいが大きくなるということは、薬を飲んだ信弥に興味があるということ。じゃなきゃこんな超乳を手にすることなんて無謀。街の人が膨乳したのは、薬の効果が暴走してたから、無意識に信弥を意識した人を巻き込んだ結果がそれ。伊達さんは信弥のことが好きだから、きっと私に劣らないおっぱいをてにしたの。でもこのおっぱいは薬の効果が切れて膨らむことがなくなっても信弥を抱きたい気持ちはいずれ発生するはずよ。だから伊達さん、あなたが信弥を抱くことを私が許すわ。ただし、二人で私の手を離れようなんて考えないことね。」

「椿姫、なんか怖え話をケロッとすんなよ。」
「あら、あなたの自由の時間が減るのに、余裕の表情ね。」
「もういいよ。そのおっぱい俺のモノってことだろ?」
「さぁ(笑)そういえば、校庭までの往復でさえ、かなりの体力と労力が必要だわ、この胸。今度は筋肉補強剤でも作って、これ以上おっぱいが大きくなっても平気な身体にしようかしら。」
「おいおい、やめてくれ。その人外シリーズは。よりによって強大な力が入ったら破壊行為しかできなくなるだろ!」

脳裏に、筋肉補強により握力やおっぱいでスーパーマンみたいになった二人やその強大なおっぱいで叩かれ身体が包帯だらけになる自分を想像して身震いがした。

「フフ、冗談よ。さ、もう一度、私たちを抱いて」

笑えねぇ…

そう言うと、俺の目の前で膨乳によって破れた制服を全部脱いで立ちはだかる超乳な二人の女子生徒を目の前に俺は包まれ、搾りとられることになった。
毎日な。






終わり