私、膨乳します!(リメイク版) 第1話「膨乳と私」

原作・シリーズ構成 baku
演出・脚本 ハリナ
イラスト 藤原恭介
Copyright 2015 by baku and Harina (story)
Copyright 2016 by Kyosuke Fujiwara (picture)

    ――――――膨乳――――――
――――それは胸が急激に成長すること――――





五泉 美里(ごせん みり)は大きな乳房、そして膨乳を異常なまでに愛する女性である。
大きく、そして美しい乳房は好きだ。
しかし彼女は、乳房が目に見える速さで大きさが変化している瞬間こそが最高だと考えているほど、膨乳のことで頭がいっぱいだった。
膨張した結果よりも、している過程が重要なのだ。
もちろん、膨乳なんて空想上の現象なのだから、日々中二病的な妄想世界に入り浸るだけなのだが。
今も暇さえあれば様々な膨乳シチュエーションを頭の中で思い描いては、現実化してほしいと願っている。
自分の胸が大きくなる妄想なんて何度したことだろうか。
胸が小さいことがコンプレックスなのもその妄想に拍車をかける。
それは男の子が変身ヒーローに憧れ、真似をするのと同じような、彼女の巨乳に対する変身願望の表れだった。


力強く一気に膨乳するのもいい。
優しくだんだんと膨乳するのも捨てがたい。
ああ、一度でいいから自分が膨乳してみたい。
その思いは日に日に増していくばかり。
「ああ、私の胸。もっと、こう……ぐーんと大きくならないかな」
呟いては空に掻き消える彼女の言の葉。
膨乳、それは女性のシンボル、象徴が限りなく大きくなってゆくロマン。
しかし、それはかなわぬ夢だと、『あの時』までは思っていた。

『あの時』までは……





ある日の昼過ぎ頃。
美里は近場の河原で友人の千代 柔華(ちよ にゅうか)と待ち合わせをしていた。
そこは無駄に広いが、辺りには特に何もなく、人も来ないため美里がよく待ち合わせに使っている場所だった。

「……遅い」

しかし時間になっても柔華はなかなか来ないため、爪先で地面を叩きながら美里はむくれていた。

「いつも早過ぎるくらいなのに」

すると突然、背中のほうから女性の悲鳴が耳に入ってきた。

「何!?」

悲鳴が聞こえた方向に振り向くと、それまで彼女が妄想してきたシチュエーションをはるかに超える光景があった。
最初に目に入ってきたものは、十数メートルほど離れた位置に空中に浮かんだ、直径数メートルはあろうかという巨大な左右の乳房。
更に異様なのは、それが『乳房だけ』の存在だからだ。
身体の本体がどこにも見あたらず、乳房だけが本体から切り離されて、ブリンブリン揺れながら空中に浮かんでいるように見えた。
そこで美里は一度思考が停止し、数秒遅れてようやく悲鳴を上げたのが柔華だと理解した。
辺りに人もいないため、この事態を見ているのは二人だけ。
しかし二人とも目の前に突然現れた只々異様な光景に動くことはできなかった。
そして、ゆたんゆたんと大きく左右に揺り触れる乳房は、今まさに近くに居た柔華に狙いを定めた。
宙に浮いた超々乳の影響か、柔華の豊満な膨らみがプルプルと震える。

「んぅ、胸が!?」

「柔華!?」

超々乳はぶるんぶるんその身を弾ませると、見えない何かに力強く揉まれるように、球体から柔らかく形を歪ませた。
そして強く押し込まれるように、ぐっ、ぐっ、ぐっ、と一回りずつ縮んでいった。
柔華の乳房と同じ大きさまで縮んだところで、空飛ぶ乳房は柔華の胸に一直線に向かっていった。

「き、来た!? きゃぁっ!!」

突っ込んできた乳房と、柔華の胸が激突した瞬間、ムニュッとした柔らかい感覚に胸を支配された。
乳房が押し込まれるようにも、柔華の胸が吸い込んでいるようにも見えるように、乳房は衣服を透過して、柔華の胸にズポンッと入り込み、一体化してしまう。

「あっ……あっ、あぁぁぁぁっ!」

めり込むように彼女の胸と重なった乳房は、胸の中で混じり合っていく。
胸に染み込んでいくそれは、自分の胸だけ、自分の体ではない不思議な感覚とともに柔華の胸をムズムズと蠢かせた。
そうしていくうちに柔華の胸ともぐりこんだ乳房の境界線が消えようとしていた。
あっという間に、自分の乳房だったものと空中に浮かんでいた巨大な乳房だったものが完全に融合してしまった柔華。

「今、一体何が起きてるの……?」

そしてそれを、驚きのあまり何もできずにただ見ているだけの美里がそこに居た。
しかし驚きはまだ終わらなかった。
突然柔華の服の胸元が、胸の谷間がちらりと見えるぐらいに内側から裂けた。

「え……? きゃっ!」

柔華の胸の奥でビクンと響き、瞬間いきなり胸が上に向かって跳ね上がると、どこからか現れた黒煙のような黒い光が柔華の近くの空を覆うように集まっていく。
そこまで広がっているわけではないが、代わりにかなりの密度があるだろう。
柔華の周りを黒い靄が覆った。
そして集まった黒い光は一条となって服の破れた部分、胸の谷間の中へと一気に押し寄せる。

「きゃああああああああああああ!!」

ギュイイイイイイイイ!!!
胸の谷間に突撃していく黒い光線を柔華の胸が、いや、柔華の胸と融合した乳房がどんどん吸収していく。
そしていつの間にか、黒い光が谷間に入っていくのではなく、谷間のほうが光を吸い込んでいた。
ギュオオオオオオオオオオオッ!!!
今や辺りのそれを、自ら圧倒的吸引力で激しく吸い込んでいく胸の谷間。
まるで胸の谷間がブラックホールとなっていた。
吸い込むうちにまるで竜巻のように荒げた光の渦を取り込んでいく。

「ああああああああ、ああああああっああああっあああああ!!!!!」

辺りを覆っていた黒い光を全て飲み込んだのか、渦の中心だったところから姿を現したのは、光が集まってできたバスケットボールほどはあらんとする黒い球体。
谷間はそれを吸引して引きよせ、飲み込もうとするが、サイズの差があって胸の谷間に詰まり入らない。
胸の上にバスケットボールを載せているような感じだった。

「あっあっあ……ああっ」

乳房のような柔らかさを持った黒い球体は柔華の胸とグニグニと押し合うが、谷間の吸引力によって形が歪み始め、

「ああうっ!!!!」

ズポンッ!

胸のサイズより大きい球体が、勢いよく胸の谷間の中に吸い込まれた。
黒い光を完全に吸収することで、柔華に膨乳欲を植え付けられ、それが徐々に柔華の心を蝕んでいく。
球体を丸飲みした柔華の胸はブルルンブルルンと前後上下に何度も弾んだ後、ドクン、ドクンと乳房が巨大な心臓のように拍動し始め、それに合わせるように黒い光が点滅を繰り返し始めた。
その鼓動が徐々に速まっていき、
ブルンブルンッ!
ブルブルブルブルッ!
ブルルルルルルルルルンッ!
揺れがどんどん激しくなっていった。
現実の物理法則ではありえないような動きを見せる。
揺れは加速していき、ついには揺れではなくすさまじい勢いで震えているようになった。
胸を震わせ、体をうねらせる。
ブブッブブブッブブブブブブッ!
黒き点滅と震えが同期して速くなっていく。
高速で震える胸に対して、腰をくねらせて悶えている。
それは胸から飛び出さんとする何かを抑えているようにも見える。

「もうだめぇ……いや、嫌……」

柔華の精神は限界に達し、そして膨乳欲が柔華を支配していた。
微かな理性が抵抗するが、耐え抜くことはできなかった。
暴れながら高速点滅する胸がビクンと激しく震えた。
そして胸の暗黒がスパークし、柔華が身体を反らして丸みを帯びた胸を突き出した瞬間、

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

まるでバズーカでも発射したかのような衝撃を放つと同時に、上半身の衣服が音をなして一瞬で弾け飛び、その中から現れたのは一気に巨大化した肌色の双球。それは猛烈な勢いであらゆる方向に迫り出し広がっていく膨乳中の乳房だった。

「きゃぁぁぁぁっ! な、あれ! 膨乳!?」

突然の衝撃に吹き飛ばされそうになりながらも、目に映った現実に驚く美里。



「いやぁぁ、いや、いい! 気持ちいい!! もっと!!! もっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

頭の中が膨乳願望で溢れ、更なる膨乳を求めてしまう。
一瞬で脇を隠した勢いは衰えることはなく、さらに加速。その胸はすぐに臍を隠し、膝までも隠して、柔華の視界の大部分を占めながら一気にその体積を拡大していく。
ムググググググググッ!!!
互いに押し付けあいながら膨らむおっぱい。
膨らみ続ける胸は、ドタップンッと一回り大きくなった。
ものの十秒ほどで、柔華は空中に浮かんでいたときの乳房とほぼ同じ大きさの超々乳まで膨乳してしまった。
「いや、さっきよりも少し大きくなっている!」
しかし、乳房の大きさの変化に敏感な美里はわずかな変化も見逃さなかった。

「すごい……すごいわ!」

超々乳と化した乳房の先端部分にくっついているように見える小さなぽっちが打ち震えていた。
乳にもたれかかった柔華が悶えると、

「うんぅぅぅぅ!」

モゴゴゴゴ!
人差し指サイズだった乳首が中から押し出されるかのごとく広がっていき、数秒でドラム缶サイズまで大きくなった。
巨大な乳房だったものと融合して超々乳化してしまった柔華は、その快楽に溺れきっていた。
身体の本体を自分の超々乳に預け、両腕と両足を押し付ける。
ムニィィィィ!! ムギュゥゥゥゥ!!

「いいぃこれ! もっとぉ」

乳房に飲まれ埋まっていく四肢。

「……これこそ私が求めていた膨乳だわ……でも」

今見てるものが本当に現実なのか、夢なのか美里には判断することはできなかった。
ずっと想像し続けて来た膨乳がこの目で見れたのだ。あふれ出る興奮は抑えられない。
しかしなにかが違うと心の奥底が否定していた。
感じられるのはどす黒く、不気味なもの。
今の柔華は四肢を大の字に広げて一心不乱に自分の超々乳の背面を刺激し続けている。
理性を保てず、乳の海に溺れた友達。
それを見ていると、胸の高まりが不安にと変わっていく。喜びでない感情が胸に溢れてやまなかった。
膨乳によって友達が壊れていく恐怖が襲い、その場に崩れ落ちる。

「違う。こんなの、こんなの……」

美里は土をえぐるように拳を握りしめていた。

「なんで……なんで!? 私がいつも膨乳なんて夢見てたから!? ならどうして柔華なの!?」

美里が憧れたものとは違う膨乳によって柔華がこんなことになったことが許せなかった。

「どうしたら、いいのよ……!」

しかし彼女には何もできない。
目から溢れた涙が頬を伝って零れ落ちた。

「どうしたら助けることができるのっ!?」






その直後、美里の目の前に何かが突然姿を現した。

「な、なに?」

光の粒子を纏って目の前に現れた『それ』は、肌色のスーパーボールほどの球体が二つくっついたもの。
『それ』は、大きさこそ小さいが、まさしく空中に浮かんでいる左右の乳房だけの存在。
次の瞬間、ぐぐんと前に飛び出すように膨らみ始めた。
手で鷲掴みにできるほど――普通の人間に付いている程度のサイズまで大きくなった。

「ま、また空飛ぶおっぱい!?」

しかし、『それ』は柔華の時と同じように胸に入り込もうとはせず、柔華を襲ったものとは明らかに違った。
そして『それ』はその身を震わせて美里に語り掛けてきた。

「膨乳を心から愛する者よ、私に君の力を貸してほしい」

「ッ!!……お……っぱいが、しゃべった!?」




――――――続く






次回予告!
現れた空飛ぶおっぱいは私に力を貸してって言ってるけど、一体どうすればいいの!?
え? 膨乳? ほんとに膨乳して柔華を救えるのね? わかったわ。
『私、膨乳します!』
次回、「大膨乳! 超々乳ヒロイン爆誕!!」に
ビー・ギガンティック!