ブレストコントローラー

ハリナ 作
Copyright 2013 by Harina All rights reserved.

 まだ六月、されど六月。夏にはなっていないというのに照り暑い。鞄を抱えて走る、ダイチの額から流れ落ちる汗はやむことは無かった。
「ただいまーっと」
 玄関の扉が勢い良く開き、ダイチは靴を放り脱ぐ。玄関から廊下を越えてリビングへと飛び込み、鞄を捨てたが勢いは捨てず、そのままキッチンに駆け込んだ。
「サイダーまだあったっけな」
「帰ったらまず鞄は自分の部屋へ持っていく!明日はテストなんでしょ!お兄ちゃん!」
 冷蔵庫を開き、物色しようとするダイチに、後ろからとがった声が響いた。嫌な言葉を聞きふりかえると、何時の間にか小さく華奢な体が仁王立ちしていた。それは、濁りの無い白い肌、まんまるでおおきな瞳。まさに幼さを形にした少女であった。
「へいへい、わーってるよミウ。」
 無視したらギャーギャーうるさいだろう、と思いミウにしぶしぶ従う。やれと言い出したら、やるまで耳元で騒ぎ立てるほどしつこい性格の妹だということを、ダイチはよく知っていたからだ。
 ダイチは冷蔵庫に背を向け、ゆっくりと鞄の肩掛けを拾い上げる。そしてそのまま鞄を引きずり、廊下の突き当たりを曲がった先にある自分の部屋に向かって、のそのそと歩いていく。
 妹は後ろで「わかってるなら最初からやれ!」と立腹していたが、ダイチは軽く無視。
 まるで生きた死体のように鞄を引きずり自分の部屋に入ると、正面にある机の上に見知らぬ物が置かれていた。
「ん? なんだこりゃ」
 それは機械、モニターがついた銃――に似た何かだった。むしろ形状的にはビデオカメラに似ていると言っても過言ではない。画面の外にはゲームのコントローラーを思わせるボタンやマルチジョグ、スティックがついている。
 不思議に思いながら拾い上げ、その画面に触れるとピっと音を立てて電源が入った。
「ぅわ!」
 銃口のようなものが収納され携帯ゲーム機似た姿に形を変える。そして画面が点滅し、驚くほど鮮明な映像が流れ始めた。
 画面にピンクのTシャツを着た、幼気な女の子が画面に映る。幼さを残しながらもしっかりとした顔つき、ふわっとした茶髪、渇きを知らなそうな輝く瞳、そしてあどけなく小さな胸。見た感じ小学校高学年ぐらいだろうか。
 画面が一瞬光ったかと思うと、その女の子の胸に何かの標準がピピっと定まった。
「んッ…な…なんですか! ふぁあ!」 
 ビクっと身を震わせたかとみれば、ピンクのTシャツが女の子にぴっちりと張り付き、小さく可愛らしい胸のラインをはっきりさせる。
「ふぁぁぁぁぁぁ!」
 小さいながらも大きくなることを夢見て頑張っているような胸が、ぷるぷると震えだす。そして小刻みに揺れる胸が、ぴったり張り付いたTシャツを丸く持ち上げていき、双丘を形作っていく。
「いやぁぁん! ふぁああああッ!」
 小さな谷ができあがり、上下に揺れた。その揺れを最後に振動は止まったが、胸の膨張は止まらない。
 小さかった胸が、熟れたグレープフルーツほどの大きさへと姿を変え、Tシャツがミチミチと音を立て始めた。
「とめてぇぇぇえええええええんんああああッ!!」
 おっぱいはむちむちと大きくなり続け、見る見るうちに二つのマスクメロンほどの大きさになり、膨張は止まった。メロンを象ったようなTシャツの胸元は小さな衝撃で破れそうなほどに悲鳴を上げている。
「んん…ふぅぁぁぁぁぁああああんッ!!」
 元々は小さかったなんて信じられない位大きくなった女の子の胸が、大きく円を描くようにようにぶるんと揺れた。
「ふぁあああんッ!」
 そしてその揺れを合図に、Tシャツが破れないのが不思議に思えるぐらいダイナミックに暴れまわった。
「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
 激しく揺れる胸は、まるで恥じらいを覚えたかのように、揺れるスピードが落ちていく。
 しかしゆったんゆったんと、ゆっくりと大きく揺れ続けるおっぱいが急に締め付けられたようにキュッ!と縮み、眩しいくらいに光り輝いた。
「んぁぁぁあああッ!!!きつぅぃぃいいいッッ!!!ひいいいいいいんッッッ!!!」
 光が消えたかと思うと、ロケットのように勢いよくおっぱいが放たれ、ビリっと音が響く。
「ふぁあああああああああああああああああああああッッッ!!!!!」
 Tシャツを胸元にぽっかり穴を開けるように破り、超がつくほど特大な西瓜ほど、いやそれを軽く越えたロケットおっぱいが、ぶっるんぶっるん弾んでいる。
「やめぇぇえええッ!!!ふぁん!!」
 女の子が胸の重みでバランスを崩し、その原因である爆乳をばいぃんと揺らしながら転んだところで映像は止まった。
「な、なんだこりゃあ……」
 ぽかんとあいたダイチの口はふさがることは無かった。
 画面が黒くなり、再び映像が流れ出す。リピート再生ではなく、別の映像であった。
 さっきの少女とは違い、今度は20代前半と言った風貌の女性だ。ロングの金髪がゆったりと地面に向かい伸びている。ぐんと飛び出たヒップ。キュッと引き締まったウエスト。そしてボインッと激しく突き出された大きなバスト。持ち上げるような形で胸を強調する服のせいで、ミサイルのように飛び出したおっぱいはさらに大きく見える。もっとも前の映像に映った少女の、跳び弾む大爆乳を見た後だと少し霞んでしまうが。
「ん……いったい何かしら?」
 柔らかそうなおっぱいが大きく揺れた。服がきつくなるほどに大きくなり、ブルブルと震えた。
「や……何?ああん、大ひくぅぅぁ!!ゆれてぇぅぅん!!!」
 そして胸が見えない何かに強く揉み込まれるように、押さえつけられる。
「んゅんぁ……や、やん……はぁん!」
 むにゅむにゅと何かに胸が揉みまさぐられ、ぎゅうぎゅうに押し縮められていく。
「んぁ……ぅ……むねぇ……やめぇ……きつぃぃぃいいい!!!」
 ゆっさゆさと揺れる大玉サイズのメロンほどあったその胸は、いまやソフトボールが小さな谷間を作るだけであった。しかしそのソフトボールも、強引に揺らされ、もみくしゃにされながら小さくなっていく。
 そして野球ボールを半分に切ったような小さな丘だけが残り、もはや平地になろうとしていた。
「むねがぁぁんぁああ……ち……ちぃさぁくぅぅぅぅうううんん!!!!」
 ギュウウウウウウっときつい締め付けに耐えられず、声を張り上げる。
 そこには胸元がぶかぶかに開いた、胸が小さな女性が残されていた。
 再び画面が黒くなり、次の映像が流れ出す。
 今度は二人の少女。一人はショートヘア。もう一人は三つ編みだった。学校の制服を着ていることから、中高生だろう。
 ショートヘアの少女の胸は大きく、制服の上からでも飛び出すぐらいの山が二つそびえたっている。そしてもう片方の三つ編みの少女は胸は小さく、膨らみは無かった。
「へ?」
 ショートヘアの少女の山脈がぼよんと跳ねたと思うと、急にその山や谷間が消えた。
「何!?」「きゃ!」
 それと同時に、隣の絶壁に一瞬で山がそびえたった。極一瞬で急に膨らみ、小さなブラにきつく食い込んだ胸が、勢いでブラウスを突き抜けあらわになった。脂肪が胸から胸へと移動したようにしか見えない。三つ編みの少女の胸は、ショートヘアの少女の大きかった胸と同じサイズ、いやそれ以上になっていた。
「な……な、な、なぁぃ」「ふぇぇ!?」
 両者とも驚きを隠すことはできなかった。
「私の胸ぇ……かえしてぇ!」
 現実逃避か、小さくなった自分の胸の代わりに相手の胸を揉み回す。
「し、しらな……ひゃ、ふぅぅううんん」
 指が食い込み、胸を激しく変形させていったところでぶつんと途切れる。
 そしてまた映像。
 一面に広がる黄金の砂浜と太陽の光が反射し輝く海をバックに、一際目を引く西瓜ほどの爆乳を持った女性。小さなビキニの水着が大きな胸をさらに大きく見せる。
 その西瓜割りができそうな胸は、スイカップというのだろうか。
 ビキニから溢れる胸が少し体を動かすだけでぷるんと揺れる。
「ん……やっぱきついかな……」
 二の腕で包み込むように押上げられ、大きな胸がさらに強調された。
 だがそのとき、今にもビキニからこぼれおちそうな胸がもぞもぞと振動を始めた。
「へ? きゃっ! ああああんッ!」
 胸のラインがが外へと広がっていく。大きな胸がさらに膨らみ始めたのだ。
 たわわに実った西瓜は大きくなり、ビキニがきつく食い込んでいく。
「くぅ、ぁぁあああああんッ!」
 元々胸がこぼれおちそうだった水着は、もはや強く締め付ける拘束具と化していた。
「きつうぅいぃぃぃ……」
 ゆっくり膨らむ二つのおっぱいが、バインバインと上下に激しく揺れ、擦り付けあう。
「くふぅぅううううんッ!!」
 大きく揺れるたびに擦れる胸に、快感を感じているようだ。
 胸の膨張は止まったようだが、その激しい揺れはとまることは無かった。
「むねがぁあああんッ!」
 あまりにも大きく揺れるので、豊満なおっぱいが締め付けられていた水着から勢い良く飛び出す。その勢いで、胸はさらに一回り大きくなり、限界まで膨らみ、突いただけで割れそうなビーチボールに変化していた。
 そのまるでビーチバレーができそうな胸は、縛る物が無くなり、あたかもトスされたように跳ねた。
 胸だけ重力が軽くなったように浮き上がっている。物理法則を無視しているとしか思えない、現実ではありえない揺れ方で跳ね回る胸は、停止することなく激しくも美しいダンスを舞い踊った。
「ああああぁぁぁんッ!!!」
 踊り続ける胸の谷間がガバっと開き、左右の胸が別々に回転するように乱舞する。
「やっやめぇぇぇぇぇッ!」
 その回転を生かしたまま、レシーブされたように打ち上げられ、天に向かった胸が激しく暴れる。
「きゃぁッ!」
 浮き上がった胸はアタックされたように強く叩きつけられる。
 上から下へ雷に打たれたような衝撃が走る。その反動で再び打ち上がり、顔に勢いよく強烈な鞭打ちを叩き込んだ。
「あう!」
 よろめき、おっぱいの重さに耐えられず胸から倒れこむ。柔らかい胸がクッションとなり痣一つ無かったが、胸に刺激が襲い掛かり、口から声が漏れ出した。その衝撃で再び胸が大きくなりはじめ、びくんと波打つ。
「やぁぁぁん」
 大きくなり続けるおっぱいが地面に擦り付けられ、胸に快感が駆け巡り、さらに膨らむ速度が上がった。
 そして体がおっぱいで持ち上がり、柔らかい乳のベッドを形作った。
「ひぃ、やああああああああああああんんんんッ!!!!」
 腕全体で押さえるが、その柔らかい胸は、逆に腕を包み込むように形を変化させ、弾力ではじき返してしまう。
 全身が波荒れるおっぱいの海に溺れたところで映像が途切れた。次の映像は無いらしく、画面は黒いまま変化することは無かった。
 つまり――このコントローラーで女の胸を自由に変化させることができる――ということか。しかも最後の映像を見る限り自由に揺らすことも可能らしい。
 ダイチの高まる胸の鼓動は収まることは無かった。
――そうだ、ならミウを――
一瞬、邪な考えが胸に過ぎったが――いやいやいや!おかしいってコレ!――
 そんな昂ぶりはすぐに消えた。いや押さえつけたのだ。ありえない、馬鹿馬鹿しいと。そして何よりも意味不明だと。
 表面上では強く否定しながらも、心の奥底では好奇心にあふれ、興味津々ではあった。しかしその感興がわき始めたとき、そのコントローラーの登場によって忘れられていた、喉奥の乾きが急に押し寄せてきた。
「まぁいいや。そんなことより水分補給だ」
 微かに残っていた好奇心と欲望も、飲水欲求という生理的欲求の前には勝つことはできなかった。
 ダイチはコントローラーをほうり捨て、くるりと回れ右をする。そして喉の潤いを求め、部屋から飛び出していった。