授業も終わりグラウンドでは部活動で皆汗を掻いている時間、長く静かな廊下を三人が並んで歩いていた。
その中でも中央の女子は、高校生とは思えないほどの爆乳であった。
美しい丸みを帯びたバスケットボールが胸から二つ突き出している。制服の上でもくっきり形がわかるぐらいに。
足が交差するたびに大きなおっぱいはぶるんぶるんと元気に弾んでいる。大きさ、揺れ方と共に現実味が感じられないほどであった。
両隣の二人の胸が小さいだけに余計にその大きさを強調させていて、それはまるで平原にそびえたつ双子山。
そんな誰もが目を引く爆乳の持ち主、梨奈が口を開いた。
「じゃあ、葵。後でね」
腕を挙げる小さな動作をしただけで、おっぱいはぶっるんと縦に揺れた。
「先行ってるよ」と左隣にいた美咲が続く。
「うん。愛美とすぐ行くから」
二人に比べて小柄で胸も小さい葵は、いくら友達とはいえボインボインと揺れるおっぱいと並んで歩くのが惨めに思っていたので、別れられるのは好都合だった。
二人と別れた葵が向かった先は、放課後となり人気の無い教室。友達である愛美に、面白いことやるから後で来て、と言われたのだ。
どうせ大したことしてないんだろうと思いながら、扉を引き中へ入ると、机が隅にどかされ中央には模造紙が大きく広げられていた。
「……愛美。なにやってんの?」
模造紙の前に愛美は本を持って立っていた。
「ようやく来たわね。なにって言われても召喚術にきまってるじゃない」
「さも当然のように言われても……。で、召喚術? 何それ」
「すごいでしょ、図書館の奥にあったの」
愛美は、手に持っていた擦り切れた本を開いてみせた。
「胡散臭いよ。なにそれ、きっとゴミだよ」
「ひどい言い様ね。やってみる価値はあるでしょ。あとは塩酸をかけるだけ」
模造紙には大きく描かれたエルダーサイン。
「ありきたりだね。でもなにがでてくるの?」
「よくはわかんないけど、これで出てくるのは低級モンスターらしいわよ」
「モンスターって……」
「まあいいじゃない。じゃあいくわよ」
「はいはい。ご勝手に」
友達の奇行に興味もなく、信じてもいない葵は無関心そのものだった。
愛美は科学室から持ってきた塩酸を星の中央にかける。
するとその星の中央から淡い光が漏れ出した。
「嘘!? なになに!?」
「ほら、本物じゃない」
その光は強まり輝きを増していき、星から床をすり抜けるように、まるで筍が生えてくるようにそれは現れた。
「な、何これ……」
葵は目に映るありえもしない現実に戸惑いを隠せなかった。
光が収まり、現れたものはバスケットボールほどはある肌色の丸い塊。
それは太陽の光に晒され、金色に輝いているようにも見えた。
「……多分スライムよ」
「これが?」
のっぺらぼうにも見えなくも無いその球体はプルプルと震えていた。
生きているのかさえわからない未知の生物とはいっても、おとなしく、逃げる様子は無かった。
「でも成功よ、成功」
好奇心から愛美がそのスライムを人差し指で突く。
するとむにっと指が沈んだ。
「凄い、柔らかい」
ツンっと突くたびに、まるでさらに盛られたプリンの様にプルルと震える。
思い切って手を押し込む。
すると指はむにゅうと柔らかく沈んだ。
「柔らかくて気持ちいい。ん、なんてゆうか、人の肌みたい。ぷるぷるでもちもち」
「なんだそりゃ。でもおとなしいね、生きてるの?」
「きっと……でもこいつ、どうしよう」
「……さあ?」
自分で呼び出しておいて……と呆れる葵。
「でも私関係ないからね。そんなのきょーみとかないし」
葵は教室から足を速めて出て行ってしまった。
「ちょっと、葵! まったく、ちょっとは協力してもいいじゃない」
模造紙が広げられた教室に一人? 残された愛美。
胸の前で両手に包まれているスライムがいきなり跳ねた。
「っわ」
逃げるように飛び跳ね、駆け回る。
「やば! ちょっと、ちょっと待って!」
ぷるぷると震えるそれを追いかける。
前に逃げるスライムは、愛美に追いつかれそうになったとき後ろへジャンプした。
「きゃ!」
その急な方向転換に体が追いつかず、愛美は足がつまずき右斜めに倒れ込んでしまう。スライムがいるその先に。
むにゅう!!
スライムにボディープレスが見事に決まる。
柔らかいものを胸で潰す感覚。
「んんんぁ!」
その柔らかい感覚は、違和感へ変わる。
まるで胸に何かが入り込んでいく感覚。
「あぅ……ふぁぁ!」
急に胸が輝く。
その瞬間、電撃にも似た衝撃。
そして中からグイグイと押し出され触覚が広がる不思議な感覚。
柔らかい何かが床にむにっと押し付けられていく。
永遠に近い時を感じ、ようやく未知の感覚は収まった。
しかし胸の違和感は消えなかった。
起き上がり胸を見る。
そこには普段より重く、ぶるんと揺れる何かがぶら下がっていた。
それはグググとブラウスの中につめこめられたおっぱい。
「な、何これぇ!」
左右の胸が盛り上がり、パンパンに張りつめている。
彼女の膨らみがぎちぎちとブラジャーを持ち上げ、制服の中で所狭しともがいていた。
そのバストは100を超えているだろう。
「きつい……」
制服の上からおっぱいに触れてみる。
もにゅ。
「柔らかい……」
スライムに触れたときに感じた柔らかさに似ていた。
「私のおっぱいが、こんなに大きくて柔らかいなんて……」
愛美の胸はバスケットボール分はあった脂肪の塊、その質量分膨らんでしまったのだ。
「まさか、スライムが」
嫌な焦燥感が頭を駆け巡ったそのとき、おっぱいは小刻みに震え始めた。
「あぅ? きゃぁ! な、なに」
振動がどんどん加速していく。
おっぱいはまるで携帯電話のバイブのように震えている。
ブブブブブブ!!!
「ひゃ、あああああん!!!」
「何なのあれ……」
廊下を逃げるように歩く葵。
興味がないように振舞ったが、実際は気味が悪くて逃げたのだった。
(本当に召喚だなんて……信じられない……)
すると廊下の曲がり角から目の前には見たことのある、というより今考えていたばかりの肌色の球体が飛び出してきた。それも2匹。
「ちょ、え!? ふ、増えてる!?」
それはぶるっと震え、弾み、迫ってくる。
目の前の未知の生命体の行動に、恐怖以外の感情は消えていた。
「い、いやあ!」
地面を蹴るかのように弾み、葵の胸に飛び掛る。
「ちょ、ちょっと! ひゃ!」
スライムと、小さな胸が激突する。
ポヨンっと柔らかい衝撃。
「ひゃああ」
それだけではなかった。
スライムが胸にスポンっと吸い込まれたのだ。
「な、何!? んんぁああ」
ほんのりとした暖かい光が胸を包み、感じたこの無い感覚が胸を支配する。
その溢れでる感覚にピクッピクッと反応し、おっぱいがムズムズしてしまう。
「やめ、てぇ」
ビクン!
「はう!」
胸に稲妻が奔る。
「や……胸が……前に、飛び出る……!」
そして胸がぶるるっと動いたと思った矢先に、
「はうぅぅぅぅん」
小さなおっぱいがグンッと一気に膨んだ。
衣服を貫き、空気を裂くように飛び出した双球。
おっぱいがバズーカのように前に飛び出た反動で後ろに押され、尻餅をついてしまう。
「きゃあ」
衝撃で、バスケットボールよりも大きいおっぱいがぶるんと激しく揺れる。
「あぅ」
目の前で揺れるおっぱいを見た葵は、梨奈の胸より大きいかなとか頭に過ぎったが、恐怖にも似た焦りがその思いを掻き消した。
前方に綺麗な曲線を描いて突き出されたそれは明らかにスライム2匹分よりも大きかった。
揺れは収まる事無く、さらに激しくぶるんと弾むおっぱい。
それはまるで生きてるようだった。だがそれも当然である葵は、スライム――生きる脂肪の塊と融合してしまったのだから。
慣れない胸が大きい不思議な感覚に戸惑う。
「ひゃぅ!」
おっぱいが落ち着きを取り戻しかと思うと、ビクンと脈打つ。
プルンプルンでモチモチとしたおっぱいが、ブルブルと震え、グニグニうごめく。
「なんなのこれぇ!?」
ブルンブルン!
生を受けた葵のおっぱいは、上下左右へ行ったり来たり激しくかき回される。
「と、とまってええ」
生きるおっぱいによって、葵はめちゃくちゃにされてしまっていた。