いつにも無く涼しい朝。その涼しさがダイチの服の下をすっと通り抜ける。昼頃の蒸暑さを考えると、朝は何で寒いぐらい涼しいのかと思わずにはいられない。
数十分後にはテストがあるというのに、ダイチの目は未だ覚めることは無かった。
大きな欠伸をしながら教室に入り、生きた死体のように自分の席へと向かう。
席に座り、鞄を開こうとしたとき右隣から声をかけられた。
「ダイチ君おはよー」
「ああ、おはよーさん」
声の主は、隣の席に座っていた少女――カナ。
まるで小動物のような、クリっとした大きな瞳。すらっと伸びた麗しい髪。美しい――というよりは可愛いという雰囲気を纏っていた。
「勉強、できた? 範囲広すぎるよね。まったく」
「ま、カナちゃんは理系だから」
「ちゃんづけすな! もぅ、いつまでつけてるつもりなの!」
「まだまだ子供だろ? その胸もさ。ならいいじゃないか」
「いーや。いつか絶対、ボインな大人になって見せますぅ!」
「無理無理、無理だって」
「三回も言った!」
「もうすぐテストだぞ。ほらほら、その無い胸に知識を詰め込みな」
「もー! そんなこといってる人には負けません!」
頬をぷぅっと膨らませ、大げさにリアクションをとるカナ。伸びた前髪を止めた髪留めを揺らし、いちいち必死になって言葉を返してくる。
他愛ない会話に笑いながら、鞄の中にある何かに気づく。
(ん? あ……これって……)
鞄の中には、今この瞬間まで忘れていた例のコントローラーが無造作に入っていた。
ダイチには鞄に入れた記憶は全く無く、疑問に思う。だがこの瞬間、昨日このコントローラーの画面に流れた映像が頭に蘇った。
――小さな胸がどんどん大きくなりグレープフルーツ、そしてメロンを超えてスイカになった胸がブルンブルンと揺れる――
ダイチの脳裏にその映像が鮮明にリピートされる。大きくなって揺れる胸に焦点を絞られ、何度も何度も。
ゴクリと自分の欲望に煽られた。おっぱいに対する欲望に。
――別にやるだけなら損は無いじゃないか――という好奇心。
だが同時に。
――本当に変化があったらどうしよう――という懸念も湧き上がる。
心の量りが傾き、結局不安心より好奇心が打ち勝ってしまった。
――物は試しだ。カナちゃんもボインな大人になりたいと言ってたじゃないか――
コントローラーを取り出し、光無きモニターにゆっくり触れた。すると電源が入り、様々なアイコンが表示される。しかし――
「ぇ……えーっと?」
そこに映るカラフルなアイコンの中、どれを押せばいいのかダイチにはさっぱり分からなかった。
簡単そうという理由で、とりあえず「AUTO」と書かれたアイコンをタッチする。
「ま、これでいいや。オートで……」
隣の席でムスっとした顔をして、一時間目の科目である世界史の確認をしているカナに標準をあわせた。
「それ、ロックオンっと」
コントローラーからカナにむけて一条の光が放たれる。
「ひゃ……な、何?」
左方が一瞬だけ眩く輝いたように見え、カナは吃驚した。
「なんだったんだろ? なんか……胸がムズっとしたような……」
ダイチは隣にいたからという理由だけでカナを選んだが、事実彼女は胸が大きく無い。つまりこの実験には最適なのである。
「ねえダイチ君。今、何かした?」
「エ? イヤイヤイヤ! サ……さぁ……?」
短くも重い言葉がぐさりと刺さり、てきとうにはぐらかすダイチ。つい焦って自分でも気持ち悪いと思うぐらいの変な声を出してしまった。
「? 変なの」
首をかしげるカナ。それだけにも拘らずやはりその動作は大げさだった。
ダイチは嘘がばれる恐怖を乗り越え、ホッと胸を撫で下ろした。
だがこれで実験の準備は完了だ。あとは開始のアイコンをタッチするだけである。
コントローラーは、大きさ変更:自動、振動:自動と設定されていた。その文字に、ダイチの全身の血は熱く滾る。なにやら設定を変更できるようだが、初めて使うダイチにはよくわからず、設定を全てコントローラーに任せた。
彼女に罪悪感を感じたが、自らの好奇心を抑えこむことはできなかった。
昂ぶる感情が止まらず平静を装っているそのとき、試験監督の先生がガラガラと扉を開け、生徒達に席に座るよう呼び掛ける。
生徒達が急いで出席番号に対応した席に向かう中、ダイチは先生に見つからないようにコントローラーを机の中に潜らせた。
テストが開始してから35分あまり、何とか欲望を押し殺し、ダイチは最後まで回答を書き終わっていた。
しかしその溢れ出す欲望の高まりを抑えることができず、杖の中で怪しく光るコントローラーのパネルに震える指でゆっくりと触れた。そう、開始のアイコンにだ。
カナは回答の間違いが無いかと、問題を見直していた。
だがそのとき胸の奥で何か動いた、もそもそと何かが動いたのだ。
「ん……」
動いた――というより揺れた。確かにそう感じた。そしてそれと同時に胸の奥が火照り、あたかも胸だけ発熱したような熱さが込み上げてくる。
(ん……何……?)
何かが胸の奥に集まってくる感覚、もぞもぞと動き回る胸。そしてだんだんと早くなる心臓の鼓動に、焚き附けるような胸の熱さ。
当初は錯覚かと思ったが、胸は確かにまだふるんふるんとゆっくり揺れ動くのを感じている。その揺れる感覚に、カナは胸の異常を認めるしかなかった。カナは今、はっきりと感じているのだ。胸の揺れを。揺れる胸なんてありもしないはずなのに。
揺れる胸に宿る、火照る熱さが引き始めたように感じたその瞬間、その無いにも等しい胸が、さらにぶぶぶぶぶっと小刻みに震え始めた。
「ひゃあ!」
胸に走る感覚に仰天し、叫声をあげてしまった。静寂を打ち破った大音声にクラス中から視線が集まる。
「そこ! どうした!?」
「あ……いやあの、虫が目の前に……」
胸がブルブルと震えているなどと言えるはずも無く、てきとうな理由で誤魔化した。なおも止まることがない胸は、揺れる感覚がさらに強くなってきている気がした。
「カンニング扱いになるぞ。気をつけろよ」
「はい……ん……」
体の芯から揺すられるような胸の鼓動は収まらない。その震えに、体をモゾモゾと動かす事しかできなかった。
(うぅ……んんぁ……胸が、ムズムズするぅ……)
その振動はどんどん速くなり、その上まるで縄に縛られるようにきつく締め付けられる。
「ひゃぅぅ……」
口から漏れ出す声を周りに聞かれないよう必死に喉を絞る。
見えない何かに胸を縛られ、ようやく振動が止まった。ようやくといってもたった10秒にも満たない時間だが、カナにはとても長く感じられた。
(なんだったの……)
くすぐったさが増したような苦悶から解放された――彼女がそう思ったとき。
「ひゃうああああああぁぁぁぁんッッ!!!」
急激に胸全体から熱が込み上がり、声を荒げてしまった。
さっきの火照るような熱さではない、煌々と情熱的に激しく燃え盛るような熱さが胸の奥から沸き起こる。
「今度はなんだ!」
今さっき注意したばかりなのに大声を出すとは何事か、と強い口調で監督の先生は問いかける。しかし胸の張り裂けるような熱さのせいでカナは意識は先生に向くことは無かった。
「あううううう……あぁぁんッ!!」
その胸の熱さがますます激しくなり、胸に渦巻く何かが外へと吹き出しそうになってるのを感じた。何かが胸の奥に収束し、内側から押し広げようとしている感覚。その膨らんでいくという未知の感覚が、快感に近い何かと共に胸の奥から広がっていき、カナの胸が少しずつ、ほんの少しずつ持ち上がっていく。
「はぅぅぅ……な、なに……? 胸がぁ……」
極めて平らに近かった胸は、ブラウスとブレザーを持ち上げ、ゆっくりとお椀をふせたような形に盛り上がり、小さな谷間ができていた。
カナの胸は、着々と体積と質量を増しながら双丘を形作っていった。
膨張し、ソフトボール並みの大きさになった胸は、まるで内側から揉まれているような、焦燥感を伴う快感を少しずつ与えていく。
「ひゃぁぁん!」
ぐいんぐいんと大きくなる胸が、ブラに吸い付けられるようにカップを押し上げる。そしてそのブラが胸にミチミチと喰い込んで行く。
ぎゅうぎゅうに詰め込まれたカップから胸が今にもあふれ出そうとしている。
ブラウスがカナの胸のラインに合わせぴったりと張り付き、締め付けるように形を変える。言うならば乳袋がブラウスに形成されていた。
それでもなお膨らもうとする胸にブラはぐっとめり込んでいく。
「あぅ、くあああああぅぅぅんッ!」
空想の世界に引き込まれたかのように膨らむカナの胸。あまりにも非現実な出来事にクラス中は静まり、ただの傍観者にしかなれない。そんな中、唖然と黙り込む周りとは違い、原因を知るダイチの頭はフリーズしていた。
「はぅぅ! あ、あううぅぅぅん……」
カナの喘ぎ声だけがその静寂を切り裂き、教室に響いていた。
ムクムクと膨らみ内側から溢れ出す胸を締め付けるブラは、ギュウギュウと締め付け外側から押さえつける強い圧迫感を感じさせる。
快感を齎す胸の膨張。胸に物理的な充実感が満ち溢れていく。しかし溢れていく胸が心地よい、とカナの理性が認めるわけにもいかず頭の中で必死に否定している。ブラが胸を締め付ける苦しみが、彼女の正気を保たせていた。
「き……つぃぃぃぃんぁぁぁあああああんッッ!!」
胸の衝動で体が揺さ振られる。その振動で、目に見えて膨らんでいく、ぴっちりとブラウスを貼り付けた胸は、ブレザーの胸元から外に逃げるように勢いよく飛び出す。
「あぁん!」
勢いをつけた胸は、さらに激しく上下に揺れ動いた。
そして食い込むようにますますめり込んでいくブラ。だがそのブラはどういうわけかまるでゴムに変化したように伸びている。伸びながら食い込むブラと、膨らみながら押し出す胸。双方の力が釣り合い、胸は美しい球体の形を整えていた。ブラウスの形状は完全に乳房と同化して、ボタンは谷間に沈んでいる。
だがその胸の球体を象ったようなブラウスは限界に達し始めていた。大きくなる胸を、ゴムのように伸びたブラが締め付け、小さいブラウスが押さえつけている。
「く、ぁああああああん!」
押さえ込まれた胸がきつくなり、体を少し反らしただけでも、膨らむ胸はボインと揺れる。そしてその回転するように揺れた胸が、谷間からボタンを外へ押し上げた。
そのまま大きくなる胸で、ブラウスはパンパンに膨れ上がる。ボタンホ−ルは真横に引き伸ばされ、ミチミチと音を立てていた。
「い、いやんぁやめえぇ」
密着し押さえつけるブラウスと食い込むブラに耐えられなくなったその時、胸が見えない何かにグイっと引っ張られ、胸を前に突き出させられる様な姿勢を強引にとらされる。
「ひゃぁ!?」
張り詰める胸の弾力がその勢いでブッチンッと胸元のボタンを一気に弾き飛ばした。そして物理法則を無視するかのようにブラウスを押し退け、中からブラが食い込んだ妖艶な双球が、戒めを解かれてぶるん! とまるでミサイルのように勢いよく飛び出した。その弾みで伸びたブラに強引に押さえつけられている胸が、ブルルンとまるでゴム鞠が弾むように自分勝手に跳ねまわった。
「ひゃあああん!? ん……きつぅい……だめええ」
止まることを知らず膨らむ胸と共に、ゴムのように変化し伸びるブラは、ついに伸縮性が限界に達しミチミチと悲鳴を上げ始めた。カナの小さな胸に合わせた小さなブラが、まるでゴムのように伸びていたのは、コントローラーの力で無理に伸張していたからであった。むしろよくここまで伸びたと言ってもいいだろう。
膨れ上がる胸に合わせ、それを押さえ込むように伸びていたブラは、弾性限界に達しもはや唯の拘束具でしかなくなっていた。ストラップとベルトが彼女の華奢なボディにきつく食い込んでいく。
「き、きつぃぃ。く、あああああああん」
そして胸は締め付けるブラなどお構いなく膨らみ続ける。
外へ広がる胸は、さながらきつくめり込むブラから早く解放されるためにもがいているようだった。
膨らんでいく快感とブラにきつく締め付けられる快感。この二つの快感が交じり合い、ハーモニーを奏でながらカナの理性を侵食していく。縛りつけられる苦しさが無ければ今頃快楽の海に溺れていただろう。
今やハンドボール大の胸は、ブラが食い込みムニムニと締め付けられて変形していた。カップの横や上からはあふれだしその形を上下に二分している。
その膨らみ続けている二つの山が四つに分断されそうになったとき、ブラは押さえつけられている谷間の真ん中からビリっと破り裂かれてしまった。
「やぁぁああああああんッッッ!!!」
今までさんざん小さなブラに締め付けられていた彼女の胸は、ブラが破れた勢いで、押さえつけられたバネが元に戻るようにブルンッ! と弾け飛び、手がつけられないほど暴れまわった。押さえを失った乳房は大きな波を立てながら一気に溢れ出し、膨らみ、大きくなり、質量と体積を増していく。
「あううううううううううううッ!!!」
数分前とは比べ物にならない巨大な又球が机の上でバウンドしている。その光景に、もはやテストどころではない。静かな教室中の誰もがカナのおっぱいを舐め回すように凝視している。男子はもちろん、女子もだ。現実的にまずありえないことが目の前で起きているのだから当然だろう。
「やめてぇぇぇ……みないでよぅ……ああんッ!」
恥ずかしさで顔が真っ赤なカナ。その上胸からくる快感にも似た苦痛に、まともな声を出すことさえ精一杯だった。
膨れ上がる熱で湧き出た汗が、窓から差し込む太陽の光を反射し、厭らしく輝いている。
ダイチの時は凍りついていた。目に映る空想感と肌に感じる現実感を受け入れることはできず、天の光のように輝く胸をただ見つめることしかできなかった。
精神的にも身体的にもまさに生き地獄を体験しているカナの胸がボヨンと大きく揺れる。その揺れで汗が霧吹き飛び出した水のように飛び散る。
「ひゃう! く、はああああああん!」
今まで味わったことの無い大きな胸の感覚。数分前には無かったはずの感覚だった。その無いはずのものが在る感覚は、カナに確かな快感を与えていた。
その胸の衝動はカナの意志を越えてカナの胸を支配し、カナの胸にエネルギーを与えて胸をさらに大きく膨張させていく。感じてしまうエクスタシー。少しでも気を許したら快楽に溺れてしまいそうだった。
そしてなおも、むくむくっとその胸は膨らむ事をやめず、圧迫感や膨張感が広がり続けている。今やカナの顔ほど、いやそれ以上に西瓜ほどまでに膨らんでいた
ブラジャーという小さな拘束具から開放された西瓜みたいな大きな胸は、プリンと自己主張の激しい二つの大きな山と、そこから繋がる深い渓谷を形成している。その先にある小さいままの可愛らしい乳首が、さらに山の大きさを強調していた。
その渓谷へ流れ込んだ汗が、肌までしみとおり胸の谷間に妙な気持ち悪さを感じさせた。
それはまるで恵みの雨に潤わされた、つややかな熟れた巨大な果実だった。本能に身を任せることが可能ならば誰もがそのとろけるような瑞々しい果実にそのままかぶりついているだろう。
その二つの果実は張りと柔らかさを兼ね備え、まるでボールに空気を入れるように膨らんでいく。
カナの意思とは無関係に膨らんでいく胸が、彼女にさらに大きな快感を与え続けている。
「あうぅ……気持ちぃ……いぃ……ひゃぅう……でも、だめぇえ」
大きくなった胸に強く感じるエクスタシーを認めたくないと、理性が必死に否定する。だがその胸の快感が脳髄を刺激し、快楽の海に誘おうとしていた。
「やぅ、めええええぇぇんッ!!」
今や胸は7号サイズのバスケットボールより大きな、2Lサイズを超える西瓜が二つ体にくっついているかのような大きさになっていた。
「ぁぁん……と、とめてぇぇぇぇぇッッッ!!!!」
だがまだ、まだ止まらない。
たわわに実っている果実は、まだもぎ取られる時ではないと主張せんばかりに、大きく膨らませ続けている。
止まることなく膨らみ続ける西瓜。いや、もはやパンパンに膨らませたビーチボールだ。そのビーチボールはカナの鼓動にあわせ、ボインッボインッ!と弾みながら、ムチムチと膨らみ張り詰める。だが張り詰められた乳房ながらも、美しく舞踊るかのように柔らかく瑞々しい。
「はう、あぅ、あぁぁぁん!」
内側から外に、泉が湧き出るかの如く大きく膨み続ける熱い胸が、ひんやりとした机の上を蝕んでゆく。
むくむくと膨らむ胸とそこから湧き上がる厭らしい快感に耐えることで精一杯で、体を動かすことさえままならなかった。
「はふぅ……ぁぁぁぁん……」
春の風にされされ乳頭の小さな蕾がピクンと震える。その小さな芽は清らかに膨らんだ胸の大きさをさらに強調していた。
「ひゃぅッ!? あつぅ……ふぅぁ、あああああああああんんんッッ!!!!」
ビクンと震え、敏感に反応する胸。そして胸が急激に熱くなる。まるで胸全体が熱せられ、中の水分が沸騰しているようだった。
その熱くなった胸に、熱を冷やそうとあたかも泉が湧き出るように大量の汗が噴き出し、胸全体が汗に包まれびしょびしょに濡れている。しかし胸全体を湿らせた汗は、胸から込み上げる熱を冷やしながら水蒸気となっていた。
「はふぅッ!」
胸はその水蒸気を激しく巻き上げながらボフンと音を立てるように大きくなる。その膨張を合図に胸の熱も引いていき、汗も止まった。そしてぶるぶると震える鼓動が胸に駆け巡ったと思うと、膨張していく快感はゆっくりと収まっていった。その胸は、机の上から零れ落ちそうなほど大きくなっていた。
「はぁ……はぁ……と、とまったぁ……?」
眼下に広がるのは煙を巻き上げる大きな谷間。そしてそれを作るのは、まるで肌色のバランスボール。そう、数分前までの彼女の小さく可愛らしい胸は、今やつややかで張りのあるとても大きなバランスボールのような胸へと変化していた。燃えるような熱は引いたが、未だに胸は火照り、ぽんわりと暖かかった。
彼女の乱れた呼吸に沿って、二つの柔らかいバランスボールが上下左右にたぷたぷと揺れる。
そのとき強い風が吹き、揺れていたカナの胸を持ち上げた。風によってさらに左右に揺さぶられ、バインと跳ねる。
「いやぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
カナの控えめな一面とは正反対に、勢いよく飛び出したロケットのようなバランスボールおっぱいが、その柔らかさを強調するようにぶるんぶるんと揺れている。
「なッなにこれぇぇぇぇ! やん!」
揺れる胸が、さらにぶるるんとまるでカナとは別の生き物であるかのように跳ね回った。その跳ねる胸を押さえ込もうと腕で抱えると、腕いっぱいに柔らかさが溢れてくる。胸はめり込んでいく快感と共に、その柔らかさが腕に合わせ、包み込むように形状を変えてきた。
「んんぁああん……」
だが押さえつけた胸は大きく弾み、抱え込んだ腕をその弾力で跳ね返す。
「ひゃあッ!? ふえええ!?」
自分の意思とは無関係に机の上で凶暴に暴れ回る胸。
カナは、目の前に広がる勝手に弾む胸を見て、本当に自分の体であることが疑わしくなってきた。
「と、とめてええええええぇッッ!!!」
そのとき荒れ狂うように揺れ弾んでいた胸が、まるで重力を無視するように、ぐぐっと浮き上がった。
「ふへぇ?」
上から引っ張られるように――下から持ち上げられるように――天に向かって重い巨大な山が起き上がる。胸だけがフリーフォールで落ちているような違和感。カナの顔に向けて、凄い迫力で胸の谷間が迫ってくる。
「なにぃ? なんでぇ!?」
襲い掛かって来る胸の谷間に顔がずぶずぶと埋まってゆく。
「ぅぷ……やめ……ん」
乳頭がほぼ垂直になり、天井に向かって、重さを全く感じさせない胸が高々と立っていた。
胸の谷間にうずめられているせいで、まともに呼吸ができなくなっている。しかし顔を動かすと胸に沈んでいくばかりだった。
「ぶぇ!? ばふぅ!!!」
胸の中で何かざわめきだした。そう――まるで乳房という風船に空気を入れられているような感覚――内側から押し広げられる未知の感覚が再び襲ってきた。
その快感を伴う膨張感を封じ込めることができず、宙に浮かんでいる胸が、またぐいんと膨らんだ。そして顔を谷間にうずめたままブルブルと震えだす。
「あ、ばばばばばばば……」
振動が加速し始め、ブブブと激しくバイブする。その中で一際大きな揺れが彼女の顔に鞭打ちするようにバインッ!と襲った。
「んぷぅぁ!」
その大きな振動を合図にして、垂直に持ち上がっていた胸は、勢いよく机にたたきつけられる。
ビターンっと大きな音が教室に響いた。
「つッッッッ!!!!!」
その衝撃で胸はさらに膨らみ、広がった。大きな胸は張り詰めてピリピリしている。
「はあああう…はぁ…はぁと、とまったのぉ?」
胸に広がった膨張感も収まり、呼吸と整えようとする。しかし呼吸をするたびに、確かに感じる、大きく膨れあがった胸。そして目を開くと、前方が見えないほどピンピンに張った机の上を占領する巨大な胸。そんなものを前に心を落ち着かせるなんてことできるはずが無かった。
胸の触覚が遠くまで広がっている違和感。谷間にある胸同士の触覚の違和感。とにかく違和感だらけであった。
だが胸に宿った異常な感覚は全て消えているように感じた。
落ち着きを取り戻しかけた心で、恐れながらも自分の胸に指を押し込んでみる。
「ッッッ!!!」
巨大ながらも、敏感にビクンと震えるカナの胸。むぅにゅうっと沈んでゆく指。押し込めば抵抗されずに、ずぶずぶと埋まっていく。
「ひゃふぅ……」
指を押し込まれていく胸は、その快感を敏感に感じ取る。口から声が漏れ出してしまうほどに。
胸に包まれた指を動かし、むにゅむにゅと揉み込む。指に広がる柔らかさと胸を揉まれる快感。どちらも今まで感じたことの無い感覚だった。
(柔らくて……ああん……気持ち……いい……)
理性さえもその柔らかさの虜にならんとしていた。
そのとき、今までそれどころではなく目に入らなかった周りの目線を思い出し、その大きな胸と自分がしたことに羞恥心が呼び起こされ、煙を噴出し顔を赤く変色させる。
「ひゃぅ……み……みないでよぅ……」
顔をトマトのように真っ赤にして、大きいこの胸をどうしようかと考える。大きくなった原因がカナにはわからず、この胸をどうしたらいいかさえわからなかった。
(でも……これからどうしよぅ……? 保健室、いや病院? まず胸を隠す服がいるかな)
立ち上がり先生に声をかけようと、腰を持ち上げようとする。しかし胸が思っていたよりも重く、思わず胸に顔を押し込むように前のめりになってしまう。
「んんァ……」
うずめた胸から顔を出し、再度立ち上がろうとする。だがそのとき限界まで膨らんだかのように見えていた、見るものを圧倒させるバランスボールおっぱいに、さらなる変化が現れた。
「ひゃう!? ふぁあぁぁん……胸が……アツくてぇぇキツいぃぃ……!」
胸の中心にぐぐぐぐぐぐッと引きよせられ、集まってゆく何か。乳房を膨らませるためのエネルギーが行き場を失い、胸の中に渦巻いていた。
焼き付いてしまう様な激しさを帯び、まるで爆発してしまう様な力とそれを押さえつけようとする力に胸全体が悶え苦しみ始める。すると今にも弾けそうな大きいおっぱいがキュッッ!と引き締まり、こんどは中へ、中へと、締め付けられる。
まるで押さえつけられたバネのようだ。ただでさえ張り詰められたピッチピチの乳房が、はちきれそうでミシミシと悲鳴を上げている。
「ひゃぁぁぁんぁ!」
無理やり押し込められたパッツンパッツンなおっぱいが、鼓動のたび、ビリビリッと胸が痺れ、張り裂けそうになる。
その妖艶な双球が、ぷるんぷるんとやさしく、そして厭らしく揺れる。
押さえ込まれたバネができることはただ一つ。力を放したとき元に戻るため飛び出すことだ。今まさにおっぱいというバネが飛び出さんとしていた。
「だめええええ!!!」
押さえつけられたままで爆発寸前の胸が、ぶるるるるんと小刻みながらも大きく震えだす。
「ひゃ!? いやぁぁぁぁああああ!」
小刻みに振動しているにもかかわらず、大きな胸を媒体に一段と大きい揺れになっていた。その振動で、さらに大きく揺れ、弾み、跳ね回る。
「ひぃぃあぁぁああッッッ!!」
カナは、物理的に張り裂けそうな胸を押さえ込もうとして必死になる。しかしまるで地震のような超振動はどんどん速くなり、その上強く揉まれるようにとぐぐぐぐと締めつけられる。
「んんんぁぁああああああぁぁぁん……!」
その胸が限界まで押さえつけられ、超振動がとまった。
強く強く強く締め付けられて、まるで押さえつけたバネのようにぎゅうぎゅうに押し縮められたおっぱいが、今にも破裂しそうになる。
「んぁああん……くぅぅぅんぁああッ!」
胸の中に渦巻く、押さえ込まれたエネルギーが限界に達している。
「もぅぅ……やめてぇぇぇ……んんんんぁッ!!」
気を緩めると爆発しそうな胸を、がむしゃらに押さえ込み、必死に耐える。
「もうダメェ……」
しかし溢れ出す膨張感を止めることはできなかった。
胸のオーバーフローがおき、胸の内側から外へ広がろうとする力がこみ上げてくる。
胸に光が収束し神々しく輝いた。
「や! やめてぇぇぇぇ!」
止められない膨張感を押さえ込もうと理性がもがく。
光が点滅し、もぞもぞと震えるおっぱい。
「ぃぃ嫌あああああああ!!!」
振動が加速していく。高速でボヨヨンと弾む胸。
腕全体で抱え込むが、その弾む胸は腕ごと上下に揺らし、悪あがきにしかならなかった。しかし諦める事無く死に物狂いで暴れる胸に抵抗する。
「だぁぁめぇぇぇえええええええええええええッッッッ!!!!」
だが、胸は弾けた。
限界に達した胸は、ボッイイイイィィィィィンッと破裂するように、弾丸が飛び出す勢いで一気に膨張した。まるで開放された胸がその本来の大きさに勢いよく戻ろうとするようだった。急激に膨らんでいく胸に一気に溢れ出す強いエクスタシーが駆け巡った。
前の席の女子は押し飛ばされ、周りを巻き込み倒れてしまった。
幅700o奥行き500oの机の上から思いきり飛び出し、特大のアドバルーンが2つ乗っている。少なくとも体育倉庫にある大玉よりは大きいだろう。小さな乳首など、もう何処にあるのかわからないぐらいだ。
あまりにも大きい胸。それはまるで重力を無視するようにとても美しい球体を保っていた。
「あううううん」
一気に膨らんだ快感に、カナの脳内はパンク寸前だった。
カナの意識を越えた胸がバインとうなるように大きく弾み、3M以上、いや4M近くはあるだろうバストが自己主張してやまない。
その常識の範疇を軽く超えてしまった大きな胸は、つややかで、張りがあり、柔らかい。
それはまさしく芸術と言っていいほどの美しく大きなおっぱいだった。彼女の胸を見た誰もが美術館に飾りたい、そう思ってしまうほどに。
しかし神々しく輝いているように目に映る、その美しくも圧倒的な双球に、まるで蛇に睨まれた蛙のように畏怖され教室中が身動き一つできない。非現実的な物体を前にした未知への恐怖だといってもいい。そのとき多くの男子が、柔らかそうな未知の物体をこの腕いっぱいに掴むため、恐怖を振り払おうと頭の中を掻き回していた。
そんな中、急膨張する胸に押し飛ばされた前の席の女子が立ち上がる。だが吹き飛ばされた際に頭を強く打ったのか、体のバランスをとることもままならなかった。ふらつき、巨大な胸に腕を突き出して、倒れこむようにもたれ掛かる。むにゅうと指から胸に沈んでいき、腕を、そして上半身を大きく柔らかい乳房に身を任せていく。胸は女子を包み込むように素直に形を変えた。女子の上半身がずぶずぶと胸に埋まっていく。その女子は暖かい胸の鼓動、全身が包み込まれるような柔和な感覚を感じた。上半身がおっぱいに包まれうずもれるその光景に多くの男子が嫉妬してしまう。
「はううううううぅぅ!」
敏感に感じて、女子を包むように変形する大きな胸に刺激が走り、カナの頭は一瞬の間快楽に溺れかけた。
その瞬間、一気に元の形に戻るように胸が勢いよくバインと飛び跳ね、その弾力で女子を山形に吹き飛ばす。女子の体は宙に舞い、机を巻き込みガラガラと大きな音を立てた。
歯を食いしばり、恐怖からの支配を逃れようとしていた男子の脳内に、レッドアラートが響きまわった。あのグワングワン揺れている大玉より巨大な胸に触るのは危険だという暗黙の了解が成り立った瞬間だった。
「はぁぁぁぁぁぁん……」
静寂の中、大きな胸が揺れているカナの喘ぎ声だけが教室に響いていた。